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2024年12月 6日 (金)

老いたる女の腹たかくてありく

デジタルアーキビストの国家資格化

 デジタルアーカイブ学会の主催するシンポジウム(オンライン)で、現場から見たデジタルアーキビスト像を巡って意見交換がありました。実務を担当している人の中には、組織においてデジタルアーカイブの価値への認識が低く、孤軍奮闘して体を壊すに至ったなどの悩みがあるとのことでした。また、公文書館の実務を行うアーキビスト、大学において科学技術データの収集保存を行う技術専門家、博物館・美術館などでデジタルアーカイブを管理運営する担当者など、様々な専門家との役割の区分及び養成課程の整理が必要だという指摘にはありました。デジタルアーカイブ学会では、人材養成の方向性に関して、中間まとめが発表されており、民間資格である正デジタルアーキビストをもとに、デジタル技術で多様なコンテンツを収集・保存・活用する基礎となる国家資格を検討することを提案しています。もちろん、国家資格の創設には、幾つものハードルがあります。その一つ一つをクリアしていくために、実現への課題の整理と実現までのロードマップを策定することが必要だと思います。主な課題として、担当府省をどこにするのか、資格の基本的性格及び試験制度をどうするか、国家資格化の必要性をどう説明するのかというような論点があります。現在の民間資格でも、企業の方の取得が増えて半数近くに上っています。望むらくは、不動産業界における宅建士のように、デジタル情報を扱う広範な組織に、この資格が認知されて、試験(筆記・実務)+更新講習によって、デジタルアーカイブの管理運営に当たる分厚い人材を確保するような流れを作りたいものです。

 

韓国大統領による非常戒厳

 宣布された戒厳令は、与党を含む国会の反対で頓挫し、早々に、解除されたました。宣布も解除も突然で、日本にいる私たちには、大統領がなぜこのような力による反対勢力への政治・言論弾圧に出たのか理解できません。少数与党の国会なので、野党ペースで予算や法案などの審議が進むのは避けられません。これも民意の表われですから、甘んじて受け入れるしかないはずです。気に入らぬと言っても、戒厳令とは極端過ぎるでしょう。今回の宣布・撤回によって、大統領の権威は地に落ちましたので、彼との連携で北朝鮮などへの外交・軍事的圧力を掛ける戦略が難しくなりました。韓国社会が政治的に分断状態にあることは理解していましたが、ここまでその溝が深く、対話による妥協という穏便な手法による解決が見込めなくなっているとは知りませんでした。外務省は兆候をつかんでいたのでしょうか?今後、大統領への弾劾、あるいは辞任ということになるのか、隣国の動乱には高い関心を持たざるを得ません。反日勢力が勢いを取り戻すのも困りますので、韓国国民には、現実主義的で安定した政権への支持を強く望みます。

 

研究大学の大学院拡充

 文科省が、研究力が高い国立大学について、学部の定員を削減して、大学院を拡充するという方針を示しました。恐らく、対象になりそうな大学は、よほど有利な条件でも示さない限り、この方針に従うことはなさそうです。そもそも文科省は、博士課程を拡充しましたが、博士に対する社会的需要を喚起することには失敗しています。博士課程に進学すると就職先を探すことに苦労するという笑えない状況があることは、広く知られています。それゆえに進学者が増えないのです。世界の中で珍しい低学歴社会が改まる兆しはありません。企業自身が、人材として可塑性が高い修士を好み、博士を積極的に雇用するつもりがないのです。東京大学さえも、博士課程の学生を確保することに難渋しているほどです。結果として、中国などからの留学生が博士課程に多数在籍することになります。要は、大学院を拡充しても、日本人の進学志望者が増える見込みはないのです。あるいは、無理に定員を埋めれば、学生の質を下げることになり、大学院の研究力はむしろ下がります。人材需要側の経済界からの要望があるならともかく、人材供給側が勝手に大学院を拡充する計画を作るのは、無謀だと感じます。社会的なニーズがある以上、研究大学における学部の定員を削減する必要はないと思います。学部を縮小すれば、大学院への進学者の確保はさらに困難になります。

 

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