連続テレビ小説「虎に翼」 (第49回・2024/6/6) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第49回/第10週『女の知恵は鼻の先?』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再会する。花岡は東京地裁に戻っており、判事として主に食糧管理法違反の事件を担当しているという。寅子は自分の弁当を思わず隠すが、花岡は堂々としろと微笑む。その夜、猪爪家に久藤(沢村一樹)とホーナーがやってくる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2,4,7,10週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘) 第3,8週
安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,となりのマサラ,やさしい猫) 第5,6,9週
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
料理指導:赤堀博美(過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト )
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略
前回で書かなかったことと、昨夜に緊急で投稿したこと
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
前回で書かなかったことと、昨夜に緊急で投稿したことについて。
前回で書きそびれたのは、戦後になってから登場していない、要は、行方知れずになっている登場人物が数名いる。
前回では、久し振りに穂高(小林薫)、そして花岡(岩田剛典)が登場した。
やはり、ドラマの同一の世界観を踏襲する意味でも、一度登場させたキャラクターは、使い捨てにせず、その後を描いてほしい。
その意味でも、轟(戸塚純貴)と よね(土居志央梨)の行方を知りたい。
これ、前作でも似たように感じたキャラがいたが、今作のキャラたちは、なぜか本当に心配に感じるのだ。
もう一つは、昨夜に緊急で投稿したこと。
それは、下記の花岡が寅子(伊藤沙莉)に話したセリフから、寅子が自分の弁当を思わず隠すも、花岡は堂々としろと微笑むことに関連する。
花岡「今は経済犯選任判事として 主に
食料管理法違反の事案を担当しているよ」
読みたくない人は、読まなくて構わない。
でも、私は、花岡のモデルと思われる人物の史実を知っていたほうが、“ドラマ” で描き切れない現実と、今作の花岡と寅子だから感じ取れるものがあると期待するから、読むことをおすすめするが。
繰り返すが、自己責任で読んでいただきたい…
朝ドラ「虎に翼」花岡(岩田剛典)のモデルは山口良忠さん?正義感を貫いた判事の生き様!
花岡の正義感が、丁寧に、且つドラマチックに、描かれた!
さて、「本編」というか、アバンタイトルに話を戻す。
お弁当の話の続きだ。
寅子「自分では
何も変わってないつもりでいたけど
やっぱり前とは違うみたい」
花岡「でも 前も今も 全部 君だよ。
どうなりたいかは 自分で選ぶしかない。
本当の自分を忘れないうちに。
まあ 全部 梅子さんの受け売りだけどね」
寅子「ハハ… 懐かしい…」
蒸し返して申し訳ないが、ここの花岡の言葉も、花岡の生き方につながると推測できる。
で、このシーンが良いのは、梅子(平岩紙)を組み込んだやり取りになっている点だ。
花岡なりの応援になっていると同時に、梅子が「トラちゃんらしく… ね!」と背中をポンと押しているように見える。
敢えて“トラつば・アベンジャーズ” の回想シーンを盛り込まないからこそ、私の脳内の梅子が微笑んで見えるのだ。
それにしても、「受け売り」とはうまい表現すぎて、恐れ入った。
そして、主題歌明け、寅子が花岡の子どもたちに… と半分の板チョコを渡すところで、思わず泣けてきた…
花岡の正義感が、丁寧に、且つドラマチックに、描かれた瞬間だ!
寅子の開眼の日が近いことは見て取れる、素晴らしいセリフ
花岡の、過ぎる正義感を桂場(松山ケンイチ)が心配そうにするくだりも、書いておくこことがある。
花岡「人としての正しさと
司法としての正しさが
ここまで乖離していくとは
思いもしませんでした」
『花岡(岩田剛典)のモデルは山口良忠さん?』を既読の読者様は、このセリフの重みを十分に感じ取っていると思う。
でも、読んでいない読者様でも、このセリフに重みを感じるのは、受け取る人の価値観や生き方で、どうにでも受け止めることができる、懐の広さだ。
単純に、闇米は食べたいけど、違法なことはできない法曹界の人間の苦悩と受け止めるのもよし。
煩悩を消滅させ、悟りの道を切り開く修行僧を思い浮かべる人もいるだろう。
“法律” と “生きる” をうまく共存させている寅子への思いもあるだろうし。
そんな立ち振る舞いができる寅子だからこそ、将来の日本を変えてくれるだろうという期待と、自責の念もあるかもしれない。
やはり、寅子と花岡は結ばれる関係ではなかった… とも思えるし。
とにもかくにも、「人としての正しさと司法としての正しさ」に言及することで、寅子の開眼の日が近いことは見て取れる、素晴らしいセリフだ。
寅子の怒りがジワジワとマグマが熱せられる展開は新鮮!
寅子がアメリカ人と働くことに嫌悪感を示した花江 (森田望智)が、ホーナー(ブレイク・クロフォード)からもらったチョコレートを嬉しそうにおいしそうに食べるくだり。
如何に庶民の食生活が困窮しているか、時間と共に花江の心の傷も癒えているという描写なのか。
とにかく、ホームドラマとして家族の笑いが描かれるのは良いことだ。
そこへ、ホーナーと久藤(沢村一樹)が猪爪家にやって来る。
ホーナー「(英語で)子供たちのために頑張りましょう」
怪訝な表情だった花江も、この、祖父母がユダヤ人のホーナーの身の上話と言葉で心がほぐれたようだ。
そして、寅子の中にあったもやもや、そう「謙虚」になってしまう理由が見つかった… といことだ。
こうして、着実に、謙虚な寅子が翼を伸ばして羽ばたく準備、エネルギーを少しずつ蓄えていくという展開もなかなか良い)。
これまでの朝ドラのヒロインだと、あまり積み重ねがなく、ギュッと凝縮したエネルギーが爆発する感じが多かったから、ジワジワとマグマが熱せられるような展開は新鮮だ。
ついに寅子の"心内マグマ"が熱せられて「はて?」が発動!
終盤の展開は、事細かく説明する必要はないと思う。
穂高(小林薫)が寅子に新しい仕事を提案したのが、本心なのか、企てなのか分からないが。
ついに、寅子の “心内マグマ” が熱せられて~の「はて?」の発動だ!
「はて?」が出れば、あとは自分の内部で沸々と沸き上がる “疑問と怒り” を解消すべく、適切に的確に迅速にブレイクスルー(問題解決)し、更なる前進あるのみ… なのが寅子らしさだ。
この連続4回で“謙遜気味の寅子” から “悟りを開き始めた寅子” の雰囲気に変わってきた。
恐らく、次回の金曜日は “キャプテン・マーベル” になると思う(笑)
あとがき
ホント、積み重ねが丁寧だと思います。
じんわりと、沸々と、染み出すように、寅子の内部の疑問と怒りが高まっていくのが目に見えるようです。
これくらい丁寧な描写だと、ほぼ不満はありません。
アバンのお弁当、ホーナーのチョコ、桂場の干し芋は、花岡につながる、つなげる要素なんでしょうね。
ここだけの話、全く伏線に感じさせないのも、スゴイと思います。
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/18914/
【これまでの感想】
第1週『女賢しくて牛売り損なう?』
1 2 3 4 5 土
第2週『女三人寄ればかしましい?』
6 7 8 9 10 土
第3週『女は三界に家なし?』
11 12 13 14 15 土
朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由
第4週『屈み女に反り男?』
16 17 18 19 20 土
第5週『朝雨は女の腕まくり?』
21 22 23 24 25 土
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土
第7週『女の心は猫の目?』
31 32 33 34 35 土
第8週『女冥利に尽きる?』
36 37 38 39 40 土
第9週『男は度胸、女は愛嬌?』
41 42 43 44 45 土
納得!「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…?
第10週『女の知恵は鼻の先?』
46 47 48
朝ドラ「虎に翼」花岡(岩田剛典)のモデルは山口良忠さん?正義感を貫いた判事の生き様!
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