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歌舞伎「筆屋幸兵衛」、改良演劇の散切物 上村以和於
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歌舞伎の殿堂として「歌舞伎座」という座名を今日疑う人はおそらく皆無だろうが、明治22年(1889年)に創建されたとき、いま一案、「改良座」という名称が有力な候補であったらしい。維新創業以来、「演劇改良」は国家の目指すところだった。
その理念は欧化改良、貴顕紳士の鑑賞に値する高尚にして史実に基づく勧善懲悪。要するに大石内蔵助が大星由良助であったり、弁天小僧がゆすりたかりに行く浜松屋なる呉服店の所在...
長年にわたって歌舞伎の舞台を見続けている演劇評論家の上村以和於氏が、名作・名場面に隠されたエピソードや登場人物の横顔を詳しく紹介します。