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2024年12月16日 (月)

足四つ白きもいとをかし

シビル・ウォーアメリカ最後の日

 アメリカ合衆国で内戦が起きるというショッキングな内容です。アマゾンプライムで観ました。報道写真家たちが主人公で、ニューヨークからワシントンまで迂回しながら、PRESSと表示された車で1400キロを移動していくロードムービーになっています。道中では、無政府状態に起こりうる人間たちの闇の姿が描かれます。中でも狂気の極みと感じるのは、出身地の区別による容赦ない殺害です。ミズーリやコロラドの出身なら生粋のアメリカ人でOK、香港の出身なら中国人とされ問答無用、即射殺です。描かれているのは、現代のアメリカ人の一部が持っている偏見、差別意識、暴力志向が、内戦状態で解放されてしまっている地獄絵図です。心の中にある闇が、顕在化したら、こうですよという映画なのです。最後に、大統領がホワイトハウスで殺害された直後の現場を、若い写真家が一心不乱に撮影するシーンで、映画は終わります。新しいスター報道写真家の誕生は、未来への希望になります。しかし、それに至る前には、前世代の経験豊かなジャーナリスト及び報道写真家が犠牲になります。反乱軍側も、大統領らを殺す目的で行動しています。政府軍側、反乱軍側、どちらが正しいというわけではなく、聴く耳さえ持たない単なる殺し合いになっているのです。懸念されているアメリカの国民の分断が進めば、こういう未来が待っていると予感させる問題作です。連邦政府に反旗を翻すのが、カリフォルニアとテキサスの連合(旗は星が二つ)だというのも興味深い点です。民主党と共和党の重要な拠点州が手を組んで、独裁化した大統領に立ち向かうという構図にしているのです。内戦が最終局面に至っているにしては、都市が荒れていないのでおかしいとは感じますが、細かいことは置いておいて、局地戦の戦闘の緊張感、人間の底知れぬ残酷さ、内戦を引き起こした政治家の愚かさは、よく伝わってくると思います。この作品が、対話によるアメリカ再生への契機になればと祈ります。

 

エイレングラフ弁護士

 ローレンス・ブロック「エイレングラフ弁護士の事件簿」(文春文庫)は、事件の謎を解明する探偵小説といよりも、依頼主のために捜査や裁判を操作するために手段を択ばぬ悪漢小説です。弁護士とは言うものの、ミッション・インポッシブルのスパイ的な工作を実行するのが、主人公です。一番近い存在は、「笑ウせぇるすまん」の喪黒福造でしょうか?ただし、「ドーン」と手ひどい罰を食らわせるような場面はなく、代わりに、詩を引用しながら、ニヒルな笑いで閉めるのがエイレングラフ流です。このブラックユーモアに嵌ると、エイレングラフ中毒になりそうです。アメリカの法廷は、腕の良い高額な報酬を取る弁護士次第でどうにでもなるという実情も、この作品の背景にありそうです。さらに、メフィスト的な策略で、犯罪を糊塗してしまうというのは、ある意味で、スーパーヒーローとさえ言えるでしょう。業界全体がダークサイドに深く漬かっていることを逆手に取っているのです。週刊文春の2024年ミステリーベスト10において、海外部門第9位にランクインしている作品です。

 

日韓関係の寄り戻し

 韓国大統領の弾劾決議が可決され、憲法裁判所の審理を経て罷免が成立すれば、次期大統領選では、いわゆる革新系の候補が勝利する可能性が高くなります。韓国のことなので、私たちには、どうにもできませんが、再び日韓関係が厳冬の時代に入るのではないでしょうか?隣国日本との外交関係が、政権によって大きく変動するということは、不安定極まりないと思います。かりに予想通りのことが起きた場合、対抗策を今のうちに考えておくべきではないでしょうか?北朝鮮寄りの新政府による反日政策が一つ実行されれば、こちらも一つお返しをするという準備をしておくという意味です。韓国人が嫌いだとか、怪しからぬとか、くだらない感情論で言っているのではありませんが、国と国の関係では、相手の出方次第で、こちらも対抗措置を取るのが当たり前です。自分たちの正義を信じて怒りを振りかざす相手に対して、常に宥める側に回ってきましたが、効果は長続きしませんでした。その後、徹底して反日政策を繰り返した政権には、無視という態度で接しました。しかし、相手に痛みは伝わりませんでした。次は、対抗措置の準備があると予告して、自制を促すべきだと思います。例えば、差し当たって影響が小さいがインパクトのある方策として、韓国からの映像作品の輸入や芸能人・スポーツ選手の来日などのビジネスを制約したらどうでしょうか?また、新政府が日本を仮想敵とみなしている事実、学校教育で反日教育がなされ続けているために若い世代さえ反日感情が抜けないことを、日本も広く広報し、中学校でも教えたらどうでしょうか?さらに、日本から韓国への観光客については、安全確保が難しくなるので抑制するなどの措置も考えられます。当然ながら、外交や投資・通商も冷え込むでしょうが、韓国人の中にも政府とは違った親日的な考えを持つ人がいます。ゆえに、親日派との関係は強化することも重要です。我が国として、韓国の選挙に介入するというようなことはあり得ませんが、親日派が反韓国と受け取られるような状況から脱するための支援をするのは、我が国の国益にかなうことだと思います。要は、今度、日本を敵視する政権が韓国に誕生した場合は、無視ではなく、こちらも断固たる対抗策を講じると予め示すべきだと思います。

 

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