山崎豊子

山崎豊子 女学校時代の作文発見 島や海の描写『華麗なる一族』冒頭をほうふつ 観察眼と自然観、作家の自我すでに

山崎豊子の作文が掲載されている校友会誌『相愛』=村田貴司撮影
山崎豊子の作文が掲載されている校友会誌『相愛』=村田貴司撮影

 作家・山崎豊子(1924~2013年)が相愛高等女学校(大阪市、現在の相愛中学・高校)に在学していた頃に書いた作文5編が見つかった。独自の視点や表現力がみられ、専門家は「この時期から文筆家への憧れを抱いていたのでは」と指摘。後の山崎作品に通じる「鋭い観察眼」が生かされた文章を紹介したい。

 作文は、山崎が12~17歳の頃、女学校の校友会誌『相愛』に掲載されたもの。校友会誌は年に1回発行されていたとみられ、生徒の作文の他に習字、俳句、絵画なども取り上げている。山崎の作文は1936年から41年にかけて発行された5冊に1編ずつ載っていた。

 2019年、相愛大の荒井真理亜教授(日本近代文学)が同大の図書館で学内の所蔵資料を調査する際に見つけた。これまで山崎が残した資料では20~21歳の時に書かれた日記が知られているが、少女期の文章が発見されたのは初めてとみられる。

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