ドラマ「岸辺露伴は動かない」(第7,8話) (第8話「ジャンケン小僧」・2022/12
NHK総合・ドラマ「岸辺露伴は動かない」(第7,8話)
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第8話『ジャンケン小僧』の感想。
※原作となる、荒木飛呂彦原作の漫画『岸辺露伴は動かない1,2』は既読。
※『岸辺露伴は叫ばない 短編小説集』、『JOJO magazine 2022 SPRING』は、未読。
※2020年3月に発売された『「岸辺露伴は動かない」OVA コレクターズエディション (2枚組) [Blu-ray]』は、鑑賞済み。
京香と打ち合わせ中のところに、漫画『ピンクダークの少年』を持ったファンの少年(大柳賢:柊木陽太)が突然尋ねてきた。露伴は「仕事場にいきなり来るのは良くないね」と言って少年を追い返してしまうが、再び現れた少年は、やぶから棒にジャンケン勝負を露伴に挑むのだった。露伴の行く先行く先に現れては、執ようにジャンケンを挑んでくる少年の目的とは?
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:『JOJO magazine 2022 SPRING』など
脚本:小林靖子(過去作/:岸辺露伴は動かない2020,2021、映画「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」) 第1~7最終週
渡辺一貴(過去作/岸辺露伴は動かない2020,2021の演出担当) 第8週
脚本協力:小林靖子(過去作/:岸辺露伴は動かない2020,2021の脚本担当) 第8週
演出:渡辺一貴(過去作/岸辺露伴は動かない2020,2021、高橋一生主演「雪国-SNOW COUNTRY-」) 第1~8週
音楽:菊地成孔(過去作/機動戦ガンダム サンダーボルト1,2)
新音楽制作工房
人物デザイン監修:柘植伊佐夫(過去作/映画「おくりびと」、「十三人の刺客」、「シン・ゴジラ」、「翔んで埼玉」)』
※敬称略
自宅凸少年と露伴の"ジャンケン・ロシアンルーレット"
前回(第7話)『ホットサマー・マーサ』では、『ピンクダークの少年』の最新巻に登場するキャラクター “ホットサマー・マーサ” の頭が4つであることを基軸にして…
岸辺露伴(高橋一生)の自宅近くの六壁神社のイチイの古木の根元にある祠に入ることで現れる <樹の中に住む「藪箱法師」と呼ばれる> 鏡に映った人物の分身である “摩訶不思議な存在” と…
“自宅凸(「推しの自宅を突き止めて突入する」のネットスラング)ファンの狂気的な行動” の “3つ” を融合させたストーリーだった。
そして今回の第8話『ジャンケン小僧』は、“ホットサマー・マーサ” の頭が4つであることに違和感を覚え、露伴の漫画家としての才能や資質に幻滅した漫画『ピンクダークの少年』を持ったファンの少年・大柳賢(柊木陽太)がジャンケンでリスペクト必至だった露伴自身を叩きのめすと同時に、露伴の能力を奪い取る、勝つか負けるかの “ジャンケン・ロシアンルーレット” の物語。
2話でも「連続モノ」の楽しさを創出するアイデアは大歓迎
今シリーズは「一話完結」の面白さと共に「連続モノ」の楽しさがあるのが特徴だ。
しかし、今回は(原作は未読)アバンタイトルに前回のおさらいを収容したことで、更に第7話と8話が連続しているような雰囲気。
今年の放送は2話だけだから、このような「連続モノ」の楽しさを創出するアイデアは大歓迎だ。
今回は、全話演出担当の渡辺一貴氏が脚本と演出を兼任
様々な感想はあろうが…
映像的に感じたのは「ジャンケンで、ここまで盛り上げるか!」だった。
そう、「たかが、ジャンケン」なのに、「されど、ジャンケン」なのだ。
恐らく、コロナ禍とゆう撮影事情と、子役の拘束時間が多いという事情もあって、昼間の屋外ロケを多用する必要があったとは思う。
そうなると、どうしても撮影場所が限定されてしまい、似たようなアングルやカット割りになるのが関の山だ。
しかし、今回の映像ではアングルやカット割りだけでなく、CG合成や効果音を巧みに利用して、前述のようなまるで “ジャンケン・ロシアンルーレット” の緊張感を生み出した。
これをやるには、相当の脚本家と演出家の意思疎通ができていないと、脚本が台詞頼みになってしまって説明過多になりかねない。
しかし、今回は一切そんなことはなかった。
それは当然だ、クレジットタイトルを見ると、これまで今シリーズの全演出を担当してきた渡辺一貴氏が脚本と演出を兼任しており、前回までの脚本担当の小林靖子氏は脚本協力に回っていた。
これで納得だ。
前回での「四つ辻(十字路)」や「六壁神社の神主父子」などのカットも使い回しを想定したカット割りになっていた… というわけだ。
前回が「3 VS 3」、今回は『3 VS 4」の勝負を描いた
さて、前回は、“ホットサマー・マーサ” の頭の数である「3つの丸」と、藪箱法師が時間を制御する「3か月」をキーワードに怒涛の如く展開していった。
そして今回は、本来の“ホットサマー・マーサ” の頭の数である「3つの丸」とジャンケンの「3本勝負」と、辻神(道が交差した場所にいるとされる魔物で、いたずらや災いをもたらす妖怪の一種)の四つ辻から着想した「不吉な数字4」と泉京香(飯豊まりえ)と藪箱法師の仕業かもしれない露伴が受け入れがたい「4つの丸」のバトル。
そう、言わば、前回が「3 VS 3」だったのに対して、今回は『3 VS 4」の勝負を描いた “ドラマ” だったというわけだ。
あとがき
この類の熱狂的な原作ファンのいる実写化ドラマの場合、今作も例に漏れず評価が分かれるんでしょうね。
私は原作未読ですし、原作とは比較しないので、どうでもよいですが。
でも、何気に本編に散りばめられていた「ルーブル美術館」などの海外ネタを見ると、来期、来年は遂に海外ロケ? なんて夢も膨らみますね。
※原作のネタバレ厳禁でお願いします。
やはり、「作り手たちが作りたいものを作っている」のがひしひしと伝わってくる作品は、見ていて清々しささえ感じて気分が良いです。
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