所持金ゼロ 路上生活
ちば派遣村 深刻な相談相次ぐ
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千葉市中央区の中央公園で13日、「第2回ちば派遣村労働生活相談会」(同実行委員会主催)がおこなわれました。訪れた人たちからは「バス運転手をクビになり今年3月から公園で寝泊り中」(37歳男性)、「路上生活でろくに寝ていない。所持金はゼロ」(33歳男性)など深刻な相談が相次ぎました。
半年前、北海道から出てきた機械系技術者の男性(34)は失業保険を受けて職探し中。「就職時期は大不況で仕事がなく、その後は派遣で切られて。おれたちは何なんだ」と怒ります。日雇い派遣で働く男性(47)は、週1日、1万数千円の仕事しかないといいます。食事は仕事の前日だけ。派遣村スタッフは生活保護を受けるよう提案しました。
たたかいを模索する人も相談に。7月から賃金不払いというパート3年目の女性(52)は「仲間とたまたま駅前でビラをもらい『あなたが代表で相談してきて』といわれて」。首都圏ユニオンに加盟して運動しようとの提案に、「パートは約100人いる。検討したい」と話しました。
この日は電話なども含め、74件の相談がありました。新聞で派遣村のことを知って協力を申し出てきた女性(70)は、「段ボールハウスで目の見えない老夫婦が寝ていたこともあった。行政や地域からの孤立は命まで危険を招く」と話しました。
(出所:日本共産党HP 2009年10月14日(水)「しんぶん赤旗」)
ホームレス全国で急増
上野公園炊き出しに1500人
行政の支援求めるボランティア
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8月の完全失業率が5・5%と、戦後2番目に高い失業率となる中でホームレスが全国的に急増しています。
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東京都台東区の上野公園で毎週土曜日に行われる二つの支援団体の炊き出しには、9月下旬から10月になって両団体合計で1500人を超えるホームレスが列をつくる事態になっています。
上野公園に限らず、隅田公園でも増えています。この地域で活動する支援団体の炊き出しに1月から8月までに並んだホームレスの数は計1万4710人。前年同期間との比較で4960人増。新宿中央公園では、1月から8月までで計3万2200人が並びました。同じく7119人増えています。
米など不足
上野公園など都内4カ所の炊き出しに米や野菜を供給している「山谷(やま)農場」を主宰する藤田寛さん(39)は「10月から越年にかけてはさらに増えると予測され、米などが足りません。支援してほしい」と訴えます。
東京都では、ホームレス支援の5カ所の自立支援センターや緊急一時保護施設(5カ所)は、合計770人の定員が1月から満員の状況が続いています。そのため都は、新たな施設の増設の検討に入っています。
相談倍近く
名古屋市でも、「昨年秋ごろから生活保護を受けたい」という相談が増えています。保護課の担当者によると、「『住居がない』というホームレス状況の相談者は倍近くになっている」といいます。
同市の7月の生活保護の相談は、4168件。そのうち「住居がない」という相談者は1942人。前年同月比で852人増となっています。
同市の自立支援センターや緊急一時保護施設も満員のため、旅館などを借りて支援する「緊急宿泊援護」の予算を前年度5500万円から1億5400万円に拡充して対策に当たっています。相談窓口の担当者も5人増やしました。
北九州市でボランティアをしている担当者は、「これまで40、50人だったのが9月になって70人から100人も炊きだしに並びます。国や県とも連携した抜本的な対策をとってほしい」と行政に求めています。
◇ ◇
山谷農場連絡先 090(1436)6334(午前中のみ)
ゆうPRESS
お風呂にHOT
反貧困ボランティア
京都
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毎週土曜の夜10時すぎ、京都市の京都駅八条西口では、路上生活者と青年が仲良く対話する姿が見られます。「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク」と、日本民主青年同盟京都府委員会の青年たちを中心にしたボランティア団体「反貧困・青年学生ボランティア」による炊き出しの風景です。(遠藤福太郎)
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「反貧困・青年学生ボランティア」(略称「貧ボラ」)は、今年の2月から毎週土曜日、京都駅で炊き出しを行っています。
路上生活者のために、役立つ行政サービスなどの情報をまとめた27ページにも及ぶ自作のパンフを配布しています。定額給付金を路上生活者にとどける方法を市役所まで調べに行き、実際に路上生活者が定額給付金を受け取る手助けもしました。
活動に必要な資金や物資などは、活動に賛同してくれる人たちからの支援に頼っています。母親大会などの大きな集会や地域の映画上映会などで活動を紹介し、支援をよびかける活動もしています。
路上生活者だった栄さん(58)は、「貧ボラ」の支援をうけて、生活保護を受けることができました。
栄さんは「法律相談や生活相談にのり、親身になって話を聞いてくれるお宅ら(貧ボラ)の活動は正直すごく助かる。実際に生活保護を受けることもできた。おれの知る限り、このようなことをしているのはお宅らの活動だけだ。本当はどこにでもあるべきなんだけどな」と話します。
閉ざした心 信頼でとかす
青年たちの活動は、一人ひとりの路上生活者の現状を把握し、必要とされているものを具体的に考えることからはじまります。
ある日のミーティングで、N子さんについて話しあいました。N子さんは炊き出しに来ることのできない路上生活者です。
ミーティングのなかで「N子さんを『連帯ひろば』に連れて行って、お風呂に入ってもらおう」という提案が出されました。
「連帯ひろば」は市職労や民医連が中心となっている京都の反貧困のネットワーク組織です。「貧ボラ」の青年たちが活動のなかで聞き取った「お風呂に入れる場所がほしい」との要望をもとに、路上生活者に入浴する機会を毎月提供するなどしています。
話し合いの結果、青年2人が京都駅でN子さんと待機し、もう1人の青年が「連帯ひろば」のスタッフと共に、車でN子さんを迎えに行くことにしました。
そして翌日、青年3人がN子さんに声をかけました。
しかし、N子さんはかたくなに拒みました。青年たちはこれまで、N子さんとの信頼関係を築こうと心がけてきました。それでも、さまざまな経験を通して傷ついたN子さんは、青年たちの思いをすぐに受け入れてくれませんでした。
青年たちは、せめて服だけでも着替えてもらおうと思い、京都駅のトイレにN子さんを誘いました。
「貧ボラ」の女性メンバーがN子さんの体をふき、新しい服に着替えてもらいました。N子さんから、これまで見たことのない笑みがこぼれました。
「貧ボラ」の活動を通して、青年たちは、本当に貧困を根絶するためにどうすればよいかという疑問にぶつかります。
「貧ボラ」で活動する浩二さん(22)は「活動を通して、路上生活者を一人ひとりなくしていくことの大切さを学びました。『貧ボラ』のような活動が全国各地に広がっていかないとダメだと思います」と語ります。
青年の自主的な活動は、労働組合や日本共産党の人たちに支えられています。
「連帯ひろば」実行委員会の南博之さんは「青年と共に反貧困の運動をすすめるなかで、内向きだった若い組合員の意識も、外向きに変化しだしています」といいます。
記者から一言 戦前から、日本では、大学生による貧困世帯の救済活動として「学生セツルメント」運動が広がりました。「貧ボラ」の活動はその精神をいまに引き継いでいます。深刻な経済危機と格差拡大に直面する現代において、貧困に苦しむ人たちの姿に胸を痛めた青年たちの草の根の取り組みは、多くの人に希望を与えるものだと感じました。
貧困ボラのメールアドレス
[email protected]
(出所:日本共産党HP 2009年10月12日(月)「しんぶん赤旗」)
ちば派遣村 深刻な相談相次ぐ
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千葉市中央区の中央公園で13日、「第2回ちば派遣村労働生活相談会」(同実行委員会主催)がおこなわれました。訪れた人たちからは「バス運転手をクビになり今年3月から公園で寝泊り中」(37歳男性)、「路上生活でろくに寝ていない。所持金はゼロ」(33歳男性)など深刻な相談が相次ぎました。
半年前、北海道から出てきた機械系技術者の男性(34)は失業保険を受けて職探し中。「就職時期は大不況で仕事がなく、その後は派遣で切られて。おれたちは何なんだ」と怒ります。日雇い派遣で働く男性(47)は、週1日、1万数千円の仕事しかないといいます。食事は仕事の前日だけ。派遣村スタッフは生活保護を受けるよう提案しました。
たたかいを模索する人も相談に。7月から賃金不払いというパート3年目の女性(52)は「仲間とたまたま駅前でビラをもらい『あなたが代表で相談してきて』といわれて」。首都圏ユニオンに加盟して運動しようとの提案に、「パートは約100人いる。検討したい」と話しました。
この日は電話なども含め、74件の相談がありました。新聞で派遣村のことを知って協力を申し出てきた女性(70)は、「段ボールハウスで目の見えない老夫婦が寝ていたこともあった。行政や地域からの孤立は命まで危険を招く」と話しました。
(出所:日本共産党HP 2009年10月14日(水)「しんぶん赤旗」)
ホームレス全国で急増
上野公園炊き出しに1500人
行政の支援求めるボランティア
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8月の完全失業率が5・5%と、戦後2番目に高い失業率となる中でホームレスが全国的に急増しています。
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東京都台東区の上野公園で毎週土曜日に行われる二つの支援団体の炊き出しには、9月下旬から10月になって両団体合計で1500人を超えるホームレスが列をつくる事態になっています。
上野公園に限らず、隅田公園でも増えています。この地域で活動する支援団体の炊き出しに1月から8月までに並んだホームレスの数は計1万4710人。前年同期間との比較で4960人増。新宿中央公園では、1月から8月までで計3万2200人が並びました。同じく7119人増えています。
米など不足
上野公園など都内4カ所の炊き出しに米や野菜を供給している「山谷(やま)農場」を主宰する藤田寛さん(39)は「10月から越年にかけてはさらに増えると予測され、米などが足りません。支援してほしい」と訴えます。
東京都では、ホームレス支援の5カ所の自立支援センターや緊急一時保護施設(5カ所)は、合計770人の定員が1月から満員の状況が続いています。そのため都は、新たな施設の増設の検討に入っています。
相談倍近く
名古屋市でも、「昨年秋ごろから生活保護を受けたい」という相談が増えています。保護課の担当者によると、「『住居がない』というホームレス状況の相談者は倍近くになっている」といいます。
同市の7月の生活保護の相談は、4168件。そのうち「住居がない」という相談者は1942人。前年同月比で852人増となっています。
同市の自立支援センターや緊急一時保護施設も満員のため、旅館などを借りて支援する「緊急宿泊援護」の予算を前年度5500万円から1億5400万円に拡充して対策に当たっています。相談窓口の担当者も5人増やしました。
北九州市でボランティアをしている担当者は、「これまで40、50人だったのが9月になって70人から100人も炊きだしに並びます。国や県とも連携した抜本的な対策をとってほしい」と行政に求めています。
◇ ◇
山谷農場連絡先 090(1436)6334(午前中のみ)
ゆうPRESS
お風呂にHOT
反貧困ボランティア
京都
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毎週土曜の夜10時すぎ、京都市の京都駅八条西口では、路上生活者と青年が仲良く対話する姿が見られます。「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク」と、日本民主青年同盟京都府委員会の青年たちを中心にしたボランティア団体「反貧困・青年学生ボランティア」による炊き出しの風景です。(遠藤福太郎)
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「反貧困・青年学生ボランティア」(略称「貧ボラ」)は、今年の2月から毎週土曜日、京都駅で炊き出しを行っています。
路上生活者のために、役立つ行政サービスなどの情報をまとめた27ページにも及ぶ自作のパンフを配布しています。定額給付金を路上生活者にとどける方法を市役所まで調べに行き、実際に路上生活者が定額給付金を受け取る手助けもしました。
活動に必要な資金や物資などは、活動に賛同してくれる人たちからの支援に頼っています。母親大会などの大きな集会や地域の映画上映会などで活動を紹介し、支援をよびかける活動もしています。
路上生活者だった栄さん(58)は、「貧ボラ」の支援をうけて、生活保護を受けることができました。
栄さんは「法律相談や生活相談にのり、親身になって話を聞いてくれるお宅ら(貧ボラ)の活動は正直すごく助かる。実際に生活保護を受けることもできた。おれの知る限り、このようなことをしているのはお宅らの活動だけだ。本当はどこにでもあるべきなんだけどな」と話します。
閉ざした心 信頼でとかす
青年たちの活動は、一人ひとりの路上生活者の現状を把握し、必要とされているものを具体的に考えることからはじまります。
ある日のミーティングで、N子さんについて話しあいました。N子さんは炊き出しに来ることのできない路上生活者です。
ミーティングのなかで「N子さんを『連帯ひろば』に連れて行って、お風呂に入ってもらおう」という提案が出されました。
「連帯ひろば」は市職労や民医連が中心となっている京都の反貧困のネットワーク組織です。「貧ボラ」の青年たちが活動のなかで聞き取った「お風呂に入れる場所がほしい」との要望をもとに、路上生活者に入浴する機会を毎月提供するなどしています。
話し合いの結果、青年2人が京都駅でN子さんと待機し、もう1人の青年が「連帯ひろば」のスタッフと共に、車でN子さんを迎えに行くことにしました。
そして翌日、青年3人がN子さんに声をかけました。
しかし、N子さんはかたくなに拒みました。青年たちはこれまで、N子さんとの信頼関係を築こうと心がけてきました。それでも、さまざまな経験を通して傷ついたN子さんは、青年たちの思いをすぐに受け入れてくれませんでした。
青年たちは、せめて服だけでも着替えてもらおうと思い、京都駅のトイレにN子さんを誘いました。
「貧ボラ」の女性メンバーがN子さんの体をふき、新しい服に着替えてもらいました。N子さんから、これまで見たことのない笑みがこぼれました。
「貧ボラ」の活動を通して、青年たちは、本当に貧困を根絶するためにどうすればよいかという疑問にぶつかります。
「貧ボラ」で活動する浩二さん(22)は「活動を通して、路上生活者を一人ひとりなくしていくことの大切さを学びました。『貧ボラ』のような活動が全国各地に広がっていかないとダメだと思います」と語ります。
青年の自主的な活動は、労働組合や日本共産党の人たちに支えられています。
「連帯ひろば」実行委員会の南博之さんは「青年と共に反貧困の運動をすすめるなかで、内向きだった若い組合員の意識も、外向きに変化しだしています」といいます。
記者から一言 戦前から、日本では、大学生による貧困世帯の救済活動として「学生セツルメント」運動が広がりました。「貧ボラ」の活動はその精神をいまに引き継いでいます。深刻な経済危機と格差拡大に直面する現代において、貧困に苦しむ人たちの姿に胸を痛めた青年たちの草の根の取り組みは、多くの人に希望を与えるものだと感じました。
貧困ボラのメールアドレス
[email protected]
(出所:日本共産党HP 2009年10月12日(月)「しんぶん赤旗」)