朝ドラ「虎に翼」多岐川幸四郎(滝藤賢一)のモデルは“家庭裁判所の父”宇田川潤四郎さん?「花子とアン」との意外なご縁も!
第11週は、‘タッキー’こと多岐川幸四郎(滝藤賢一)が登場
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当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
いよいよ…
‘ライアン’こと久藤頼安(沢村一樹)
‘ハーシー’こと小橋浩之(名村辰)
に続いて、個性的なキャラクターが登場する。
その名も、‘タッキー’こと多岐川幸四郎(滝藤賢一)だ。
個性的なサブキャラクターで年表の1行1行をドラマチックに
公式サイトや番宣を見ると。
多岐川幸四郎(滝藤賢一)は、家庭裁判所設立準備室に異動することになった寅子(伊藤沙莉)の上司で室長。
寅子らと共に家庭裁判所設立に奔走するが、相当な変わり者という設定だ。
先日の投稿で。
ヒロイン・猪爪寅子(伊藤沙莉)のモデルとなった「三淵嘉子さん」が女性弁護士になってからの人生はいわゆる「順調な出世街道」のため…
“ドラマ” としては、それなりの工夫をしないと「年表の箇条書き」に陥りやすいと書いた。
そこで、今作の脚本家、制作統括、演出家らが考え出したのが。
個性的なサブキャラクターで年表の一行一行をデフォルメしつつ、ドラマチックに、分かりやすく描くことだと推測している。
この推測は、「新章」「裁判官編」が始まった6月3日からの第10週『女の知恵は鼻の先?』における、久藤と小橋でほぼ証明されたのではないかと思う。
そこで、前置きが長くなったが、この‘タッキー’こと多岐川室長のモデルについて書いてみる。
三淵嘉子さんが最高裁家庭局の事務官に任命された際の上司
これまた、公式には「寅子=三淵嘉子さん」以外の “モデルやモチーフ” は認めていない(と思う)ので、あくまでも推測のレベルであることをお断りしておく。
ではまず、三淵嘉子さんの「司法史上の年表」のお話をする。
三淵嘉子さんは、日本の司法史において、昭和24年(1949)に日本初の最高裁判所事務総局家庭局(通称「最高裁家庭局)で局付の事務官に任命された女性だ。
その際の直属の上司が、のちに「家庭裁判所の父」と呼ばれる「宇田川潤四郎さん」だ。
因みに、三淵さんは翌年の昭和25年(1950)に、最高裁から命じられ、家庭裁判所の制度を学ぶためにアメリカに派遣されている。
寅子の上司となり、ともに家庭裁判所の設立準備にまい進
宇田川さんは、昭和24年(1949)1月に、初代最高裁家庭局長に就任した。
先述のアメリカ派遣で三淵さんは、アメリカには女性による法律団体があることを知り、昭和25年(1950)に女性の弁護士・裁判官・検察官に大学の法学研究者も加えて10余名で日本婦人法律家協会を設立する。
のちの昭和54年(1797)には会長に就任し、現在の協会員数はおよそ 900名。
その日本婦人法律家協会の設立の際の記念講演が、宇田川さんの「日本における少年問題」だったそうだ。
下記のNHKの公式アナウンスには次のような記載がある。
2024年度前期 連続テレビ小説「虎に翼」新たな出演者発表 第5弾
寅子の上司となり、ともに家庭裁判所の設立準備にまい進する。かなりの変わり者で、寅子を呆れさせるが、家裁への情熱は誰にも負けない。
宇田川さんは、朝ドラ「花子とアン」との意外なご縁も!
実は、宇田川さんも、かなり変わった人だとの記録が残っている。
例えば、日本の司法制度上にはなかった「家庭裁判所」を広く全国に普及させる広報活動に選んだのが、NHKのラジオ番組。
宇田川さんが実際に広報活動に利用したラジオ番組が、GHQの指導を受けて制作された婦人向け教育番組『婦人の時間』だ。
ここからが、表題にも書いた『「花子とアン」との意外なご縁も!』の解説だ。
昭和7年(1932)から昭和16年(1941)11月まで、JOAK(当時の NHK)のラジオ番組『子供の時間』の一コーナー『コドモの新聞』に‘ラジオのおばさん’として人気を博したパーソナリティーが、村岡花子さんだった。
村岡花子さんは、朝ドラ『花子とアン』のヒロインのモデルとなったから、知っている人もいるのでは?
その当時の村岡さんの人気は寄席芸人や漫談家に物真似されるほどで、多くの女性の憧れでもあった。
そんな村岡さんに憧れて、昭和19年(1945)に NHKに入局した女性アナウンサー・武井照子さんが『婦人の時間』の担当だった。
武井さんは、既に今でいうラジオパーソナリティーの先駆者的な存在だった翻訳家で児童文学者の村岡花子さんや…
自伝的小説『放浪記』(←森光子さんの演劇で有名な演目)で一躍人気作家となった林芙美子さんらの指導を仰いだという。
また、時々、村岡さんは『婦人の時間』にも出演されたそうだ。
今後の『虎と翼』で、ラジオ番組『婦人の時間』をモチーフにした場面があるか分からないが。
『虎に翼』と『花子とアン』も世界観がつながっているということだ。
「水行」「滝行」「ピンピン体操」を行った宇田川さん
また、書籍『家庭裁判所物語』によると、宇田川さんが「水行(成田山新勝寺では‘すいぎょう’と読む)」や「滝行(たきぎょう)」、「ピンピン体操」を行ったそうだ。
とにもかくにも、芸能界でも有名なオシャレイケメンの滝藤賢一さんが、チョビヒゲをつけてふんどしで滝行って(笑)
そもそも、滝藤さんが奇人変人なところが魅力なのに… 楽しみすぎる!
【参考文献】
三淵嘉子と家庭裁判所(日本評論社)
家庭裁判所物語(日本評論社)
三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち(日本評論社)
あとがき
既に「1/3」が終わっているんですね。
なんか、常にストーリーが前進し続けているので、「もう三分の一?」という気持ちです。
息切れすることなく、進んでほしいです…
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18923/
【これまでの感想】
第1週『女賢しくて牛売り損なう?』
1 2 3 4 5 土
第2週『女三人寄ればかしましい?』
6 7 8 9 10 土
第3週『女は三界に家なし?』
11 12 13 14 15 土
朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由
第4週『屈み女に反り男?』
16 17 18 19 20 土
第5週『朝雨は女の腕まくり?』
21 22 23 24 25 土
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土
第7週『女の心は猫の目?』
31 32 33 34 35 土
第8週『女冥利に尽きる?』
36 37 38 39 40 土
第9週『男は度胸、女は愛嬌?』
41 42 43 44 45 土
納得!「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…?
第10週『女の知恵は鼻の先?』
46 47 48 49 50 土
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