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2024年12月20日 (金)

牛飼は、おほきにて、髪あららかなるが

相続トラブル

 地主と家主1月号に、三重県の方の、9年に及ぶ遺産分割協議の体験記が掲載されていました。資産家の一族が、相続対策として、跡取りになるはずだった子が亡くなった後に孫を養子にしたこと、公正証書による遺言で、遺産の3分の2を孫に、6分の1ずつを子の兄弟に相続させるとされたことから、子の兄弟が遺留分侵害訴訟を提起したのです。体験記を書いたのは、その孫に当たる方ですが、一番辛かったこととして、遺産分割協議中の家賃収入は貯め込んでおく必要があり、必要な修繕などに充てることができなかったことだとしています。また、不動産鑑定士の選定でも双方が自分に有利な鑑定をしてもらおうと、非常に揉めたようです。最終的には、選任していた弁護士を交代させて、不動産の大半を相続することができたそうですが、精算金として合計2000万円の支払いをしたことに加えて、9年間に失ったものは大きかったと述べています。仲が良かった一族が感情的な対立状態に陥り、取り返しがつかないほど不仲になってしまったのは、本当に取り返しのつかないことでした。遺産を巡る紛争は、どのような決着になろうとも、親族間の絆を破壊してしまいます。被相続人が意思を明確にした公正証書遺言があるにも拘らず、不公平だとして遺留分侵害訴訟をするのはいかがなものかと思いますが、この制度自体を見直す必要もあるのではないでしょうか?被相続人の意思として、このバランスが適当だと判断している以上、民法がそれでは不公平だと介入する必要があるのでしょうか?この体験記を読んで、そういう思いを強くしました。

 

区分マンション投資

 最近は、営業の電話がかかってくることも少なくなった印象ですが、2021年6月に投資用のワンルームマンションを合計7戸購入して、2022年4月に一部を売却、さらに、2024年5月までに、かろうじて年間数万円の黒字になる1戸を残して、他の所有物件を売却したという苦い体験の紹介が、地主と家主1月号に出ていました。教訓は、節税になるというトークには乗るな、友人の紹介で安心してはダメ、投資は不動産の勉強をしてから、赤字ならすぐに売却するということです。1300万円ほどの損失に止めることができたのは、早い決断の結果でした。幸いだったのは、ほとんどの物件で、ローンの残債が、売却価格よりも少なかったことです。この方の場合、始めに、4戸(南関東2、東北1、東京1)、追加で3戸(東京新築2、中古1)をフルローンで、勧められるままに、4か月間で購入しています。さらに加えて、4戸の購入も勧められたと言います。手付を払った後に、相談した友人から、専門家(税理士)の助言を聴くべきだと言われて、漸く、危ない泥沼に入らされていることに気が付いたとのことです。資産形成を助けるという誘い文句は、飛んでもない甘い罠でした。そのまま進んでいれば、地獄のような深みに嵌るところでした。みなさん、不正直な不動産屋さんには、気を付けましょう。

 

次期エネルギー計画案

 2040年の計画では、再生可能エネルギーの比率を40~50%にするとされています。現状の2倍程度という目標ですが、達成するには、具体的にどのような行動、投資が求められるのか、、国民に詳しく知らせる必要があると思います。太陽光発電のメガソーラーのような基地を拡充するのは、かなり難しくなっていると感じます。空地に膨大な数のパネルが建設されている景観を見れば、残念な思いがするからです。吉野は全山が見渡す限りの桜が鑑賞できる名所ですが、例えば、地元の美しい里山が一面のパネルに覆われるような姿を想像するのは、誰もが嫌でしょう。洋上風力発電を進めることは重要でしょうが、強力な台風が来ても被害を免れるような強靭な施設ができるのか、好立地の設置場所が漁業者との調整を含めてどれほど得られるのか、現実のモデルとなる洋上の発電基地を見せてもらわないうちは、国民は半信半疑です。ペロブスカイト太陽光発電が普及することへの期待も高まりますが、コストや生産の面で、2040年までに、現実的に、どの程度まで普及が可能なのでしょうか?目標を達成するために、どのような課題があるのか、大切なことなので、説明が必要だと感じます。また、CO₂排出削減効果についても、次期エネルギー計画が未達に終わり、化石燃料に頼る状況が続けば、どんな問題が起きるのかも明確に示すべきでしょう。原発反対を叫んでいた人たちは、エネルギーは足りているなどと無責任なことを平気で口にしていましたが、単に化石燃料を消費して、CO₂を増やしただけでした。さらに、エネルギー源を輸入して国富を減らすだけという図式からも、可能な限り脱却すべきです。エネルギーの貿易収支の改善についても、国民への情報提供を求めたいところです。その意味でも、原子力を単に繋ぎだとするのは、現実的だと思えません。継子扱いしてれば、人材が枯渇して、本当にエネルギー源として維持できなくなるでしょう。本当に、そうしたいのでしょうか?そうすることが日本のためになるのでしょうか?

 

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