人口減対策、海外に学ぶ 育児支援や全国民リスキリング
人口と世界 第4部まとめ読み
世界では人口減少の危機に直面し、大きく「国のかたち」を変えてきた国があります。「国民がいなくなる」とまでいわれた1930年代の人口危機を経て、高福祉国家へとカジを切ったスウェーデン。総人口の2割の移民を受け入れたカナダ。出生率が世界最低の0.81となり、社会の再構築に着手した韓国。全国民のリスキリング(学び直し)計画を立てたシンガポール。いずれも身を切る痛みを伴う改革です。
人口減少は過去の社会や制度によって導かれた「結果」です。慣れ親しんだ社会を変える覚悟がなければ、衰退の一途をたどることは避けられません。連載企画「人口と世界」の第4部「下り坂にあらがう」では、大胆な改革で人口減に向き合おうとする各国の取り組みを追いました。第5部「わたしの選択」では、少子化の背景にある家族や個人の選択について取り上げます。
【第5部アンケート特集先行公開】
「人口と世界」第4部・下り坂にあらがう 記事一覧
ウクライナ侵攻で長年維持してきた軍事的な中立政策を転換したスウェーデン。実は以前にも「国のかたち」を大きく変えたことがある。世界有数の高福祉国家へとカジ…続きはこちら
■ ゆでガエル国家日本 人手不足644万人、年金や介護臨界
日本は人口減少によって国家が縮んでいく現実にどこまで真剣に向き合っているだろうか。継続的な人口減少局面に入ってからすでに14年たったのに、労働力不足を克…続きはこちら
首都オタワ北西の人口5万人弱の町、ティミンズ。ナイジェリア出身のエベラルド・カシマウナさん(41)が家族と移住し、動物病院で働き始めてから1年が過ぎた。…続きはこちら
2021年に1人の女性が生涯に産む子どもの推定数である合計特殊出生率が世界最低の0.81となり、人口減少が深刻化する韓国。18年の消滅危険度でワーストワンだった韓…続きはこちら
ガンガデビ・バラクリシュナンさん(29)は米決済大手ペイパル・ホールディングスのシンガポール拠点で、ソフトウエアのエンジニアとして働く。最先端のフィン…続きはこちら
■ シンガポール、国民巻き込むリスキリングのしかけ
【シンガポール=中野貴司】シンガポールは2014年に「スキルズフューチャー運動」を始め、全国民を巻き込んだリスキリング(学び直し)を推進している。…続きはこちら
スウェーデン救った「子への投資は国の将来への投資」
人口減少が加速するなか、対策に乗り出し成果を上げている国がある。少子高齢化や労働力不足にどう対抗するのか。各国の専門家に聞いた。――スウェーデンは1930年代…続きはこちら
移民大国のカナダ「世界中の頭脳流出で恩恵」
――カナダはどのように移民大国となったのですか。
「1960年代に(移民を学歴などで数値化して選抜する)ポイント制度へ移行したのが転換点の1つだ。それまでは…続きはこちら
シンガポールの生存戦略「中高年こそリスキリング」
――シンガポールはどのように生産性を高めてきましたか。
「故リー・クアンユー氏が首相だった1980年代から、生産性の向上が必要という議論はあった。しかし…続きはこちら
【関連記事「チャートは語る」】
人類登場から30万年。長く続いてきた人口膨張が、終わりに差しかかっています。経済、社会、軍事などあらゆる面で基盤となった人口とそれを支える出生率の減少。連載企画「人口と世界」では人類を待ち受ける未来を予測し、見えてきた新たな常識や危機感を抱く国々の取り組みに迫りました。
第1部「成長神話の先に」まとめ読み
第2部「新常識の足音」まとめ読み
第3部「衰退が招く危機」まとめ読み
第4部「下り坂にあらがう」まとめ読み
第5部「わたしの選択」まとめ読み
第6部「逆転の発想」まとめ読み