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逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

世にも不思議なオウム死刑囚のVX論文

2018年05月26日 | 東アジア共同体
 科学的真理は思想信条とか善悪、好き嫌いに無関係。『いくら否定しても全員が従わされる、普遍的な力がある客観的な科学的事実が優先するのだが、・・・』

短時間で猫の目のように正誤や善悪が入れ替わる戦国乱世に突入した不安定な予測不能の世界では、メディアリテラシー以前の洞察力というか第六感というか直観力というか、『生き残る』ための動物的な危機管理能力が是非とも必要である。
敗戦が遅れて日本中が焼野原になった『玉音放送』後の話ですが、『もう一度戦争が起きたら絶対に騙されず、上手に立ち回って、今度こそ大金持ちになる』という困った大人が大勢い居たのである。(たぶん、二回目も真っ赤な嘘に騙されて大損する)
天下一家の会によるネズミ講以後も、ほぼ同じ仕組みのネズミ講とかマルチ商法に騙される大学生は数多いのである。ネズミ講でも国家の嘘でも同じで、常に一定数以上は必ず騙されると考えるべきでしょう。
一般的な『科学論文で「この物質の毒性についての研究はない。でも自分で使ったから知ってる」なら、その時点でreject』する。
普通の科学者なら誰も相手にしない筈が、やはりオウム真理教事件の死刑囚がファーストオーサー(筆頭著者)で執筆した学術論文だけは別物だった。(科学論文では無くて、イエロージャーナリズムのあざとい『実録もの』と見れば、さすがに極悪テロ実行犯による実際の言葉だけに生々しさに抜きんでていた)

『オウム死刑囚が執筆した論文をレビューする』 2018-05-24 Atias

タイトルはMurders with VX: Aum Shinrikyo in Japan and the assassination of Kim Jong-Nam in Malaysia(VXによる殺人~日本におけるオウム真理教とマレーシアでの金正男氏暗殺)」との「死刑囚が書いた科学論文」という世にも珍しい論文を紹介する。
オウム真理教幹部で死刑囚の中川 智正が筆頭著者(ファーストオーサー)、杜祖健(と そけん Anthony Tu)との共著論文。
共著者の杜博士は(88年前の1930年生まれ月日は不明)台湾出身で非常に日本語が流暢な米コロラド州立大学名誉教授、毒性学、生物化学兵器など、毒物研究の世界的権威としてアメリカ陸軍の機密文章にアクセス出来る立場である。
杜博士はオウム真理教事件にとても関わりが深く(米軍の)サリンの分析方法を日本警察に提供。(★注、地下鉄サリンの半年前にオウムとサリンとの関係は判明していた。ところが警察が強制捜査せず結果、地下鉄サリンを起こす)執筆は実行犯とタッグで、漫画のような展開だ。
杜博士は、『長年、日本の法務省や拘置所が面会を許可してくれたことに感謝しています。』と語っていた。(★注、中川死刑囚との特別面会を法務省が許可したのは13回面会したアンソニー・トゥ(杜祖健)と20回ぐらい面会のリチャード・ダンチック元アメリカ海軍長官の2人だけ)
論文は日本法中毒学会のForensic Toxicologyに掲載され、前半はオウム真理教内でのVX製造・使用の経緯が、後半は金正男暗殺事件のVX考えが簡潔に書かれていて非常に読みやすい。
中川の所属機関がHiroshima Detention Center(広島拘置所)だが、刑務所からの論文など未だかつていただろうか?

論文の文章から漂うのは、圧倒的な「当事者感」である。特にこの文章がすごい。
この二種類のタイプのVXの毒性に言及した文書は存在しない。しかし、その毒性はオウム真理教事件によって証明されている。これはVXの製造に携わっていた2人(つまり、中川智正と土谷正実)だけが知っている。この論文の筆頭著者は実際に製造に関わっていた(未発表)。
ふつう、論文で「この物質の毒性についての先行研究はないよ。でも自分で使ったから知ってる!」なんて書いたら、その時点でreject(拒否)されるが、オウム事件はすごい。
文末にunpublished observationとあり、研究者が書けば「本当にその実験、やったの?」と疑われるが、このケースではデータが世に出ることはありえない
もしVXが直接使用されたのであれば、どのようにして手に猛毒を塗ったのだろう。直接使用していれば加害者の女性自身も死ぬ。
調査の結果わかったのは、インドネシア女性とベトナム人女性の体から検出された化学物質はそれぞれ全く異なるものであるということだ。このことから、事件で使用されたVXはアメリカ軍が開発した二種混合型(バイナリー型)であると著者らは結論づけている。
バイナリー兵器(二種混合型化学兵器)とは2種類の物質が隔離された状態で保存されている化学兵器のことであり、VXを低温で発生させることは難しい
(抜粋)
2018-05-24 Atias

『人体に対してVXを使用していたのは唯一オウム真理教だけ!!』(3件で1名死亡)他には一切例がない

今回のように『検証作業が不可能で、しかも毒性に言及した文書は存在しない』との、前代未聞、空前絶後の大珍事であるオウム死刑囚の科学論文を受け付けた日本法中毒学会ですが、1982年設立。会員数395名。法人格なし。日本医学会・日本歯科医学会に未加盟。教育活動情報なし 認定・専門医等制度情報なし 診療ガイドラインなし。 これから開催される学術集会情報なし。すでに終了した学術集会情報なし。専門分野区分は医学/社会医学/法医学だが上位団体なし下位団体なし 。
『国際法中毒学会(TIAFT)については各自で手続き 』とあるので、基本的にTIAFTとは無関係な、個人的に設立した何の権威も無い胡散臭いたんなる任意団体である。
年会費 7000円(学生会員 3,000円)。唯一の活動は年間2回発行機関誌Forensic Toxicology(500部)で価格は年会費に含む、ともある。
学術誌ではなくて、これは何の実績も無い権威が低い小規模の集まりの(会費を目的にした)インチキくさい会報程度の代物だった。(経済ヤクザの総会屋が作って企業に売りつける、いわゆる『業界紙』とほぼ同じようなものか?)

米軍が開発した『VXは二種混合型(バイナリー型)であると著者らは結論』が正しいなら、素手で扱った一人目は無事でも必ず二人目は死亡する

何んと、アッと驚く歴史的な米朝会談でのトランプのドタキャン直前に誰でも知っている全国紙である毎日新聞のような権威とか信用力がある日本の大手マスコミでも取り上げられた『死刑囚の科学論文誌の掲載』ですが、限りなくガセネタ。
Forensic Toxicologyは学術誌では無くて、何の権威も無い個人的な任意団体の機関紙だったのである。
マレーシアでの外国人女性2名の裁判は検察当局が君子豹変して北朝鮮を一切否定したので頓挫して結審の見込みが立たない時期に、たぶん、日本のマスコミ対策(北朝鮮バッシング)目的でのプロパガンダの類である。
この『オウム死刑囚の科学論文誌の掲載』ですが、これは『またやったか』的なデジャブーな馬鹿話であった。
これは10年以上前に安倍晋三とマスコミが二人三脚で行って恥をかいた『横田めぐみさんDNA鑑定』で、世界で最も権威が高く信用力がある学術雑誌のネイチャー(Nature)と日本政府との奇妙なバトルの劣化コピー。腹立たしい詐欺か手品のようなフェイクニュースなのである。


安倍内閣が『正しい』と判断したのですが、その根拠(原因)とは、『安倍晋三が言ったのだから』だったとの日本の公文章の信用度の結末・・・無限ループ?同義反復?

『黒でも白に、白でも黒に出来るあの情報大国アメリカの真似をして、大恥をかいた日本(安倍晋三)』

1200度で焼却した場合には骨の中のタンパク質で出来たDNAが破壊されるが、何んと日本の科捜研が『出来ない』と一旦は否定したのに、・・・『別のDNAを検出していた』と公式に日本政府がマスコミに大々的に発表しているのです。
この事件は単に、汚い北朝鮮バッシングを安倍晋三らが行った『いかさま』の形跡(動かぬ証拠)だったのである。ところがメディアは全員が挙国一致で安倍を守って現在に至っている。
まさにマスメディアの安倍アンダーコントロールの極みのような馬鹿話なのである。それ以上でもそれ以下でも無い。
もし1200度で焼却した骨からDNA抽出に成功したなら画期的な出来事(革命的な科学進歩)なので、この『世界的な偉業』に対して科学の権威であるネイチャー誌が興味を持って問い合わせた。
ところが日本政府は一切答えないし、訂正もしないので、ネイチャー誌と日本政府との摩訶不思議なバトルが発生。世界的に有名なネイチャー誌が繰り返し繰り返し日本政府の科学真理を愚弄する態度を批判するとの、とんでもなく恥ずかしいことが起きていた。
★注、
政府の公文章とは大きく意味が違い、いくら日本政府の権威をもってしても『科学論文』の正誤の判定では、検証作業を求めるネイチャー誌と論争しても勝ち目は万に一つもない。理研の小保方春子博士のSTAP細胞と同じで、口先だけで『正しい』『再現できる』と言い張っても、科学的な価値を誰も認めないのである。


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Unknown (たけ)
2018-05-27 14:21:09
管理人様こんにちは。
流石にここまで来ると全てを疑いたくなりますね。
というか何を言っても もう信用できない。
横田さんの件で失敗したから
今度は証明できないように と誰も会えない場所からの発表。
しかし 内容以前に出たこと自体が意味がある ということがバレバレ。
ただもしきにになるとすれば 安倍政権の信用なさを利用する人たちでしょうか。
安部総理等がもし事実とか本当の事を言っても狼少年扱いされれば 国民は信用しないでしょう。

追伸
It is warm todayさんお気になさらず。私以前別のところでやって 他の人もいたのか 告知という形で書かれて、と。
個人的にこちらで(ほかのところでも)も安倍政権の方がたの適職 という仮定のお話とか見てみたいなあ、と。

安部夫婦は(資産家なので)名誉職しながら福祉とかの慈善事業すれば欲しいままの賞賛望みどおりだったのかな、とか。
夫婦漫才とか でもサイコパス(疑惑ですが)と天然のお2人。突っ込み役がいない。
麻生氏も同様 稲田氏は 場合によっては夫婦喧嘩 他の面々も 駄目(常識を知ってないと突っ込めない)

だから突っ込み役がいる(いやいや野党が協力?それとも?)国会でやっているのでしょうか。(いい迷惑ですけど)

管理人様 くだらないことを書いてしまいました。
このコメント消してしまってかまいませんので
返信する
Unknown (なか)
2018-05-27 23:54:40
オウムは恐らくやっていない?捕まり役者
返信する
拉致vs慰安婦問題 (Saito)
2018-05-28 22:20:18
お恥ずかしい話ですが、つい最近までマスコミやら政府筋の発表を何となく聞き流すだけだったので、拉致された人たちは早く帰還させてほしい、やはり北は野蛮と思っておりました。

そうだったのですね、お気の毒なことですが、既にお亡くなりになっていたとは。

だからといって、拉致が正当化されるわけではないです。しかし、これは政治的に利用されてきたという経緯も含め、どこか「慰安婦問題」と似ておりますな。

島国日本も半島朝鮮も、それぞれ拉致vs慰安婦問題で反省したらよいのですが。。。
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