朝ドラ「虎に翼」への質問に回答「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか?」
「轟の、花岡への感情に"恋愛要素"はあったと思いますか?」
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
複数の読者様から、次の質問をいただいた。
一部が非公開コメントなので、この場を利用して答えてみる。
「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか?」
『生理のおじさんとその娘』でも似たようなことがあった
2024年6月10日放送の第51回の感想では、私は敢えて次の表現で比喩をした。
よねに告白する轟の花岡への思いの吐露
きっと、質問をくださった読者様は、私の曖昧な表現にピンときたのだと思う。
私が曖昧に “思い”と書いたのには理由がある。
それは、 吉田恵里香氏が脚本を過去に書いた NHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』(2023/3/24)に酷似したキャラクターが登場したことを思い出したからだ。
その録画を見直して “ある確認” をしないと軽々に書けないと踏んだからだ。
※一部のネット上にこの件について吉田氏が言及した内容が掲載されているようだが、読んではいない(理由は後述する)
初期設定の轟は、「男性を恋愛対象にする男性」だと思う
私なりの結論に達したので、私が吉田氏の脚本を含めた “第51回から受け止めたもの” を綴ってみる。
答えから書くと。
轟太一(戸塚純貴さん)の、花岡悟(岩田剛典さん)への気持ちには、恐らく初登場の場面から “恋愛感情あり”だったと推測できる。
ここで明確にしておきたいのは、轟本人の中では、花岡の生前時も死後も “花岡を恋愛対象として見る、および、感じるラブ要素” の自認(特に、LGBTQ+)はなかった(ない)と受け止めた。
因みに、LGBTQ+とは、解釈はいろいろあるが一般的に、性的指向(好きになる性)、性自認(心の性)のこと。
要するに、吉田氏が書いた脚本上の【初期設定段階】での轟は、「男性を恋愛対象にする男性」で「同性愛」「男性同性愛」「ゲイ」と呼ばれるセクシュアリティだったと思う。
但し、劇中の轟本人を含めた俳優や演出家が、「同性愛」「男性同性愛」「ゲイ」だという設定で演出・演技をされたかどうかは分からない。
吉田氏の頭の中の「轟太一」は「同性愛」「男性同性愛」「ゲイ」として生きていたという解釈をした。
分かるだろうか???
ドラマ『生理のおじさんとその娘』の中に答えがあった
その根拠を書いてみる。
そこで、先ほどのNHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』 の話になる。
未鑑賞の人は、恐らく分かりにくいと思うが、こればかりは「機会があったら見てほしい」としか言いようがないから進める。
ドラマ『生理のおじさん~』では、劇中の重要人物の一人が <終盤> で「実はレズビアンだった」と描かれるのだ。
当時は賛否両論あったが。
私は「必要ないじゃん!」「他に注力すべきとこあるでしょ?」だったから、記憶が曖昧だったわけだ。
「吉田恵里香」という脚本家、作家の作品の、ある共通点
あまり、面識のない人を勝手にカテゴライズしたり分類、決めつけをやったりするのは嫌いだ。
でも、分かりやすいから、やんわりとやってみる。
「吉田恵里香」という脚本家、作家の作品、特に『生理のおじさん~』や『恋せぬふたり』(NHK/2022)などの類似のテレビドラマにおいては、登場人物のセクシャリティに関連する作品に共通点がある。
それは、時々ではあるが、一部の登場人物のセクシャリティを明確な【初期設定】に落とし込まずに、撮影現場(演出家)に委ねること。
ご本人は強い意識下でやっているかもしれないし、個性や特徴として積極的に書いているかもしれないが、そんなのは私が知るはずはない。
因みに、ここでいうセクシャリティとは、「性的指向」「性自認」「性的行動」「性的嗜好」などからなる個人の尊厳の重要な要素であり、社会的・文化的な影響を受ける大切なことで、多様性があることを理解する必要があること。
では、なぜ吉田氏は、登場人物のセクシャリティを明確に【初期設定】にして劇中に登場させるケースがあるのか?
ここからは、更に過激な推測でしかないが(苦笑)
簡単にいえば、「架空のドラマの世界も、現実の世界と同じにしたい」だと思う。
現実の世界では、曖昧で揺れ動くセクシャリティを生きるLGBTQ+ 当事者がたくさんいる。
そういう人たちが普通に存在することが「今の現実」だから、それを「ドラマの中」に持ち込んでいるだけ… だと思う。
もちろん、このやり方にも賛否量両論あると思う。
しかし、とても良い意味で「吉田恵里香」という作家は、自身の「ドラマの中」を「今の現実」のように描くことで、視聴者や観客に “考えるきっかけ” を与えている意図や心積もりがあると思うのだ。
「令和6年度の朝ドラ」でやるのはチャレンジしすぎかなぁ
私は「今の日本のドラマ」、特に「令和6年度の朝ドラ」でやるのはチャレンジしすぎかなぁと思う。
ただ、朝ドラ、特に法律、憲法、男尊女卑、男女平等を扱う『虎に翼』でやることに大きな意味と意義はあるのは認める。
それこそ、こう言っちゃ悪いが『夜ドラ』あたりでやったところで、2シーズンも放送された『作りたい女と食べたい女』程度の話題にしかならないのだ。
自己弁護しておくが、私は『つくたべ』の原作漫画も実写ドラマ版も大好きで、一定の意味も意義も価値もあったと思うが、それでも「夜ドラ枠だから…」は否めないのだ。
"ボーイズラブ"と"男同士の友情と尊敬"のどっちでもいい!
長くなったから、まとめよう。
第51回の轟の、山田よねさん(土居志央梨さん)への吐露、告白を、敢えて表現すると「轟の花岡へのボーイズラブ」と捉えても、「轟の花岡への男同士の友情と尊敬の念」と捉えても、どちらでも良いと思う。
もう一度書くが、基本的に作り手という立場は、制作物に強い思いを込めて受け手に届くようにするが、受け手がどう感じるかはご勝手に… だと思うからだ。
もしも、「絶対に‘こう’解釈してほしい」と思うなら、脚本や漫画や小説や映像なんて回りくどい手段を使わずに、自分の口で、言葉で、訴え伝えれば良いのだ。
自分の生業である作業(脚本や漫画や小説や映像)で「伝わらない」のは、単純に技術不足、能力不足… に尽きると思う。
私なんぞのモノづくりの端くれが偉そうに言えたものではないが。
こんな私だって、お金をいただいて作品を作って納品(映像を作って、ホテルで上映して見せるまで)をするまで誠心誠意の魂を込めるが、お披露目したら針の筵(むしろ)の上にたったひとりで立っているのと同じなのだ。
恐らく、吉田氏のことだから、どこかで自己弁護(言い訳とはいいません)を、またやっているとは思う。
それこそ、吉田氏は自分の力量を自覚していらっしゃる聡明な賢明な作家さんだから、「どうしても伝えたいこと」を補強したいと思うのは分かる気がする。
私に言わせれば、そういう場が与えられるだけで恵まれていると思う。
私なんぞは、「実はこれを伝えたかったんです」なんて言い訳したら、二度と同じくらいクライアントから仕事はもらえないと思うから(涙)
だから、私は毎年仕事をくださる依頼主さんでも、初めてのクライアントさんでも、「今回限り」だと思って全力投球するのみだ。
最後はちょっとずれたが、あなたが感じたとおりでよいと思う。
吉田氏には申し訳ないが、轟の初期設定が『虎に翼』の根幹に影響するとは思えないからだ。
いや、吉田氏もそう思っているから、盛り込んだのかもしれないが…
あとがき
基本的に SNSはドラマ公式アカウント以外見ませんし、ドラマ関連のネットニュースもネタバレが怖いので極力読まないようにしております。
従って、私のこの投稿がとんちんかんな可能性もあります。
が、特に情報提供は不要です、自分で探せる ITリテラシーは持っていますので。
今回は、私なりの読者様への答えを書かせていただきました。
「こう見るべき!」なんて、ドラマの楽しみ方に正しいも間違いもないと思います。
自由に感じて、受け止めたら良いと思います。
ただ、このブログは私の意見を書く場所ですから、議論をやるなら他の場所でお願いします。
そんな暇はありませんので、あしからず。
最後に、この件で吉田恵里香さんへの期待度は変わりませんし、今作への応援も全く変えるつもりもありません。
もちろん、今後次第ですけど(汗)
※本日は多忙につき、しばらくの間 コメント欄は閉鎖いたします。
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18928/
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