ヘンリー・クラビス 私の履歴書(27)失敗に学ぶ
KKR共同創業者兼会長
「アイデアもたくさん壁に投げれば、いくつかはくっつく」。あまり上品な表現ではないが、ジョージ(ロバーツ共同創業者)や私は好んでこう言っている。
プライベート・エクイティ(PE)投資は素晴らしいアイデアだと思ったが、我々が始めた頃は誰も手掛けておらず、成功の保証もなかった。
始めるにあたり、失敗をいとわないことは必須だった。起業家なら誰もがそう言うだろう。「私は間違えたことがない」。こう言う投資家...
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米投資会社KKRの共同創業者兼会長、ヘンリー・クラビスさんは企業買収ファンドの仕組みを1970~80年代に創り、発展させました。それからほぼ半世紀。業績が低迷する企業を再生し、さらには市民も一緒になって繁栄する資本主義の実践に力を注いだと振り返ります。派手な買収で付いた「野蛮人」というレッテルに苦しみ、私生活では19歳の長男を事故で失うなど必ずしも順風満帆ではありませんでしたが、共同創業者でいとこのジョージ・ロバーツさんとの二人三脚でKKRの事業を育ててきました。その原点は祖父が米国に移民して以来続く「助け合う」家風を企業経営に生かしたところにあると記します。世界的に著名な投資家の言葉は、今まさに成長を迫られている日本経済にもヒントを与えるでしょう。