連続テレビ小説「虎に翼」 (第12週・土曜日版・2024/6/22) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
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第12週『家に女房なきは火のない炉のごとし?』の「土曜日版」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
昭和24年1月、全国に家庭裁判所が設立される。最高裁判所家庭局事務官、そして東京家庭裁判所判事補になった寅子(伊藤沙莉)は多岐川(滝藤賢一)とともに戦争孤児の問題に向き合う。視察に出かけた寅子は上野の街でスリの少年・道男(和田庵)を追い、よね(土居志央梨)と再会する。轟(戸塚純貴)とよねは焼け残ったカフェー「燈台」に弁護士事務所を開いていた。寅子ははる(石田ゆり子)の了承を得て、道男を猪爪家に居候させるが、花江(森田望智)にとった態度が誤解され、道男が家を飛び出してしまう。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2,4,7,10,11週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘) 第3,8週
安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,となりのマサラ,やさしい猫) 第5,6,9,12週
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
裁判所考証:荒井史男(元名古屋高裁長官 定年退官)
風俗考証:天野隆子(過去作/ごちそうさん,花子とアン,スカーレット)
旧字考証:三浦直人(明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
ジェンダー・セクシュアリティ考証:前川直哉(福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト )
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略
お涙頂戴的なエピソードが大好物という視聴者は悪くない
私のブログに来てくれて、ありがとうございます。
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです!
一定数、お涙頂戴的なエピソードが大好物という視聴者がいる。
別に卑下するつもりはない。
なぜなら、作り手としては、お涙頂戴くらい視聴者を簡単に感情移入させる方法はないからやっているわけ。
だから、感情移入するのは何ら間違っていないのだ。
ただ、私は、度を過ぎて露骨な場合は作為に見えすぎて、冷めた目になってしまう… それだけのこと。
"道男の推しすぎ"が、かなり薄まった!
今週の「土曜日版」をひと言で表すなら。 編集者、および演出担当者の苦労が分かると同時に、苦労が報われぬ失敗作だったように思う。
おっと、あくまでも「土曜日版」のことだ。
まず、スタッフの苦労が分かる部分。
もう蒸し返して書かないが、先日から書き続けている「道男の推しすぎの件」だ。
これの印象が、大袈裟にいうなら “見違えるくらい修正” されていた。
顔のアップなどを削るだけでなく。
序盤で、道男(和田庵)が、よね(土居志央梨)や轟(戸塚純貴)の知り合いだから寅子(伊藤沙莉)を認めた感じであること。
終盤の花江(森田望智)や寅子の道男への “家族の一員” であることの表明。 その他にも的確にナレーションが補強しているため、推しすぎの印象はほとんどない。
むしろ、母・はる(石田ゆり子)や花江らの “サブキャラクターのサブキャラ” にちゃんと見えた。
「本編」もこれくらいにしてくれたら、わざわざゴリ押しだなんて書く必要はなかったのに。
この点については、「本編」で「?」と思われた視聴者には「「土曜日版」を見て、浄化したらよいと思う。
"道男と花江"を残しすぎたために…
もう一点の…
苦労が報われぬ失敗作だと思う部分。
これは、本編の感想でも書いたが。
これが「寅子の物語」「裁判官になった寅子のお仕事ドラマ」ですか? という問題だ。
この感想の直前に下記の投稿をした。
午後LIVEニュースーン 午後4時台・「虎に翼」取材担当者がドラマの裏側を語る“第12週の寅子と家裁がやったこと”
その中で、次のように書いた。
そこで、家裁の職員らの多くが孤児たちを自宅に招き、知り合いなどの協力を得ていたという事実を、今作がドラマ化したわけだ。
「本編」では、ちゃんと、上野の視察風景、少年らからの聞き取り調査以外にも。
地方出張、上野へ道を探しに行くくだりなどもあった。
だから、「寅子の物語」「裁判官になった寅子のお仕事ドラマ」としても成立していた。
でも、「土曜日版」では、道男の「(花江ちゃんの大切な人に)俺 なれないかな?」を残したために、「猪爪家の物語」「道男と花江の物語」の印象が強めになってしまった。
これによって、「寅子の物語」が薄まったのだ。
ちょっとしたさじ加減で"寅子のお仕事ドラマ"になったのに
ここで、今作を少し引いた目で見てみよう。
そもそも、寅子という人は、女学生時代から家事をやらない人だ。
そして、結婚してからは、お世辞にも家事や子育てに頑張っているように見えるとは言い難い。
もちろん、「地獄」を歩み続けているのだし、そういう“設定”だから、もっと育児と家事をやれなんて思わない。
しかし、「本編」をじっくり見ている人なら分かると思うが、細かい描写、短い尺だが、寅子の子育てや家事は随所に散りばめられているのだ。
でも、「土曜日版」でそれらが削除され気味の上で、家事や、(道男を含めた)子育てをも頑張る はると花江が大量に残っているために、「猪爪家の物語」の印象が強くなってしまった。
これによって、最も薄まってしまったのが「裁判官になった寅子のお仕事ドラマ」なわけだ。
きっと、脚本も演出も、「やだあ~っ!」と、日記と、笹ずしで寅子を強調したから許してね… だろう。
でも、やはり「本編」の印象操作が可能な「土曜日版」なのだから、ここは、仕事として道男を家に連れてきて、若い花江に道男を任せたという「本編」にあった印象は残すべきだったと思う。
あとがき
前述の投稿でも書きましたが。
今週が「裁判官編:少年部パート」で、来週が「裁判官編:家事部パート」の構成に無理があると思います。
やはり、今週は、少年部で奮闘する寅子だけを描き、業務中に道男を出会うまで。
来週で、道男が自宅にやってきての騒動と はるさんの死。
家裁の少年部の仕事を描くエピソードして良かったので、いろいろと盛り込んでしまったのが…
今週は終わったので、来週から頭を切り替えます。
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18963/
【これまでの感想】
第1週『女賢しくて牛売り損なう?』
1 2 3 4 5 土
第2週『女三人寄ればかしましい?』
6 7 8 9 10 土
第3週『女は三界に家なし?』
11 12 13 14 15 土
朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由
第4週『屈み女に反り男?』
16 17 18 19 20 土
第5週『朝雨は女の腕まくり?』
21 22 23 24 25 土
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土
第7週『女の心は猫の目?』
31 32 33 34 35 土
第8週『女冥利に尽きる?』
36 37 38 39 40 土
第9週『男は度胸、女は愛嬌?』
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第10週『女の知恵は鼻の先?』
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