「老朽原発再稼働反対を」 神戸市に申し入れ
高浜原発など老朽原発の再稼働の動きがいよいよ急を告げています。
これに抗して、11月26日(木)、さようなら原発神戸アクション他の市民団体は、「私たちも被害地元だ!」と、神戸市に対して老朽原発の再稼働に反対するように申し入れを行いました。
■参加団体
さよなら原発神戸アクション
老朽原発うごかすな!実行委員会
市民デモHYOGO
脱原発はりまアクション
■紹介市会議員
高橋秀典 議員(垂水区 無所属市民派 つなぐ議員団)
当日、朝9時に予定していたメンバー9名が市役所案内係前に集合、高橋秀典議員が朝立ちアピールを終えて駆けつけてくださるまで控室で打ち合わせを行いました。
9時半頃には、高橋秀典議員も合流し、久元市長の関電株主総会での発言なども確認し、10時から申し入れに入りました。
申し入れ書だけでなく、その他下記のニュース、関係書類も手渡し、
それぞれからしっかりと説明も付け加えました。(追加資料は下記の通り)
・老朽原発うごかすな!実行委員会に賛同、参加する団体個人名
・老朽原発うごかすな!ニュース号外3枚(「200㎞リレーデモ」コース一覧含め)
・脱原発はりまアクション通信11月号
・「関西の原発の耐震性と最近の大地震比較」(伊方原発運転差し止め裁判資料
・木原さん発行「危険すぎる老朽原発」
・高浜町での抗議行動の写真
企画調整局エネルギー政策課の南部課長、平田係長と約1時間ほど話し合い、様々な角度から原発の危険性やと神戸市のエネルギー政策のスタンスの転換を求め、「大株主でもある神戸市は関西電力と速やかに協議を行い、40年超えの老朽原発の稼働を諦め、すべての原発を廃炉にするよう申し入れること」を求めました。
原発の耐震設計は現実に起こった地震動よりも劣っていること、最近の住宅の耐震度の方がはるかに優れて強度があること。大地震に耐えられずに大事故が起これば、高浜から100キロ圏内の神戸市はまさに「被害地元」となることを資料にもとづき説明しました。高浜や大飯の原発は既に何度も配管の減肉や異物混入が起こり稼働は危険。琵琶湖が汚染されれば、淀川を水源とする神戸市の水道も被害を受ける。原発大事故が起これば、高浜に隣接する舞鶴市から約3万人の市民が神戸市へ広域避難してくる。コロナ禍で感染リスクを減らすためのスペースが必要になれば、避難所の数は現状の2倍3倍となりとても確保できず受入れ不可能になる等と問題点をあげ、老朽原発は再稼働させないように強く訴えました。
神戸市のスタンスは、安全を前提にしての「電力安定供給」も必要なので、即時の「脱原発」ではなく「脱原発依存」であり、今後は再生可能エネルギーによるCO2フリーの「水素エネルギー社会の実現」を目指す。水素で利益がでることが分かれば、いずれ関電も原発を必要としなくなるだろう、という考え方のようです。まだまだ見通しが甘いですが、担当者の熱意には期待したいです。
エネルギー政策課は、関電と定期的に意見交換会を持っているようで、そうした場でも今回の申し入れ時に聞いた課題なども聞いていきたい、とのことでした。
★☆★☆★☆★☆ 申し入れ書 ★☆★☆★☆★☆
2020年11月 日
神戸市長 久元 喜造 様
危険すぎる関電老朽原発の再稼働に反対してください(申入書)
代表:老朽原発うごかすな!実行委員会
来年の3月11日、福島原発事故から10年を迎えます。事故は、原子力発電所が重大事故を起こせば、人の命と尊厳を奪い、職場を奪い、農地・海を奪い、暮らしを根底から奪い去ることを改めて教えました。福島では、放射能汚染は長期におよび、いまだ3万7千人を超える人たちが避難生活を送っています。放出された放射能は風に乗って広がり、今も大阪市の面積の1.5倍、340平方キロメートにおよぶ帰還困難区域があります。
もし若狭の原発が事故を起こせば近畿一円が放射能に汚染され、琵琶湖・淀川水系は汚染により1450万に及ぶ人々の飲み水を奪うこととなります。ましてや、神戸市は若狭湾の原発から直線100㎞余りしか離れていません。2014年2月27日の県議会で井戸知事が「若狭湾の原発が事故を起こせば最短2時間で放射性プルームが神戸に到達する」と述べたことは記憶に新しいことです。更なる問題点としても、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、避難場所はあふれ、人々は放射能の汚染とコロナの感染に恐怖しなければならなくなります。にもかかわらず関西電力は、来年1月、3月に運転開始後44年、46年にもなる老朽原発、美浜3号機、高浜1号機の再稼働を計画しています。若狭の老朽原発は、原子炉や蒸気発生器、配管の脆化(ぜいか)、腐食、金属疲労が進み、福島事故をはるかに上回る重大事故をはらむ危険すぎる原発だと言わざるをえません。
原子力規制委員会が上記の老朽原発の40年超え運転を認可したのは、2016年ですが、この認可以降も、関電の原発では、蒸気発生器配管の減肉・損傷、死者を出した再稼働準備工事中の人身事故、そして原発マネーの不正還流事件と、トラブルや事故、不祥事が絶えません。これらは運転認可を行ったときには想定されていないことであり、認可は見直されるべきであります。原発の40年超え運転は、危険極まりないものであり、関西電力が原発を安全に運転する資質のないこと、原子力規制委員会の審査がいい加減であることを示しています。
現在、北海道で使用済み燃料の最終処分、青森県六ヶ所村再処理工場の規制委合格などが問題になっていますが、若狭の原発でも使用済み燃料の行き場がなく大量に保管され、原発以上に重大な放射能漏れ事故を起こす危険性が日々増しています。
私たちは去る9月6日「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」を成功させ、再び11月23 日、関西電力本店前に結集し、福井県美浜町に向け「老朽原発うごかすな!200㎞リレーデモ」に取り組みます。神戸市も県民・市民の安全と安心を守る責務を果たし、そして若狭の原発の消費地元であるという責任の上からも、一刻も早く原発を廃炉にさせるために行動を起こす必要があり、下記のことを要求するものです。
記
(申し入れ事項)
大株主でもある神戸市は関西電力と速やかに協議を行い、40年超えの老朽原発の稼働を諦め、すべての原発を廃炉にするよう申し入れること。
以上
(申し入れ団体)
老朽原発うごかすな!実行委員会
こわすな憲法!いのちとくらし市民デモHYOGO
さよなら原発神戸アクション
脱原発はりまアクション