連続テレビ小説「虎に翼」 (第74回・2024/7/11) 感想 ※桂場の寅子への“飛び切りの愛”を全文掲載!

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第74回/第15週「女房は山の神百石の位?」の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
いつの間にか家庭を顧みなくなっていたことを指摘された寅子(伊藤沙莉)。道男(和田庵)からも非難され、家族と正面から向き合うことを決意する。新潟には家族全員でついていくと言う花江(森田望智)。すると、直人(琉人)ら子供たちから寅子への不満が噴出する。寅子は新潟に一人で行くべきなのか、決断の時が迫る。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘)
演出:梛川善郎(過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのブツが、ここに) 第1,2,4,7,10,11,14週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘) 第3,8,13週
安藤大佑(過去作/とと姉ちゃん,となりのマサラ,やさしい猫) 第5,6,9,12週
伊集院悠(過去作/オーディオドラマ・FMシアター「告白の対価」静岡局制作) 第15週
音楽:森優太(過去作/海の見える理髪店,あなたのブツが、ここに,忘恋剤)
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博(明治大学 法学部 専任教授)
裁判所考証:荒井史男(元名古屋高裁長官 定年退官)
風俗考証:天野隆子(過去作/ごちそうさん,花子とアン,スカーレット)
旧字考証:三浦直人(明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
医事考証:冨田泰彦(過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康)
ジェンダー・セクシュアリティ考証:前川直哉(福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授)
タイトルバック制作:シシヤマザキ(公式サイト )
取材:清永聡(NHK解説委員:司法・事件・公文書管理・災害)
語り(本編):尾野真千子(過去作/カーネーション,長谷川町子物語,足尾から来た女)
語り(土曜日版):山下誠一郎(過去作/Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」)
副音声解説:山崎健太郎(過去作舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ)
制作統括:尾崎裕和(過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人)
※敬称略
「遅い」は間違いではないが、「相当」が正解に近い
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。
室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。
昨夜、次の投稿をした。
拍手コメント返信(2024/7/10)その2:虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は1年後では遅かったのか?」を考えてみた
読んでいただければ分かるが、「直明と花江の寅子への忠告は1年後では遅かったのか?」についてだ。
その記事に書かなったことがあるので、補足しておく。
前回の “かるた” の場面で、「知らぬが仏」「塵も積もれば山となる」といった読み札があった。
このことに注目すれば、脚本と演出が、「いつになっても気づかぬ寅子」「しびれをきたした家族」のために “1年の時間経過” が必要であると判断したと分かるのだ。
あとは、自身の体験や経験によって、感じ方が違うのは当然のことだと思う。
「遅い」は間違いではないが、「相当」が正解に近いとは思う。
前回の感想に、なんと"67回"もWeb拍手をいただいた(感謝)
さて、下書き所要時間3.5時間の超大作(ただの駄長文か・笑)の前回の感想に、なんと “67回” もの Web拍手をいただいた。
この場をお借りしてお礼をいいたい。
と当時に、今日は「お仕事日=仕事をガッツリやる日」なので、それなりになると思う(今、9時3分…)
先週と今週前半に"猪爪家の団らん"が少なかったからこそ…
よ~し、行こう。
前回で感動的だった「かるた」のくだり。
今回のアバンタイトルでも盛り込んできた。
そこで、ふと気づいたことがある。
「朝ドラ=ホームドラマのひとつ」だとするなら、先週から今週にかけて “猪爪家の団らんシーン” が少なかったのは明らかだ。
当ブログでも言及したと思う。
でも、よくよく考えると、先週から今週にかけて “猪爪家の団らんシーン” が少なかったからこそ、「かるた」で感動できるのでは? と。
「盛り込まなかった=実は、盛り込めなかった」ではなく…
もう少し、深掘りしてみる。
先週から今週にかけて中心的に描かれたのは「法曹界のアイドル・佐田寅子先生」で、いわゆる「お仕事モードのトラちゃん」だ。
先週を振り返ってみよう。
序盤で、寅子(伊藤沙莉)が家庭を花江(森田望智)に任せきりになっていることが気になる様子はあったが。
印象に残るのは、星長官(平田満)の本の改稿作業の手伝いを引き受け、星の息子・航一(岡田将生)とのやり取りと。
家裁のくだりでの、日本人の男性とフランス人の女性の離婚調停で振り回される息子・栄二(中本ユリス)とのやり取りと。
穂高(小林薫)の退任記念の祝賀会での “寅子の反乱” と解決編だ。
ハッキリいって、「お母さんモードのトラちゃん」を組み込む余地がない!
いいや、無理やりに組み入れたら、改稿作業も、栄二の身寄り探しも、今週につながる「立派な出涸(でが)らし」も、中途半端になったと思う。
だから、「お母さんモードのトラちゃん」を入れなかったのは正しい判断だ。
でも、ここからを分かってほしい。
先週に「お母さんモードのトラちゃん」を入れなかったことを決してデメリットにしない構成が、今週で「お母さんモードのトラちゃん」をガッツリと盛り込むことなのだ。
「盛り込まなかった=実は、盛り込めなかった」ではなく、「盛り込む必要がないから、盛り込まなかった」の構成に見えるように知恵を絞ったと思うのだ。
もちろん、先週の「怒り心頭のトラちゃん」があったから、今回の「涙なみだのトラちゃん」が際立ったのは言うまでもない。
当然、これらは私の想像だが、プロの脚本家、特に吉田恵里香氏なら、このくらいのそろばんずく(全ての損得を計算し、損しないようにすること)はやり切ると思う。
本当ならば、心から天晴れだと言いたい。
道男が「かるた」に混ざって存在したのは、悪くない
世間では、道男(和田庵)の登場に賛否両論あるかもしれない。
私も、道男というキャラクターは、あまり共感できない人物ではある。
ただ、今回の「かるた」に混ざって存在したのは、悪くないと思う。
それは、次のセリフがあったからだ。
道男「今日 早く帰ってこなかったら
終わってるって。
(中略)ばあちゃんが死ぬ前のあんたは
もっと普通のおばちゃんだった。
でも今は変わっちまった」
「道男、そんなに偉そうなことをいえる立場か?」の疑問は無きにしも非ずだ。
しかし、セリフにあるように、「法曹界のアイドル・佐田寅子先生」になる以前の「お母さんモードのトラちゃん」に救われた道男だからこそ、寅子に忠告できる “偉そうな若造” は今作に道男しかいないのだ。
もちろん、“偉そうなオッサン” なら、道男の見受け人の「笹寿司」の主人・笹山(田中要次)もアリだ。
しかし、笹山は「お母さんモードのトラちゃん」をよく知る人物とするのは、いささか無理がある。
だから、道男が “子どもたちの本音の代弁者” として意外に適任だと、私は判断した。
家族会議で解決する展開こそが、法律家が主人公のドラマ!
ついに、久し振りの猪爪家の家族会議の開催だ。
寅子「今 道男が言ったみたいなの
もっと教えてほしいの。
私の どこが変わっちゃったのか。
今から家族会議を開始いたします」
ブレイクスルー(障壁を突破する)能力に長けているのは、いずれの朝ドラのヒロインにも共通する。
そして、その多くが、孤軍奮闘の結果や、パートナーとの協力体制で、問題解決していく。
しかし、今作の寅子は、周囲の意見を平等に聞き取って、自分で問題を解決する。
客観的な視点による意見を取り入れて、主観と合わせて結論を出すのが、トラちゃん流なのだ。
そして、家族会議で解決する展開こそが、法律家が主人公のドラマらしいと思う。
寅子が被告みたいな立場と裁判官を兼務してるようになって
家族会議のシーンも、今作らしさ満載だ。
面白いのは、寅子が被告みたいな立場と裁判官を兼務してるようになっている点だ。
まずは、花江が寅子の敏腕弁護人のように「トラちゃんは悪くない」と主張。
寅子「もう スンッ禁止。
私の前で スンッはやめて」
直人「スンってさせてるのはトラちゃんだろ」
道男「そうだ そうだ」
寅子「確かに そうだわ。
禁止を押しつけるのも偉そうよね」
でも、裁判官の寅子が花江弁護士に指導を入れる。
すると、検察側? の直人(琉人)と、傍聴人? の道男が物申す。
この辺は、梅子(平岩紙)の遺産相続案件や、道男のこと、先日の離婚調停の際の “中立なトラちゃん”をしっかり再現して(つながって)いると思う。
笹山まで絡めなくても、今回で十分、いいや、十分すぎた…
家族会議で、「なるほどね」と思ったのは、次の道男のセリフだ。
道男「こいつ 笹山のおっちゃんのところまで
話 聞きに来たんだぞ。
結局 花江ちゃんと俺が
子供と関わることが合ってるって」
前述のとおりで、笹山が直接寅子に忠告するのは、“ドラマ” としては少しやり過ぎにおもう。
道男では役不足だから、笹山を使うのは、今作の作風としては安直すぎると思うのだ。
やはりここは、父親も、父親代わりの大人の男性もいない… 猪爪家の最年長である男子、直明(三山凌輝)が笹山に自分の考えが間違っていないか聞きに行くくらいでちょうど良いと思う。
もちろん、私如きの稚拙な頭でも、笹山の合流に違和感のない展開はつくれる。
例えば、誰かの誕生日の設定で、例の優三(仲野太賀)の名言を引用するのだ。
優三「嫌なことがあったら
また こうして2人で隠れて
ちょっと 何か おいしいものを 食べましょう」
直明から事情を聞いた笹山が、道男と一緒に「おいしい寿司を一緒に食べよう」と寿司を持参して来訪すればよいのだ。
で、「おっちゃんはね…」と切り出すだけ。
ただ、私は、寅子のファンの一人でもある、いやファン第一号である笹山に、寅子の欠点を指摘して直させるのは、ちょっぴり胸が痛むのだ。
笹山まで絡めなくても、今回で十分だった、いいや、十分すぎた… というのが、私の本音だ。
終盤の桂場が寅子に異動を命じた理由を明かすのは名シーン
家族会議のエトセトラは、当ブログの外で盛り上がっていただこう。
私が「うまいなぁ」と思ったのは、終盤で最高裁判所人事局長・桂場(松山ケンイチ)が寅子に異動を命じた理由を明かすくだりだ。
少し長めの引用になるが、オチまで書いてみた。
桂場「腹立たしいが 君は有能だ。
そして俺たちに… 好かれてしまっている。
それが問題なんだ!」
寅子「えっ?」
桂場「キャリアを重ね
俺たちという後ろ盾がある君は
もう昔の弱い者じゃあない。
今の君の『はて?』は 非常に重い
周りを動かす力がある」
寅子「それは 悪いことでしょうか」
桂場「悪くはない。だが
今のままでは
君の土台は いずれ崩れる。
君は 裁判官として
正しく成長する道筋を飛び越え
一躍 時の人となってしまった。
それに甘んじている君に
家裁は いや どんな役職も任せられん。
だから 地盤を作るんだ」
久藤「だから
本来の裁判官たちが詰む経験を
支部でしてこいってこと?」
桂場「そうだ」
寅子「桂場さん…」
多岐川「おい…。
桂場… それは お前…
飛び切りの愛じゃないか!
桂場「愛 愛 うるさい」
久藤「ハハハ。タッキー そりゃそうだよ。
桂場君は 穂高先生直系の理想主義者かつ
潔癖なまでの正論主義者なんだから」
このくだりがよくできると思うのは、ちょいちょい、いい塩梅で寅子の生意気さが見え隠れすることだ。
もちろん、その若いのに食って掛かるところも、桂場だけでなく、‘ライアン’こと久藤(沢村一樹)や、‘タッキー’こと多岐川(滝藤賢一)にとっての、大切なアイドル的存在の魅力だし。
いわば「出世コースの最短ルート」をばく進してきた寅子を見てきた桂場だからこそ、「急がば回れ」と判断したわけだ。
ここで、桂場の役職が「最高裁判所人事局長」であることを見事に回収したのも秀逸だ。
あとがき
最後の最後で、‘ハーシー’こと小橋(名村辰)の「羨ましい」で、同じく変わり者のタッキーと抱擁するのも面白かったです。
それにしても、木曜日なのに、まるで金曜日のような大団円の終わり方で、明日の金曜日は何を???
壮行会と、久し振りに涼子(桜井ユキ)以外の“トラつば・アベンジャーズ” が集結! かな。
たのしみ!!!
はい、これで下書き終了が 11:05で、ここから推敲と整形をやりますね(汗)
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/19010/
【これまでの感想】
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第4週『屈み女に反り男?』
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第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土
第7週『女の心は猫の目?』
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拍手コメント返信(2024/7/4):虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)
第15週『女房は山の神百石の位?』
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拍手コメント返信(2024/7/10)その2:虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は1年後では遅かったのか?」を考えてみた
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