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Author:人生まだまだ
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秋の野に咲く、貴重な植物

山林の中を歩いていると、CAP(帽子)に何かが当たったと思った瞬間、足元に『ドングリ』が転がった。良く見ると、袴を付けた『くぬぎのドングリ』だった。そうかここはクヌギ林だった。足元を見てさらに発見、山杜鵑『ヤマホトトギス』の花を見つけた。先日見つけた『タイワンホトトギス』の様な派手さはないが、自生する貴重な植物である。そして、今朝は嬉しい事に、この季節に咲く二種類の花に遭遇することが出来た。クヌギ林を抜けて、丘陵の崖淵で、辛菜升麻『カラシナショウマ』を見つけた。やっと咲き始めたようで、所々に白いマンサクに似た様な花を付けていたが、まだ蕾の方が多かった。全ての花が全開すると、円柱状の白いブラシの様な形になる。また、辛菜升麻を見つけた足元の湿った場所で、黄花秋桐『キバナアキギリ』を見つけた。淡い黄色の花を数段に付けていた。花から紫色したものが伸びているものは、雌しべである。帰りの道端で、コナラのドングリと、コブシの実を拾ってきた。

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ヤマボウシの甘く熟した実を食べながら野道を行く

空気が澄んで気持ちの良い朝になった。しかし、長雨が続いたせいか、林の中は、まだ湿ったままだった。丘陵の坂道には、雨で流されて溜まった落ち葉が、あちこちに塊になって残っていた。薄暗かった林の中に木々を通して朝陽が射し込んできた。林は生き返ったように爽やかな明るさを取り戻した。しばらく聞こえなかったセミの鳴き声が、過行く季節に、おのれの残された儚い命を感じるのか、力の限りに鳴いているように感じた。林を抜け、杉の木立が並ぶ丘の上まで登って来ると、すでに陽は高く上がり、眩しい陽射しが、秋を語る草花に投げかけていた。天気不順に、なかなか色づき、実らなかった山法師『ヤマボウシ』が、やっと熟した実を枝いっぱいに鈴なりにしていた。枝から数個摘み取って、味わいながら歩いた。ねっとりとしたマンゴーに似た甘みが、味覚を刺激した。秋は季節の中ほどまで歩いて来ていた。

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金木犀の甘い香りに足を止められて

歩き始めて20分程した頃から湧き出した霧に、あたり一面が包まれた。50m先が見えない程白いスクリーンが引かれてしまったが、1.5時間ほど歩いているうちに、薄くかかっていた雲を押し分ける様にして、太陽が顔を出すと、どんどん霧は薄れて行き、青空が広がって行った。緑の柔らかな人参の葉で、畑を埋め尽くしている先に、こんもりと繁る森が見える。歩いて行く後を追いかけて来たように甘い匂いが香る。振り向いて見たが、香りを放つ主の花は見つからなかった。しかし、鼻腔を刺激した甘い香りは何かと、後戻りして見つけた。銀木犀『ギンモクセイ』だった。葉の陰に隠れるようにして、枝にびっしりと小さな白い花を咲かせて、甘い香りを放っていた。『楸』木へんに秋と書いて、何と読むか分かりますか。新芽が鮮紅色で、葉が柏の葉に似ている所から、赤芽槲『アカメカシワ』と呼ばれている木がある。そして、古名を楸『ヒサギ』と呼んでいると言うことを知った。楸との出会いで、ふと、思いついたことがあった。木へんに春夏秋冬があったことだ。木へんに春『椿つばき』、夏『榎えのき』、冬『柊ひいらぎ』は、知っていても、楸を知ったことは、私にとって発見だった。

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虫たちが活発に動き回っていた。

虫たちが、活発に動き回っていた。アキアカネが、秋空を気持ちよさそうに飛び回る姿は、とても目立つのだが、今朝見つけたトンボは、小さいうえに、透き通った羽でふわふわと飛ぶイトトンボだった。良く見ていないと見逃してしまほどか弱いトンボだった。また、お洒落な虫を見つけた。ヤマトシリアゲムシと言う、古生代の化石の中から見つかっている原始的な昆虫で、生きた化石とも呼ばれている虫である。名前の由来は、腹端の部分をサソリの様に巻き上げている事から付けられたと言う。背面が黄緑色で、前胸背に三個の黒斑が正三角形に配した特徴の虫、褄黒大横這『ツマグロオオヨコバイ』を見つけた。褄黒とは、着物の褄(ツマ)とは、裾(すそ)の事を言い、羽の先端が黒いのをそれに似せて付けた名前だった。泥蜂と土蜂、同じ蜂のように思われるが、泥蜂は狩り蜂で巣を泥でつくり、獲物を巣穴に取り入れ卵を産み付ける。また、土蜂は寄生蜂で土中のコガネムシをピンポイントで見つけ、虫に卵を産み付けると言う違いがある。過程は違っていても、共通の部分は、卵から孵った幼虫は、両者とも肉食であると言うことだ。身近に怖い蜂がいた。

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初めて出会う動植物に心躍らせて

本来なら、台風一過は、秋晴れの上天気と約束されていたはずなのに、台風12号のもたらした悪天候は、愚図ついたままの状態で、憂鬱な朝が続いていた。秋の七草を飾り、月見団子に実りの果物を添えて、月を愛でる15夜(中秋の名月)の行事も近づいている時、はたして満月を望むことが出来るのだろうか。ちなみに、今年は10月1日が十五夜である。我が家では、ささやかながら、毎年やっている事だが、現在、十五夜の行事をしている家庭はどのくらいあるのだろうか。林の中を歩いている時だった。ヤマホトトギスや、ヤマジノホトトギスの花とは違った、始めて見る珍しい杜鵑草『ホトトギス』を見つけた。帰路は、気持ちが浮き浮き高揚していた。帰宅して早速ネットで検索してみると、台湾杜鵑草『タイワンホトトギス』と言うことが判った。70数年暮らしてきても、始めて見るもの、始めて知った事、初めて経験するものの新鮮さ、その反面、如何に知らないことの多さに驚く。

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真っ赤な彼岸花が、田んぼの畦を飾っていた。

今朝は、歩き始めてすぐに強風に煽られた霧雨が、体に絡み付き、全身びしょ濡れになってしまった。真っ赤な彼岸花『ヒガンバナ』が、田圃の畦を飾っていた。この花は、季節と約束でもしているかのように、秋の彼岸になると、突然地中から花芽を出し、赤い花を咲かせるので驚かされる。中国原産のこの花は、畦や道端、墓場、堤防など、日当たりの良い場所で見かける。また、彼岸花は、別名、曼殊沙華『マンジュシャゲ』とも呼ばれ、仏教の梵語で『赤い花』という。そして、球根には毒があり、人為的に墓地や田の畦に植え、田を荒らすネズミや、モグラ、虫など、墓地は、土葬後、死体を動物に荒らされないようにと考えていたようだが、定かではない。我が国では、一般的に彼岸花『ヒガンバナ』と言っているが、別名で、曼殊沙華、リコリスなどと呼ばれているが、リコリスは学名、彼岸花は和名、曼殊沙華は別名ですべて同じ植物なのです。なぜか彼岸花は、いろいろな呼び名で迷信が作られているため、死を連想させる暗いイメージがあるようだが、仏教の経典には、『天上の花』、『赤い花』と書かれてあり、めでたい事に付けられた呼び名である言われている。赤、白、ピンク、どの花を見ても華やいだ美しい花である。今日も一日中、愚図ついた雨模様だと言う天気予報を聞き、うんざりした。

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台風12号は、千葉県沖の東海上を進んでいた。

台風12号は、千葉県沖の東海上を進んでいた。昨夜から降り出した雨は、今朝も止まずにいた。小降りになった頃合いを見て、ウォーキングに出た。吹きつける強風にビニール傘が煽られ、何度もお猪口になったが、壊れることは無かった。風に飛ばされてきたトンボが、助けを求める様に傘に貼り付いた。羽がすっかり濡れて、飛べそうになかったので、捕まえて、被っていたCAP止まらせて歩いた。雨は時折、思い出したように、強風と共に襲って来たので、もう下半身はびしょ濡れ、靴下を通して靴の中まで沁みてきた。ぬかった道の脇に咲く彼岸花は、雨に打たれ、風に煽られて、みじめな格好で項垂れていた。嵐の日は、被写体を求めても、何処此処も灰色の景色、その上カメラのレンズを濡らしたくなかったので、神経を使った。ふと、CAPに止まらしていたトンボを思い出して探したが、また風に煽られて吹き飛ばされてしまったのだろう、すでに姿はなかった。必死に生きているトンボの無事でいる事を祈った。風は強かったが、雨は小止みになっていた。

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小雨の降る、どんよりと曇った朝に

天気の悪い日は、羽のある蝶やトンボなどの昆虫は飛翔することは少ない。特に雨降りの日は、滅多にお目にかからない。羽が濡れると、飛べなくなり、動きが鈍くなるので、捕食種に襲われるからだ。今朝は、林の中の道を歩いていると、黄揚羽、黒揚羽、青筋揚羽などの大型の蝶の姿は見つからなかったが、止まっていても、ちょっと見落としてしまいそうな地味な蝶が何匹か見つかった。アゲハチョウのように優雅に飛ぶものは無く、フワリ、フワリと飛ぶ三筋蝶や、パッパッと小刻みに羽を畳むように飛ぶヒカゲチョウやジャノメチョウ、セセリなどであった。葉の上でじっと動かず止まっているアカボシゴマダラ蝶を見つけた。さすが、アゲハチョウは目を引く美しさがあった。また、近くで、赤い斑点がないゴマダラチョウも見つかった。今朝は、林の中の蝶を追いかけてみた。

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秋晴れの爽やかな朝を迎えた。釣舟草が風に吹かれゆらゆらと揺れる。

2,3日はっきりしない天気が続いていたが、今朝は、青空が広がる、秋らしい気持ちの良い天気になった。この天気も、今日一日だけの様なので、ウォーキングを充分満喫して帰って来た。町の一番高い場所を国道296号線が走っている。そして、国道に沿って、林が切れて、遠くまで見通せる場所にコンビニがあり、その駐車場が私のお気に入りの場所であった。空気が澄んでくる季節には、筑波山が、そして北風が吹く寒い季節には、雪を被った日光連山が見えるからだ。今朝は、丘の上に立つ赤白に塗られた高圧送電線の鉄塔がそびえたつ先、印旛沼の上空にむくむくと沸き立つ白い雲が、青空にくっきりと映り込んでいた。今の季節、谷津田の中の湿地帯では、釣舟草『ツリフネソウ』が咲き始めた。茎の先端から花序が伸び、そこに赤紫色の横長の帆掛け船に似た花が、吊り下がる様に咲く風変わりの植物だ。花の尻尾の渦巻状の所に蜜があり、蜜を求めて来る虫が花の中に入ると、受粉する仕組みになっていた。

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こんな秋の実りもあった

今朝は、日頃馴染みのない植物の果実を探しながらウォーキングを楽しんできた。道端の足元で見つかるものは意外と少なかった。ほとんどが、上を見上げて見つかるものが多かった。まずは、赤い苞の中から黒い実が飛び出した権翠『ゴンズイ』、そして、ゴンズイの木に絡みついていた青葛藤『アオツヅラフジ』、次に、早くも葉が色づき始めている櫨『ハゼ』、そして、クルミの様な形の実を付けた扉『トベラ』、また、日当たりの良い崖の斜面では、洋種山牛蒡『ヨウシュヤマゴボウ』、猿捕茨『サルトリイバラ』、屁糞葛『ヘクソカヅラ』を見つけた。一見すると、アオツヅラフジと、サルトリイバラの果実は、巨峰やマスカットのブドウのようにも見えた。幾つご存知でしたか。

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