ヘンリー・クラビス(KKR共同創業者兼会長) 私の履歴書(1)二人三脚
これからお話しするのは、いとこであり家族であり、大の親友であるジョージ・ロバーツと私が歩んだ80年の歴史だ。ジョージがいなかったら私の人生は異なっていた。「私」と書いてあっても「私たち」と置き換えてほしい。そう、「私たちの履歴書」だ。
私たち2人は1976年、買収ビジネスの先輩であるジェリー(ジェローム)・コールバーグとともに、投資会社KKRを米国で興した。コールバーグ・クラビス・ロバーツの略称...
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米投資会社KKRの共同創業者兼会長、ヘンリー・クラビスさんは企業買収ファンドの仕組みを1970~80年代に創り、発展させました。それからほぼ半世紀。業績が低迷する企業を再生し、さらには市民も一緒になって繁栄する資本主義の実践に力を注いだと振り返ります。派手な買収で付いた「野蛮人」というレッテルに苦しみ、私生活では19歳の長男を事故で失うなど必ずしも順風満帆ではありませんでしたが、共同創業者でいとこのジョージ・ロバーツさんとの二人三脚でKKRの事業を育ててきました。その原点は祖父が米国に移民して以来続く「助け合う」家風を企業経営に生かしたところにあると記します。世界的に著名な投資家の言葉は、今まさに成長を迫られている日本経済にもヒントを与えるでしょう。