4月20日『国会議員に聞いてみよう』報告
4月20日に開催した
パネルディスカッション
国会議員に聞いてみよう
ー 政治は国民の脱原発への思いにどう応えるか ー
多数の来場者を迎えて終えることができました。
この集会の開催にあたり、
兵庫県選挙区の国会議員、候補者に参加の呼びかけを行いましたが
残念ながら、1名も参加の約束を得ることができませんでした。
当日参加の国会議員としては、
以前からお願いしていた、みどりの風代表の谷岡郁子参議院議員のみになりましたが
出席議員の幅がなくなった分、深い話をじっくり聞くことができました。
谷岡議員の人柄、理念に触れて、
こういう議員が永田町の世界で頑張ってくれているということは
ほとんど奇跡だとさえ感じました。
脱原発運動を市民が進めていくなかで、
議員とのつながりを作る必要性については、
河野太郎氏や山本太郎氏など、多くの人が語っています。
その手段として、いくつかのアイデアを聞くことができました。
自分の言葉で直筆で議員に手紙を書くことが大切であること、
市民と議員(これは現職国会議員に限らず政治家ととらえるべきと思う)
の認識を一致させるプラットフォームを普段からつくる努力をおこなうこと、
などです。
今後はもう少し具体的に
どのような法律・テーマでそれを追求するのか
(たとえばこども被災者支援法や発送電分離を進めるなど)を
議論していきたいと思います。
当日の様子は、こちらに録画が残っています。
http://www.ustream.tv/channel/iwj-hyogo1
ぜひご覧ください。
-----------------------------------
当日の谷岡氏の発言の要旨を以下に記します。
聞き取りから書き起こしたものですので、
詳しくは動画のほうで確認ください。
「国会議員に聞いてみよう PartⅡ」谷岡郁子議員講演 要旨
2013年4月20日 兵庫県私学会館にて
■議員になった動機
私は現役の大学学長でもある、元気で夢を追いかける若者を守る、
これが自分の本来の役目であり、教え子は絶対に戦地に送らせない。
第一次の安倍政権の時に、
「同じ世代の人間が日本を全く違う方向に持っていこうとしていることは絶対に許せない。
体を張ってでも止めるしかない」と思って2007年選挙に出た。
■脱原発の取り組み
原発のこと核燃料サイクルのこと、作業員被ばくのことなど、
気がひけながらも他にやりたいことがいっぱいある中で、
これを開けてしまうとパンドラの箱だろうと考えて熱心に関わってこなかった。
そのことを311以降本当に後悔している。
だから、この2年間原発問題一辺倒でやってきた。
民主党の「原発事故影響対策プロジェクトチーム」(※1)の事務局次長として、
賠償スキーム、がれき対策、汚染食品規制強化、国会事故調設置等々、
事故対策の調査、立案などに全力を挙げてきた。時間の制約、
様々な抵抗の中で妥協の連続でもあり決して満足してはいないが、精一杯やってきた。
■子ども・被災者生活支援法
中でも、子ども被災者生活支援法制定に、被災者や市民と協力して取り組み、
憲政史上初の与野党全会派全員一致で実現できた。
この法の特徴の第一は、国民の自己決定権を中心に置いたこと。
つまり憲法13条の個人の尊重と幸福の追求権を軸にしたこと。
今一つは、従来の被害者が被害を立証しない限り補償されない考えを逆転させ、
国が被害を否定できないかぎり賠償する責任があるとしたこと。
しかし、政府は未だに法律の精神は実現しようとしない。
皆さんがこの法律を上手に使って生かして行ってほしい。(※2)
■民主党離党、みどりの風結党の理由
福島事故は決して「収束」などしていないし、
事故を踏まえた安全対策も全くないまま野田政権は「収束宣言」をし、再稼働に動いた。
「収束」なんて神話であり、自民党と原子力ムラによる第一幕=安全神話に続いて、
民主党が第2幕を開くことになり、絶対に許せなかった。(※3)
党内で再稼働反対の署名を120名余り集めたが、
他に気持ちは賛成だが連合や電力会社の圧力に屈して署名しない議員が80名ほどいた。
党のサラリーマンになるのか、国民の代表であるのか、答えは明確だった。
子ども被災者支援法を実現し、原子力安全のための人材養成のPTの事務局長であったので
中間報告を書きあげて、翌日党を出てみどりの風を立ち上げた。
官邸前に集まった人たちに永田町から応えるべきだと思った。
経済、金だけでない価値観を前に出すことを誰かがやらねばならなかった。
■補正予算への態度
みどりの風が補正予算に賛成したことで裏切りと批判された。
反対すれば2~3日は可決が遅れただろう。
我々も悩んだが、子ども被災者支援法で、二重生活の家族が会うための高速料金無料化などを
安倍首相に求めたときの回答で、予算に賛成すればこれをやってくれるという確信が持てたから、
これをどうしても実現したかった。
■3つの課題
1.被災者をどう支えるか。
物言えぬ空気になっている被災者とつながり、支援法を生かしていくこと。
2.脱原発をどう進めるか
自分たちが使っているわけでもない電気をつくるため、事故処理のため被災、
ヒバクしているのは8割福島の方。こういう犠牲をどう考え、どう脱原発を進めていくのか。
3.福1のサイトをどうするか。
尖閣だの竹島だの北のミサイルだの言うが、今日本の安全の最大の脅威はフクイチだ。
次々とトラブルが起こっている。2年たってもまだ、ではなく2年たったから、
どんどん劣化してくるから起こっている。これからもますます厳しくなる。
■市民へのアドバイスと提案
選挙だけではなく、日常の運動の中で一緒に考え、一緒に法律を作っていく、
一緒に実現していく。主権者として一緒に運動していく中からしか本当の国民の代表は出てこない。
経団連の力はものすごく強い。自民党は完全に経団連に縛られ、
マスコミもコマーシャルを通じて抑えられている。
民主党も電力会社の影響下にある連合や労組に縛られている。
政治家に働きかける方法としては、自分の地域の政治家に、
大量配布しているかもしれないEメールや刷り物ではなく、自筆の手紙を書き、
自筆のFAXを送ってください。政治家が一番怖いのは自分の選挙区の人の声。
物言えぬ状態になっている福島の人たちとどう繋がるのか、どう一緒に動けるのか考えてほしい。
その点で一つの提案。例えば独自で放射能検査している自治体、
松本市のように保養支援をやっているなど、頑張っている自治体に意図を伝えた上でふるさと納税をし、
メディアにも訴えていくのはどうか。
■緑の党との連携
参議院選挙が迫っている。できることなら緑の党ともいっしょにやりたい。
みどりの政治を一緒にやりたい。私たちの方はそう思っているが、もう時間がない。
連休には本格的にスタートするので、待ってはいられず、走り出さねばならない。
※1)当初、風評被害から農業を救おうというプロジェクトチームを作ろうと言う動きがあったが、
「風評」という前提も農業だけというのもおかしいと猛反対し「原発事故被害対策PT」として立ち上げようとした。ところが、連合や電力系の議員たちがものすごく反発し、
最終的に「被害」という言葉を「影響」と変えてようやく発足できた。
※2)今、国は福島県に基金を置いて何でもかんでも福島県にやらせようとする。
その狙いは二つ、一つはすべて県の責任として国は逃げることができる。
今一つは、福島県に基金を置くことで福島限定の問題に矮小化する。
また、国は未だに甲状腺以外は認めないとか超音波検査しかしないと言っている。
ホルモン異常その他、血液検査の方が容易で多様な異変を把握できるからやるように求めているがやらない。
いろいろ出ては困るから。また、セシウムよりも怖いストロンチウムを調べろといくら言ってもやらない。
※3)福島の皆さんには申し訳ない言い方だが、福島事故は非常に幸運だった。
あれほど広大な平地にある福島だから、まだしも対処することができたが、
福井のような山間、狭い谷間、道も一本しかないサイトで起こっていたら何一つ対処できなかった。
また、4号機の使用済み燃料プールも、当時作業の手違いで通常よりはるかに多い量の水があり、
それがプールに流れ込んだおかげで救われた。予定通り作業していれば、今、東京で国会が開けていないだろう。
パネルディスカッション
国会議員に聞いてみよう
ー 政治は国民の脱原発への思いにどう応えるか ー
多数の来場者を迎えて終えることができました。
この集会の開催にあたり、
兵庫県選挙区の国会議員、候補者に参加の呼びかけを行いましたが
残念ながら、1名も参加の約束を得ることができませんでした。
当日参加の国会議員としては、
以前からお願いしていた、みどりの風代表の谷岡郁子参議院議員のみになりましたが
出席議員の幅がなくなった分、深い話をじっくり聞くことができました。
谷岡議員の人柄、理念に触れて、
こういう議員が永田町の世界で頑張ってくれているということは
ほとんど奇跡だとさえ感じました。
脱原発運動を市民が進めていくなかで、
議員とのつながりを作る必要性については、
河野太郎氏や山本太郎氏など、多くの人が語っています。
その手段として、いくつかのアイデアを聞くことができました。
自分の言葉で直筆で議員に手紙を書くことが大切であること、
市民と議員(これは現職国会議員に限らず政治家ととらえるべきと思う)
の認識を一致させるプラットフォームを普段からつくる努力をおこなうこと、
などです。
今後はもう少し具体的に
どのような法律・テーマでそれを追求するのか
(たとえばこども被災者支援法や発送電分離を進めるなど)を
議論していきたいと思います。
当日の様子は、こちらに録画が残っています。
http://www.ustream.tv/channel/iwj-hyogo1
ぜひご覧ください。
-----------------------------------
当日の谷岡氏の発言の要旨を以下に記します。
聞き取りから書き起こしたものですので、
詳しくは動画のほうで確認ください。
「国会議員に聞いてみよう PartⅡ」谷岡郁子議員講演 要旨
2013年4月20日 兵庫県私学会館にて
■議員になった動機
私は現役の大学学長でもある、元気で夢を追いかける若者を守る、
これが自分の本来の役目であり、教え子は絶対に戦地に送らせない。
第一次の安倍政権の時に、
「同じ世代の人間が日本を全く違う方向に持っていこうとしていることは絶対に許せない。
体を張ってでも止めるしかない」と思って2007年選挙に出た。
■脱原発の取り組み
原発のこと核燃料サイクルのこと、作業員被ばくのことなど、
気がひけながらも他にやりたいことがいっぱいある中で、
これを開けてしまうとパンドラの箱だろうと考えて熱心に関わってこなかった。
そのことを311以降本当に後悔している。
だから、この2年間原発問題一辺倒でやってきた。
民主党の「原発事故影響対策プロジェクトチーム」(※1)の事務局次長として、
賠償スキーム、がれき対策、汚染食品規制強化、国会事故調設置等々、
事故対策の調査、立案などに全力を挙げてきた。時間の制約、
様々な抵抗の中で妥協の連続でもあり決して満足してはいないが、精一杯やってきた。
■子ども・被災者生活支援法
中でも、子ども被災者生活支援法制定に、被災者や市民と協力して取り組み、
憲政史上初の与野党全会派全員一致で実現できた。
この法の特徴の第一は、国民の自己決定権を中心に置いたこと。
つまり憲法13条の個人の尊重と幸福の追求権を軸にしたこと。
今一つは、従来の被害者が被害を立証しない限り補償されない考えを逆転させ、
国が被害を否定できないかぎり賠償する責任があるとしたこと。
しかし、政府は未だに法律の精神は実現しようとしない。
皆さんがこの法律を上手に使って生かして行ってほしい。(※2)
■民主党離党、みどりの風結党の理由
福島事故は決して「収束」などしていないし、
事故を踏まえた安全対策も全くないまま野田政権は「収束宣言」をし、再稼働に動いた。
「収束」なんて神話であり、自民党と原子力ムラによる第一幕=安全神話に続いて、
民主党が第2幕を開くことになり、絶対に許せなかった。(※3)
党内で再稼働反対の署名を120名余り集めたが、
他に気持ちは賛成だが連合や電力会社の圧力に屈して署名しない議員が80名ほどいた。
党のサラリーマンになるのか、国民の代表であるのか、答えは明確だった。
子ども被災者支援法を実現し、原子力安全のための人材養成のPTの事務局長であったので
中間報告を書きあげて、翌日党を出てみどりの風を立ち上げた。
官邸前に集まった人たちに永田町から応えるべきだと思った。
経済、金だけでない価値観を前に出すことを誰かがやらねばならなかった。
■補正予算への態度
みどりの風が補正予算に賛成したことで裏切りと批判された。
反対すれば2~3日は可決が遅れただろう。
我々も悩んだが、子ども被災者支援法で、二重生活の家族が会うための高速料金無料化などを
安倍首相に求めたときの回答で、予算に賛成すればこれをやってくれるという確信が持てたから、
これをどうしても実現したかった。
■3つの課題
1.被災者をどう支えるか。
物言えぬ空気になっている被災者とつながり、支援法を生かしていくこと。
2.脱原発をどう進めるか
自分たちが使っているわけでもない電気をつくるため、事故処理のため被災、
ヒバクしているのは8割福島の方。こういう犠牲をどう考え、どう脱原発を進めていくのか。
3.福1のサイトをどうするか。
尖閣だの竹島だの北のミサイルだの言うが、今日本の安全の最大の脅威はフクイチだ。
次々とトラブルが起こっている。2年たってもまだ、ではなく2年たったから、
どんどん劣化してくるから起こっている。これからもますます厳しくなる。
■市民へのアドバイスと提案
選挙だけではなく、日常の運動の中で一緒に考え、一緒に法律を作っていく、
一緒に実現していく。主権者として一緒に運動していく中からしか本当の国民の代表は出てこない。
経団連の力はものすごく強い。自民党は完全に経団連に縛られ、
マスコミもコマーシャルを通じて抑えられている。
民主党も電力会社の影響下にある連合や労組に縛られている。
政治家に働きかける方法としては、自分の地域の政治家に、
大量配布しているかもしれないEメールや刷り物ではなく、自筆の手紙を書き、
自筆のFAXを送ってください。政治家が一番怖いのは自分の選挙区の人の声。
物言えぬ状態になっている福島の人たちとどう繋がるのか、どう一緒に動けるのか考えてほしい。
その点で一つの提案。例えば独自で放射能検査している自治体、
松本市のように保養支援をやっているなど、頑張っている自治体に意図を伝えた上でふるさと納税をし、
メディアにも訴えていくのはどうか。
■緑の党との連携
参議院選挙が迫っている。できることなら緑の党ともいっしょにやりたい。
みどりの政治を一緒にやりたい。私たちの方はそう思っているが、もう時間がない。
連休には本格的にスタートするので、待ってはいられず、走り出さねばならない。
※1)当初、風評被害から農業を救おうというプロジェクトチームを作ろうと言う動きがあったが、
「風評」という前提も農業だけというのもおかしいと猛反対し「原発事故被害対策PT」として立ち上げようとした。ところが、連合や電力系の議員たちがものすごく反発し、
最終的に「被害」という言葉を「影響」と変えてようやく発足できた。
※2)今、国は福島県に基金を置いて何でもかんでも福島県にやらせようとする。
その狙いは二つ、一つはすべて県の責任として国は逃げることができる。
今一つは、福島県に基金を置くことで福島限定の問題に矮小化する。
また、国は未だに甲状腺以外は認めないとか超音波検査しかしないと言っている。
ホルモン異常その他、血液検査の方が容易で多様な異変を把握できるからやるように求めているがやらない。
いろいろ出ては困るから。また、セシウムよりも怖いストロンチウムを調べろといくら言ってもやらない。
※3)福島の皆さんには申し訳ない言い方だが、福島事故は非常に幸運だった。
あれほど広大な平地にある福島だから、まだしも対処することができたが、
福井のような山間、狭い谷間、道も一本しかないサイトで起こっていたら何一つ対処できなかった。
また、4号機の使用済み燃料プールも、当時作業の手違いで通常よりはるかに多い量の水があり、
それがプールに流れ込んだおかげで救われた。予定通り作業していれば、今、東京で国会が開けていないだろう。