逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

違憲無効判決に新聞号外

2013年03月28日 | 憲法

『まだ死なず、しぶとく生きていた日本国憲法』

最大2・43倍の『1票の格差』が是正されずに実施された昨年12月の衆院選をめぐる全国訴訟の判決で、広島高裁(筏津順子裁判長)は25日、小選挙区の区割りを『違憲』と判断し、広島1、2区の選挙を無効とした。
同種訴訟の無効判決は初めて。
無効の効果は『今年11月26日の経過後に発生する』としたので直ちに無効とはならないが、格差の抜本的な是正に乗り出さなかった国会に司法が選挙のやり直しを命じる異例の事態となった。
翌26日、広島高等裁判所岡山支部(片野悟好裁判長)は、岡山2区の選挙を『条件を付きの猶予』無しで無効とする、前日の広島高裁判決よりもさらに踏み込んだ歴史的判決を言い渡した。
国政選挙を無効とする判決は、25日の広島高裁本庁に続き2件目。
これまで長年にわたって『違憲だが、有効(合法?)にする』とのとんでもない無法状態が罷り通っていた日本の裁判所で、やっと『違憲(非合法)だから無効』との当然の判決が初めて出る。
この驚天動地?の事態に対して新聞が号外を出す騒ぎにまでなっているが、昨年末の衆議院選挙が正式に無効となれば、今後の展開次第では今年7月の参議院選挙が、一転衆参同日選挙になる可能性まで出てきたことになる。
犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛むとニュースになる。
今回広島高裁判決の『違憲だから無効』(違憲=違法)との判断は『今だに日本国憲法が密かに生きていた』と日本中に驚きが走る。
憲法が最高法規であり憲法違反ならば自動的に違法で無効である(犬が人を噛む)との、当然過ぎることが起きて新聞号外が出る日本の不思議。

『日本国憲法の誕生はキリスト誕生と同じ』

日本国憲法の成立には、GHQ(アメリカ)が深く関係しているのは疑いない。
当時人口が8000万人程度で殆んど同じドイツと日本、両敗戦国のアメリカのコミットの仕方が大きく違っていた。2000万人も動員したドイツがアメリカにとっては主敵であり、620万人しか動員できなかった日本は念願である対独戦争の呼び水程度の扱いだったのである。
米軍は日本本土の占領に四個師団7万人しか使わなかったし、文民も一番優れた人材(主流派)はドイツに送られた。
日本に来たのは、アメリカにとって最も優れた人(強者の倫理の信奉者)では無くて、27歳の若い娘であるベアテ・ゴードンさんなどの様な国務省内の主流派に決してなれない人達(夢想家?)が日本の憲法の筋道を作っていく。
彼等は自国内では、決して絶対実現できない理想を夢見た。
そして一時的な絶対権力の空白と不思議な偶然の巡り合わせで日本国憲法は生まれ出てくる。
日本国憲法は生まれたその日から、邪悪な者達の憎悪(神殺し)の対象だったが、そう言う意味では、イエス・キリスト誕生の伝説と似通っている。
古来からの八百万の神は明治維新の廃仏毀釈で殺され滅びさり、新しい神である国家神道はアメリカ占領軍により殺されて、日本は二度の神殺しによって現在の無節操無道徳の日本が生まれたと梅原猛説が正しいなら、現在の日本国憲法とは日本人に残された最後の『神』にほかならないが、いま三度目の神殺しが目の前に迫っている。

『瀕死の憲法9条』

19世紀のドイツの政治学者のウエーバーが国家とは『そもそも何であるか』との国家の定義を行うが、普通の市民の道徳であるなら『悪』とされる筈の大量殺人(戦争)が『国家』のフィルターを通すことで『善』に摩り替えることが出来る、『不思議の装置』なのである。
良く考えてみれば、憲法9条なんかは特殊でも何でもなくて、素朴な市民感情、誰でもが本来持っている善良な道徳観を文字(憲法の条文)にしただけだったのである。
普通のまともな市民なら、誰一人も『隣人とのトラブルは解決しない場合、最後は暴力で決着を付ける』などとは暴力団員でも言わない。
本当に言ったとしたら大問題で今後誰もまともには付き合わなくなる。
だから全員が憲法9条の記述と同じ『紛争は話し合いで』としか言わない。
基本的に『暴力』で解決できる事は限定的で万能ではない。
世界一の突出した巨大な軍事力を持ているアメリカでもベトナム戦争で敗北するし、イラクやアフガンでも敗北する。世界一の軍事力をもってしても矢張り道理(正義)が無い戦争では勝てない。

『67年間も日本語文と英語訳とが違っている日本国憲法』

『日本国憲法』は新渡戸稲造の『武士道』と同じで最初に英文の原文があって、その日本語訳(翻訳日本国憲法)として出来上がった歴史がある。
日本国憲法が敗戦以前からの帝国議会によって1946年に作成されるが原文は連合国軍総司令部(GHQ)によって作成されたことは周知の事実。
英文訳の出発点が普通とは逆の順番で、草稿原文は間違いなく英語で書かれていた。
この日本憲法の英文約(英文憲法)は、占領時の英文官報として公布され、現在でも同一の文言がそのまま憲法の正式な英文訳として、歴代日本政府によって使用し続けられている。
英文の『日本憲法』を原本にして、日本語コピーとして『翻訳日本憲法』が出来上がったのですが、何故かコピーミス?が生じて日本語憲法と英文憲法とが大事な部分で違っている。
(原因は)多分面従腹背の狡猾な日本側官僚が、泣く子も黙る怖い占領軍をまんまと騙したのであろうと推測できるが、今となっては日本語憲法は不磨の大典(最高法規)であるのに比べて、英文訳憲法は占領下の英文官報である。
現在では何の拘束力もない。

『英文訳を変える意思がない改憲派の怠慢』

日本語憲法の文言と、その正式な英文訳が違っている摩訶不思議な話は憲法に関心がある者にとっては周知の事実である。
問題の大きい、この憲法の『英文訳』の改訂には憲法改正手続きも通常の立法手続きも必要がない。
ところが、なぜか今まで憲法改正を党是とする自民党は一切手を付けていない。
もちろん売国的な安倍晋三などの『みっともない』『敗者の憲法からの脱却』を悲願とする改憲命の右翼連中も『英文憲法の改訂』など一言も主張しないでアメリカ占領軍の英文官報を後生大事に守っているのです。
去年福島第一原発事故の国会事故調(黒川委員長)の公式報告書が日本語版と英訳が違っていて恥ずかしい騒ぎになるが、67年間も最高法規の憲法条文の日本語訳と英訳が違っている現実の方がよほど『みっともない』行為である。
保守的な日本の官僚組織や安倍晋三など売国右翼は、少しでもアメリカに睨まれることが、死ぬほどが怖いのでしょうか。

『日本語を読めない多くの外国人には理解出来ない日本語憲法』

(翻訳)日本国憲法で一番大事な主権者である『国民』の表記は、原本である英文日本国権法では『人々』(The people)となっているので、そもそも憲法の主語たる『国民』には『国籍』などの如何なる資格要件も全く含まれていなかった。
日本国憲法の基本的人権条項は、全ての例外を設けず(国籍所持の有無にかかわらず)日本に住む外国籍を含む全住民対象だったのである。
憲法第9条2項の『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』では原本の『英語版日本憲法』には『never』とあるために、『永久に保持しない』というニュアンスが強まるので、外国人には自衛隊という巨大な軍隊の存在が余計に不思議に見える。
国会(立法府)を『唯一の立法機関』と定めているにもかかわらず、現状では内閣(行政府)がほとんどすべての法案を作成しているが、これは明らかに憲法の三権分立の規定に違反する。
翻訳日本語憲法で『議案』となっている部分は、英語訳憲法では『法律案』(bill)となっていたので、現状のような内閣(行政府)の法案提出権(立法権)は無かったのです。
占領下の英文官報である現在の『英文憲法』を、本当の意味の日本国憲法の『普通の英文訳』に改めるのが、安倍晋三などが進める改憲運動よりも先決であることは言うまでもない。
憲法に対する、そもそもの発想の順番が根本的に間違っているのである。

『慣れ親しんだ世界が、突然見知らぬ世界になる恐怖』

本当に日本国憲法が国家の最高法規であるなら、『憲法違反している』なら違法であり即無効。
今までの日本の裁判所が長年にわたって間違っていた。今回の判決は何の不思議もない。
ただ、今回の異常事態はそれ以前の最高裁の判決からも十分予想されていたのですから、去年暮れの解散劇が不思議なのです。
辻褄が合わない。
去年11月野田佳彦は解散を宣言してから、0増5減の法案を出すが順番が逆で、解散できない状態での無理矢理の解散だったことは明白なのです。
そもそも『解散しない』と民主党議員全員が思ったから、安心して9月の党代表選で圧倒的多数で野田佳彦を再選出した。
ところが2ヶ月後に何の準備もなく解散して、民主党は壊滅的な敗北を喫するが、これは当然すぎるくらい当然であり予想どうり。
総選挙の結果には何の不思議も無い。
責任がない野党自民党とは大きく違い、政府与党は発表されていない機密情報をいち早く知る立場にあるが、野田佳彦の解散宣言の日付が、福島県の小児甲状腺がんの2人目発表とかぴったりと重なる。
それなら去年の唐突すぎる自民党への大政奉還の解散劇の不思議の原因には、世間に発表されていない『極秘機密』があった可能性が高いと考えるべきでしょう。
『猿は木から落ちても猿だが代議士が選挙で落ちれば只の人』との昔からの例え話の通りで、議員にとっての最大の関心は自分の当落であり、『約束を守る』などの信義ではない。
ところが確実な大敗北が事前に予想されていたが野田民主党は身投げ(自爆)解散を行っている。


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9 コメント

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マッカーサー草案も紹介 (現田石)
2013-03-26 18:10:12
現田石です。
GHQ案の外務省訳文と原文(いわゆるマッカーサー草案)もインターネット上で公開されている。
眞實一路の旅なればby三瓶精二というホームページのものが面白そうなので紹介します。
http://home.c07.itscom.net/sampei/index.html
ここに、わりと色々な情報がある。
★ 日本国憲法
  日本語文と英文を掲げます。
★ マッカーサー草案
  日本国憲法成立に関係したGHQ案の外務省訳文と原文を掲げます。

マッカーサー草案(訳文と原文)の文字起こしをみると次の注もある。

[英文について]
 国立国会図書館の憲政資料室に所蔵されているマイクロフィルム化された、幣原喜重郎資料中の constitution of japan (幣原総理大臣に配布されたと考えられる)を使用した。(写し2)
 マイクロフィルム化された原資料の保存状態が良くないため、佐藤達夫文書中の constitution of japan (松本国務大臣に配布されたと考えられる)と照合した。(写し3)
 明らかなタイプミスと考えられるものまで、両資料から原文を忠実に再現するように務めた。

昭和21年当時の機密文書なので、ご笑納ください。ちなみに「第一章 皇帝」などとなっている。
返信する
憲法とは夢か希望か。あるいは目安か、目途か、目標か (宗純)
2013-03-27 15:24:07
現田石さん、コメントありがとうございます。

日銀は長い間1~2%の物価上昇率の『目安』を定めていたがインフレにはならず、日本国は何十年もデフレに苦しんでいたのです。
ところが、日銀の白川総裁が1年前に、今までの『目安』を『目途』と言い換えただけで市場が敏感に反応して大きく円安に振れる。
去年暮れからは安倍晋三のインフレターゲット(目標)発言のアベノミクスで70円台から90円台まで下落するが、海外投資家が拘束力がある目標に敏感に反応したのです。
本音と建前とは違っているのは日本だけの話ではなくて、世界共通であり、拘束力(強制力)のある無しが最大の問題点と言うか関心事なのですね。
そして外国では憲法とは国家の最高法規であり、憲法に少しでも違反していれば自動的に違法であり効力が無い(絶対的な強制力がある)とされているのです。
ところが、
不思議の国である我が日本国では逆に長年にわたって、憲法に違反しても有効だとされていたのですよ。
それなら憲法とは一定の強制力を有する『目標』でないことは明らかなのです。
日本人なら憲法の規定と、目の前の現実の日本社会との間には大きな相違がある(憲法違反)ことを全員が知っているのですよ。
現実と憲法の相違について、昔に中学だったか高校だったかは忘れたが社会科の授業中に教師が『憲法の条文とは努力目標なのだ』と説明するが、これは駄目ですね。
目標には『今は違うが、将来は実現する』との、当事者を一定限度拘束する強制力が存在しているのですよ。
ところが自民党政府は憲法の規定に違反するだけに留まらず、逆の方向に動いていた。
それなら憲法とは何の強制力も義務もない気休め程度の『目安』に近い。
日本国憲法ですが、今までは国家の最高法規ではないことだけは間違いないのですよ。
日本国憲法に意味的に一番近いのは、『希望』とか『夢』ですね。
そして、夢とは『実現しない』ものの代名詞。これが目の前の厳しい現実なのですよ。
鉢呂大臣「死の町」辞任劇、アメリカンドリームが悪夢に変る時
2011年10月15日 | 政治
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/129fc05188760235fcb2af7557f956cd
夢幻(ゆめまぼろし)で実現しないネガティブの代表だった『夢』を、コペルニクス的に正反対の価値観である『夢は実現するものだ』と変えたのが、そもそも日本を占領したアメリカだったのです。
そして67年前に日本人の美しい夢としての、希望の日本国憲法を与えたのもアメリカだったとは何とも皮肉な成り行きです。
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平和憲法がなかったら (ちくわ)
2013-03-27 16:02:53
もしこの憲法がなければ、日本は今よりも積極的に米国主導の海外派兵を繰り返していたでしょう。
その結果、多くの若者が血を流し、さらに国内でも過激なテロが起こったかも知れません。苦しむのはいつも庶民です。
そんな事態が避けられているだけでも、現憲法には価値があると私は思います。
返信する
それは、その通りなのですが・・・ (宗純)
2013-03-27 17:31:54
ちくわさん、コメントありがとうございます。

この『平和憲法がなかったら云々』ですが、社共などの公式見解であり、護憲左派の常識と言うか共通認識と言うか、定説と言うか、 決まりごとと言うか。
確定した定説であることは間違いないでしょう。
今のように瀕死の状態でも憲法9条には何ものにも代えられない程の大きな値打ちがあるのは事実なのですが、
ここで発想を180度変換して、
自衛隊を正式に国軍にして『日本は今よりも積極的に米国主導の海外派兵を繰り返していた』と仮定した場合に、
全く別の可能性もあるのですね。
『自衛隊が派兵している場所が非戦闘地域』との無茶苦茶な屁理屈でイラク南部のサマワに自衛隊が派兵されるが、
一人も殺さず一人も殺されていないにも拘らずイラクに派兵された自衛隊員が大量に自殺しているのですよ。
9条の御蔭で戦闘の最前線には日本の自衛隊は回されなくて比較的安全な地域だったにもかかわらず、十数倍も自ら命を絶つ。
これがイギリス軍やイタリア軍のように殺し殺される立場に日本の自衛隊員がなったと仮定したら天文学的な自殺率に跳ね上がるでしょう。
見ると聞くとは大違い。イラクへの派兵は志願制だったはずなのですが、本物の戦争の現場を自分の目で見た衝撃は凄まじかったのですよ。
逆療法で米軍と自衛隊が共同作戦でイラクやアフガンで戦ったとしたら、いくらお人好しの日本人でも日米安保に対する怨嗟の声が巷に満ち溢れるでしょう。
辺野古など吹っ飛びます。
間違いなくTPPも吹っ飛びます。
これは原発事故と同じで、福島第一原発事故が無ければ今でも地震列島の日本中に50基以上の原発が確実に稼働しています。
他の地域でも原発の建設がどんどん推し進められているはずですよ。
そして、原発事故は原発が存在している限りは必ず起きる可能性があるが、過酷事故が起きた時に止めれるのは実は最後の最後は軍隊だけなのです。
1986年ソ連でチェルノブイリ事故が起きた時に、軍隊が出動してヘリから減速材の鉛を投下して原子炉の暴走を止めているが、破壊と殺戮が任務の『軍』だから可能だったのですね。
日本の50機の原発の2機を除いてほとんどは止まっているがそれでも安全ではない。
自衛隊の最高司令官である菅直人総理が自衛隊に4号機の燃料プールにヘリから放水するように命令したが『安全が担保されていない』と出動を拒否するが、これが自衛隊ではなくて本物の国軍ならば上官反抗とか敵前逃亡に当たるので全員銃殺刑ですよ。
返信する
A円とB円 (りくにす)
2013-03-27 22:51:57
占領時代の話が出たので質問させてください。
以前から気になっていたのですが、占領軍が現地で使うための軍票を、日本本土用を「B円」(使用されず)、韓国用を「A円」と呼んでいました。終戦直後のアメリカにとって日本より朝鮮のほうが「可愛かった」のではないかという疑問があります。(やきもち焼いてるわけではありませんが)朝鮮に行けば米軍は解放軍として歓迎されるはず、それに共産圏と戦う最前線になりえます。人材も、ドイツに行った人々の次に優秀なのが投入されたのではないのでしょうか。
恥ずかしながらこの当時から朝鮮戦争までの過程をほとんど知りません。ここで日本軍を派兵しなかったのは、平和憲法があったからではありませんよね。

ところで先日、アメリカ人が書いた「合衆国憲法が不幸の始まりだ」という趣旨の本を書店で見つけました。
新書ですし、このごろ啓蒙主義への疑問がむらむらしているので購入してもよかったのですが、憲法とか法律は苦手で目がスルーしてしまうのです。(哲学は平気なのに)
皆様、もし法律が好きになるコツがありましたらご教授くださいませ。がんばって読んでみます。
返信する
西郷札 (宗純)
2013-03-28 10:19:05
りくにすさん、コメントありがとうございます。

軍隊が物資調達に自分で発行する紙幣が軍票で、限りなく借用証書(債務証書)に近い性質がある。
明治10年に西郷隆盛が新政府軍を攻撃するが、この時に西郷札と呼ばれる軍票を大量発行するが、反乱軍が負けたので債務は償還されることはなく全部が紙切れになる。
相手の明治政府も太政官札という政府紙幣を発行して軍事物資を調達するが、不兌換紙幣を大量発行したために、紙幣の信用度がガタ落ちし、日本は極端なインフレに陥る訳ですが、これに懲りてそれ以後は日本は政府紙幣は発行せず今のような日本銀行権を発行する。
今の安倍晋三のすすめるアベノミクスですが、これは太政官札(政府紙幣)の再来ですね。
紙幣とは不思議なもので、実は利子がつかない債務証書のことなのです。
米軍が軍票を軍事占領していた沖縄とか奄美では唯一の通貨として流通する。
これは朝鮮南部でも同じで日本が出て行ったあとに統治機構が崩壊して軍政にしたのですが、B円とA円には印刷に違いがなく、ABの文字が入っていただけ。何かの識別用だったのでしょう。
日本本土では軍票が用意されたのに使われなかった理由は、日本政府が健在であり日本の紙幣が流通していたからですね。
沖縄は米軍が直接統治したから流通する紙幣が米軍の軍票だったのです。
本土は政府の上にGHQが君臨していたが、沖縄のような軍政ではなくて、間接統治だったのです。

『法律が好き』なんて人は、ごく少数。
普通は無関心か嫌いなはずです。
司法試験合格者数は年間1000人程度だったのですが、3000人に法曹人口を増やす目的で法科大学院が作られるが軒並み定員割れ。良い人材が集まらない。これは当然で『既に決まっているものが正しい。』との正当な秩序維持が最大の目的である儒教の試験である科挙なのですよ。
とんでもなく難しいが、科学とは違い新鮮な驚きもときめきも健全な懐疑心もなにも無いので、社会の進歩には少しも役に立たない。
そもそも憲法とは国家を縛るものですが、これに対して法律は国民を縛るものですよ。
ルイ16世は鍵に興味があり自分でも色々作っていたらしいが、皮肉にも革命が起きて厳重に鍵をかけられて閉じ込められ処刑される。
国家を縛る憲法には大いに興味があるが、自分たち国民を縛る法律は意味が大きく異なるので、ルイ16世とは違い到底好きにななれません。
制定憲法と国民国家と天皇制
2011年02月27日 | 政治・外交と天皇制
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/58b7dd9481ebe6c33646466c8ec69964
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逆療法 (ちくわ)
2013-04-03 14:28:03
ずっと考えておりました。
痛みなくして人は変われない、これは冷酷な事実でしょう。でもしかし・・・。
敗戦、二発の原爆、数百万の死者。
この痛みで日本は変わることができたのでしょうか。
軍閥政治を打破したのは国民? 答えはNOと思います。
史上最悪の原発事故。
この痛みで我々は変わることができたのでしょうか。
原発を停止させたのは国民? 答えはNOと思います。

変われていないとすれば、あとどれほどの痛みが必要なのでしょう。

考えはまとまりません・・・が、変わるためには、痛みだけでは足りない。これも事実ではないでしょうか。
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もっと痛みを (ルートヴィヒ29世)
2013-04-03 17:46:39
ちくわ様

(とりわけ自分以外の誰かに)良くなるためにもっと痛みを、もっと痛みを、と望んでいるのが、小泉以来の日本人ですね。みんなで幸せになるのが不可能とわかったから、切り捨てやすい誰かを切り捨てる、とりわけ自分以外の誰かを、とりわけ自分より弱い者を、なぜなら自分には、弱者のそばに寄り添うよりは、あわよくば強者となり弱者を見下したい欲望があるから。これは少なくとも明治あたりから一貫して変わっていない日本人の悪徳、と言うか、本質ですね。

結局のところ、痛みとは良くなるための過程でなく、食い扶持を減らし、自分だけは幸せになりたい自己中心的欲望の発露にほかなりません。上辺の理念はともかくですが、そもそも理念と欲望のベクトルが全く噛み合っていないので、良くなるために痛みを、もっと痛みを、等と叫び続けても、そして実際に痛みを受け続けても、何も変わる訳は無いのです。
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痛みと痒みと快感と (宗純)
2013-09-18 09:34:24
ちくわさん、ルートヴィヒ29世さん、コメント有難うございます。
1週間遅れで投稿されたコメントを見落としていて、返事が半年後になりました。

『他人の不幸は蜜の味』との言葉がありますが、自分自身でも痛みと快感は紙一重。
4年ほど前、秋葉原の耳かき店に勤める女性が、客に殺される事件があったが、痛みと痒みと快感が実は別々のものではなく、同一の刺激の強弱の差らしいですよ。
強いと痛みとして捉えるが、適度に弱いと快感に感じる。
スポーツマンなどは耐えられない極限的な苦しみとか恐怖の中でランナーズハイとかクライマーズハイの恍惚感を得ることが出来るのです。
痛みと快感は一つのコインの裏表の関係にあるらしいのですよ。
ちなみに大昔のことですが新婚時代に私の連れ合いが耳かきをしてやると言うので、嫌々してもらったら、困ったことに予想したとおり痛みしか感じない。
以後は断固拒否。自分で耳掃除は行っています。
例え一番親しい肉親や伴侶でも迂闊に自分以外の他人を信用するなどもってのほか。
自分で出来ることは人任せにせず絶対に自分で行うべきなのです。
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