連続テレビ小説「虎に翼」 (第8回・2024/4/10) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
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第8回/第2週『女三人寄ればかしましい?』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
よね(土居志央梨)を尾行し、初めて法廷で傍聴することになった寅子(伊藤沙莉)。行われていた裁判は、離婚の決着がつかない夫婦の間で、せめて形見の着物を返して欲しいと妻が夫を訴えたものだった。妻には所有権がないことを知って憤る寅子は、帰宅後に優三(仲野太賀)を質問攻めにする。なぜ結婚した女の財産は夫の管理下に置かれるのか。女性が置かれる理不尽な立場を認識した寅子は、「結婚」にますます懐疑的になる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2週
安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,鎌倉殿の13人,やさしい猫)
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘)
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
料理指導:赤堀博美(過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト )
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略
着実に、寅子もストーリーも前進していることが分かる
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
内容、そう、裁判の内容については、前回の感想で私が予想したとおりだ。
離婚の決着がついていない夫婦間の裁判で、肩身の着物だけは返還してほしいと妻が夫を訴える内容だ。
従って、裁判について書くことはない。
まあ、“ドラマ” としてはかなり都合のよい裁判だとは思うが。
しかし、先日から述べているように、第1週で寅子(伊藤沙莉)に生じた “妻は無能力者” の延長線上に “婚姻制度への不信感” を結び付ける裁判としては、最良の設定だ。
要するに、主人公・寅子が進むべき道、目指す行き先を、第2週で明確に提示したカタチだ。
着実に、寅子もストーリーも前進していることが分かるのは非常に良いことだ。
朝ドラ史上の最高傑作と呼ばれる『カーネーション』に匹敵
更に、最近のテレビドラマには見られない良いことがある点に言及してみる。
それは、“朝ドラ” 以外の最近の “ドラマ” にも共通して言えることとして。
主人公が何らかの仕事を志す際に、そのきっかけや動機を曖昧に描写する作品が多いことだ。
例えば、朝ドラ『ちむどんどん』(NHK/2022年度前期)は「東京でコックさんになりたい」、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK/2022年度後期)は「空を飛びたい」、朝ドラ『らんまん』(NHK/2023前期)は「花が好き」、朝ドラ『ブギウギ』(NHK/2023後期)は「歌と踊りが好き」…
敢えていうなら、趣味や習い事の延長戦、その程度の理由なのだ。
あの朝ドラ『エール』(NHK/2020年度前期)ですら、「主人公は音楽に導かれるように…」なのだ。
その視点では、地元のだんじり祭りでの「なぜ男性だけ?」の疑問に端を発し、日本の女性たちのファッションだけでなく生き方まで変えたヒロインを描いた、奇しくも語り担当の尾野真千子さん主演、朝ドラ『カーネーション』(NHK/2011年度後期)に匹敵する明瞭さだ。
もちろん、『カーネーション』が朝ドラ史上の最高傑作と呼ばれるのも、そこが大きな理由でもあるのだ。
最近のお仕事ドラマは主人公の志が曖昧だから盛り上がらない!?
少しだけ脱線すると。
ではなぜ、最近の、特に朝ドラでは主人公の志を強調しないのか?
それは偏(ひとえ)に、キャラが濃くなりすぎて、ほかのキャラ設定と馴染みづらいからだ。
ほかの登場人物は今風に「何となく…」なのに、主人公だけ熱血漢だと浮いてしまう。
また、若い世代(と決めつけはいけないが)は、昭和世代よりも仕事仕事ではないと思う。
そういう人は、寅子に力入り過ぎ、気負い過ぎと思うかも。
でも、最近の “お仕事ドラマ” が昭和や令和のころよりも盛り上がらないのは、主人公が「何となく」その職業に就いているからかも?
もちろん、伊藤沙莉さんが主演した『シッコウ!!?犬と私と執行官?』(テレ朝/2023)ですら「行き当たりばったりで執行補助者になる」のだから(苦笑)
『虎に翼』と『ブギウギ』を並べて考えると面白い
しれ~っと、話を今作に戻そう。
今作で、いま描いているのは、女性の集団の中での、特に寅子とよね(土居志央梨)、それぞれの考えた方の違いであり。
大袈裟にいえば、女性たちの地位や権利が低い時代に放浪される姿だ。
先日も書いたが、前作『ブギウギ』の主人公・スズ子のモデル “笠置シヅ子” と、今作の寅子のモデル “三淵嘉子” は同い年な点に注目だ。
『ブギウギ』なら、第3週あたりで、秋山美月(伊原六花)が梅丸歌劇団に入り、スズ子(趣里)の人気が下火になりはじめているところに、「桃色争議」が始まる頃なのだ。
前作でも、女性の集団を描く中で、女性たちの地位や権利を主張するくだりで、重なるのが興味深い。
法曹界も法律も、歌や踊りのエンターテインメント業界も、大きく変わる第一歩を描いていると考えると、ふたつのドラマをリンクして見るのも面白いと思う。
お笑いコンビ・シソンヌが晴れて「コンビで朝ドラ俳優」に
最後に大きく脱線してみる。
多くの人が気づいたと思うのが、裁判シーンでお笑いコンビ・シソンヌのじろうさんと長谷川忍さんが弁護士役で登場したことだ。
そもそも、お二人はピン(個々)で、数々のテレビドラマに出演されているが、コンビで同一作品は珍しい。
じろうさんは、既に朝ドラ『まれ』(NHK/2015年度前期)に出演済み。
でも、これで晴れて「コンビで朝ドラ俳優」になったわけだ。
あとがき
徳川家康の遺訓に「怒りは敵と思え」がありますね。
腹を立てて感情的になると、人の反感を買い冷静さを失って身を滅ぼしかねない… の意味です。
でも、青色発光ダイオード(LED)の開発で、2014年のノーベル物理学賞を受賞した中村修二教授は、研究の原動力は「アンガー(怒り)だ」と力を込めて言いました。
要は、怒りをうまくコントロールして、“使命感” に転換できればエネルギーなるってことだと思います。
寅子は正に今、“使命感” を感じ始めているところですね。
このまま、突き進んでほしいです。
みっきーの植物図鑑(第216回)
きのうは、昼過ぎまで台風のような風と雨でした。
今朝はすっかり雨も止んで、快晴の青空。
朝、ウォーキングをしたら、たくさんの桜の枝が折れて、花弁も落ちていました。
でも、がんばって枝に残っている花が、朝日に照らし出されて美しい光景でした。
明日、妻がお休みなのでお花見、できるかなぁ。
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
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【これまでの感想】
第1週『女賢しくて牛売り損なう?』
1 2 3 4 5 土
第2週『女三人寄ればかしましい?』
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