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[参照用 記事]

型理論へのファイブレーション的アプローチ: インスタンスとは

圏論をベースに型理論を展開するアプローチがあります。このアプローチは圏論的型理論と言えるでしょう。とはいえ、現在の型理論において圏論を使わないことは考えにくいので、型理論=圏論的型理論 だと言っていいでしょう。また、依存性を扱う依存型理論が…

大きい包括クランの3つの例

クランやC-システムは、型理論の構文構造の定式化のために案出されたものです。構文構造の定式化には、大きい集合は出てこないので、クランやC-システムは原則的に小さい圏です。しかし、具体例を考える場合には、むしろ大きな圏まで含めたほうが例を作りや…

テレスコープと包括クラン

テレスコープと包括クランという概念を導入して、“型理論/インスティチューション理論のための圏論”のツールボックスに付け加えます。$`\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} \newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1}} \newcomm…

位相的形状付き集合 再論

形状付き集合〈shaped set〉は、図形的な意味での形状は持っていません。位相的な〈幾何的な〉実現を持つ形状付き集合は位相的形状付き集合(「組み合わせ的対象物の位相的実現」参照)と呼びました。位相的形状付き集合に関して、補足と敷衍をします。$`\ne…

大規模関数と関手のプロファイル宣言

圏に圏を対応させる関数や関手にも、その入力と出力があります。であるなら、通常の関数同様にプロファイル(入出力の仕様)を書けます。幾つかの具体例に対して、実際のプロファイルを書いてみましょう。明示的にプロファイルを書くことは、オーバーロード…

指標の具体例: ν-インスティチューションのために

「ν-インスティチューションでは健全性の定義と証明が出来る」で述べた「ν-インスティチューションの健全性」が示せるのは、充足関係の定義がうまいこと働くからです。では、充足関係の定義がどこから来たのでしょうか? これは具体例を見たり触ったりしてい…

ν-インスティチューションでは健全性の定義と証明が出来る

いろいろな概念をツギハギしてゴニョゴニョ・ガチャガチャしているうちに、表題のごとき事が分かりました。「あー、よかった」という気持ちでいます。内容的なことを詳しく書く気が起きないので、とりとめもなく雑感を記します。$`\newcommand{\cat}[1]{\mat…

モナドとクライスリ包含

ナタリエル・アーカー〈Nathanael Arkor〉のトーク動画の322秒あたり(下のURL)からの話が面白かったので紹介します。アーカーは相対モナドについて語っていますが、この記事では普通のモナドの場合に限定します。$`\newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \…

幾何単体複体と抽象単体複体

単体集合〈simplicial set〉に関するジュリア・バーグナーの解説(本文第1節参照)には、単体集合以前に使われていた概念である幾何単体複体と抽象単体複体(それと、向き付き抽象単体複体)の説明があります。幾何単体複体/抽象単体複体と比べてみると、単…

モナドの靴を履いたスパンとファミリー、そして二重圏

集合圏のスパンの一般化として、スパンの足をモナド(比喩的に靴)で修飾したものを考えることができます。バンドル-ファミリー対応により、靴を履いたスパンをファミリー化できます。さらに、ファミリーの値の圏〈ターゲット圏〉を集合圏以外にすると、豊穣…

イイカゲンとインチキを悔い改めるためのコスト

「共変関手/反変関手はほんっとうにややこしい」で次のように書きました。 反変・共変関手とカリー化と結合を、厳密で辻褄があった形で提示できれば、“直感的で雑な議論”と $`よ*よ \cong た`$ を合理化できるんですが ‥‥ 悪戦苦闘しております。 “直感的で…

共変関手/反変関手はほんっとうにややこしい

「モノイドと群の淡中再構成」というシリーズ記事を書いています。第1回兼ハブ記事は「モノイドと群の淡中再構成 1/n」です。このシリーズの目的は、さらに過去に書いた「米田埋め込みの繰り返しと淡中再構成」で言ってることで: 淡中再構成〈Tannaka recon…

モノイドと群の淡中再構成 3/n : End と Aut

前回の予告とは食い違いますが、End と Aut の話をします。通常は、特別なホムセットの略記として使われている $`\mathrm{End}_\mathcal{C}(A)`$ を関手に仕立てます。同様に、ホムセットの部分集合とみなされる $`\mathrm{Aut}_\mathcal{C}(A)`$ も関手に仕…

モノイドと群の淡中再構成 2/n : 概要

モノイドに関する淡中再構成定理がだいたいどんなものかを述べます。そして、淡中再構成定理の証明の特徴を述べます。証明の特徴は、長いけど無技巧〈trickless〉で淡々としていることです。この記事内では定義を書いてないので雰囲気だけですが、淡中再構成…

モノイドと群の淡中再構成 1/n

表題の話題については過去に書いているのですが、改めて何回かの記事に分けて書こうかと思います。過去記事を参照〈リンク〉はしますが、参照をたどらなくても済むように出来るだけ自己充足的〈self-contained〉なスタイルにします。「出来るだけ」ですけど…