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2015年7月26日 (日)

なぜ我が国は世界の高等教育の変革を傍観しているのか?(1)

2015年春、欧州高等教育圏の47カ国・地域は、アルメニアで関係大臣会合を開催して、ボローニャ・プロセスの進捗状況を専門家の目を通して確認し、各国の財政事情が必ずしも好転しない中で、経済を始めとする格差によって高等教育機会に恵まれないグループに対する措置の充実などに関して、政治的なコミュニケを発表した。これらの成果は、ウクライナでは加盟国同士の戦闘状態が続き、イスラム過激派に参加する若者の流れが止まらない状況の中で、高等教育の価値を再認識させるために、一致点を見出そうという努力の賜物だと評価したい。比較可能なデータが共有され、専門家のネットワークが形成され、国別の進度差は大きいものの、欧州の高等教育は標準化や質保証の面で着実に前進している。また、ユネスコ欧州高等教育センターを中心に、大学ランキングに関する原則・基準作りの試みが、2002年以降、専門家の手により継続的に行われている。アジアでも、2007年上海、2012年台北で、会合が行われている。こうした試みを背景に、U-Multirankという多元的な観点からの大学ランキング・データベースが、2014年から公開されている。参加機関の3分の1以上が欧州以外の機関であり、多様なステークホルダーに有用なデータを提供するものとして、今後、実務的な価値を増していくものと考えられる。以上について、既に知識を持っている方は、相当な勉強家だろう。我が国では、これらの動向に関して、自ら参画し、内部からの情報として、解説することができる専門家は居るのだろうか?国会図書館の蔵書検索を使っても、驚くほど学術的な意味のある情報は乏しい。この情報格差はどうして起こっているのだろうか?

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