『成瀬英樹のPOP A to Z』#176
RadiCro
『成瀬英樹のPOP A to Z』#176
(シーズン2:#63)
2020年08月08日(土)22:30-23:00
「オマージュ特集」Part.2
http://radicro.com/program/popatoz.html
【その5】
~オマージュ元
01) Oh Happy Day
オー・ハッピー・デイ 1969年4位
[ Edwin Hawkins ]
/エドウィン・ホーキンス・シンガーズ
The Edwin Hawkins' Singers
※18世紀の賛美歌をもとに作曲
~オマージュ
02) My Sweet Lord
マイ・スウィート・ロード 1970年1位(UK1位)
[ George Harrison ]
/ジョージ・ハリスン George Harrison
~「My Sweet Load」を盗作だと訴えて勝訴
03) He's So Fine
いかした彼 1963年1位/R&B1位
[ Ronald Mack ]
/シフォンズ Chiffons
【その6】
~オマージュ?パクリ?
04) Blurred Lines
ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪ 2013年1位/R&B1位
[ Robin Thicke / Clifford Harris, Jr. / Pharrell Williams ]
/ロビン・シック Robin Thicke
~オマージュ元
「Blurred Lines」を盗作だと遺族が訴えて勝訴
05) Got To Give It Up
黒い夜 1977年1位・R&B1位
[ Marvin Gaye ]
/マーヴィン・ゲイ Marvin Gaye
【その7】
~オマージュ?
06) 愛をこめて花束を 2008年(オリコン13位)
[ 作詞:越智志帆・多保孝一・いしわたり淳治 / 作曲:多保孝一 / 編曲:蔦谷好位置 ]
/Superfly スーパーフライ
※TBS系ドラマ『エジソンの母』主題歌
~オマージュ元?
07) CROSS ROAD 1993年(オリコン6位)
[ 作詞・作曲:桜井和寿 / 編曲:小林武史 & Mr.Children ]
/Mr.Children
※NTV系ドラマ『同窓会』主題歌
【その8】
~「Please Please Me」のオマージュ
08) Please Freeze Me 2013年
[ 作詞・作曲:EJ GOGGLE ]
/THE GOGGLES ザ・ゴーグルズ
~「Please Please Me」のオマージュ
09) PULP! 2017年
[ 作詞・作曲:佐々木良 ]
/サトミツ&ザ・トイレッツ
【その9】
~ビートルズのオマージュ満載ソング
10) これが私の生きる道 1996年(オリコン1位)
[ 作詞・作曲:奥田民生 ]
/PUFFY パフィー
※資生堂「ティセラ JUICY2」CMソング
以上、『成瀬英樹のPOP A to Z』第176回放送のプレイリスト(「POP A to Z」カテゴリーも設定しました。一括表示から過去の放送分も遡ってご覧頂けます。曲目の検索なども可能です。検索ワード「番組名」スペース「曲目orアーティスト名」というような形でお試し下さい)。
2020年8月はシーズン2のアルファベット「O」。第2週も「オマージュ特集」のパート2でしたが、奇しくも先週のパート1放送後、FMヨコハマ『萩原健太のotonanoラジオ』でも健太さんとROLLYさんの超楽しくて興味深いパクリ談義が炸裂したかと思えば、松尾潔さんのツイッターでもパクリの文化盗用を問題提起されてて(それも前日に僕が成瀬さんとツイッターで意見交換してた曲について!)、いつになくオマージュやパクリについて考えを巡らせた一週間でした(笑)。健太さんがおっしゃってたところの「美味しいパクリ」が「=オマージュ」という解釈でいいでしょうか?
杉真理さんもNHK-FMの『ディスカバー・ビートルズ』で紹介して下さってましたけど、「マイ・スウィート・ロード」は元々ビリー・プレストンにあげちゃった曲だったんですよね。それを本人が歌ってヒットしたことで生じた盗作疑惑に便乗するかのようにジョディ・ミラーが「He's So Fine」を「マイ・スウィート・ロード」風のアレンジでカヴァーしたことも火に油を注いで「盗作」騒動に発展、そして今度はシフォンズが「マイ・スウィート・ロード」をカヴァーしちゃうという「倒錯」状態(^^;)。でも、よくよく調べてみたら「マイ・スウィート・ロード」も「ブラード・ラインズ」も、「いかした彼」や「黒い夜」の作者が盗作だと直接訴えた訳ではなく、「ブラード・ラインズ」の裁判では作品の類似性そのものについては検証されてないみたいですね。
「愛をこめて花束を」が「CROSS ROAD」のオマージュなのではないか?という考察は、同業者にしてコントラファクトを実践する成瀬さんだからこそのご指摘で、実際聴き比べてみて「成程、そうかも!」と納得(曲名はサザンオールスターズの「心を込めて花束を」へのオマージュでしょうか?)。そもそもミスチルも小林武史さんもオマージュを得意とされてる作風ですし、ゴーグルズやサトミツ&ザ・トイレッツのオマージュ元であるビートルズの「Please Please Me」にしてもロイ・オービソンへのオマージュから生まれたような曲だったりしますもんね。更に「オー・ハッピー・デイ」にいたっては18世紀の賛美歌からですから、やはりポップ・ミュージックもオマージュを繰り返して受け継がれていくものなのかもしれません。
ゴーグルズやサトミツ&ザ・トイレッツ、あとパフィーもオマージュにパロディ精神がたっぷり加味されてるところが益々もって愉快なところで、サトミツ&ザ・トイレッツはアルバム・タイトルからして『ホワイト・アルバム』ですし、パフィーは資生堂のCMソングゆえに「私生道」という遊び心にもニンマリ(ゴーグルズはジャケのアートワークもイカしたオマージュで、僕は完全にジャケ買いでした)。そう言えばパフィーと奥田民生さん、ライヴで「MOTHER」演奏する時、「マイ・スウィート・ロード」のギターリフくっつけてませんでしたっけ?僕も断然「美味しいパクリ=オマージュ」が大好物です(^^)。
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