X-E1 + XF35mmF1.4R
近所…というか隣の家に咲いてる紫陽花。これと無花果は、カメラを買った時の色味の確認に非常に役に立つ。
これは、フィルムシミュレーションの「Provia」で撮ったもの。ポジフィルムなので、少し色が濃いめに出る。
正直、右下の葉っぱなんかを見ても、緑が強く出すぎて作り物っぽくなっちゃうので、DP1Merrillの飾り気のない色味に慣れた目からすると違和感があるけど、反面紫陽花の花そのものは淡い色を力強く表現していて、なかなか見栄えがする。どのへんを落としどころにするか、難しいところだ。
富士フイルムのデジカメの特徴として、「フィルムシミュレーション」というのがある。
同社のデジタル一眼レフである、S3Proあたりから搭載されはじめた機能で、富士全機種というわけではないが、いくつか気合いの入った機種には搭載されており、当然ながら、X100を初めとするXシリーズには全て搭載されている。
X-E1には、初代のX-Pro1と同じく、「Provia」「Velvia」「Astia」「Pro neg hi」「Pro neg std」「モノクロ」「モノクロ+Yeフィルター」「モノクロ+Rフィルター」「モノクロ+Gフィルター」「セピア」の10種類が搭載されている。そのうち、フルカラーの5種類を上に画像化してある。
まず、Provia・Velvia・Astiaの3種類は、同社が販売しているリバーサルフィルム(ポジフィルム)であるフジクロームの色調を再現しているという事らしい。
ポジフィルムというのは、フィルムにそのままの色が記録されるフィルムで、我々の良く知る色相の反転したフィルムの方をネガフィルムと言う。従って、ネガフィルムからどういう色彩でプリントされるかは、プリント時の味付けで決まるのに対して、ポジフィルムは撮影した時にすでに色味がほぼ決定される。そのため、色彩を撮影者の好みに仕上げるために、ポジフィルムには色々な種類があったりする。
その中から、超高彩度のVelvia、高彩度のProvia、標準彩度のAstiaをチョイスしている。上記の画像で言うと、左側の3つだ。
標準彩度と言ってもAstiaで結構彩度高めなので、それ以上のProvia、Velviaはすごーく色が濃い。もちろん、ただ単に彩度スライダーを上げたというような色合いではなく、Velviaだったら赤がこれくらい、青がこれくらい…みたいな細かいパラメータを調整しているのだろう。
X-E1はデフォルトで高彩度のProviaになっているので、富士フイルムはよほどこの色合いに自信があるのだろう。
また、Pro neg hiとPro neg stdという、ネガフィルムのシミュレーションも用意されている。それぞれPROフィルムのNCとNSをシミュレートしているらしい。彩度がポジフィルムよりも低めになる。hiとstdの違いはコントラストで、hiは硬調でパキッとした絵になり、stdは軟調でやや眠い感じになる。
私は最初、Proviaを中心に、色々シミュレーションを変えて撮っていた。
が、私の好きな風景を撮るなら、Pro neg hiが一番好みかな、と思うようにはなった。ポジフィルム側だと、少し彩度が高すぎる。葉っぱとかを写した時に、緑が鮮やかになりすぎて、嘘くさくなる。特に、私が良く撮るような道端の風景だと、アスファルトの中に草木があると異常に目立ってしまう。その点、ネガフィルムだと、そこまでの不自然さはない。
逆に言うと、全体的に華やかで、カラフルな表現である場所、例えば花畑であるとか、夕焼けであるとか、そういう場面はポジフィルムで撮ると何とも言えない色味が出てくる。
一つのシミュレーションで撮るのではなく、場面によって切り替えていくのが正解なのかなー、とは思いつつも、まだまだ自分に合うセッティングが見つけられていない状態。ちょっともどかしいけど、フィルムカメラ時代は、それこそフィルムを一本買うところから悩まないといけないわけで、一枚ずつその場で設定を変えられ、しかもその場で写真を確認できる現代でそんな事言ったら、贅沢すぎるのかな…と思わなくもない。
- 2013/08/25(日) 23:00:00|
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X-E1 + XF35mmF1.4R
実家近くの神社の狛犬。高い位置にいるから、見上げる形で撮ってみた。ほぼ開放で撮ったので、背景がうまい具合にボケて、なんかまるで広告の写真みたいな雰囲気になった。そのかわり、開放なんでグリーンフリンジがちょっと出ちゃった(パープルフリンジは後処理で取り除けるけど、グリーンフリンジは難しいんだよね…)。
ちなみに、鼻のところにセミの抜け殻がある。狛犬はたいてい2体で1対だけど、実はもう一方の狛犬も鼻にセミの抜け殻をつけていた…。ちょっと面白い。
標準レンズを買う…m4/3にするか、NEXにするか。そこでまず悩んだ。m4/3なら、パナライカのSummilux25mm/F1.4がある。NEXなら、SEL35F18がある。
また、NEXの場合、本体を5にするか6にするか7にするか、というのも選択しなければいけない(3もあるが、こちらはさほど選択肢に入っていなかった)。7は早々に選択肢から消えた。最上位機種で、値段が高い割に、5Rや6の方が機能的に上回っている部分があるようだ。また5Rと6の違いは、主にEVFがついてるかどうかだ。私はEVFなんか要らないと思っていたのだが、実際カメラ屋で6のファインダーを覗いてみると、非常にクリアで、これならEVFありの方がいいなーとか思ってしまった。なので、NEX-6が私の中では最有力候補だった。
という事を調べている時に、急にX-E1の情報が目に入り始めた。
NEXとm4/3で比較した時の、高感度耐性や、画質や、その他機能面でのアドバンテージを、ネットで色々調べていたら、X-E1の名前を良く見かけるようになった。あれっ、高感度も、画質も、X-E1すごく評判いいじゃん、みたいな。私はX-E1については良く知らなかったので、調べてみたら、でかくて敬遠していたX-Pro1の小型版という事らしい。それっていいんじゃね?と思ったわけだ。
実際もう少し突っ込んで調べてみると、いい事ばかりでもない。
X-E1はNEXと比べて、やはりシステム全体が若干大きくなるし、またNEX-6には素晴らしいEVFもついている。更にNEX5/6には像面位相差AFが備わっており、AFが速い。それとEマウントの方がレンズが揃っているとか、周辺事情まで考えても、NEX有利の部分は多い。
最終的に一番悩まされたのが、レンズそのものである。X-E1を買うとなると、XF35mmF1.4Rというレンズをつける事になる。これに比べてNEXのSEL35F18は、手ぶれ補正がついている。この手ぶれ補正が重要だ。暗いところでも撮りたいという要求があるので、手ぶれ補正がついてるのは非常にでかい。富士のは手ぶれ補正がないかわりに、F1.4と一段明るくなっており、レンズとしての評価も非常に高い。
という事で、最後の最後まで、NEXかX-E1かは悩んだ。
なかなか判断がつかないので、長所と短所を書き並べたが、正直、NEX側に短所がない。あらゆる面で優秀で、標準レンズをつけてお手軽かつある程度の画質を追い求めるとなると、これ以上の組み合わせが思いつかない。
じゃあ何を悩むかと言うと、結局のところ画質なのだ。NEXの画質が悪いという事はきっとないんだろうけど、ローパスレスかつ低ノイズな本体と、光学性能にこだわったフジノンレンズとの組み合わせが素晴らしいというのは、スペックを聞くだけでもわかるし、実際使用しているユーザも高く評価をしている。
トータルバランスのNEXか、画質のX-E1か…。
これは、もうここで悩んでる時点で、私の答えはX-E1なんだろうなと思った。もちろん真剣に悩んだけど、悩んでる時点で答えは出てる。
もしこの答えがNEXになるのであれば、私はそんなに悩んでいないだろうと思う。最終的にNEXに決まるような思考形式を自分が持っているのであれば、そこまで悩まない。合理的に考えて、答えがNEXである事はすぐ出る。そうならない時点で、私はX-E1にかなり引っ張られており、ここでNEXを選べば、「あー、X-E1だったらもっと綺麗だったのかな」と思うに決まっている。DP1Merrill買った時と一緒なんだよね。
なので、結局、X-E1を買う事になった。
- 2013/08/09(金) 23:00:00|
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X-E1 + XF35mmF1.4R
買ったばかりのX-E1で、寝ている猫を激写ボーイ。
こんな近くまで寄っても全然起きない、人に慣れ過ぎた猫だった…。
DP1Merrillで撮影した時の、毛の一本一本まで解像するようなリアリティがもたらす立体感とは別種の、浅い被写界深度と柔らかめの色表現によるふわっとした立体感が感じられる。
私の持っているデジカメのメーカーとしては、オリンパス、パナソニック、ソニー、シグマになる。日本のカメラ企業でトップシェアを誇るキヤノンやニコン、それに次ぐペンタックスが入っていないのが意外というか、ひねくれ者だなと感じなくもない。
そしてまた、富士フイルムも、長らく私の持ってないメーカーだった。
が、富士については、まったく注目していなかったわけではない。いくつかのカメラは欲しいと考えていた。
まずはFinePix F31fdで、2006年の発売だが、今でも「名機」としてかなり高い評価を受けているカメラだ。美しい色調表現と、当時としては高感度に強かった事が人気らしい(あとはバッテリーが異常に長持ちするらしい)。当時はまだ私はC-2020Zoomを使っていたが、もしお金に余裕があれば買っていたかもしれない…。
それから、同じ系統でF100fdと、その後継機であるF200EXRも、私の中では評価が高かった。
F200EXRは、スーパーCCDハニカムEXRを搭載している。これが従来のハニカム構造に加え、「高感度画素と低感度画素が交互に並ぶ」「同じ色の画素が隣接する」ように設計されている。これを利用し、画素をフルで使って1200万画素の画像を得る他に、ダイナミックレンジ優先で、高感度画素と低感度画素を混合して、600万画素の高ダイナミックレンジ画像を出力したり、高感度優先と称し、隣り合う同じ色の2画素を混合して、高感度ノイズを減らした600万画素の画像を出力できる。
当時私はパナソニックのDMC-LX3を購入したばかりで、F200EXRをその場で買うという選択肢はなかったが、その頃なぜか高ダイナミックレンジにひかれていて、非常に欲しかった記憶がある。またこうして文章で書いてみても、センサーの工夫でできるだけ高画質にしようという富士フイルムの工夫、チャレンジ精神が見えて、私は非常に好印象だった。
というように、富士のコンデジについては、私はかなり好意的に見ていた。にもかかわらず、富士初のミラーレスであるX-Pro1については、まったくもって眼中になかった。全然情報も集めていなかった。カメラ屋で本体を見かけて、「なんだこのクソでかいカメラは…。これ買うなら普通に一眼レフ買うだろ…」という感想しか浮かばなかった。いやそんくらいでかいし…。
実際、前回書いた通り、標準レンズが欲しいと思った時も、APS-CミラーレスとしてはNEXしか頭になかった。だから実質、NEX行くか、APS-C諦めてm4/3にするか、というような選択肢しかなかった。
実際には、ソニーのNEX以外にも、APS-Cミラーレスと言えば、ペンタックスのK-01、富士のX-Pro1/X-E1、キヤノンのEOS Mがあった。うち、ペンタックスのK-01についても富士同様まったく情報を集めておらず、たまたまカメラ屋で見かけて、「なんだこのデザインは…というか分厚すぎるだろ…」と思った印象があるくらいである。キヤノンのEOS Mは知ってたが、レンズが数本しかない、AFが遅いなどとネットの評判も良くなく、あまり候補に入っていなかった。
そんな見向きもしなかった富士のミラーレスを、最終的にはなぜか選んでしまった。
- 2013/08/02(金) 23:00:00|
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