連続テレビ小説「虎に翼」 (第76回・2024/7/15) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第76回/第16週『女やもめに花が咲く?』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
桂場(松山ケンイチ)や多岐川(滝藤賢一)らに送り出され、新潟地家裁三条支部に赴任した寅子(伊藤沙莉)は支部の職員たち、地元の弁護士・杉田太郎(高橋克実)らから大歓迎を受ける。困惑しながらも、新しい職場に一日でも早くなじもうと努力する寅子。一方で、娘・優未(竹澤咲子)との距離は縮まらない。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2,4,7,10,11,14,16週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘) 第3,8,13週
安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,となりのマサラ,やさしい猫) 第5,6,9,12週
伊集院悠(過去作/オーディオドラマ・FMシアター「告白の対価」静岡局制作) 第15週
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
裁判所考証:荒井史男(元名古屋高裁長官 定年退官)
風俗考証:天野隆子(過去作/ごちそうさん,花子とアン,スカーレット)
旧字考証:三浦直人(明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
ジェンダー・セクシュアリティ考証:前川直哉(福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト )
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略
多くの人が『虎に翼』に魅了されている
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
先週の金曜日分の感想に〔80回〕、土曜日版にもかかわらず〔33回〕もの Web拍手や幾つかのコメントをいただいた。
熱意を込めて書いた甲斐もあると同時に、多くの人が『虎に翼』に魅了されていることが分かる。
そして、昨夜に、読者様からのコメントにお答えした記事を投稿した。
当然ネタバレは一切なしの、ただの私の推測と探求による「読みもの」なので、三連休最終日の暇つぶしにでも楽しんでいただければ幸いです…
朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは?
朝ドラの月曜日の冒頭は、教科書的な演出が似合う
冒頭から、演出の教科書のような表現で始まった第16週『女やもめに花が咲く?』の月曜日だ。
ファーストカットで、東京とは異なる田んぼと山々が広がる情景カット。
そこへ、ウグイスの鳴き声だけで、先週末を見ていなくても、舞台が東京から地方に移ったことが分かる。
さらに、手前に満開の桜、遠景に頂上付近に雪が残る山々を置いた構図に「昭和27年(1952)春」の文字。
カットが切り替わって、横位置の構図の桜並木に「新潟県・三条市」の文字に、「おはようございます」のセリフ。
たったの4カット、21秒間で、「時代・季節・場所・時間帯」が分かるのだ。
先週の(恐らく若手だと思われる)伊集院悠氏の月曜日の演出では、季節感がなかったと書いた。
※火曜日以降には徐々に季節感が見られ、右上がりに良き演出になったが。
で、今週の演出は、今作のメイン監督であるベテランの梛川善郎氏だ。
寅子(伊藤沙莉)が右手に通勤カバン、左手に買い物かごを持っていることで、仕事を家事の両立をやっている(やろうとしている)ことまで分かるのだ。
朝ドラの月曜日の冒頭は、このように端的に情報提供する教科書的な演出が似合うと思う。
新章の月曜日が明るくスタートして新鮮さが増した
興味深かったのは、アバンタイトルの構成だ。
序盤で “今” を描き、直後に甘味処「竹もと」で “過去” と行ったり来たり。
「新潟編」になって、「裁判官編」のサブキャラクターたちはしばらく登場しないと思っていたから、まずはサプライズ。
その上で、先週で描かれた桂場(松山ケンイチ)や多岐川(滝藤賢一)らの「俺たちに… 好かれてしまっている」の映像化だ。
これだけの描写だが、桂場の “飛び切りの愛” が本物であることも伝わった。
そして、アバンタイトルのまま、三条支部の地元の弁護士・杉田太郎(高橋克実)や主任書記官 兼 庶務課長・深田仁助(遠山俊也)らに、予想と真逆の大歓迎を受けて、肩透かしを食らう寅子。
そのまま、サクッとスタジオセットの紹介をやって、2分26秒の少し長めのアバンが終了。
先週が少々重苦しい内容だっただけに、新章の月曜日が明るくスタートするのも新鮮さが増してよかったと思う。
買い物かごで、寅子の"今"が見えてくる
メインタイトル映像明けは、初日の顔見せ? が終わり帰宅の途に就く寅子。
花束と一緒に抱える買い物かごは空のままだ。
で、カットが変わると、先の照明(屋外撮影だが)よりも、少しアンバー系(琥珀色)の照明と長い影で、夕景の佐田家へ。
アバンでは空っぽだった買い物かごに新聞紙に包まれた野菜らしいものが入って、買い物帰りであることも分かる。
これだけの映像と語りで、寅子が二つの土台形成を頑張っているのが伝わるのだ。
寅子と優未のツーショットの見せ方と魅せ方の工夫
夕食のシーンは、金曜日でも触れたが、恐らく意図的に寅子と娘・優未(竹澤咲子)との距離が縮まらないことを映像化する目的で「引きめの構図」になっている。
会話も、寅子からの一方通行になっており。
こじんまりした座卓が、中世ヨーロッパ時代の晩餐会の長テーブルくらいに巨大に映る。
さらに、四角い座卓、四角い座布団、四角い畳、四角い襖や障子が強調された映像によって、寅子と優未の関係が「面取りしたイモの煮っころがし」になるのも遠い感じで。
序盤の三条支部の土台作りと、母子の土台作りのメリハリが見えた。
三条支部と佐田家の緩急の付け方で「次回が見たくなる」に
最初に詳細部分に触れたので、ここから今回を総括的に見てみようと思う。
一般的な朝ドラにおける「新章のはじまりの月曜日」は、説明過多で終始してしまうものだ。
でも、今回は、「新潟編」のざっくりとした状況説明と、中心になるサブキャラたちの紹介になっていなかった… と感じた人が多かったのでは?
むしろ、三条支部での寅子は、トラブル発生の暗雲が立ち込め始めそうな雰囲気を漂わせ。
新居での寅子は空回りしつつ、優未は「スンッ」と「お利口さんのふり」を黙々と遂行中って感じ。
要するに、“現状” を描きつつ、“何かが起こりそう” を前面に押し出したのだ。
もちろん、突然登場した航一(岡田将生)を含めて、全く先が読めない。
それだから、「先が気になる」「次回が見たくなる」に、ちゃんとなっていると思う。
高橋克実さんと田口浩正さんの兄弟配役がセンスが良すぎ!
それにしても、地元の兄弟弁護士・杉田太郎と次郎(タロジロ?)を演じるのが、高橋克実さんと田口浩正さんのキャスティングって、センスが良すぎる!
また、高橋克実さんは「新潟県三条市生まれ」だから、三条弁がネイティブなのだ。
もう一人の新潟出身者が、(たぶん…)三条支部で庶務課・小野知子(堺小春)の隣の席に座っていた男性・平田を演じる小野田せっかくさん。
下記の高橋さんへのインタビュー記事が面白かったので、プチおすすめ!
「三条弁には、『らて』という可愛い語尾があって、『~です』を『~らて』と言うんですよ。例えば、『そうです』は『そうらて』になって、『カフェラテです』は『カフェラテらて』に……。この『らて』が、寅子の「はて?」に続いて流行って欲しいと期待しています!」
虎に翼:“新潟編”突入! “12年ぶり朝ドラ”高橋克実が三条市の弁護士役 東京からきた寅子に愛想よくふるまうが - MANTANWEB(まんたんウェブ)
あとがき
今回の内容と全く関係ありませんが。
そろそろ、“トラつば・アベンジャーズ” で再集結していない涼子(桜井ユキ)と、涼子のお付き・玉(羽瀬川なぎ) が出てこないかなぁとひそかに期待をしています。
航一の新潟観光のおススメの場所で再会したら、久し振りに「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」が合体するんですけどね。
とりあえず、新章を見守ります…
本日(7/15・祝月)は「お仕事日=仕事をガッツリやる日」なので、お返事などは遅くなると思います…
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/19018/
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