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ナギ考察 ~積み重ねた日々の先で~

本日12月3日は、我らがメインヒロイン、三千院ナギの誕生日です!
ナギ、誕生日おめでとう!

メインヒロイン不遇の例に漏れず、漫画本編ではなかなか目立たず公式人気投票でも4位に終わったナギですが、アニメの影響か人気再燃。
釘宮病3大感染源の1つに数えられ、秋葉原のアニメ版人気投票ではヒナギクを破り1位、2007アニメ最萌トーナメントでも見事準優勝を果たすなど、アニメと声優の影響の大きさをひしひしと感じるこの頃です。

そんなナギは、ハヤテのごとく!の物語の中核を成すキャラであり、ナギを中心として物語が回っているといっても過言ではない最重要キャラです。
そんなナギについて情報を整理しつつ、まだ明らかになっていない事実について少し考察してみようと思います。長くなるのはもう諦めた。


◇星空と約束 ~ナギ生後の年表~

まずはナギが歩んできた歴史を整理してみたいと思います。
ナギが生まれたのは1991年12月3日。三千院紫子とその夫の間に出来た子供は「この世の全てをナギ倒せ」との願いを込め「ナギ」と名づけられました。

その後ナギはすくすくと成長します。
ここでは触れませんが、2005年からタイムスリップしてきたハヤテと出会ったのは4歳頃かと思われます。5歳のナギよりは幼く見えますし。
その頃から外に出れば命を狙われる生活だったようでなかなか外に出られず、友達も少なかったようですが、1997年1月、5歳のナギに新しい友達が出来ます。

ナギの母親の病状がよくなり、その退院記念のパーティーでのこと。
咲夜たちに漫画を笑われ、漫画を捨てたナギの前に現れた人物。ナギの漫画を通してナギと知り合い、すぐに仲良くなり、更には永遠の愛を誓った(3巻中表紙)ナギの親友、それが伊澄です。
伊澄が「お日さまみたいに笑うとても可愛い子」と評したほど、当時のナギは明るく笑っていたようです。母親が元気になったからでしょうね。

20071203_nagi2.jpg

星となり空となり、ナギを見守っていると言っていた母。
ナギはよく母親と星を見ていたようです。
ナギは母と下田に星を見に行く約束をしたのもこの頃でしょう。
しかし、この頃既に母は死期を悟っていたのかもしれません。
何かあっても母は見守っている、という台詞からもその様子が窺えます。

これまで家から出たがらなかったナギが母親と下田で星を見たいと思ったのは、もちろん頻繁に母と星を見ていたからでしょうが、もしかするとタイムスリップしてきたハヤテの影響もあったりするのかも。
あの時のナギはハヤテと星空を見ることは叶いませんでしたからね。


しかし、すぐに母親の病状はまた悪くなってしまいます。
一緒に下田へ星を見に行く事を楽しみにしていたのにと、母親と一方的にケンカしてしまうナギ。
結局、ナギの母親は、ナギと仲直りすることなく、亡くなってしまいました。ナギは喧嘩別れになったことを未だに悔いています。
そしてこの後、ナギは再び笑わなくなってしまいます。

お日さまのように笑うナギのことが好きだった幼き伊澄は、ナギに笑いを取り戻すべく、母親の声をもう一度聞かせてあげようとしたようです。降霊術か何かでしょうか。
しかし、当時未熟だった伊澄はそれに失敗、ナギの心をかえって傷つけてしまう結果に。ナギが暗闇を嫌うようになったのもこの時ですが、詳細は明かされていません。また、伊澄が力を失う事とも何か関係があるようです。

その後、傷心のまま向かったアフリカで、ナギと同じように母を失い、途方にくれていた一匹の虎をナギが育てることになります。
しかし、それだけでは母を失った悲しみが癒えることはないでしょう。ナギを悲しみの底から救い出した出来事…あるいはそれがマリアさんとの出会いだったのかもしれません。


ナギの過去はまだ、少ししか明かされていません。
その後我々が見ている「ハヤテのごとく!」という物語に至るまで何があったのか、我々には想像することしかできません。マリアさんとの出会いもその一つです。

そんな想像することしかできない出来事の中で、マリアさんとの出会いのほかに、もう一つナギに大きな影響を与えたであろう出来事があります。
それが、姫神との出会いです。



◇執事と姫神 ~どんな時でも側にいて~

まだ本編には登場していませんが、ナギについて考えるならば触れておかなければならない人物。それが、ハヤテの前のナギの執事、姫神です。
ハヤテの過去話などを通じて、姫神に関する議論が活発になってきていますが、未だ姫神に関する情報は断片的にしか明かされていません。

バックステージにて、アニメと漫画の姫神は全くの別キャラ扱いになる事が明かされました。ここでアニメと別キャラであることについて論じることは避けますが、アニメが時期尚早だった感は否めませんね。
同BS内にて姫神は「原作に出ていないキャラ」であると言われていることから、姫神が既存キャラの線は消えたといっていいでしょう。


さて、まだ何もかも謎に包まれたままの姫神ですが、ナギとどのような関係だったのか少し考えてみましょう。
まず、姫神が失踪した時期ですが、1巻での描写から、姫神が失踪してからまだそんなに時間は経っていないと思われます。
そんな中、6話でのマリアさんの「姫神君がいなくなってからは笑う事も少なくなった」という台詞や、29話でワタルが「そんなんだからあの姫神って執事もいなくなったんじゃねーのか?」と言っていたときのマリアさんの反応からしても、ナギは姫神が失踪したことに対し落ち込んでいたことがわかります。
47話で「姫神のことはどうでもいい」と言い放つナギですが、それはハヤテと出会ったから、です。

姫神は三千院奥義とやらの使い手だったらしいので、ナギとの付き合いも長いことが予想されます。
47話でマリアさんは「姫神は色々あって出ていった」と言っていますが、その「色々」の部分を、もしかするとマリアさんは知っているのかもしれません。
145話では姫神が「どんな時でも側にいて、オレがお前を守る」と言っていたことが明かされましたから(姫神の台詞だとは言い切れませんが、状況的に姫神でしょう)、姫神は「あっさりいなくなってしまった」のではなく、何か理由があって出て行かざるをえなかったのでしょう。

もし姫神がまたナギの前に現れたら?
ハヤテがどう思うか、ナギの心が揺れ動くのかは分かりませんが、一波乱起こることは間違いありません。



◇母親と家族 ~母の死とマリアさん~

ナギは幼くして両親を亡くしています。父親が何故亡くなったのかは明らかになっていませんが、5歳の時既に両親がいなかったのです。
姫神も、母も。ずっと自分の側にいてくれると思っていた人たちは皆、ナギの側からいなくなってしまった。その辛い過去を背負っているからこそ、ナギは、幸せな日常が長続きしない事を悟ってしまっています。

そんなナギにとって一番身近な存在はマリアさんです。
ナギとマリアさんがいつ出会い、どのような経緯でマリアさんがナギのメイドをやる事になったのかは明らかになっていませんが、母を亡くした悲しみからナギを救ったのがマリアさんなんじゃないかな、となんとなく思っています。

ナギにとって今家族と呼べる存在はマリアさんだけでしょう。ハヤテも家族と呼べる存在ではあるかもしれませんが、あくまでハヤテは執事ですから。
しかし、145話でナギは言います。マリアさんも今は家族みたいなものだけど、そう遠くないうちに誰かを好きになって、私から離れていってしまうだろうと。

かつて大切な人が2度も自分から離れていってしまったナギは、マリアさんやハヤテも例外ではないのだと思っています。
そして、マリアさんがいつか誰かを好きになるとすれば、それがハヤテである可能性は高いでしょう。4巻での伊澄の台詞も、そうなれば大変な事になりそうだという伏線です。


ナギとマリアさんは身近すぎて、この二人をメインに描いた話というのは実は多くありません。しかし、ナギとマリアさんの絆は強固なものです。
ナギの母であるかのようにナギと共に生活するまでに何があったのかは分かりませんが、今のナギにとって、マリアさんはメイドであり、姉であり、そして母なのです。

20071203_nagi.jpg

いつかマリアさんが離れていってしまうとしても。
今だけでも、一緒にいられることの喜びを噛み締めようと。

疑うまでもなく、ナギとマリアさんは、"家族"なのです。



◇主と執事 ~ハヤテへの想い~

この物語は、ハヤテが公園でナギを誘拐しようとした時、ナギがハヤテの言葉を告白と勘違いしたことから始まっています。
この誤解は「爆弾」と呼ばれ、当初は8話あたりで爆発する予定だったようですが、結局未だに爆発していません。

ハヤテ→ナギのベクトルに関してはまだ弱く、「大切な人」程度のものでしかありません。更に、ハヤテは「使用人たちの夜」で「お金のために結婚したみたいになるのは嫌だから、お嬢さまと結婚は出来ない」と言っています。
一方、ナギ→ハヤテのベクトルは実に強固です。結婚も早々に視野に入れています。西沢一樹の登場により揺らぐかと思われたその気持ちは、全く揺らぐ事はありませんでした。

ナギがハヤテを好きになったのは言うまでもなく「告白された(と勘違いした)から」です。そしてナギはそれからもハヤテへの想いを強くしていきますが、その前提には「ハヤテは私のことが好きである」という誤解がありました。
しかし、下田編ラストを通じて、ナギが「一人の少女として、綾崎ハヤテが好きである」という状況が明確になりました。
爆弾が爆発しようとも、ナギはずっとハヤテのことを好きでい続けるでしょう。もちろん、少しの間不仲になる事はあるかもしれませんが…。


ナギとハヤテを繋いでいるものは、1億5千万の借金です。
この借金がある限り、ハヤテはナギの執事を辞めることはできません。

無論、借金がなくともハヤテはナギの執事を続けるでしょうし、借金はおいそれと返せるような額ではありません。しかし、帝が、飛行石が指し示す道の先にあるものを得られたなら、金はいくらでも手に入ると言っていますから、借金はいずれ完済されるかもしれない。

そうなると、ナギの心情が変わってきます。自分とハヤテを繋ぎとめている確かなものがなくなってしまうわけですから。そのとき爆弾がすでに爆発していたとしたら、状況も変わるでしょう。
ナギは、「ハヤテは借金が完済されても自分の側にいてくれる」と信じるかたわら、「借金が完済されたらハヤテは自分の元からいなくなってしまうのではないか」と不安に思う気持ちもあるはずなのです。
145話では、少なくとも今は、という限定付きでその不安を解消した訳です。


客観的に見れば、ナギとハヤテの間にはちゃんと絆があります。借金が完済されても、何かが起こらない限りは、ハヤテはきっとナギの側にいるでしょう。
そして、ナギもハヤテも、不安になることはあってもその絆の存在を信じているはず。

hayate_123_05.jpg

ナギは、ハヤテとの絆を母親に報告したのですから。
かつて母と見る事叶わなかった、下田の星空の下で。


これまでの物語を見て、漠然とした予感があります。
ナギとハヤテはいずれ離れ離れになるのではないかと。

畑先生とこの物語が目指す終わり方は「トゥルーエンド」。
つまり「ハッピーエンド」でも「グッドエンド」でもない。
最後にナギが笑っている終わり方を保証するものは何もないのです。

ナギとハヤテが恋仲になるまでには、様々な障害があります。
子供扱い、借金、アーたん…それらを全て乗り越えなければ、ハヤテとナギが恋仲になることはないのです。
それは言い方を変えれば、この物語にはめられた「枷」。ナギとハヤテが恋仲になっては、おそらくそのトゥルーエンドにはたどりつけないのでしょう。

そうして辿り着いたトゥルーエンドで、ハヤテはナギに何を言うのか。
積み重ねた日々の先で、少年が少女に言う一つの言葉とは、何なのか。

その言葉が聞ける日を、今はただ待つのみ。
願わくば、そのトゥルーエンドの先でも、ナギが笑っていることを。

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間に合った…。(12月3日中に)
ナギちゃん、君を祝いに来た!(赤坂的なノリで)

マリアさん考察に続きますが、マリアさん考察を書く時間がありません。
ちなみにこの完成版、これでも文章量的には下書きの半分です。削ったトピックはせっかくなのでそのうちどこかでお披露目したいと思います。


≪ナギ誕生日絵リンク≫
H.M.S
これはいい釘宮ナギですね。アルのツインテールに萌えた。
ゆりむん
この記事書いてたから、早風呂本の原稿をまだ書いてません…。
のほほん日記
時は金なりということで、僕に時間をください…。

≪関連≫
貧乳ツインテールなお嬢さま、ナギ特集! (昨年の特集)
「ハヤテのごとく!」二人を見守る母の星 (123話感想)
「ハヤテのごとく!」それぞれの"家族"への想い (145話感想)
ハヤテ考察 ~疾風の名を持つ主人公~
西沢さん考察 ~貰ったもの~
ヒナギク考察 ~少女の変化と恋心~

| ハヤテのごとく! | 23:58 | comments:4 | trackbacks:0 | EDIT

COMMENT

改めて現状を確認することができて、非常にためになりました。
どうもです(^w^)

| カカシ | 2007/12/04 15:24 | URL | ≫ EDIT

最終話は、時代が一気に進み40年後にハヤテが借金を返し終わって
直後に晴れてナギにプロポーズして結婚という展開になったら畑先生は神だと思うし、トゥルーエンドと言ったらこれしかないと思う。

| Yuu | 2007/12/04 16:17 | URL | ≫ EDIT

最近アニメが暴走してるのでなんだか洗われました。
・・・ってこれはヒナギクエンドを示唆?!

トゥルーエンディングはきっと「ハヤテが自分の人生に価値を見出す」ところにあります。残念ながらそれはナギではないのかも知れません。
ただ唯一の真実は「お嬢様をお守りしたい」という純粋なハヤテの"想い"があること。それはきっと"借金"でも"恋心"でもない2人の本当の絆で、ハヤテをどこまでも強く優しくすると思います。
もしハヤテがそこに人生の価値を見出せないようであれば、物語がエンディングを迎えることはまずないでしょう。
願わくは泣いてても怒っててもかわいいナギがずっと笑顔でいられますように・・・

p.s.完全版も是非よろしくお願いします☆

| ホイミン♀ | 2007/12/22 00:33 | URL | ≫ EDIT

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| | 2007/12/22 01:21 | | ≫ EDIT















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