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連続テレビ小説「虎に翼」 (第68回・2024/7/3) 感想

連続テレビ小説「虎に翼」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第68第14週『女房百日 馬二十日?』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


寅子(伊藤沙莉)は日本人の男性とフランス人の女性の離婚調停を担当。二人の間に生まれた栄二(中本ユリス)は窃盗事件を起こし、両親ともに親権を手放したがっていた。責任を押し付け合う姿に心を閉ざしていく栄二。寅子は栄二を救う方法を模索する。一方、最高裁では「尊属殺の規定」に関するある判決が言い渡される。15人の最高裁の裁判官の中には穂高(小林薫)がいた。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

感想の趣旨について
  当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
  作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。



原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2,4,7,10,11,14
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘) 第3,8,13
   安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,となりのマサラ,やさしい猫) 第5,6,9,12
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
裁判所考証:荒井史男(元名古屋高裁長官 定年退官)
風俗考証:天野隆子(過去作/ごちそうさん,花子とアン,スカーレット)
旧字考証:三浦直人(明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
ジェンダー・セクシュアリティ考証:前川直哉(福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト 新窓で開きます
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略



前回から、かなり違っているため少々面を食らったが…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

語り「初代 星長官が亡くなってから数か月後」

…の、昭和25年(1950)10月。

先週分の「土曜日版」放送後に発表された相関図[裁判官編 第14週~] 新窓で開きますに明記されていた二代目 最高裁判所長官・山本紘作(矢島健一)の登場だ。

しかし、本編は、寅子(伊藤沙莉)が日本人男性・梶山裕司(菟田高城)とフランス人女性・梶山ルイーズ(太田緑ロランス)の離婚調停を担当する展開に。

一人息子である犯罪歴のある梶山栄二(中本ユリス)の親権を、両親のいずれもが放棄したいという。

前回の「新憲法下の民事」のことで埋め尽くされた展開から、かなり違っているため少々面を食らったが。

本当の意味で"裁判官編のスタート"を感じさせるエピソード

次の、寅子の少年審判所所長・壇(ドンペイ)への問いかけでピンときた。

寅子「私は 少年部と家事部が
 連携して事件に当たることで
 見えてくる希望の光が
 あるのではないかと」

前回で、星長官が読み上げた「日常生活と民法」の序文に次の記載があった。

星「これが 国民になじむまで
 相当の工夫や 努力と日時を 要するでしょう」

星「決して法律家にのみ託しておいて
 差し支えない法律ではありません」

寅子は、栄二を救う方法を模索し始めているのだ。

工夫をし、努力をし、時間をかけてでも。

そして、まずは法律家からそれをやらずして、いつ国民に新民法がなじむのか! と。

ちょっと見では唐突に感じる展開でも、前回の続きとして捉えれば。

逆に「星長官の死から数か月の間」も、寅子が星長官のおもいを必死に現実にしようと頑張ったことが、これで伝わる

正味3分程度のシークエンスではあるが、本当の意味での「裁判官編のスタート」を感じさせるエピソードだ。

猪爪家らしい"民主的な家族、民主的な子育て"を描くくだり

続いては、夜の猪爪家。

優未(竹澤咲子)が帰宅してきた母・寅子に差し出したのが、赤ペンでぎごちない文字で「84点」と書かれた算数の「ちからだめし」。

寅子は、「すごいね」と褒めることなく、次回には100点を取るように復習を課す。

優未は笑顔で「はいっ!」と大きく返事をする。

寅子がその場を去ると、直明(三山凌輝)、直人(琉人)、直治(楠楓馬)らが、何となくそわそわした。

翌朝、生理痛が重い寅子の見送りはなく、優未はひとりで登校。

優未「だって 優未とじゃキラキラしないから」

これは、前々回、前回と描かれた「優未が母を慕う心が、寅子には届いていない」の続きだ。

と同時に、昭和22年(1947)に生理休暇が労働基準法に盛り込まれたことの情報提供も兼ねている。

少々、「優未が母を慕う心が…」が引っ張られ過ぎの感じはする。

でも、逆に、そう簡単にというか、寅子が「頑張ったね」と褒めたら、何の工夫もないし、普通の朝ドラ、普通のホームドラマだ。

ここは、大好きな法律を仕事にした(してしまった)母、家族を持った猪爪家のほころびが出始める兆候であり。

私は、前回にも書いたとおりで。

猪爪家が理想とする、目指す、民主的な家族、民主的な子育てを描くくだりとして、今後の展開を楽しみにしている。

やはり、今作だからこそ、普通の朝ドラのような “一家の団らん” だけでは物足りなくなっているのだ。

今作らしい… をちょっぴり超えた斬新な構成と展開

さて、10分過ぎからは、今作らしい… をちょっぴり超えた斬新な構成と展開だ。

ほぼ、「尊属殺規定は合憲」の新聞記事だけで、前段の説明や解説がない上に。

唐突に道男(和田庵)が猪爪家に居座っていて、このセリフから始まった。

道男「なあ 存続殺って何だ?」
寅子「自分より上の世代の人を
 死なせてしまうこと」

まず、いくら普通の一家の団らんでは物足りないとはいえ。

これまでに、ここまでの法律論議を “猪爪家の一家の団らん” で描かれた記憶がないし。

更に、そもそも、なぜ、存続殺のときにだけ道男が同席しているのか。

決定的なのは、なぜ母親が子供たちに存続殺の話をする展開なのか。

これらが、よく分からない。

これ、自分が脚本家だったら、どうやれば「家族で存続殺を語り合う」が自然に見えるのか? … と考えてみたのだが、これといった解決策が浮かばない。

せめて、少し前から「猪爪家の子どもたちは新聞を読むのが大好き」で。

「分からないことは、ズバズバと寅子に聞く」の設定があれば。

他には。

少し遠回りではあるが、道男が「お店で、常連さんと笹山(田中要次)さんが話してたんだけど、俺分からなかったんだよ」で新聞持参で訪ねてきた… とか。

道男が、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)の事務所から「佐田に聞け」、梅子(平岩紙)から「トラちゃんに聞きなさい」でも、いいし。


この展開を異様に見せていない要素がちゃんと仕組まれて…

でも、このシーンには、この展開(母親が子供たちと父長殺しの話をすること)を上記ほどに異様に見せていない要素がちゃんと仕組まれている。

それが、針仕事しながら隣の部屋で寅子たちの会話を頷きならが聞いている花江(森田望智)だ。

花江が聞いていることで、次の寅子のセリフが、花江自身ではできない “生きた教育”、“寅子らしい子育て” に見えるし感じるのだ。

直治「2人なんて
 それっぽっちじゃ何も変わらないよ」
寅子「ううん そうとも言い切れない。
 判例は残る。
 たとえ2人でも 判決が覆らなくても
 おかしいと声を上げた人の声は
 決して消えない。
 その声が いつか誰かの力になる日が
 きっと来る。
 私の声だって みんなの声だって
 決して消えることはないわ」

そう。

この終盤の家族の団らんこそが、今回の前段で描かれた「猪爪家が理想とする、目指す、民主的な家族、民主的な子育てを描くくだり」に連結、連動、リンクしているのだ。

目の前の問題から目を背け、思考停止に陥るほうが罪深い…

そして、敢えて書くならば。

今回の、優未のくだりも、存続殺のくだりも、中盤で、甘味処「竹もと」での寅子と航一(岡田将生)とのやり取りにもつながっている。

航一「『その時の自分にしかできない役目が
 あるかもしれない』って。
 だから うまくいかなくても腹が立っても
 意味はあります。必ず」

“その時の自分にしかできない役目” と “腹が立っても意味はあります” だ。

反対意見を訴えた穂高(小林薫)も、寅子の話に納得できていない直治や道男にも、役目も意味もあるってことだ。

極論をいえば、目の前の問題から目を背け、思考停止に陥ることのほうが罪深きことだと。

猪爪家の全員が、これまで<目の前の問題から目を背け、思考停止に陥る> をやってこない人たちだ。

だからこそ、優未が目の前の問題をどうするのかにも注目が高まる… というわけだ。

あとがき

ラストシーンでの、寅子が優未の寝顔を見ながら、親権で揺れる栄二の顔を重ねました。

きっと、今の寅子にとっては、我が子も裁判で関わった子どもも、分け隔てなく幸せにしてあげたいと必死なのでしょうね。

でも、優未とはずっとかかわれるけど、栄二を含めた裁判関係者とは期間限定で。

だからこそ、ついつい優未よりも…

普通の朝ドラのヒロインなら、がむしゃらに子育ても仕事もやって… ですが。

今作の寅子は、生理痛で子育ても手抜きするし、花江ちゃんに頼りっぱなし。

でも、自分がやるべきことは分かっている聡明な寅子だから、何かをきっかけに優未に気づくはず。

そこを楽しみにします。

すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”



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第14週『女房百日 馬二十日?』
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連続テレビ小説『虎に翼』第68回

内容昭和25年10月寅子(伊藤沙莉)は、日本人男性とフランス人女性の離婚調停を担当。ふたりの間に生まれた梶山栄二(中本ユリス)が窃盗事件を起こし、両親は責任を押し付け合い、双方とも親権を持つことに難色を示していた。家事部の案件ではあるが、栄二を救うことも必要と考えた寅子は、少年部の壇(ドンペイ)に協力を求めるが拒否されてしまう。敬称略作、吉田恵里香さん“その時の自分にしか出来ない役目がある”...
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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