PREV | PAGE-SELECT | NEXT

「ハヤテのごとく!」ハヤテは上条さんにならなくていい

 今週の「ハヤテのごとく!」は249話。
 ゴールデンウィークが始まったのが200話ですから、かれこれ1年ゴールデンウィークをやっている事になるんですね…。「これはもしかすると3~4ヶ月かかる長編になるかもしれんね」とか言っていた頃が懐かしい。ずいぶん遠くまで来たものだ…。


 さて、その本編、まずはざっくりあらすじから。
 伊澄とのバトル展開来たかと思ったら、そこに介入してきたのは咲夜。咲夜は伊澄さんの着物をめくる役割だったのか…!

 冗談はさて置いて、ハヤテによる事情説明。
 伊澄は遺産相続がらみの話にはノータッチのようですね。咲夜が帝と連絡を取ると、帝はハヤテにはっきりと選択を強いてきます。

「誰かを犠牲にしてでも主を守れるかという試験じゃ。」
「遺産をナギが失えば、ナギの執事は続けられなくても、アテネの執事にはなれるじゃろうて。一億五千万の借金も…アテネが肩代わりしてくれることじゃろ?」


 借金がハヤテをナギの元に繋ぎ止める鎖として機能しないという予想通りの流れですが、それも含めてすべて帝の掌の上というか、ミダスがらみのことも含めてすべてを掌握している感じの帝。
 そして帝から驚きの一言が。

「ワシはサンタになろうとも…お前にプレゼントはやらんという事じゃ…」

 あのサンタ、帝だったの!?
 ナギの誘拐からハヤテが執事になるまでも含めて全て帝の計画なんだよ説は一応以前からありましたが、それが現実味を帯びてきたということなのか…?!

 ちなみに今週回想形で出たサンタは1巻中扉のものですね。
 本編中では一応「夢に出てきたサンタ」ということになっていましたが、中扉の絵を見る限りでは、いつかの年のクリスマス、働くハヤテの元にサンタが現れた、ということでしょうか。


 ともあれ、ハヤテの前には3つの選択肢が提示されました。

1. 石を破壊して、アテネを救う。
 →ナギは三千院の後継者としての資格を失う。

2. 石をミダスに渡す。
 →ナギは遺産を失い、アテネも救うことができない。

3. あと数日、何もせず石を守りきる。
 →アテネがミダスと分離し、別の何者かになる。

 いきなりタイムリミットが「あと数日」だったり(ハヤテと再会したからかもしれませんが)、色々と強引な気はしますが、とにかく「ハヤテが」選択しなければならない時が来たわけです。

 ハヤテにとって、一番守りたいものは何なのか。
 一番大切な人は…誰なのか。

 ハヤテ自身の意思で、一つだけを選ばなければならない。

 ゴールデンウィーク最後の一日が、始まる。

----------------------------

 今週の展開は、ナギの執事でい続けるか、アテネの執事になるかということで、おおむね234話感想で予想した「選択」なんですが、まさか選んだ結果が「世界崩壊」「アテネの精神崩壊」「ナギの生活崩壊」のどれかになるとはなあ…。
 自分としてはそんなスケールの大きい話じゃなくて、「どちらの想いに応えるか」というベクトルでの選択を期待していたわけで、そういう意味では予想通りとは言えない気もする。


 さて、今回本編で提示された選択肢には、248話で咲夜が提示した「渡してすぐに取り返す」という選択肢が含まれていません。石を渡してミダスとアテネを分離させ、すぐに取り返す。
 もちろんこれをそのまま採用することはないでしょうけど(流石にこれをそのまま使ったら下手すぎる)、このような「第3の選択肢」というのは、「どちらも救ってみせる!」という少年漫画的展開となる選択肢。

 で。
 できればそういう少年漫画的展開にはなってほしくないなーと。


「ハヤテのごとく!」はようやく「綾崎ハヤテの物語」になる

 この記事できよさんは「スケール勝ち」という言葉を使っています。
 つまり、「どっちか片方しか救えないと思ってるんなら…まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」というやつです。どれほど可能性が低くても、ハッピーエンドの可能性があるならば、どんなに無茶してでもその可能性を掴み取ろうとする主人公性こそが多分「スケール勝ち」なんだと思うんです。

 まあ「スケール勝ち」という言葉は慣れないので、この記事では「上条さん的」とでも称するとしましょう(半分ネタ)。
 次回以降、いきなりハヤテが上条さん的になったら、違和感ありませんか?

 「どちらも救う!」は、上条さん的主人公が選ぶからこそ映える展開であって、ハヤテがそれを選んでも、「どちらかなんて選べない!」という、「選択からの逃げ」に見えてしまうというのは痛い。
 上条さんには、そもそも「どちらかを見捨ててどちらかを選ぶ」という選択肢がないと思うんですよ。そして何だかんだで何とかしてくれそうな気がする。少なくとも、そう思わせるだけのヒーロー性があると思う。そしてハヤテにそこまでのヒーロー性はないと思う。
 だから「少年漫画的展開」は、よほど上手くやってくれないと、多分冷める。


 別に批判しているわけではなくて、ハヤテはそういうキャラなんだから、無理して上条さんになる必要なんてないんじゃないの?というお話。
 ハヤテはハヤテらしく、悩みに悩んで、色々な人と話して、この1件を解決すればいいと思う。(帝から先手を打たれたわけですが、まあそこは何とかするとして)

 ただまあ、クライマックスな展開ではあるけれどギャルゲ的にはまだクライマックスではありませんから、何だかんだで結果的にはどちらも救う。それくらいがちょうどいい…というかそうじゃないとコメディに戻れない。


 ハヤテがナギと一緒にいるのは、主と執事だから?借金があるから?
 そうではなくて、たとえ借金がなくとも、ハヤテはナギの側にいようとするはず。「アテネか?ナギか?」の選択に望んでいたのは、そういうお話を描いてくれること。記事本文と矛盾するようですが、この際「ハヤテの決断」が見れなくても、そういった「ハヤテとナギの絆」について描かれていればいいかなと。

 そんな訳で、ここからならナギが「私はお金がなくても、ハヤテがいればそれでいい!」とか言う展開が綺麗だと思うんです。
 もちろんそれはあくまでヒロイン側の決意であって、主人公側の決意というのは別になりますけど、これなら「上条さん的」でなくとも「僕はお嬢さまを守ってみせる!」といったような「スケール」を見せることが出来るし、アテネ側を選んでも、ナギ側を決して裏切ってはいない。それどころか、ナギとの強固な絆があってこそ選べる選択肢ということにもなる。

 「ハヤテが一人で見つけ出す」んじゃなくて、「ヒロインとの絆があって初めて選べる」選択肢。ほら、こう書くといかにもギャルゲっぽいじゃないですか!


 まあGW編後半はひたすら斜め上の展開ばかりだったんで今回の予想も当たる気はしませんが、最後は綺麗に締めてくれると期待しています。

 そして。
 マリアさんが最後まで蚊帳の外なんてこと…ないよね…?(おそらく予想を狂わせる一番のダークホース)


ハヤテのごとく!! 2nd season 04 [初回限定版] [Blu-ray]
ジェネオン・ユニバーサル (2009-11-26)
売り上げランキング: 307

とある魔術の禁書目録 第1巻(通常版) [Blu-ray]
ジェネオン エンタテインメント (2009-01-23)
売り上げランキング: 5649

| ハヤテのごとく! | 03:10 | comments:7 | trackbacks:0 | EDIT

COMMENT

この回を読んで、僕も一瞬少年誌的な展開を思いついたけど、初期に畑先生が“ハッピーエンドはない”って明言してたのを思い出して、ソレはないんかなぁ~って思いました。

仮になったとしても最悪、二兎追って三兎目(別の誰か)を失う後味の悪い展開も……

まぁ、それはハヤテ的にはないかな?

案外、ハヤテとナギ血縁説とかも再浮上したり~(笑

| ミヒト | 2009/11/20 16:15 | URL | ≫ EDIT

自分的に、過去編もそうでしたが、アテネ関連の話になるとひどく面白くなくなってしまうんですが、皆さんどうなんでしょう?
自分だけ?
作者の描きたい話って基本的に読者は面白くないってのが相場なんじゃないかと思いますが・・・

| _ | 2009/11/21 02:55 | URL | ≫ EDIT

はじめてコメントさせていただきます。
>「選択からの逃げ」に見えてしまうというのは痛い。
 今回のケースは本来両立するもの(だってアテネを助けることと、ナギに仕えることは両立するお話ですからね)を帝が無理やり二択に押し込んでいるだけなので、「選択から逃げる」ことに違和感はないです。設問自体が理不尽で不適切と言うか。

| 小池 | 2009/11/21 13:46 | URL | ≫ EDIT

賛否はありますよアテネ関連は、まぁ自分は賛側ですが感想は人それぞれです。
自分はあえて二択に三番目の選択を期待してます、正直この選択に感じたのはどちらを選んでもBADルートが待ってそうと感じましたので。
何話か前の旅の終わりは笑顔での下りはありきたり…もしくは仮初めでもハッピーエンドフラグだと信じたいです。

| _ | 2009/11/22 00:40 | URL | ≫ EDIT

>ミヒトさん
トゥルーエンドはまだ先なので、このGW編がハッピーエンドになるのはありだとは思いますが、やっぱり「どっちも救うぜ!」っていうのはこの漫画らしくないかなと。
最終的にそうなるとしても、活路を見出すまではちゃんと悩んで、一つを選んで欲しいです。
血縁説は…ああ、自分の黒歴史が蘇るw

>名無しさん
コメディ的な面が好きな人にとっては過去編は辛かったんだろうなとは思います。
自分は考察好きなので過去編は楽しめましたが、GWに関しては全体的に超展開だったり薄かったりで今のところ微妙な評価。下田みたいに、うまく締めてくれる事に期待です。

>小池さん
無理矢理二択にしているというのはその通りだと思います。帝というか畑先生ですが、二択に至るまでがちょっと雑な気がしますね。
ただ、ハヤテはこれまでも重要な決断をほとんどしていないキャラなので、理不尽な選択であれど、逃げて欲しくはないですね。逃げに見えないような描き方をしてくれれば別ですけど。

>名無しさん
畑先生がちゃんと物語の終わりを目指して、逃げずにこの展開を描いていることは凄いと思うんで、ハヤテもこの選択から逃げないといいなー、と。
3番目の「少年誌的展開」も、そこに行くまでを上手くやってくれればそれでもいいんですけど。あるいは「第4の選択肢」なるものを見出すか。
ともあれ、笑顔で旅を終えて欲しいというのは自分もそう思います。…ヒナギクも含め!w

| カーム | 2009/11/23 21:10 | URL | ≫ EDIT

そろそろ、ハヤテのお兄さんや、姫神といったキャラが絡んできてもいいかな、と思っています。

| まいまい | 2009/11/24 09:09 | URL | ≫ EDIT

作者はこういうのやりたかったんでしょうね。
コメディやキャラ萌えで人気をとりつつ「過去からの壮大な因縁」が渦巻くシリアスな展開。

それが面白いかは別にしてやりたい気持ちだけが先走って
かなり強引な話の運び方になってますよね。
前から伏線は張っていたのかもしれませんがはっきり言って
自分に酔いすぎで読者を意識してない見せ方だと感じました

| _ | 2009/11/24 15:19 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ataraxia.blog20.fc2.com/tb.php/700-4c37ea26

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT