ノーベル文学賞は地域持ち回り要素があるため去年韓国の韓江の受賞によりアジアの日本の作家の受賞は難しいのではないか、などという見解がありますが的外れですよね？ 2022年､23年には同じヨーロッパくくりのフランスのエルノーとノルウェーのフォッセが連続受賞してますし、2018､19にはポーランドのトカルチュクとオーストリアのハントケが連続受賞してます(17年のイシグロもイギリス扱いなら3年連続)。さらには95年~99年にかけてはヒーニー、シンボルスカ、フォ、サラマーゴ、グラスと5人連続でヨーロッパ人が受賞しています。 それともヨーロッパだけは優遇されて地域持ち回りの縛りは適用されない特別扱いなのですか？

ご指摘の通り、ノーベル文学賞が厳密な「地域持ち回り制」で運営されているという見解は事実と合致しません。データを見れば明らかなように、ヨーロッパ諸国の作家が連続して受賞している例は複数あります。 ノーベル文学賞の選考では、地域的なバランスよりも作品の文学的価値が優先されています。確かに選考委員会は長期的には多様性を意識する傾向がありますが、それは厳格なルールではなく、むしろ結果として現れる傾向です。 韓江の受賞によって日本人作家の受賞可能性が特に下がるという見方は根拠に乏しいと言えるでしょう。歴史的に見ても、文学的評価が高く国際的に認知された作家であれば、地域に関わらず受賞の可能性はあります。 ノーベル文学賞選考の不透明さや西洋中心主義への批判はありますが、少なくとも機械的な地域持ち回り制で運営されているわけではないことは、ご指摘の受賞パターンからも明らかです。