バーチャ2攻略第2回。今回でおしまい。
前作も一応そうだったのだが、このバーチャ2の対戦では
足位置(スタンス)が非常に重要になる。
このゲームのキャラは一律、ゲーム開始時は右足前のサウスポースタイルで構えている
(しかしこれなんで全員サウスポーなんだろう…普通左足前だろ…)。このように2人とも同じ足を前に出している状態を
「平行」と呼んでいる。
で、前回書いたように技によってはスタンスを変更する。右足前の構えから、左足前の構えへとスイッチする。その結果、相手とは異なる足が前になる事がある。この状態を
「ハの字」と呼んでいる。多分奥の足がぶつかるような位置を上から見ると片仮名の「ハ」や漢字の「八」に見えるからだろう。
格闘ゲームのキャラはほとんどそうなんだけど、基本的に両手両足利きなので、どちらの手足で技を出しても何も変わらない。鉄拳のように左右の手足に別の技が当てられているゲームは違うけど、バーチャはそういうのはない。だからどちらの足が前だろうと技を出すという意味では特に変わらない。
しかし、
相手とスタンスが異なるかどうか、つまり平行かハの字かでは対戦上違いが出てくる。まず最大接近距離が違う。ハの字だと膝がぶつかるせいか、ある程度の距離までしか近寄れない。平行の時はもっと深くまで近づける。また3D空間上の食らい判定も異なる。その結果、構えが平行かハの字かでコンボの入る入らないが変わったり、投げの決めやすさが異なったりする。スタンスはしょっちゅう変わるので、今が平行かハの字かは常に良く見ていなければいけないし、自分や相手が何をしたらスタンスが変わるのかも頭に入れておかないといけない。
正直この足位置システムは、結構プレイするハードルを上げていたと思う。覚えなければいけない事、画面を注視して気をつけなければいけない事が増えており、めんどくささを加速させていた。バーチャシリーズに好意的な意見を持っている人でも、「足位置システムはめんどかった…」というような事を言ってる人も結構いる。
まあ実際の格闘技でも構えの左右は結構重要なんだけど、あくまでそれは左右どちらの突き蹴りが来るかの予測とか、相手の利き手利き足がどちらかなのかというファクターがあっての話で、真横から見てるバーチャでは関係ない。実際の格闘ではバーチャみたいに「膝がぶつかるから前に進めなくなる」とかそんな間抜けな事起きないし…。
あとこれは開発側というかユーザー側の問題だけど、「平行」「ハの字」とかいう訳の分からない用語はやめて欲しかった。日本では古来から相撲用語で「相四つ」「ケンカ四つ」という言葉がある。この用語は転じて柔道でも使われている。組まないから厳密には四つではないんだけど、構えのバッティングについてはこういう用語が定着して欲しかった…。
次の相手は影丸。
この影丸が強かったなー。動きが速いんだよね。アキラは別に技の速さで勝負するキャラではないので、影丸と同じような感じで差し合いをしていると出鼻でやられる。相変わらずカウンターで食らうとダメージが増えるので、結構きつい。
それと影丸はバックダッシュが速くて強かった。これはCPUの反応の良さもあるけど、こちらの単発のパンチやキックに対してバックダッシュでスッとかわしてくる。リングアウトがあるバーチャではバックダッシュで下がる事にはリスクがあるんだけど、その分素の性能は高い。無敵とかはないけどほとんどの攻撃より速いから、安定した回避手段になる。
あとしゃがみパンチがつええ…。
前にリミックスの時にも書いたけど、バーチャというか3D格ゲーは攻撃の主軸が中段技になり、立ちガードで受けるのが基本だ。下段はやや発生が遅かったり威力が低かったりするので、立ちガードで様子見しつつ相手が下段に移行する様子が見えたらしゃがみガードに切り替える、というのが普通の戦い方になる。
…はずなのだが、そのへんのバランスがまだバーチャ2あたりまではちゃんととれてなく、しゃがみパンチの発生が結構速い。まあ威力は低いからいいんだけど、結構こっちの行動が潰される。
当時ゲーセンでも、「ひたすら相手の行動をしゃがパンで潰す」という戦い方に色々賛否の声が出ていたような記憶がある。
ふぇぇ…弧延落食らっちゃった…。前作にもあったものすっごい高さまで投げ飛ばす巴投げ。投げた方がかなり早く動けるのでそこから空中コンボに行ける。ダメージもあるし空中コンボで運べるし位置入れ替えもあるしかなり万能な技。
ふー。ここまでで一番苦戦したけど勝った…。
次の相手はジャッキー。
前回書いたが、バーチャ1は全キャラ構えがほぼ同一で、2もそれを引き継いでるからみんな似たような構えをしている。ただジャッキーは結構変化している。上のスクショを見ると分かるように、若干右手を下げている。重心も気持ち後ろにシフトしているかな。
全員こういう風に変更しちゃえば良かったのに…。
ジャッキーはこの技がカッコ良かったな。名前分かんないけど投げ技。
この投げで困るのは、
食らうと立ち位置が斜めにズレる事。こちらとしては肘で押してあわよくばリングアウトを狙いたいのだが、この投げで軸がズレるので端までの距離が変わってしまう。
バーチャシリーズは3で初めて任意の軸移動が実装されたので、2までは基本的に横一直線で戦っていた。しかしたまーにこういう軸をずらす技を持つキャラがいるので、こちらの想定が変わってしまう。
とかなんとか言いつつも肘連打で押し込んでリングアウト取れたww
相変わらずラウンド終了時にはリプレイが流れる。リングアウトの時はいつも笑ってしまう。
しかもリングアウトさせた時って勝った側も大体端っこにいるから、わりとその後落ちるんだよね。この時もアキラが勝利ポーズを取ろうとしてそのままリング外に落ちてた。しかも落ちてからもう一回勝利ポーズとったw そういう風になるんだw
次の相手はウルフ。
プロレスラーだけあって、投げ間合いが長い。ジェフリーと一緒で、肘の間合いで戦おうとするとコマ投げが飛んでくる。しかもCPUはわりと反応良くて、しゃがみを混ぜてると的確にしゃがみ投げもしてくるんだよね…。
もう肘・肘・肘で押し出すw 肘だけじゃなく、PPも適度に混ぜるとダメージも取れてなかなか良い。
次はアキラ同キャラ対戦。
ちなみにこのアキラ面のBGMがカッコいい。バーチャ2だと、このアキラ面とリオン面の曲が好きだった。
やっぱり肘で押し勝つ。
マジで今回こればっかりやな…。
ここのアキラがひたすらしゃがみパンチを狙ってくるから、下段返し技(双拍手)を決めたところ。
しかしこれもやっぱコマンドが「G↓P」だから取りづらくって…。返し技なのにコマンドが2拍なのやめてくれや…。ただでさえタイミング合わせるの難しいのに。
おし勝った。なんか久々にリングアウトじゃなくてダメージ勝ち。
しかし…自キャラ含めて全員と戦うから10回戦あるのか…。なげえな。
いよいよボス、デュラルとの戦い。例によってボーナスステージ扱いなので、勝たなくてもクリアにはなる。
そしてなぜかバーチャ2のデュラル戦は
水中での戦いになる。みんなブクブク泡出しながら戦う。人造人間みたいなデュラルはともかく、他の奴らは呼吸続くんかよ…。
この水中というのは単に見た目だけでなく、ゲーム性にも影響している。やたらキャラの動きが遅くなる。スローモードでの戦いだ。また浮力があるのか、浮いた時の挙動がいつも以上にフワフワになる。
ゲームスピードが遅いので、ここはアキラスペシャル(崩撃雲身双虎掌)が入るかな…と思って試したが全然入らない。崩拳まではまあまあ入るけどその後が続かない。
スピードが遅いのはいいんだけど、そのせいで入力のタイミングもいまいちつかめないんだよね…。
まあいいや。最後はアキラの決め技、鉄山靠で倒した。
なお初代バーチャと異なり、デュラル面でもいつも通り2本先取となっている。
よしこれでクリアだ。10年はええんだよ! いやここの勝ちボイスは本来「ガボガボガボ…」とかになりそうだけど…w
そしてスタッフロール。
一番最初にも書いたが、全編を通じてインターレース使用の高精細モードで描画しているので、スタッフロールもやたら文字が綺麗。
最後にネーム入れ。なんかもう相当特殊な仕様になっている。Gボタンを押しながら左右でアルファベットを変更し、そいつに対してパンチだのキックだので一定量ダメージを与えると確定する。面白いっちゃ面白いんだけど、まあ…面白いだけという…w 謎のインターフェイス。ちなみに文字が頻繁に横を向くので、今どのアルファベットなのか良く分からないという欠点がある。
では総括。
バーチャファイターの新規性そのものについては、リミックスの時に書いた。戦いのスタイルをストIIとは変えてきたというのが大きな功績だ。そこのゲーム性自体は1も2も変わらないが、人気は2の方がかなり上回った。これにはいくつか理由があると思う。
まず単純にグラフィックが良くなったというのはあるね。初代バーチャはもう明らかに四角い物体が戦っており、いくら3Dだと言っても見た目のショボさは際立っていた。今作は基板性能が上がり、テクスチャなどを扱えるようになった事からだいぶ見た目がマシになった。まだ見た目はカクカクした部分はあるものの、最低限これくらいあれば見映えもそこまで悪くないという程度にはなった。
そして個人的に大きいと思っているのは、
フレームレートが上がったという部分だ。前作は秒間30フレームだったが、今作は60fpsまで上がっている
(※厳密には57.5fps)。そしてこの部分が、2D格闘ゲームとは異なるバーチャならではの面白さとマッチしていた。
リミックスの時にも書いたが、このゲームには飛び道具が無い。またジャンプも非常にふんわりしており、飛び込みが重要な戦術にはなっていない。そして投げ間合いも小さい。これらの要素から、バーチャは2D格闘に比べると非常に近い間合いで戦うのが基本になる。もうパンチやキックを出せば当たる間合いに常にいる。そしてダメージが非常に荒いので、一つ何か刺さったらもう勝負が決まるほど体力が奪われる事がある。体力がまだあってもリングアウトする事もある。結果として相手の一挙手一投足、ほんの少しの挙動も見逃さない事が重要になる。このゲーム性と高いフレームレートが良く噛み合っている。
いや、2D格闘もほぼ全部描画は60fpsなのよ。しかしスプライトのアニメ枚数がそこまで無いから、どうしてもモーションが飛ぶ部分がある。3D格闘は画像を計算で出しているので、毎秒60フレーム全部違う映像を出力できる。ここが3Dならではの強みかなと。
このバーチャ特有の、間合いが近くダメージも荒いという緊迫感のある戦いに慣れてしまうと、2D格闘に戻れないという人もいただろう。そういうジャンキーを生み出した頃から、バーチャ2の対戦台は大盛況となった。
サターン版という意味で言えば、移植度合いは良好だ。一番最初にも書いたが、サターンの素の能力はMODEL2基板には全然及ばない。そんな中で60fpsでの描画を実現したのは、相当技術的に頑張ったと思う。見えないところの描画を省いたり、内部的な計算処理を簡略したりとかなり最適化を繰り返したんじゃないだろうか。
一方、不満もあるっちゃある。もう少し
家庭用ならではの要素が欲しかったかな。具体的にはトレーニングモードとコマンドリストかなあ…。全然練習できないんだよね。そもそもこれゲーセン稼働時から問題だと思ってるんだけど、バーチャは技が多すぎて全く覚えられない。アーケードのインストにも数個しかコマンドが書かれていない。なんならサターン版バーチャ2の説明書にも、1人あたり5個くらいしか技が載っていない。この状況を解決するのに「ゲーメストのムックを買う」以外にろくな解決方法を思いつかない。最悪、アーケードゲームならまあ仕方ないかって思う部分もあるよ。説明書とか無いから、足りない情報は外部で補うしかないっていう諦めの文化があった。しかし何千円も払って買う家庭用ゲームにもその文化を持ち込むってどうなの? とは思う。コマンドリストは最低限内蔵しといてくれや…。
あとまあ途中の文章にもちょいちょい書いたけど、コマンド自体が分かっても正確な入力方法が良く分からないってのが結構ある。どうしても受け付け猶予とかそういうのはコマンド表だけじゃ分からない部分あるからね…。だから練習したいんだけど、あんまりさせてくれない。アーケードモードとかしかないからそれでやるしかない。でもCPU反撃してくるんだよ…。せっかく家庭用版買ったなのならもう少し練習させてくれや…。ストIIとかなら必殺技の数も少ないし、入力方法がテンプレ化してるから分からないってケースもあんまなくて許せた。バーチャはコマンド特殊過ぎるんだよ…。なんだよ「K+G(G離す)」って…。
まあそのへん、コマンドや入力の難しさというバーチャの根本的な問題はあるけど、それでもバーチャ2の功績は大きかったし、セガサターン版の移植度合いもとても良かった。
セガサターンとプレイステーションはほぼ同時発売で、最終的にはプレイステーションの方が売り上げ面で大きく上回った。のみならず、セガは次の機種でゲームハードから撤退したが、ソニーは2024年現在でも元気にプレステ5を発売している。そのように差はついたものの、本体の売り上げ台数が先に100万台を突破したのはサターンの方だった。これはもうバーチャ2人気のおかげとしか言いようがない。
ただそんなに功績の大きかったバーチャ2ではあるけども、先程挙げた入力の難しさ、ハードルの高さみたいな部分は内包していた。それが後のシリーズ人気にも繋がってくるんだけど、それはまた後日語ります。
* * * 今回で2024年の更新は終わりです。次のタイトルは年明けになります。
いやあ…今年はきつかった…。更新ペースが…。
私はこのblogの更新に「仕事かよ」ってくらいの熱意を注いでてさ。各記事の公開日も予め決めていて、それもかなり前の時点で計画を建てている。どのペースでゲームを攻略し、どれくらいの日数で記事を書けば間に合うかも計算しながら進めている。その時建てた計画に対し実績がどれくらいだったかの予実すり合わせも毎回している。公開日に対してどれくらい前に作業が終わっていたかのいわゆる「貯金」もどれくらい積もっているか一目で分かるスプレッドシートでちゃんと管理している。
今年はその貯金を相当使い果たし、更新が間に合うかどうかギリギリまで追い込まれた。具体的には「クロノ・トリガー」と「タクティクスオウガ」の2作品のところで時間を食いすぎた。クロノ・トリガーの時はEURO2024とパリオリンピックの期間だった事で攻略や記事起こしに時間がかかった。タクティクスオウガに関してはストーリーが複雑過ぎて、それを文章化したり確かめたりするのに超時間がかかった…。
これまでは最大で3か月くらいは貯金があったんだけど、もうこの2作品のおかげで公開予定日の数日前に記事書き終わったなんて事がちょいちょいあったからね…。というか、ぶっちゃけ後半ほんの少し更新ペースを落としてる。あんま気付かないレベルだと思うけど、新タイトルの公開間隔がちょっとだけ空いている。
けどまあ…2025年に攻略する予定のタイトルを見てもこの状況が改善される見込みはあんまりない。「いやこれ時間かかるだろ…」って作品ばっかりだ。なのでもしかしたら更新ペースをまた落とすかもしれない。そうなったらごめんなさい!
それでは良いお年を!
(終わり)
- 2024/12/28(土) 10:00:00|
- オールドゲーム攻略
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| コメント:6
>だらさん
>今年もおつかれさまでした。記事楽しませていただきました。
あざまーっす! 読んでいただいて嬉しいです!
>だからこそ独自の信者を囲ったのでしょうけど、業界の変化と衰退とともに消える運命だったかな、と今は思います。
そのへんはありますねー…。
セガは良い言い方をすればストイックな部分がありますけど、悪い言い方をすると説明不足だったり、ユーザーフレンドリーじゃない部分が結構ありますよね。だから一般人をふるい落としてしまい、残ったファンが先鋭化した信者になってしまう、みたいな…。
このバーチャにしても、もう少しプレイヤーに分かりやすくするとか、キャラに背景を与えて間口を広くするとか色々やり方はあったのに…とは思います。
- 2024/12/28(土) 23:45:17 |
- URL |
- TOM(管理人) #Ohl5bwZ2
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>まさひろさん
>バーチャファイター2ですが。自分はアーケードでやりました。
おー、アーケードだったんですね。
当時のゲーセンは、ストII以来の盛り上がりでしたね。試合時間も短かったし、ゲーセンはかなり儲かったと思います。
>ちなみの自分の持ちキャラは「ラウ」です。肩車とか気持ちいいですね。
ラウは初代でも強かったけど、2でもほぼ最強クラスのキャラでしたね。斜下掌で浮かせてから空中コンボが強くて強くて…。
>自分も「トレーニングモード」を追加してくれたらいいのになと強く思います。
それは本当にそう思います。
最近のゲームだと機能が充実したトレーニングモードがあるのが普通ですが、90年代後半の格ゲーでも段々導入され始めてましたね。バーチャ2ももう数年後だとトレモついてたかもしれません。惜しかった…。
- 2024/12/28(土) 23:49:10 |
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- TOM(管理人) #Ohl5bwZ2
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