「セクシー田中さん」問題 二つの報告書から見えた根本のずれ

日本テレビが2024年1月29日にドラマ「セクシー田中さん」の番組ホームページにアップした「お悔やみ」=スクリーンショットより
日本テレビが2024年1月29日にドラマ「セクシー田中さん」の番組ホームページにアップした「お悔やみ」=スクリーンショットより

 日本テレビが昨年10~12月に放送した連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家、芦原妃名子(ひなこ)さんが急死した問題を巡り、日テレと原作出版元の小学館がそれぞれ、内部調査の報告書を公表した。二つの報告書からは、芦原さんが提示していたドラマ化の「条件」について、根本的な認識の違いや意思疎通不足があったことが判明。それぞれの主張の隔たりも目立った。両社は再発防止策を示したが、悲劇を繰り返さないため、契約書を含め、原作者との明確な合意形成を図る方策の実行が注目される。【井上知大、諸隈美紗稀】

原作者の死から4カ月 日テレと小学館が報告書

 このドラマの制作を巡るトラブルが知られることになったのは、脚本家と芦原さんによるネット交流サービス(SNS)への投稿だった。

 全10話のうち終盤2話の脚本は、芦原さんが自ら執筆したが、降板させられた脚本家が12月に不満を投稿。これに対し、芦原さんは今年1月下旬、ドラマ化の際に「必ず漫画に忠実に」することや、原作が完結していないためドラマオリジナルとなる終盤は…

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