ヘンリー・クラビス 私の履歴書(16)日本の未来
KKR共同創業者兼会長
「今30歳だったら日本で仕事をする」。ジョージ(ロバーツ共同創業者)が話している。私もそうしたいと思う。
どの国でもそうであるように、日本も完全ではない。例えばどこか島国的で、歴史的には多様性を欠いてきた。
もう何年も前の話を紹介しよう。大手銀行の幹部100人を集めた場で講演し、壇上からの景色に驚いたことがある。性別や国籍の多様性がなかった。「国際的ではありませんね」と感想を述べた私に、銀行の会...
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米投資会社KKRの共同創業者兼会長、ヘンリー・クラビスさんは企業買収ファンドの仕組みを1970~80年代に創り、発展させました。それからほぼ半世紀。業績が低迷する企業を再生し、さらには市民も一緒になって繁栄する資本主義の実践に力を注いだと振り返ります。派手な買収で付いた「野蛮人」というレッテルに苦しみ、私生活では19歳の長男を事故で失うなど必ずしも順風満帆ではありませんでしたが、共同創業者でいとこのジョージ・ロバーツさんとの二人三脚でKKRの事業を育ててきました。その原点は祖父が米国に移民して以来続く「助け合う」家風を企業経営に生かしたところにあると記します。世界的に著名な投資家の言葉は、今まさに成長を迫られている日本経済にもヒントを与えるでしょう。