もう地上波にはほとんどめぼしい番組もないのでふとBS1をつけると何やらチェスの話が流れていた。カスパロフかな?と思ったらボビー・フィッシャーという人物のようで。カスパロフといえば今はなきIBMのコンピュータ、ディープブルーとのチェスマッチで有名だが、ボビー・フィッシャーはそれよりも前、米ソがガチンコの冷戦時代に名を馳せたチェスプレイヤーなのだそうだ。

 で、ソ連側は天才ボビー・フィッシャーを潰すために国を挙げて英才教育を施す。このあたりは東側体制(これももう死語だw)の国々ではおなじみの話。ソ連はもちろん、ルーマニアの体操競技がそうだったのはナディア・コマネチの名前を出すまでもないよね。総当たりのチャンピオン決定戦ではソ連同士の対戦ではさっさと引き分けにして(将棋と違ってチェスは引き分けはけっこうな確率で起こりうる) 、フィッシャーとの対戦では消耗戦に持ち込む。

 番組ではソ連はチェスを知の象徴として利用したとしていた。まあ、国家の威信を保つためならありそうな話である。純粋に1対1の勝負、本来の意味での「ガチンコ」を求めた1人のチェスプレイヤーとしてフィッシャーには受け入れがたいものだったというのも当然だろう。その後、ニクソンがフィッシャーに近づいてアメリカもフィッシャーの才能とともにチェスを利用することになる・・・という形で番組は進んでいく。カスパロフをwikiでググッたらカスパロフはチェスの世界を引退してからロシアの民主化運動を推進する政治家に転身したのを知った時にはオイラの勉強不足を恥じたが。

 で、録画しておいたビルズ対レッドスキンズの試合の途中で流れたBSニュースに愕然とした。 国地方係争処理委員会が沖縄の翁長知事が行った埋め立て承認取り消しの効力を石井国土交通大臣が一時停止したことは違法だとした沖縄県の申し出について審査の対象にならないとして却下した、というのだ。

 高浜原発も再稼働を認めた。そりゃそうだ。裁判長のクビすげ替えてそうなるようにしたんだから。
 「住民の生命が脅かされる具体的な危険は認められない」同じセリフを福島で被害にあった住民に言えるのか? 
 大飯原発3.4号機も住民の再稼働しないよう求めた申し立てを退ける決定を出した。要は問答無用ってことだ。 

 国のやることには黙って従え。それを司法が何の疑いもなく推し進めたという事実。
 この国に三権分立などないということがよくわかった。

 それでも住民側は抗告を行っている。自分が生きるか死ぬかって話なんだもの。逆にいえば自分がそうした立場にならない限りは気がつかない、目が覚めないってことなんだろう。沖縄の姿は近い将来自分たちに襲いかかるっていうイメージがあるオイラにとっちゃ怒りももちろんだが恐ろしくてたまらない。

 国家権力が剥き出しになって自分に襲いかかってくる。
 しかも周囲に助けを求められないどころか傍観者しかいない。
国家主義ってのはそういうもんだよ。

 安倍マンセーの人って大抵シナチョンとやたら中国や韓国に向かって吠えるけど、そのシナチョンの爆買いをもってしても百貨店の業績がままならない、アホノミクスの円安誘導で本来自国民に回るはずのお金を忌み嫌うシナチョンに間接的に奪われていることに何の怒りも持たないのがオイラには不思議でしょうがないんだがwww。