未来を信じ、未来に生きる。

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日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が19日、本会議で行った代表質問

2010-01-28 04:19:12 | 国内政治
財政演説に対する
佐々木議員の代表質問
衆院本会議

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 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が19日、本会議で行った代表質問は次の通りです。

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 昨年の総選挙で、主権者・国民が、自民・公明政権に「ノー」の審判をくだしたことは、前向きの歴史的一歩でありました。国民の願いは、暮らしの苦難から抜け出したい、これまでの政治を根本から変えたい、という切実なものであります。

 鳩山内閣が、その期待に応えているのか。このところ、国民の中に「不安」の声が大きく広がっております。

「政治とカネ」問題

 まず、ただしておきたいのは、総理自身と政権与党・民主党幹事長にかかわる「政治とカネ」の問題です。

母親からの献金使途を明かせ

 総理の資金管理団体の虚偽記載についてお聞きします。

 母親と鳩山総理個人の分、合わせて約15億8000万円、そのうち虚偽記載分に充てたのが4億円、残りの11億8000万円は、何に使われたのでしょうか。個人の政治活動などに使ったと言われましたがその内容を、なぜ明らかにしないのでしょうか。

 政治資金規正法は、個人の政治活動を含めすべての政治資金を公開し、国民の監視と批判のもとに置くことを求めています。総理の明確な説明を求めます。

小沢氏の疑惑はゼネコンがらみ

 小沢幹事長の疑惑も重大です。

 資金管理団体「陸山会」の土地購入疑惑に関連し、東京地検特捜部は、「陸山会」事務所や大手ゼネコン「鹿島」などへの強制捜査をいっせいにおこない、「陸山会」の金庫番だった小沢氏の元秘書ら3人を逮捕しました。

 問題の核心は、政治資金収支報告書の虚偽記載の疑惑とともに、4億円の土地購入資金がどこから出たのかという問題であります。土地購入の原資の一部が、ゼネコンからのヤミ献金だったのではないか。公共事業の受注を通じて、国民の税金が還流しているのではないか。これらの問題が問われているのであります。

 小沢氏をめぐっては、この問題のほかにも、西松建設の偽装献金疑惑と「天の声」として公共事業受注に関与していたのではないかという疑惑、「新生党」と「自由党」を解党したさいの党の残余資金22億円、その多くは政党助成金であります。その処理をめぐる疑惑など、幾重にも深刻な疑惑が問われています。

 総理は、党大会で「小沢幹事長は法令に触れるようなことは一切していないと訴えている。民主党代表として信じている」と言いました。総理は、幹事長から、どのような説明を受け、「信じる」という確信を得たのですか。明確な答弁を求めます。

 民主党が自浄作用を発揮しないことに多くの国民はこれまでの自民党と同じではないかと不信を募らせています。国会は、疑惑の全容を解明し、政治的・道義的責任を明らかにしなければなりません。総理並びに菅副総理の見解を求めます。

企業・団体献金禁止を今国会で

 この問題のもとをたどれば、自民党政治にその根っこがあります。これまで、田中金脈、金丸金脈が繰り返されながら、自民党が金権政治の根を断たず、その元凶である企業・団体献金を温存していたことこそ、問われなければなりません。民主党は、3年後という問題はありつつも、マニフェストで「企業・団体献金禁止」をうたいました。この国会で、そのための法案を提出し、この公約を果たすべきではありませんか。

 民主党代表でもある鳩山総理から、明確な見解をお聞かせいただきたい。

経済情勢の認識について

 次に、経済情勢の認識についてです。一昨年のリーマン・ショックに端を発したアメリカ発の世界金融恐慌は、戦後最大の過剰生産恐慌と結びつき、そのなかで、日本経済は大きな衝撃を受けました。

脆弱な経済構造なぜつくられた

 内需の低迷という日本の脆弱(ぜいじゃく)な経済構造は、なぜつくられたのか。

 労働法制の規制緩和をてこに低賃金・不安定雇用を広げてコスト削減をはかり、それを土台に輸出を急増させ、手にした膨大な資金を投機にまわすというやり方で、財界・大企業中心に利益拡大をはかってきたことであります。

 OECD(経済協力開発機構)の統計でも、10年以上にわたって賃金が下がり続けている国は、世界の主要国では、日本だけであります。

 他方、企業の内部留保は、この10年間で約200兆円から約400兆円へと2倍にも膨らみました。その半分近くは、資本金10億円以上の大企業がため込んだものであります。

 これが、広範な国民のなかに耐え難いほどの格差と貧困を広げた大きな原因となったのであります。

 菅財務大臣は、日本経済の現状をどのようにとらえているのでしょうか。

 働く者から搾り取ってため込んだ大企業の過度な内部留保は、労働者、中小企業、社会に適切に還元させ、家計消費を活性化させる方向に踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。

内需に冷水「構造改革」路線

 家計消費・内需を冷え込ませたもう一つの要因は、小泉内閣以降、住民税・所得税の大増税や社会保障負担増により13兆円にものぼる新たな負担を国民に押しつけたことであります。

 これらは「構造改革」の名のもとで実行されました。その結果、弱肉強食の殺伐とした社会をつくりだし、家計を中心とする内需に冷水を浴びせたのであります。

 菅財務大臣は、これまでの「構造改革」路線をどのように見ているか。そこからの抜本的な転換の必要性を、どの程度感じているか、お聞かせいただきたい。

雇用・中小企業対策を緊急に

 いま緊急に求められているのは、雇用・中小企業対策であります。

 雇用対策については、第2次補正予算案で、雇用保険の適用範囲の拡大や失業給付に必要な予算を計上するなど一定の改善がみられます。しかし、日本社会の貧困と格差を深刻にした最大の元凶である労働法制の規制緩和路線と明確に決別することが重要であります。

派遣法改正案に重大な後退が

 厚労大臣の諮問機関である労政審が示した労働者派遣法の改正案は、製造業への派遣禁止に穴をあけ、事実上それを温存し、法律の実施を「3年後」から「5年後」に先送りする方向であります。これでは、財界・大企業の要求に屈した重大な後退と言わなければなりません。

 日本共産党は、非正規から正規への雇用の転換をはじめ、大企業に社会的責任を果たさせるための抜本的な政策転換を、すみやかにおこなうことを強く求めるものであります。

中小企業を日本経済の主役に

 中小企業対策も、まったなしです。昨年の企業倒産件数は、2001年以降で最悪となりました。補正予算案では、中小企業の資金繰り対策では、緊急保障制度を全業種に広げるなどの改善がなされており、保証枠の追加、セーフティーネット貸し付けの拡充なども盛り込まれています。

 しかし、切実な問題は、「融資を受けても返すあてがない」「仕事がさっぱりない」という中小企業の声にどう答えるのか、ということであります。緊急の休業補償・直接支援をおこなうこと、福祉・環境を中心に新たな仕事を起こすことが必要であります。

 より根本的には、大企業優先の産業政策から、中小企業を文字どおり「日本経済の主役」として位置づける政策への転換をはからなければなりません。「主役」にふさわしく、製品開発や、人材・後継者育成などの振興策を打ち立て、大企業の横暴から中小零細企業を守る規制策をすすめなければなりません。

 いま求められているのは、これまでの「構造改革」路線ときっぱり決別し、国民のための「ルールある経済社会」に転換することではありませんか。最後に、鳩山総理の答弁を求めて、質問を終わります。

(出所:日本共産党HP  2010年1月20日(水)「しんぶん赤旗」)
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BSフジ報道番組で日本共産党の志位和夫委員長が語るー「政治とカネ」から日米関係までー

2010-01-28 04:13:05 | 国内政治
新しい情勢にどうのぞむか
――「政治とカネ」から日米関係まで
BSフジ 志位委員長、大いに語る

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 日本共産党の志位和夫委員長が生出演した19日夜放送のBSフジ報道番組「PRIME NEWS(プライムニュース)」。「政治とカネ」の問題から日米関係、経済問題、日本共産党第25回大会まで話題は多岐にわたり、志位氏は司会のフジテレビ報道局政治部の反町理氏と同元テレビアナウンサーの八木亜希子氏、解説役の若松誠・フジテレビ解説委員長と語り合いました。

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小沢氏疑惑
国会が国政調査権の発動を
企業・団体献金禁止と政党助成金の廃止にふみ出せ

 冒頭、小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体をめぐる土地購入疑惑をどうみるかがテーマになりました。

 志位氏は「一番の核心は、土地購入費の中に『ゼネコン・マネー』が原資として含まれていたのではないかという疑惑だ」とのべ、「しんぶん赤旗」の調査で、公共事業を受注した中堅ゼネコン・水谷建設の幹部が、小沢氏の元秘書で民主党衆院議員の石川知裕容疑者らに計1億円を手渡したという水谷建設関係者の証言が得られたと指摘。「公共事業は国民の税金でやっている仕事ですから、国民の税金の一部が小沢さんの側に流れたという疑惑です。非常に深刻な問題です」として、国会が国政調査権を発動し、疑惑究明を行うことを求めました。(詳報)

 さらに志位氏は「こうした問題が何度も繰り返される一番根っこには、企業・団体献金を温存してきたという問題がある。このさい、即時禁止に踏み切ることが大事だ」と強調。また、新生党や自由党の解党のさいの残余資金22億円―その原資に政党助成金が含まれている疑惑も問われているとのべ、「政党助成金のあり方も見直し、撤廃すべきです」と主張しました。

 これに対し「たしか政党助成金は数年以内に企業・団体献金を禁止するという約束で(1995年に)導入したと思うんですが…」と反町氏。志位氏は「そうです。政党助成金を出す代わりに、5年以内に企業献金は『見直す』ということで、始まったものなのです。ところが企業献金はもらい続ける。政党助成金ももらう。“二重取り”をやっているというのはおかしな話です」と批判しました。

情勢の変化
保守の方々とも広がる対話
自民党政治にかわる「政治の中身」が問われる新しい時代に

 「お金のことに関しては共産党はつねにクリーンだと訴えてらっしゃいますが、なかなか支持があつまらないことについてはどう……」。八木氏の問いかけで日本共産党が国民にどう受けとめられているのかがテーマになりました。

 志位 この間の動きからすれば、それまで私たちと接点のなかった方々とずいぶんおつきあいが広がってきました。私も初めてJA全中の大会に招待されまして。

 若松 大喝さいだったんですって。

 志位 ええ。温かく迎えていただきました。そして、私たちの党大会にもJA全中の専務理事の方が来賓としておみえになって、こちらも大喝さいになりました。これまで保守の基盤といわれていた団体にもずいぶん大きな変化がありますね。

 それから全国森林組合の大会にも初めて呼ばれてあいさつする機会がありました。あらためて調べてみて、ほんとうに林業は重要だなと思いました。ドイツでは自動車産業で働く人より林業やその関連産業で働く人のほうが多いんですね。国土と環境を守り、雇用を支えているんです。森林組合の方々ともずいぶん対話が進んでいます。

 若松氏が、「(この間の)国政選挙で議席が伸びていない。比例も400万票台。これはいかがですか」と質問したことに対し、志位氏はこう応じました。

 志位 この10年間は、私たちにとっては、ある意味で難しい時期だったと思います。どう難しかったかというと、「自民か、民主か」というキャンペーンがはられて、そのどちらかしか選択肢はないという形で、共産党を蚊帳の外に置いてしまおうという流れが非常に強まった時期でした。そういうなかで私たち共産党は、日本をこう変えるというビジョンを示して、踏みとどまったというところが大事だと思うんです。

 しかし「自民か、民主か」でやってきた結果は、自民党は壊滅的な批判を受けて先がないような実態になってきている。総選挙で国民がくだした審判は、日本の政治を前に動かす歴史的な審判だったと思います。そうなるともう、「自民か、民主か」に単純になってきていないですよね。自民党政治に代わって、どういう日本をつくるかという「政治の中身」が問われる新しい時代に入ってきた。これまでの自民党政治の特徴だった、外交はアメリカまかせ、内政は財界中心という枠組みから抜け出して、「国民が主人公」の新しい日本をつくろうという私たちのビジョンが、(国民の中に)広がる状況が、いま新しく始まったところだと思います。

どうする日米関係
アメリカを事実に即し複眼でとらえる
党大会報告は真の友好を願う立場からのもの

 続いて、共産党大会で解明した「日米関係」論が話題になりました。若松氏は、党ホームページからダウンロードして印刷した37ページの中央委員会報告を手に、「志位委員長は大会報告のなかで『私たちはアメリカとの真の友好関係を望んでいる』とのべた。従来の対米批判一辺倒とは多少違って、現実柔軟路線を具体化されたものなのかなと受けとめました」と語り、「アメリカとの関係は具体的にどうしていくつもりですか」と質問。志位氏はこう応じました。

 「私たちの立場は、アメリカという国であっても、やることがみんな悪い、帝国主義だから全部間違っていると頭ごなしにみない。事実に即し、前向きの動きがおこったら促進するし、協力もする。しかし間違ったことには大いに批判するし対決もする。いわば複眼でアメリカをとらえていこうと確認してきたんです」

 オバマ米大統領が、昨年4月、チェコ・プラハでのべた「核兵器のない世界」を追求するとの宣言に対しては、それを現実のものにするために党として働きかけてきたことを紹介。一方、日米関係をみると、支配・従属の関係が変わっていないことを指摘し、「対等なパートナー」というなら、米国内では決して許されない在日米軍の危険な実態の横行、日米地位協定による特権などを正すべきではないかということを、党大会報告で、米国政府へのメッセージとしてのべたことを紹介し、これは「反米」の立場でなく、本当の友好を願う立場からのものだとのべました。

 そして、軍事同盟は、21世紀の世界で「前世紀の遺物」になっていること、全方位で周辺諸国、世界の国々と友好関係をつくっていくのが日本共産党の平和外交だとのべました。

安保、自衛隊をどうする
国民多数の合意ですすむ
“紛争を戦争にしない”が世界の流れ

 「周辺諸国の有事にはどう対応していくべきか」(八木氏)の質問に対して、志位氏は次のように答えました。

 志位 いま周辺諸国との関係で、不安定な要素が残っていることになると、やはり北朝鮮問題です。どう解決するかといったら、「6カ国協議」という枠組みが最善、唯一の道だと思っています。

 反町 でもいま機能しているとは思えませんよ。

 志位 ええ。でも、この間、米国、中国などが働きかけて再開の方向も出てきつつある。この枠組みで解決するということは非常に重要です。「6カ国協議」が再開されて問題解決が進展し、核、拉致、過去の清算などが解決されて日朝関係もまともになりますと、北東アジア地域に軍事的な不安定要因というのは残りませんよ。そういう平和の環境をつくっていく努力と同時並行で、安保条約をなくす国民の合意をつくっていく。安保条約をなくすのは、国民の大多数が「安保がなくてもいい」とならないとなくせるものではありませんから、そういう多数の合意が必要になってきます。その合意をつくるうえでも、いまいったように北東アジアの平和的な環境を成熟させるための外交的努力が必要だと思います。

 反町 非武装・非同盟ということもあるわけですよね。

 志位 非武装というのは、私たちはこの問題を整理していまして、かりに安保条約をなくすとしても、そのときに自衛隊は一緒になくすことにはならないと(の立場です)。

 八木 その場合はどういうふうに…。

 志位 私たちは、自衛隊というのは憲法9条にてらせば憲法違反の軍隊ですから、いずれは解消していく必要があると。しかし、これも国民の合意が必要です。国民のみんなが、「自衛隊がなくても、憲法9条どおりにしても、もう日本は大丈夫だ、安心だ」という合意がなければ自衛隊の解消というわけにはいきません。ですから、私たちが政権に入って安保条約を廃棄した場合に、自衛隊は、まずは軍縮への切り替えをやりながら、国民の合意で段階的に憲法9条の完全実施に向かうということを、私たちは考えています。

 反町 武力がなくても国が守れるという理解ですか。

 志位 世界の全体の大勢をよくみますと、人類社会から紛争はなくせなくても、紛争を戦争にしないことはできるという確信が、世界中に広がりつつあると思うんですよ。たとえば、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に東南アジア友好協力条約(TAC)がつくられ、紛争の平和解決という憲法9条と共通する理念を掲げて大きく広がっている。ユーラシア大陸のほとんど、最近はEU(欧州連合)、アメリカも加入するところまで広がっています。こうして、世界全体が、もめごとがおこっても、戦争ではなくて、平和的・外交的に解決する方向に向かっている。21世紀はそういう時代だと考えています。

「国際競争力」論どうみる
欧州の企業は日本より重い負担
人間を大事にしない企業は競争力を失う

 志位氏は、通常国会では、2010年度政府予算案の抜本的な組み替えを提案する考えを表明。軍事費、大企業・大資産家への優遇税制にメスを入れ、暮らしに手厚い予算にしたいとのべました。また、政府が検討している労働者派遣法改正案は、製造業派遣について常用型派遣を「禁止の例外」とし、実施時期を3~5年先にする“大穴”が開いていると批判し、抜け穴をふさぐとともにすみやかな実施をもとめる修正を提起したいとのべました。

 これに関連し若松氏は「企業が国際競争力を失ったら日本としても活力を失っていくように思える」と質問。志位氏は次のように答えました。

 志位 たとえば日本の大企業とヨーロッパの大企業が払っている税金・社会保険料のどちらが重いかという比較を政府のデータでやってみますと、ヨーロッパの方がずっと重いんですよ。税だけで比べますとそんなに違いがなくても、社会保険料の負担が日本の場合は、少ないですからね。だいたい、フランスは日本の1・3倍、ドイツは1・2倍、日本より重いんです。それでちゃんと世界の舞台で競争をやっているわけですね。財界の方々は口を開くと「国際競争力だ」といって、「海外に逃げちゃうぞ」という話をするんだけれども、私は、ヨーロッパだってちゃんと負担しながらやっているじゃないですかということをいいたい。

 それから派遣労働のように、人間をモノのように「使い捨て」にするというやり方をつづけますと、企業にとっても本当の意味での活力がなくなっていきますよ。一生懸命働いて、技術もしっかり磨いていこう、伝承もしていこう、工夫もしていこう、こういうふうになりませんよ。そういう企業というのは、短期的利益はあがるかもしれないけれども、中長期的には先がない。結局、人間を大事にしない企業というのは、競争力を失うと思いますね。

政府予算案
軍事費と大企業・大資産家優遇の「二つの聖域」にメスをいれれば、財源はつくれる

 番組では最後に、視聴者からのメールが紹介されました。このなかで「民主党より自民党より未来がみえる予算が組めるでしょうか」(愛知県の30代の会社員)の質問に、志位氏は次のように答えました。

 志位 政府予算案で、何で44・3兆円もの借金(国債)になるのか、1年限りの「埋蔵金」に8兆円も頼る予算になるのかというと、4兆8000億円の軍事費に手をつけようとしない。それから大企業や大資産家への優遇税制に手をつけようとしない。やはりこの「二つの聖域」をつくっているからだと思うんですね。

 日本では、株の取引に10%しか税金がかからないと外国特派員協会で話しましたら、みんなびっくりして聞きますね。フランスは30%、アメリカは25%から30%に、イギリスも30%台から40%台にするという動きですから。大金持ちの株取引にきちんと課税するだけでも、元の20%に戻しただけで7000億円から8000億円(の財源は)出てきますよ。30%にしたら1兆円以上の財源がつくれる。イギリスなどで株取引の課税を強化しているのは、株取引の投機でもうけることは経済全体を投機化して不健全にさせるから、それを抑えるという意味もあると思います。そういうことをぴしっとやれば財源をつくれるわけですね。

 若松氏は「野党の人がしっかりしてもらわないと政治が引き締まっていかない。志位さんにも出ていただいて、またお話をうかがうことを期待しています」とのべました。

(出所:日本共産党HP  2010年1月21日(木)「しんぶん赤旗」)
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沖縄県名護市長選は「抑止力論」を看板にした戦争勢力に対する人権と民主主義運動の歴史的な勝利

2010-01-26 13:48:04 | 国内政治
平和の沖縄へ希望の流れ
名護市長選 市田書記局長が談話

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 日本共産党の市田忠義書記局長は24日、沖縄県名護市長選挙の結果をうけ、次の談話を発表しました。


 24日に投開票された名護市長選挙で、「辺野古、大浦湾の美しい海に新たな基地は造らせない」と訴えた稲嶺進氏が当選したことは、新基地建設を押し付けてきたこれまでの日米政府にたいする名護市民の断固とした審判を示すものである。

 鳩山首相は、新基地について結論を5月まで先送りしながらも、「沖縄県民の意思を尊重する」と繰り返し言ってきた。いまこそ、自公政権時代の「日米合意」にしばられず、名護市・辺野古への新基地建設はきっぱり断念すべきである。そもそも「世界一危険」といわれる米軍普天間基地は、「移設先」をさがしても問題は解決しない。この基地は「即時閉鎖・無条件返還」以外に道はない。

 今回の市長選挙で、保守の方、無党派の方とも、これまでの立場の違いを超えて「新基地はいらない」「基地に頼らない振興を」という点での共同が大きく広がった。これは、基地のない平和で豊かな沖縄をめざす上での希望ある新しい流れと言える。わが党は、今後とも、基地のない沖縄と日本をめざして、沖縄と本土が連帯し、幅広い方々と団結を広げてたたかうものである。

(出所:日本共産党HP 2010年1月25日(月)「しんぶん赤旗」)

「民意無視」の暴言
市田書記局長が批判
官房長官「名護市長選結果しんしゃくしない」

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 日本共産党の市田忠義書記局長は25日、国会内で記者会見し、平野博文官房長官が同日、沖縄県名護市長選の結果が、米軍普天間基地「移設」先の検討に与える影響について、「(結果を)しんしゃくしてやらなければならない理由はない」と述べたことを、「民意を何だと思っているのか。辺野古新基地問題が直接の争点として行われた市長選挙で反対の審判がくだされたのであり、名護市民の意思を事実上無視する暴言で許されない」と厳しく批判しました。

主張
名護市長選結果
基地なくす新しい流れ大きく

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 米海兵隊普天間基地の撤去に絡む新基地建設を焦点にした沖縄県名護市長選で、新基地建設反対、基地に依存しない地域振興をかかげた稲嶺進氏が当選しました。

 選挙結果は、名護市辺野古への新基地建設を押し付けてきた日米両政府に対する断固とした審判であり、戦後60年以上も沖縄県民に犠牲を強いてきた政治の責任を問うものとなっています。民意に従って新基地建設計画を断念するとともに、「基地のない沖縄」「基地のない日本」へ大きくふみだすことが求められています。

幅広い団結広げて

 稲嶺氏の勝利は、「新基地はいらない」「基地に頼らない振興を」の要求で、広範な保守・無党派の方と、日本共産党や革新勢力が共同を広げた成果です。総選挙で自公政権を退場させた「政治を変えたい」との国民の思いが、政治を動かしていることがあらためて証明されました。

 普天間基地をはじめ沖縄の多くの基地は、米軍が沖縄を占領し住民を収容所に入れている間に土地を奪って建設し、「銃剣とブルドーザー」で拡大してきたものです。県民が基地の返還を切望してきたのに、60年以上も異常な軍事基地集中の痛みを県民に押し付けてきた日米両政府の態度が、市長選で批判されたのは当然です。

 朝日新聞が行った投票所での出口調査では、市民の73%が新基地に反対です。稲嶺候補に投票した人も投票しなかった人も、圧倒的多数の市民が新基地にノーをつきつけていることは明らかです。

 普天間基地は米国防長官ですら「世界一危険」と認める危険な基地です。どこかに移設すれば解決するというものでないことは明白です。名護市民の気持ちは、すべての沖縄県民と共通です。基地をたらい回しにする「移設条件付き撤去」の路線は破たんしており、普天間基地問題は無条件返還を求めることでしか解決できません。

 基地か振興かの問題ではありません。現職候補は新基地建設とひきかえに国からの支援で地域を振興するとの立場をとってきました。しかし基地を認めては本当の振興はありません。名護市では新基地受け入れの見返りにこの11年間に386億円もの巨額の振興予算を受け取っているのに、振興が進むどころか市民の生活も地域経済も衰退しているのが実態です。

 基地関連の振興予算を使った公共事業では特定の企業と本土のゼネコンだけがもうかり、地元の建設会社も倒産し、商店街もシャッター通りといわれるありさまです。失業率は2けたに達し、市の借金は08年度には220億円にふくらんでいます。事態は「基地依存」を続ける限り、地域経済の振興も発展もないことを示しています。基地をなくしてこそ地域経済を活性化できるのは明らかです。

基地なくせの声広げて

 新基地建設にノーを突きつけた名護市長選の結果について、鳩山由紀夫首相は、「ゼロベースで移設先を検討する」というだけで、「移設条件付き」の態度に固執しています。北沢俊美防衛相は辺野古も「選択肢として排除しない」とのべました。基地なくせの県民の願いに背を向ける態度です。

 名護市長選の結果は、「基地のない沖縄・日本」をめざす希望ある流れです。沖縄と本土が連帯を強めた一大運動がいよいよ重要です。

(出所:日本共産党HP  2010年1月26日(火)「しんぶん赤旗」)

基地がなくなれば困る人もいるのでは?

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 〈問い〉 私の住む横須賀にはベース(基地)で仕事をしている日本人がたくさんいます。ベースで働く人を対象とする飲食店もたくさんあります。もし、基地が撤去されたらこの方たちの生活の保障はどうなりますか?(神奈川・一読者)

 〈答え〉 全国135カ所の米軍基地は、日本の主権侵害であるばかりでなく、米軍人による事件・事故や環境破壊などの直接の被害やまちづくりの大きな障害となっています。日本共産党は一日も早い基地の全面撤去を求めています。その際、基地労働者や基地関係の仕事を収入源とする人たちに、基地返還後の経済的補償を国の責任でおこなうよう要求しています。

 米政府はこれまで、多くの日本人駐留軍基地労働者を雇用していましたが、最近は、米政府の財政事情のもとで大幅に削減し、十分な補償のないまま、解雇をすすめてきました。また、日本政府に対し、日本国民の税金で、給料の一部や手当の負担を押しつけてきました。基地周辺では、基地で働く人たちや米兵を対象にした飲食店や商店がありましたが、基地労働者の激減や「思いやり予算」によって売店や食堂などが基地内に建設されたことから、多くの商店が廃業に追い込まれています。

 米軍基地をかかえる都道県知事で構成する渉外知事会は、「駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充、強化を図られたい」との要望を提出し、離職者を「基本的に雇用主として国に責任があることを明確に」することを要求し、「(離職者の)諸制度の見直し」を要望しています。政府は、こうした現状を調査し、対策をとるべきです。

 日本政府は、米軍基地の維持を「国策」だとしながら、日本人労働者の対策には冷たい政策しかとっていません。このような貧弱な対策を改善させることは、基地撤去後の米軍基地労働者や関係者の仕事の補償や生活の補償を確保する上での大事な課題です。

 基地を抱えている多くの自治体では、基地あるがゆえに産業が育たず、基地収入と米軍相手の商売への依存が構造化しています。しかし、沖縄の米軍住宅跡地の那覇新都心やハンビー飛行場跡地のハンビー地区など、基地撤去後に商業地として発展し、多くの雇用を生み出している実例が示しているように、基地を撤去してこそ自立的な発展の基礎ができます。

 いま米軍再編は、基地機能の強化にとどまらず、日米の軍事一体化によって、日本を、地球的規模での“殴りこみ”戦争の一大拠点に変えようとするものです。日本共産党は、米軍再編による米軍基地機能強化に反対するとともに、基地労働者の労働条件の改善をはじめ、さまざまな要求実現のため力を尽くしたいと考えています。

(出所:日本共産党HP 2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」)
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衆院予算委で日本共産党の赤嶺政賢議員が質問ー普天間基地問題/軍の論理より人間の尊厳を優先せよー

2010-01-23 13:22:41 | 国内政治
論戦ハイライト
普天間基地問題
軍の論理より民の尊厳を
衆院予算委 赤嶺議員の質問

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 22日の衆院予算委員会で質問にたった日本共産党の赤嶺政賢議員。米軍普天間基地問題をめぐり、「悲劇のない、平和な沖縄を返してほしい」という県民の魂の叫びを背に行った質問は、議場を圧倒しました。

沖縄の叫び 議場圧倒

 先の戦争で唯一、住民を巻き込んだ地上戦を経験した沖縄。赤嶺氏は、上陸した米軍が住民を収容所に強制的に入れ、その間に軍用地・民有地問わず接収し基地を建設し、住民が収容所から帰ると、鉄条網が張られ、自分たちの土地が基地に変わった事実をつきつけました。

 「普天間基地がつくられた場所には、民家も役所も郵便局も墓地もあり、各集落には黒糖製造所もあった」と赤嶺氏。さらに、「サンフランシスコ条約が締結された1951年以降も、米軍は銃剣とブルドーザーで住民を強制的に排除し、基地をさらに拡張した」―。これが沖縄の歴史です。

 赤嶺議員は、自らが生まれた那覇市小禄(おろく)地区についても、「水道タンクをつくるといって実際に設置されたのはガソリンタンクだった。米軍は、大勢の武装米兵、装甲車、トラックで押し寄せ、座り込む住民を銃剣で殴り、軍靴でけり、頭から毛布をかぶせ追放していった」と述べ、「沖縄の米軍基地が不法・不当な土地取り上げによってつくられたという認識はあるのか」と迫りました。

 鳩山首相は、「普天間基地は戦争が終わらないうちに米軍が接収し、その上につくったもの。県民は早く返してもらいたいと思っておられると思う」と答弁しました。

 赤嶺氏は、県民の耐え難い苦しみについて、自身が小学校に入学した時に起きた、6歳の少女が嘉手納基地で米兵に暴行され殺されゴミ捨て場に捨てられた“由美子ちゃん事件”、同6年生の時に起きた石川市(当時)宮森小学校に戦闘機が墜落し児童を含む17人が死亡した宮森小事件など、米軍による数々の事件・事故の事実を、自らの生い立ちに重ねて紹介しました。

 赤嶺 米軍による直接統治下で県民は虫けらのように扱われてきた。県民は忘れられない悲劇を胸に秘め基地問題を考えている。

 首相 あまりにも多くの悲劇が米軍基地により起きている現実の話をうかがった。このようなことが決して繰り返されないような状況をつくっていかなければならない。米軍の存在を必要とするなか、どのような解決があるのか知恵を絞らなければいけない。

 ここで赤嶺氏は、「琉球住民赤嶺政賢は、日本へ旅行するものであることを証明する 琉球列島高等弁務官」と印字された、復帰前に使っていた自身のパスポート(パネルも)を掲げ、本土復帰に込めた沖縄県民の思いを語りました。

 「沖縄は外国だった。すべては軍事が優先され、県民は無権利状態だった。だから平和憲法がある日本に復帰したら、当然米軍基地はなくなる、少なくとも縮小されると思った」

 しかし本土復帰から38年、基地をめぐる沖縄の現実は何も変わっていません。

 赤嶺 県民は95年の米兵少女暴行事件で由美子ちゃん事件を、沖縄国際大への米軍ヘリ墜落で宮森小事件を思い出した。復帰されても不条理な状況が繰り返されている。政権が代わったいまこそ、約束どおり、米軍基地の縮小・撤去に努力すべきではないのか。

 首相 大変なつらさ、思いをしんしゃくしていくなかで、基地のあり方、将来的に米軍の再編、安保のあり方を考えるべきかというなかで、結論を見いだしていきたい。

 この後、赤嶺氏は具体的に、沖縄の基地問題を追及していきます。

「代替施設なき返還」
首相は野党時代の主張貫け

 普天間「移設先」として嘉手納、伊江島、下地島などを挙げ、「県内たらい回し」を模索してきた鳩山政権。赤嶺氏は、「鳩山内閣は沖縄の基地問題の深刻さを理解していない」と厳しく批判しました。

 極東最大の空軍基地と言われる米軍嘉手納基地では、昼夜分かたぬ爆音や戦闘機の墜落・事故が相次いでいます。岡田克也外相も「昨年沖縄を訪問した際、嘉手納基地を抱える2町1市の長から、嘉手納への(普天間基地)移転は反対だと言われた」と認めざるを得ませんでした。

 下地島を抱える宮古島市、伊江村の両議会も相次いで普天間「移設」に反対する決議を可決しています。

 赤嶺氏は、「県内のどこにも新たな基地をつくる場所はない」と述べ、「移設先探しは必ず行き詰まる。だから普天間は13年間、動かなかった」と指摘。普天間基地問題の解決は無条件撤去しかないと力を込めました。

 ところが岡田外相は、「沖縄を訪れた際、確かに基地が多いと感じたが、米軍の抑止力で日本の安全が保たれていると感じた。普天間基地移設について、沖縄県外・県内ゼロベースで検討している。日本からすべてなくしてしまうと抑止力が失われてしまう」と答弁。“抑止力”を口実に、今後も沖縄に基地をしばりつける可能性を排除しませんでした。

 赤嶺氏の声が議場を震わせました。「沖縄の広大な米軍基地を見て、これが日本を守る抑止力と感じるのか。基地のもとで、虫けらのように扱われてきた県民に思いをはせるべきではないか。抑止力、抑止力というが、これが65年間、沖縄に基地をおしつけてきた論理だ。軍の論理より民の尊厳を大切にすべきだ」

 赤嶺氏はさらに、鳩山首相が野党時代の衆院本会議(2005年7月26日)で「普天間基地の代替施設なき返還をアメリカに求めるべきだ」と求めていたことを指摘。「政権についた今こそ、この主張を実行に移すべきではないか」と迫りました。

 首相 かつてはそのような思いを持っていた。しかし、現実の中での米軍の存在があり、抑止力のため、日本のどこかに存在しないといけない。

 赤嶺 首相は沖縄県民の気持ちも大事、アメリカも大事というが、これが両立できないのなら、主権国家の首相として県民の思いを優先するべきだ。

 赤嶺氏は、1997年の名護市民投票以来の「普天間基地の即時撤去、新基地建設と県内移設反対」という総意を正面から受け止め、対米交渉を始めるよう求めました。

(出所:日本共産党HP 2010年1月23日(土)「しんぶん赤旗」)

基地がなくなれば困る人もいるのでは?

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 〈問い〉 私の住む横須賀にはベース(基地)で仕事をしている日本人がたくさんいます。ベースで働く人を対象とする飲食店もたくさんあります。もし、基地が撤去されたらこの方たちの生活の保障はどうなりますか?(神奈川・一読者)

 〈答え〉 全国135カ所の米軍基地は、日本の主権侵害であるばかりでなく、米軍人による事件・事故や環境破壊などの直接の被害やまちづくりの大きな障害となっています。日本共産党は一日も早い基地の全面撤去を求めています。その際、基地労働者や基地関係の仕事を収入源とする人たちに、基地返還後の経済的補償を国の責任でおこなうよう要求しています。

 米政府はこれまで、多くの日本人駐留軍基地労働者を雇用していましたが、最近は、米政府の財政事情のもとで大幅に削減し、十分な補償のないまま、解雇をすすめてきました。また、日本政府に対し、日本国民の税金で、給料の一部や手当の負担を押しつけてきました。基地周辺では、基地で働く人たちや米兵を対象にした飲食店や商店がありましたが、基地労働者の激減や「思いやり予算」によって売店や食堂などが基地内に建設されたことから、多くの商店が廃業に追い込まれています。

 米軍基地をかかえる都道県知事で構成する渉外知事会は、「駐留軍等労働者対策及び離職者対策の拡充、強化を図られたい」との要望を提出し、離職者を「基本的に雇用主として国に責任があることを明確に」することを要求し、「(離職者の)諸制度の見直し」を要望しています。政府は、こうした現状を調査し、対策をとるべきです。

 日本政府は、米軍基地の維持を「国策」だとしながら、日本人労働者の対策には冷たい政策しかとっていません。このような貧弱な対策を改善させることは、基地撤去後の米軍基地労働者や関係者の仕事の補償や生活の補償を確保する上での大事な課題です。

 基地を抱えている多くの自治体では、基地あるがゆえに産業が育たず、基地収入と米軍相手の商売への依存が構造化しています。しかし、沖縄の米軍住宅跡地の那覇新都心やハンビー飛行場跡地のハンビー地区など、基地撤去後に商業地として発展し、多くの雇用を生み出している実例が示しているように、基地を撤去してこそ自立的な発展の基礎ができます。

 いま米軍再編は、基地機能の強化にとどまらず、日米の軍事一体化によって、日本を、地球的規模での“殴りこみ”戦争の一大拠点に変えようとするものです。日本共産党は、米軍再編による米軍基地機能強化に反対するとともに、基地労働者の労働条件の改善をはじめ、さまざまな要求実現のため力を尽くしたいと考えています。(小)

(出所:日本共産党HP 2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」)

米海兵隊の沖縄駐留をどう考える?

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 〈問い〉米海兵隊の沖縄への駐留経緯と、これにたいする日本共産党の考えを教えてください。

 (山口・一読者)

 〈答え〉米海兵隊は、「殴り込み」を任務とする部隊です。沖縄には、この海兵隊の第3海兵遠征軍が米本土以外では唯一、常駐しています。米海兵隊は、平和のための「抑止力」ではありません。米国の戦争のための「侵略力」だということは、イラク戦争などをみても明らかです。

 米海兵隊はもともと沖縄にずっと駐留していたわけではありません。朝鮮戦争(1950年6月)直後に、朝鮮半島でたたかう米軍の支援部隊として、静岡、山梨、岐阜などに配備されました。

 しかし当時、米軍立川基地拡張に反対する「砂川闘争」をはじめ、「米軍でていけ」との国民運動が大きく広がり、米軍の横暴勝手が通用しなくなっていました。このため海兵隊は、50年代半ばに米軍が軍事占領していた沖縄に移らざるをえなくなったのです。

 本土から移転する海兵隊のために用意されたのが、いま焦点になっている普天間基地(宜野湾市)です。45年3月に沖縄に上陸した米軍は、宜野湾村(当時)の住民を収容所に押し込めている間に、村の中心部を基地に変えました。54年には「銃剣とブルドーザー」で村民を排除し、基地を拡張しました。

 こうして「世界一危険」(2003年ラムズフェルド米国防長官=当時)な普天間基地は、戦時国際法にも違反してつくられたのです。無法に強奪したものは、「移設」を条件にせず、無条件撤去が当たり前です。

 日本共産党は、日米安保条約のもとでも、こうした他に類例のない異常な実態は緊急にただすべきだと考えます。平和を願う国民の要求を実現する立場から、国民とともに大いにたたかいをおこす決意です。

 同時に安保条約そのものもなくすべきだと考えます。多くの国ぐにが軍事同盟から抜けだして、外部に敵を持たない、開かれた平和共同体が世界各地に広がっています。こうした方向こそ世界の流れです。(山)

(出所:日本共産党HP 2010年1月20日(水)「しんぶん赤旗」)
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第174通常国会が18日に開会ー日本共産党国会議員団総会での志位委員長のあいさつー

2010-01-19 12:37:53 | 国内政治
日本共産党国会議員団総会での
志位委員長のあいさつ

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 日本共産党の志位和夫委員長が18日、国会議員団総会でおこなったあいさつは以下の通りです。

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 通常国会の開会にあたりまして、ごあいさつ申し上げます。

「政治を変えたい」という国民の願いにこたえる国会に

 私はまず、この国会をたたかう私たち議員団の基本姿勢について、二つの点を心掛けてのぞみたいということをのべるものです。

 一つは、「政治を変えたい」という国民の願いにこたえる建設的論戦をおこないたいということです。この願いから出発して、国民要求の実現のために奮闘するとともに、どんな願いをとってみても、それを本格的に実現しようとすれば、私たちが「二つの異常」といっている「対米追随の異常」、「財界・大企業中心の異常」にぶつかってくる、ここを正す改革が必要だということが明らかになってくる論戦にとりくみたいと思います。

 いま一つは、新しい情勢のもとでのわが党の進路を全面的に示しているのが第25回党大会の決定です。この大会決議と中央委員会報告は、直面する熱い問題での解決の方策とともに、中期的展望に立ったわが党の政治的・組織的方針を全面的に明らかにしたものであります。この大会の成果を、議員団が深く身につけ、縦横に生かした国会論戦をおこないたいと思います。

深刻な経済危機から国民の暮らしをいかにして守るか

 そのうえで、この国会で問われる重要な課題について、4点ほどのべたいと思います。

 第一は、深刻な経済危機から国民の暮らしをいかにして守るかということです。

 経済危機と国民生活の実態は、きわめて深刻です。雇用・失業情勢も中小企業の倒産も史上最悪の状況が続いております。こういうときに政治がどういう責任を果たすべきか。私は、三つほど「要」があると思っています。

大企業に、暮らしと経済にたいする社会的責任を果たさせる

 一つは、大企業に国民生活と日本経済に対する社会的責任を果たさせるということであります。

 1997年から2009年までの10年あまりで、雇用者報酬は280兆円から253兆円へと、27兆円、約1割も落ち込みました。一方、10年間で企業の内部留保は約200兆円から400兆円へと2倍に急増しました。正社員の非正規社員への置き換え、リストラと賃下げ、中小企業いじめ――国民からの絞り上げによって、大企業は巨額の金をためこんだのであります。所得を奪い、家計・内需をやせ細らせたことが、日本経済全体を深刻な危機に突き落としました。

 私たちは、「埋蔵金」というなら、ここにこそ社会に還元すべき最大の「埋蔵金」があるではないかと主張してきました。大企業の過度の内部留保を社会に還元させるには、ルールをつくる必要があります。労働者派遣法の抜本改正をすみやかにおこない実施する、中小企業への手当てをやりながら最低賃金を抜本的に引き上げる、中小企業の下請け単価を適正なものにする、「ルールある経済社会」をつくることが、経済危機打開にとっても急務であるということを強調したいと思います。

 この点で私が興味深いと思ったのは、大企業に富が集中しているということは、政府自身も一定程度認めざるを得なくなっているということです。政府が昨年12月30日に「新成長戦略」なる文書を出しました。これを見ますと、「構造改革」の名による「成長戦略」によって、「選ばれた企業のみに富が集中」したが、格差社会は深刻になった、と書いています。これ自体は正しい分析が書かれている。しかし、それでは「富が集中」したというが、それをどうするのか。処方せんは何一つ書いていないのです。「診断が正しくても処方せんはなし」。これが政府の「新成長戦略」なるものです。

 そういう政府の対応にたいして、私たちは、「そういう診断をするなら、それにふさわしい処方せん」と、「ルールある経済社会」という改革の提案を堂々と示していく必要があります。

社会保障――削減政策の数々の「傷跡」をすみやかに是正する

 二つ目は、自公政権の社会保障費削減政策がつくった数々の「傷跡」を、すみやかに是正することです。

 後期高齢者医療制度を即時撤廃する、障害者自立支援法による「応益負担」をすみやかに廃止する、生活保護は母子加算の復活とともに老齢加算も復活させる、高すぎる医療費の窓口負担も軽減に向けて踏み出す――これらはすべて自公政治による「傷跡」です。これをすみやかに是正する。社会保障の抜本的拡充に転換する。

 この点で新政権の立場は、どれも先送りだったり、中途半端だったり、きちんと是正するというものになっていません。先送りや中途半端ではなく、しっかり是正することを、ただちに政府の責任でやってこそ、「政治が国民の暮らしを支える」という強いメッセージが発信され、経済危機の打開にも役立つと思います。

財源政策の転換――消費税増税反対の論戦とたたかいを

 三つ目は財源問題で、従来の政策を転換し、国民の立場に立った責任ある方策を示すことであります。この点で新政権は深刻な弱点を抱えています。

 来年度政府予算案は、44・3兆円の借金と8兆円の一回限りの「埋蔵金」だのみのものになりました。先のない予算になりました。これは結局は、私たちが「二つの聖域」といってきた軍事費を削減どころか増額する。それから大企業と大資産家に対する優遇税制は温存する。たとえば大企業への研究開発減税は温存、証券優遇税制も温存です。(所得税などの)最高税率にも手をつけようとしません。イギリスでもアメリカでも株取引への課税を強化し、所得税の最高税率を引き上げるという動きになっているのに、日本は手をつけようとしない。

 財源問題は、この「二つの聖域」にメスを入れることでしか、解決の道はありません。ここにメスを入れなければ消費税増税ということにならざるを得ない。現にそういう議論は始まっているではないですか。「二つの聖域」にメスを入れよ、消費税増税反対の論戦とたたかいを大いにすすめようではありませんか。(拍手)

沖縄の米軍基地問題を解決していく道筋を明らかにする論戦を

 第二は、沖縄の基地問題を解決していく道筋を明らかにしていく論戦であります。

 この問題で政府は迷走しています。下地島といったり、伊江島といったり、無責任な案がつぎからつぎへと出てくる。根本的な問題は、「移設条件つき返還」に固執しているということです。普天間の苦しみは、県内はもとより日本のどこに移しても同じ苦しみです。このやり方では解決しないというのは歴史が証明しています。しかも沖縄の基地は、普天間基地をはじめ多くの基地が、戦時国際法にも反して米軍によって無法に強奪された土地であります。無法に強奪した基地について、別のものをよこさなかったら返さないというこんな無理無体なことはありません。

 「無条件返還」という立場で交渉してこそ解決するということを、明らかにしていく論戦が必要です。私たちがこれを主張しますと、必ず政府の側は「海兵隊は抑止力だ」「日米安保があるから」などの言い訳をしてきます。しかし、海兵隊は平和のための「抑止力」ではない、世界に「殴り込む」ための「侵略力」です。「日米安保があるから」は成り立たない。軍事同盟や軍事協定を結んでいる国でも、基地を返還させた例はいくらでもあるではないか。こういうことを明らかにしながら、同時に日米安保条約という元凶をなくし、対等・平等・友好の日米関係に切り替えていく、そういう大きな論陣を張っていきたいと思います。(拍手)

金権疑惑の解明――企業・団体献金の禁止、政党助成金撤廃を

 第三は、「政治とカネ」の問題です。

 鳩山首相の偽装献金問題につづいて、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入疑惑が重大な問題となっています。この疑惑の核心はなにか。政治資金収支報告書の虚偽記載という問題もありますが、土地購入の4億円の原資にゼネコンからのヤミ献金が入っていたのではないか。これこそ疑惑の核心です。

 この問題では「しんぶん赤旗」が、独自の取材を昨年来続けてきて、中堅ゼネコン・水谷建設の関係者から重要な証言をえて、「しんぶん赤旗」の日曜版(1月10日号)では、詳しい証言が掲載されています。2回にわたって紙袋に5千万円ずついれて、水谷建設の幹部が、最初は逮捕された石川知裕議員、2回目はこれも逮捕された大久保隆規秘書に渡した。岩手県の胆沢ダムの入札にからんでのものだったという証言です。公共事業という国民の税金でやっている仕事にからんでお金が流れたということになりますと、国民の税金の一部が小沢氏のところに還流していたということになるわけです。そういう疑惑がいま問われているわけですから、この問題をきちんと解明しませんと、「税金の無駄遣いをなくす」といってもむなしいだけです。

 これはしっかりした真相解明が必要であります。小沢一郎幹事長には説明責任を強く求めます。民主党の中からこういう事態におよんでも、うんともすんとも批判の声が公然とあがらないのは異常です。民主党にも政党としての自浄能力の発揮を強く求めたいと思います。(拍手)

 国会も責任を果たす必要があります。国会としても、この問題の真相究明の責任を果たす必要があります。必要な招致もおこなうべきです。

 もう一ついいたいのは、この問題について、根っこをたどれば、自民党政治が根っこだということです。自民党の田中金脈、金丸金脈がいまにひきつがれているという疑惑なのです。自民党がこれまで金権政治が繰り返されながら、それに対してまともな対応をしてこなかった、根を絶ってこなかった、その責任が問われているわけです。もっとも悪い温存されてきた金権政治の元凶はなにかというと、企業・団体献金です。企業・団体献金の禁止こそ、いま待ったなしの急務の課題になっていることを大いに訴えていきたい。あわせて、政党助成金をめぐる疑惑も問題になっていますから、これを撤廃するということもわが党として強く要求していきます。(拍手)

解釈改憲と比例定数削減――「強権的国家づくり」を許さない

 第四に、「政治主導」の名で官僚答弁を禁止する「国会法改定案」が、通されようとしているという問題であります。

 その真のねらいの一つが、内閣法制局長官の答弁を封じてしまうというところにあるということを、私たちはかねがねいってまいりましたけれども、事実そういう動きになってきております。そして内閣法制局長官の答弁を封じる狙いは、憲法9条の解釈を、「政治主導」の名で、好き勝手に改変することにある。解釈改憲への歯止めをとりはずし、「海外で戦争ができる国」にしてしまおうという動きにほかなりません。

 私たちは、こういう動きには、憲法9条を守り抜く立場から、断固として反対という立場でのぞみます。(拍手)

 この問題は、大会決議が批判した「強権的国家づくり」の最初のあらわれとしても、それを許さない論戦とたたかいをよびかけたいと思います。

 そして衆議院の比例代表定数削減について、民主党はマニフェストの中で4年間にやるといっているわけです。ですから、これは相手が具体的に動き出してきてから対応するというのではなくて、その具体化いかんにかかわらず、これは絶対許さないたたかいと論戦をやっていく必要があります。

 政治の反動的逆行を許さないという仕事は、日本共産党が先頭にたって担わねばならない仕事ですから、大いに頑張ろうではありませんか。(拍手)

参議院選挙躍進への道を開いたといえる国会に

 四つの点を申しましたけれども、どんな問題でも、「政治を変えたい」という国民の気持ちにそった論戦が必要であります。自公政権退場という結果をうけて、「政治を変えたい」という国民の期待はたいへん大きいものがあります。その期待に正面からこたえる論戦が必要であります。

 どんな問題でも、国民の願いを実現する建設的な提案を前面に押し出しながら、新政権の問題点をただすという「建設的野党」の立場を堅持してこそ、広い国民のみなさんの共感をえられるし、私たち日本共産党の真価も広く伝わっていくと思います。

 そうした立場で大いに奮闘し、この通常国会を参議院選挙躍進に道を開いたといえる国会にしていこうではありませんか。(拍手)

(出所:日本共産党HP 2010年1月19日(火)「しんぶん赤旗」)
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アフガン戦争の軍事支援として派兵されていた海上自衛隊部隊に撤収命令-ソマリア沖への派兵は続いているー

2010-01-16 12:09:48 | 国内政治
主張
海自インド洋撤退
違憲の戦争支援 検証と反省を

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 新テロ特措法が15日失効し、2001年のアメリカ同時テロ以降8年にわたりインド洋で米艦船などに給油支援してきた海上自衛隊が撤退することになりました。

 イラクで戦争を支援した陸自は06年7月に、08年12月には空自がイラクから撤退しました。海自が撤退することで戦争支援の自衛隊は撤退したことになりますが、「海賊対策」を理由にしたソマリア沖への派兵は続いています。イラクでの戦争支援は憲法に違反するとの名古屋高裁判決が確定しています。違憲の海外派兵を繰り返さない反省とけじめが必要です。

米軍の武力行使と一体

 「同盟国として米国を強く支持し、最大限の支援を行う」(01年9月23日、小泉純一郎首相)―。アメリカ同時テロ直後、小泉首相はこういって、「対テロ戦争」の戦場であるインド洋に自衛隊を送り込み、給油支援を始めました。

 現に戦争が行われている地域に自衛隊を出動させるのは初めてで、米軍の戦争を支援する道を切り開いた歴史的暴挙です。その後、アメリカのイラク侵略に伴い、イラクにも自衛隊を派遣しました。その政治責任は重大です。

 アフガニスタンでの戦争は同時テロに対する「報復」の戦争です。しかし、戦争でテロがなくせなかったことは、いまだに首謀者の逮捕もできず、アフガンの治安も確保できていない8年間の事態が証明しています。

 日本の給油支援は、憲法9条をふみにじった、明らかな戦争協力です。自公政府はアフガン領土での武力行使とは違うといって給油支援を正当化しましたが、現に戦争している軍隊の活動を支援したことは明らかです。NATO(北大西洋条約機構)は米軍への給油支援を、戦争に協力する集団的自衛権の行使として行っています。日本の給油支援だけが違うというのは通用しません。

 アメリカはアフガンとイラクでの戦争を一体でたたかっており、日本の給油がアフガンだけでなくイラクでの戦争をも支援するものになっていたのも明らかです。現にイラク攻撃に参加する米海軍部隊への脱法的な給油も明らかになりました。

 日本の給油支援が米艦船のアフガン空爆を支え、罪のないアフガン市民に大きな被害をもたらしたことは、きわめて重大です。06年9月に米強襲揚陸艦「イオウジマ」に行った給油では、給油直後から攻撃機ハリアーが出撃し、136回も空爆しました。戦争を否定した憲法を持ち、戦後一貫して他国の国民を殺したことがないといわれた日本が、アフガンでは民間人殺りくに手を貸した事実は、絶対に消し去ることはできません。

軍事同盟絶対をただせ

 憲法違反の自衛隊派兵を撤退に追い込んだのは、国民の世論と運動の力です。アメリカは引き続き日本の戦争支援を求めていますが、戦争でテロが根絶できないことが明らかな以上、テロと武力行使の悪循環を断ちきり政治的解決に切り替えることこそ急務です。

 日本政府が戦争協力を続けた根本には、日米軍事同盟があります。12日開かれた日米外相会談は、日米同盟を「21世紀にふさわしい形で深化」させると合意しましたが、日米軍事同盟絶対のこうした異常をただしていくことが21世紀の日本に不可欠です。

インド洋派兵 撤収当然だが検証必要
志位委員長が指摘

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 日本共産党の志位和夫委員長は15日、静岡県熱海市の党大会会場で記者団の質問に答え、インド洋に派兵されていた海上自衛隊部隊に撤収命令が出たことについて、「法律の期限切れになったのだから撤収は当然のことだ。私たちは憲法違反の活動としてただちに撤収することを求めてきた。実際、補給した油が何に使われてきたのかの究明はきちんとやる必要がある。イラク戦争に転用された疑いもあるので、新政権の責任で明らかにする必要がある」とのべました。

 同時に志位氏は、「ソマリア沖への派兵は続いている。この活動は武力行使につながる危険をはらんだものであり、やめるべきだ。海賊行為は警察行動で取り締まるための支援をやるのが筋だ。この撤収もあわせて求めたい」と表明しました。

 志位氏は、「(撤収命令は)国民の声の力だ。アフガン戦争に軍事的に後押しすることはアフガン問題の解決にも役に立たないという声をあげた成果だ」と指摘。民主党内で検討されているアフガニスタンへの民生支援について「民生支援は当然検討すべきだが、その際、アフガンに増派される米軍の活動とはっきり区分した形での活動にならないといけない。リンクした活動だと民生支援も軍事活動の一環になり、役にたたないし、逆に危険になってしまう」とのべました。

海自 インド洋撤収
8年間で経費700億円超

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 北沢俊美防衛相は15日、新テロ対策特措法(補給支援特措法)の期限切れに伴い、インド洋で給油活動にあたっていた海上自衛隊の艦船に撤収命令を出しました。

 16日午前0時の同法失効を受け、補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」が任務を終え、帰国の途に就きます。2001年9月の米国同時多発テロを受け、「テロとの戦い」を名目に約8年間(中断期間含む)続いた自衛隊のインド洋海外派兵は終結しました。

 これまでに、米国、英国、パキスタンなど12カ国を対象に、合計939回、約51万キロリットルの給油をおこないました。

 これに水とヘリコプター燃料、海自の活動費を加えた経費は700億円を超えます。給油は無償で提供されており、原資は国民の税金です。

 給油活動は終わりますが、鳩山政権は前政権同様、海賊「対処」を理由とした、東アフリカ・ソマリア沖での派兵を続行させます。

 北沢防衛相は同日の記者会見で、「引き続き、これ(給油)に類似した貢献をしてほしいという(海外からの)要請は思った以上に多い。広い意味で国際貢献をどうしていくか、様々な研究をしている」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2010年1月16日(土)「しんぶん赤旗」)

子ども死亡最悪の1050人
武力攻撃・衝突
民間組織発表
09年アフガン

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 アフガニスタンで2009年に武力攻撃・衝突によって死亡した子どもは約1050人で、01年の開戦以来最悪となりました。国連人道問題調整事務所(OCHA)の報道部門、IRINが6日、同国の民間人権擁護組織「アフガニスタン・ライツ・モニター」(ARM)の発表として報じました。

 死亡した子どもは、自爆攻撃や街頭での爆発、空爆、反政府勢力タリバンと政府軍・外国軍との交戦などに巻き込まれました。ARMのサマディ責任者は「昨年は毎日、最低3人の子どもが戦争に関連する事件で殺された。そのほかにも多くの子どもがさまざまな被害を受けているが、明らかにされていない」と非難しています。

 ARMによると、09年に子どもの人権が著しく侵害された事例は少なくとも2080件。自爆兵や歩兵としての利用や殺害、レイプ、強制労働などがありました。さらにアフガン警察や自警団による性的虐待も報告されており、ARMはアフガン政府がほとんど対策を講じていないと批判しています。

 民間組織「アフガニスタン独立人権委員会」関係者はIRINに対し、「アフガンでは男の子も女の子も同様に、戦争や犯罪の犠牲になっている。ところが政府は十分な手を打っていない」と指摘しています。

(出所:日本共産党HP 2010年1月13日(水)「しんぶん赤旗」)

主張
アルカイダへの対応
米国は軍事報復戦略を見直せ

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 米国が、国際テロ組織アルカイダの壊滅をめざす軍事作戦を拡大しています。アフガニスタン・パキスタンとイラクでの「対テロ戦争」を、イエメンやソマリアにも広げかねない勢いです。

 「対テロ戦争」は一般市民に犠牲を広げ、テロを抑えるどころか拡散させている―。アフガン戦争の泥沼化が長引くなか、軍事力でテロに報復する米国の方針に、世界的に懸念が強まっています。「対テロ戦争」が新たな様相をみせようとするいま、その方針は根本から見直されるべきです。

反感募るイエメン

 昨年のクリスマス、米国に向かっていた旅客機内で爆弾テロ事件が起きました。テロは失敗に終わったものの、2001年9月の米同時テロ以来、「テロとの戦い」を最優先にしてきた米政府に大きな衝撃を与えました。

 米国は、イエメンのアルカイダ勢力がテロ首謀者だとし、これを壊滅する軍事作戦を強化しています。アフガンとイラクの戦争も担当しているペトレアス米中央軍司令官がイエメンを訪問し、同国を「対テロ戦争」で優先させて軍事支援を拡大すると伝えました。これまでもイエメン政府軍によるアルカイダ攻撃作戦には、米軍の情報やミサイル攻撃が可能な無人航空機などの装備が使われているとみられています。

 米国にとって、イエメンはアルカイダとの戦いが始まった国です。同時テロに先立つ2000年、寄港中の米駆逐艦がテロにあい、米兵17人が死亡しました。以来、米国はイエメンへの軍事支援を強めてきました。今回の爆弾テロ事件は、米軍の後押しでイエメン政府軍がアルカイダへの掃討作戦を強めていたさなかに起きています。

 部族・宗派対立が複雑なイエメンで、政府軍の軍事作戦は対立する民兵組織にも向けられており、アルカイダ攻撃との区別はあいまいです。掃討作戦は女性や子どもにも被害を広げ、難民が流出しています。米国の新たな軍事干渉に対しては、イエメン国民が反感を募らせていると伝えられます。

 オバマ大統領は、世界のどこであれ、アルカイダを追い詰めるとしています。昨年12月のノーベル平和賞受賞演説でも、アルカイダを壊滅させるとの方針を改めて表明しました。「唯一軍事超大国」である米国が「世界の安全保障を引き受けてきた」と述べて、「対テロ戦争」を正当化しました。

 米国と英国は共同で資金や訓練などの軍事支援を強めています。今月28日にはアフガン問題での国際会議の機会をとらえ、イエメンへの軍事協力を拡大する国際会議を開く予定です。

戦火限りなく

 テロは決して容認できません。しかし、8年余におよぶアフガン戦争は、軍事力でテロ問題は解決できないことを鮮明にしており、米政府もそれを認めざるをえません。アルカイダの活動が広がっている背景には、米軍による無法なイラク侵略やアフガン攻撃があると指摘する声もあります。アルカイダはアフリカでも各地で活動しているとみられ、オバマ米政権の方針でいけば、戦火は限りなく広がりかねません。

 軍事攻撃の拡大は報復の連鎖を引き起こします。そこに目を向け、連鎖を断つことが第一です。

(出所:日本共産党HP 2010年1月8日(金)「しんぶん赤旗」)
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NHK「日曜討論」で日本共産党の志位和夫委員長が発言ー2010年 政治は何をすべきかー

2010-01-13 04:35:14 | 国内政治
2010年 政治は何をすべきか
NHK番組 志位委員長の発言

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 日本共産党の志位和夫委員長は10日、NHK「日曜討論」の「2010年 政治は何をすべきか」に出演し、インタビューに答えました。聞き手は影山日出夫解説委員。

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情勢の大きな変化
保守や無党派の方々とも対話と共同を

 影山 おはようございます。

 志位 よろしくお願いします。

 影山 共産党の立ち位置の話から聞きたいと思います。4年ぶりに党大会を開くそうですが、決議案をみて1カ所おやっと思ったのは、農協とか医師会とかの保守の基盤を支えてきた勢力とも連携していきたいということですが、保守勢力とも一緒にということは、「マルクス・レーニン主義」の政党という位置づけは、一時棚上げするということですか。

 志位 いや、そういうことではないんですね。「マルクス・レーニン主義」という言葉もいまは使っておりませんし。

 影山 科学的社会主義ですね。

 志位 ええ。科学的社会主義といっているんですが。

 いま起こっている変化というのは、非常に大きなものがありまして、たとえばJAの全国大会に私も初めて参加してあいさつする機会がありました。あるいは(全国)森林組合の大会にも参加してあいさつする機会がありました。

 いままで、自民党一党支持だった、そういう保守の団体のなかにも大きな変化が起こって、いまやああいう事態(自公政権退場の審判)が起こったからには、「全方位」で各政党の意見を聞いてみようじゃないかということになっています。そして、そこにいってみますと、農業の問題でも林業の問題でも、私たちの考えが、実は一番近いじゃないかということで、いろんな連携が広がっているという状況があります。

 医師会ともいろいろとそういう対話や共同がずうっと広がっている。いま自民党の支持が崩れるなかで、これまで保守といわれていた方々、無党派の方々のなかにも、すごく大きな変化が起こっているので、私たちは、ぜひそういう声を聞いて、いろいろな対話や共同で、連携をはかっていきたいと思います。

「二つの異常」と新政権
一定の変化あるが、肝心要の問題では変化なし

 影山 共産党は「二つの異常」――アメリカへの追随、大企業優先政治を正すといっていますが、これは民主党政権になっても、まったく変わっていないということですか。

 志位 これは変わらないんですね。たしかに民主党政権になりまして、国民から「政治を変えたい」という圧力がかかっていますから、そのもとでたとえば高校の授業料の無償化、これは私学の問題が残っていますが、一歩前進です。あるいは肝炎(対策)の基本法ができるとか、そういう前向きの変化が起こっています。

 しかし肝心要の問題では、たとえば後期高齢者医療制度の撤廃はすぐにやるのかと思ったら、4年先に先送りと。それから、労働者派遣法の問題でも、肝心の製造業の禁止について大きな抜け穴ができたうえに、実施は3年、5年(後)に先送りと。あるいは普天間基地の問題でも迷走を繰り返すと。

 肝心要の問題は変わっていないんですね。変わっていない根っこには、いまいわれた、私たちが「二つの異常」といっている、外交ではアメリカ追随、内政では財界中心という、ここから抜け出せていないという問題点がある。私たちはこれを転換すべきだということを訴えています。

予算案をどうみる
社会保障、財源――二つの問題点を問う 

 影山 鳩山政権の予算は命を大事にする予算だということで、公共事業を削って社会保障予算を増やすと。これまでの政権とはやや現実には違うところもあると思うんですが、よりベターな方と連携するという選択はないのか。

 志位 たしかに、先ほどいったような一定の改善点はあると思うんですよ。やはり国民の「(政治を)変えてくれ」っていう力が働いていますからね。

 しかし、予算についていいますと、私は二つの問題点を率直に言いたいと思います。

 一つは、自公政権のもとで、毎年2200億円ずつ社会保障費の削減がずうっと続いてきたわけですね。それがいろんな「傷跡」をたくさんつくっているわけですよ。これはすぐに治す必要があるのに、さっきいったように、後期高齢者医療については4年後に廃止を先送りすると。ところが、今年4月には(全国平均で)14%も保険料の値上げになって悲鳴が上がっているわけですね。あるいは障害者自立支援法については、民主党自身が300億円あれば応益負担が大部分は撤廃できるといっていたのに、3分の1しか予算をつけないで、応益負担を中途半端な形で残す。先送りと中途半端でなく、本格的な社会保障の充実に踏み出すべきだというのが、一つなんです。

 それから、もう一つは、財源問題なんです。予算案を見ますと、軍事費は4兆8000億円と増額なんですよ。とくに、米軍への「思いやり予算」と、「米軍再編」経費については、3270億円と、史上最大なんですね。それから、大企業や大資産家に対する特権的な優遇税制は温存です。ですから、結局44・3兆円の借金と、それから一時的な8兆円の「埋蔵金」だのみの予算になって、結局、これでは庶民増税に付けが回るんじゃないかという、この不安が出てきているわけですね。この二つを正す必要があります。

 影山 事業仕分けといいながら、本来削るべきところを削っていないと。

 志位 そうですね。たとえば事業仕分けの問題でも、本来削るべき一番のところ、スーパー中枢港湾とか、都市の大きな環状道路とか、こういうところは「聖域」とされて、軍事費も「聖域」とされて、そして本来削るべきじゃない社会保障とか教育とか科学とか、こういうところに乱暴なナタを振るおうとしたという問題点があると思いますね。

どうする景気対策
大企業の「埋蔵金」を社会に還元する政策を

 影山 共産党が必要だという景気対策の一番のポイントはどこですか。

 志位 いま景気対策ということを考える場合に、なぜ景気がここまで悪くなったかの原因を踏まえた対策がいると思うんですよ。それは、雇用者報酬、つまり働く人の報酬ですね、これが約10年間で、280兆円あったものが、いまでは253兆円まで減っている。27兆円、約1割も所得が減ったんです。これは、労働法制の規制緩和ということで、正社員を非正規(雇用労働者)に置き換える、あるいはリストラと賃下げをやる、これでどんどん減らしてきたわけですね。

 一方、企業の内部留保は、この10年間で、約200兆円から400兆円へと急増したわけです。その半分は大企業なんですよ。よく「埋蔵金」といいますけれど、私は、最大の「埋蔵金」は大企業がため込んだ約200兆円という内部留保にあると(思います)。これを社会に還元する政策をとるべきです。

 そのために、たとえば労働者派遣法については、抜本改正をすぐにやって、非正規から正規への置き換えをやる。そして最低賃金ですね。これは、中小企業については手当てをしながら底上げをする。そして中小企業に対する(下請け)単価は抜本的に改善する。こういう「ルールある経済社会」をつくるという方向に切り替えるのが、一番の経済対策になると思います。

「米国追随」と普天間問題
「移設条件付き」をやめ、「無条件返還」を求めよ

 影山 もう一つの異常のアメリカ追随ですが、アメリカの中にはむしろ鳩山政権は反米じゃないかという声もありますが、駐留なき安保や密約問題への対応では、従来の政権と変わっているんじゃないですか。

 志位 一定の変化が生まれていると思いますね。ただ、今度の普天間問題についていいますと、私は、(新政権の)最大の問題は、結局「移設条件付き返還」という、これまでの自公政権がとってきた同じ路線に固執していると。そういう立場から当てのない「移設先探し」をやっていると(いうところにある)。しかし、こういうやり方では解決しないということは、もうはっきりしているわけですね。

 普天間基地の苦しみというのは、沖縄県内はもとより、本土のどこに移しても、苦しみも同じ苦しみですよ。そして、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)以来ですね、13年間、「移設条件付き」というやり方をやってきたけれども、基地は動かなかった。やはり、ここは切り替えてですね、無条件撤去、移設条件なしの撤去というところに踏み切らないと、問題は解決しないということを強く言いたいですね。

政治とカネ
民主は党として自浄作用を――企業・団体献金禁止を求める

 影山 「政治とカネ」の問題で、民主党トップの2人が追及を受ける立場になっていますが、これはどう見ていますか。

 志位 これは、鳩山さんの場合は、実母からの巨額の献金が、いったい何に使われていたのか。これを説明する必要があります。

 それから、小沢さんの場合は、いくつかの疑惑が、重層的にあるわけですね。一つは、西松マネーの偽装献金疑惑、それから、陸山会の土地購入疑惑。そして、新生党、自由党の解散時のお金の問題ですね。ここには政党助成金が絡んでいる。この三つぐらいのかたまりの疑惑があって、どれも説明していないわけですから、しっかりとした国民に対する説明責任が必要です。

 それから民主党にいいたいのは、これを個人の問題にしないで、民主党のトップの2人が問題になっているわけですから、党としての自浄作用を発揮して、国民に真相を明らかにする責任が民主党にあると(いうことです)。そして、企業・団体献金を禁止すると、ともかくマニフェストでいったわけですから、そのことをきちんとやるべきだし、そして私たちとしては政党助成金の撤廃というところに、この際踏み切るべきだと思います。

 影山 そのへんは国会でも強く追及されていく点ですか。

 志位 その一つの点です。

 影山 どうもありがとうございました。

(出所:日本共産党HP  2010年1月11日(月)「しんぶん赤旗」)
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派遣切りとのたたかい-にいがた青年ユニオン/一人では門前払いでも、組合なら会社と話し合える-

2010-01-09 03:50:20 | 国内労働
派遣切りとのたたかい・生活まるごと相談
にいがた青年ユニオン
1年半で組合員10倍
一人では門前払いでも、組合なら会社と話し合える

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 「寒かったでしょう。さあ、温かい豚汁を食べてから、お話ししましょう」―。寒波で大雪に見舞われた新潟県。昨年末、仕事や住まいに困った人を支援しようと新発田市で開かれた「1日派遣村」で、あたたかく声をかける若者の姿がありました。にいがた青年ユニオンの若者たちです。(田代正則)

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 受付の隣で手伝っていた男性(27)は「派遣切り」で住居も失い車上生活をしていたのを日本共産党に助けられ、生活保護で命をつなぎました。

衝撃

 組合に入って立ち上がっている人を見て、衝撃を受けました。「派遣は切られて当然だとあきらめていました」。その場で加入を決め、「一人でも多くの若者に、声をあげようと呼びかけたい」と熱く語りました。

 受付に座り、相談者に炊き出しの豚汁をすすめる男性(46)は、「派遣切り」裁判をたたかっています。

 電子基盤用の精密工具加工に従事。偽装請負などで2002年から働かされ、08年末に突然、雇い止め。弁護士の法律相談で紹介されたのが、青年ユニオンでした。

 「個人で会社に申し入れても門前払いだったけど、組合のおかげで話し合いのテーブルにつかせ、偽装請負を認めさせた。たたかってよかった」

 ユニオンのメンバーは翌日、新発田市役所で相談者の生活保護申請にも同行。担当者と折衝し、「(保護を受けながら)求職のため、自家用車の使用はできる」と確認し、相談者も、「車がなければどこにも行けないので、助かりました」と安堵(あんど)の表情を浮かべました。

結集

 にいがた青年ユニオンは、08年6月に14人で結成。「派遣切り」とのたたかいや生活をまるごと支える相談活動に取り組み、わずか1年半で140人へと10倍に増えました。組合員には、派遣労働者から酒造り職人までおり、地域の若者や労働者のよりどころとして発展しています。

 ユニオン結成は、新潟東芝家電製造(加茂市)の「派遣切り」とのたたかいが契機でした。偽装請負で働かされたあげく中途解約された男性(35)を支えようと、東京・明治公園の全国青年大集会に参加した若者たちが結集したのです。

 11月には直接雇用を求めて労働局へ申告。地元メディアで大きく報じられ、連日のように相談が寄せられるようになりました。

 「派遣切り」とのたたかいでは、団体交渉で、首切りを撤回させ、派遣会社が自ら運営している工場で直接雇用すると約束させる成果もあげました。

 正社員とは名ばかりの最低賃金ギリギリの収入で、有給休暇もまともに取れなかった印刷工場では、団体交渉のたびに組合加入が広がり、初回10人、2回目は30人へと増加。一時金5万円を支給させる成果もあげ、従業員のほとんどが組合員になりました。

約束

 長時間労働とサービス残業に苦しめられていた女性組合員(32)の団体交渉に同行しました。早朝、まだ薄暗い時刻に山崎武央書記長(33)たちは車で新潟市内の交渉先に向かいます。

 女性は、タウン情報誌にも紹介される若い女性に人気のレストランのアルバイト店員。フルタイムで働いているのは、店長、副店長とこの女性だけ。人手が足りず、ホールで客の注文から厨房(ちゅうぼう)の料理まで駆け回っています。残業は月120時間にものぼりました。

 店の前には、メールで団交があると知った組合員たちがすでに集まっていました。

 「私だけ労働時間を減らしても、店長たちにしわ寄せがいきます。人手を増やして、全体で負担を減らしてほしい」。女性がこう訴えると、社長は「改善していく」と約束しました。

 女性は胸をなでおろし「これまで誰も意見を言えなかったけど、話し合いができた。少しずつ前に進めていきたい」と話しました。

 「いま、中小企業は経営者も大変です。どうしたらうまくいくのか、私たちも一緒に考える姿勢が必要です」と山崎書記長。「新潟には、シャッター通りとなった商店街や米価暴落に苦しむ農村地域もあります。地域再生には、貧困をなくし、雇用を守らないといけません。若者が暮らし続けられる地域づくりに、まちの人と一緒に歩む労働組合にしていきたい」

(出所:日本共産党HP 2010年1月5日(火)「しんぶん赤旗」)
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沖縄県名護市長選挙(24日投票)-最大争点は米軍普天間基地「移設」問題ー

2010-01-09 03:42:03 | 国内政治
名護市長選
米軍基地のない沖縄を
党・後援会決起集会 稲嶺氏勝利へ決意

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 政治の熱い焦点として全国が注目する沖縄県名護市長選の告示(17日告示)まで10日余となった6日、理不尽な辺野古への米軍新基地建設に反対すると公約する新人候補・稲嶺ススム氏を推す日本共産党は、党と後援会の「名護市長選挙勝利めざす総決起集会」を那覇市内で開きました。

 会場の那覇市民会館中ホールには県内各地から党員や後援会員約200人が参加。集会は、「基地のない沖縄と日本めざし、沖縄と本土が固く連帯した一大闘争の年に。その第一歩を名護の勝利で飾ろう」と、発言者に拍手や「そうだ」の声が飛ぶ、熱気あふれるものでした。

 沖縄県委員会を代表して村山純県委員長代理が報告し、赤嶺政賢衆院議員があいさつしました。県後援会の仲西恒雄代表世話人や沖縄県統一連の新垣繁信代表幹事らが決意表明しました。

 赤嶺衆院議員は、米軍普天間基地の移設条件付き返還にたつ鳩山政権が、県内、県外さまざまな地名を挙げて「移設先」探しに迷走していると批判。また、「移設」に名をかりて辺野古への新基地建設の選択肢も捨てていないと指摘。世界一危険な普天間基地は「移設」ではなく無条件撤去の立場で堂々と米国と交渉してこそ解決の道が開けると主張するのが日本共産党の立場だとし、名護市長選勝利が与える政治的重要性を明らかにしました。

 名護市長選は、辺野古米軍新基地建設を容認する現職候補との一騎打ちです。選挙戦は、美ら海(ちゅらうみ)を埋め立てる新基地をつくらせるかどうかを最大争点に、▽基地頼み振興策で赤字を増やす市政の継続か、街が活性化する振興策で雇用拡大の新しい市政への転換か▽特定企業言いなりの現市政か、公正・公平なガラス張りの市政への転換か―の三つが市民的争点に浮上しています。

(出所:日本共産党HP 2010年1月7日(木)「しんぶん赤旗」)

主張
安保改定50年
廃棄求める国民的議論の年に

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 沖縄の米軍基地問題や日米の「核密約」が国政の熱い焦点になり、日米安保条約=日米軍事同盟のあり方が問われるなかで、新しい年を迎えました。

 基地問題などで明らかになっているのは、「日本を守る」とか「日米対等」などといってきた日米安保条約についての説明に、大もとから疑問が突きつけられていることです。1951年締結された旧安保条約を「対等なものに改める」などといって60年に改定してから半世紀です。日米安保条約は根本からその是非が問われています。

対米従属の軍事同盟

 日米安保条約のもとで首都・東京を含む全国に85カ所もの米軍基地がおかれ、多くの国民が爆音被害や米軍犯罪に苦しめられています。日本に駐留する米軍は、海兵遠征軍、空母打撃群など、「日本防衛」とは無縁の干渉と介入が専門の「殴り込み」部隊です。

 安保条約にもとづく日米軍事同盟は、世界にも異常な軍事同盟として、日本と日本国民に不平等性と危険性を押し付けています。在日米軍のための「思いやり」予算など、日本の財政も経済も安保の犠牲とされてきました。

 こうした安保条約の害悪が集中しているのが、在日米軍基地の75%が集中する沖縄です。とりわけ住宅地のど真ん中に建設・拡張されてきた普天間基地(宜野湾市)は「世界一危険」な基地で、その無条件撤去は県民・国民が切望する待ったなしの課題です。

 沖縄・北谷町の野国昌春町長は「沖縄の過重負担がこれからも続くのであれば安保条約の見直しが必要」と発言しました。宮城篤実・嘉手納町長も「廃棄であれ改定であれ、新たな議論を巻き起こしていただきたい」とのべています。

 総選挙中は「沖縄県民の理解が重要だ」と口にしながら、選挙後は米軍の「抑止力」としての役割や「日米同盟」を盾に、無条件撤去を拒絶する鳩山由紀夫政権の態度は許されません。首相が「対等な同盟」というなら普天間基地の無条件撤去を正面からアメリカに求めるべきです。

 安保条約のもとで日米両政府が取り交わしてきた「核持ち込み」などの「密約」も、安保条約の危険性と反国民性を浮き彫りにするものです。とりわけ安保改定時に日米両政府が結んだ「核密約」は、核兵器を積んだ米艦船や米軍機の日本への寄港や領海通過を認めるもので、唯一の被爆国の国民に対する重大な裏切りです。

 鳩山政権は「密約」の調査を約束し、外務省は有識者委員会での検証を進めており、新年早々、その結果が発表される予定です。核兵器を廃絶するという国民の願いに応えるためにも、政府は「核密約」をはじめ、一切の日米密約を公表・破棄すべきです。

アジアの平和めざす

 21世紀に日本が名実ともに独立と平和を取り戻していくには、従属性と侵略性に貫かれている日米安保条約=日米軍事同盟を廃棄することが不可欠の課題です。

 安保改定50年の今年は、同時に日本が軍事的強圧のもとに朝鮮半島全体を「併合」してから100年の節目でもあります。日本は侵略と植民地支配を心から反省し、アジアの平和づくりに寄与する特別の責任があります。日米軍事同盟の廃棄は、東アジアの平和な環境をつくるうえでも重要です。

米新基地つくらせぬ
名護市長選 稲嶺氏、元日から全力

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 17日の告示まで2週間となった沖縄県名護市長選挙(24日投票)。米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」に伴う同市辺野古への米軍新基地建設計画反対を公約する稲嶺ススム予定候補(64)は1日、初日の出を新基地建設に反対する住民らと辺野古の浜で迎え、街頭宣伝をスタートさせました。3日までに市内55カ所で訴えました。

 「辺野古の海、大浦湾にもう軍事基地はつくらせてはいけない、つくらせない、とみなさんにお約束をした。これからあと10年、20年の街づくりをどう進めるか。子どもたちに何を残すかを決める大事な日が市長選挙です」―。稲嶺氏はこう強調し、公正、公平、透明性のある市政への変革、子育て支援などに力を入れることを約束し、「どうしても勝たせてください。稲嶺ススムは先頭に立ってがんばります」と訴えました。

 稲嶺氏の訴えに、聴衆からは「そうだ、最高だ。がんばれー!」などの声援が上がりました。

 稲嶺氏と握手を交わした女性(50)は、「稲嶺さんを応援しています。市長選挙の大きな争点は間違いなく基地の問題です。ぜひ市政の転換を」と熱く語り、元教員の女性(84)は、「辺野古に基地をつくられるのはごめんです」と力を込めました。

 市長選挙は、新基地建設を容認する現職の島袋吉和候補との一騎打ちです。

迫る名護市長選
稲嶺勝利で“新基地阻止”
共産党や統一連などフル回転

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 全国が注目する沖縄県名護市長選が、17日の告示まで2週間と迫るなか、同市辺野古への米軍新基地建設に反対する新人の稲嶺ススム氏(64)=日本共産党、民主、社民、社大などが推薦=を勝利させるため、日本共産党や「安保廃棄・くらしと民主主義を守る沖縄県統一行動連絡会議」(沖縄統一連)などは元日からフル回転です。

早朝から宣伝

 「稲嶺ススムさんの勝利で新基地建設を不可能にさせる市民の審判を全国に示しましょう」―。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は1日、沖縄統一連の新垣繁信代表幹事、「新基地建設反対・くらしと平和を守る市民の会」の比嘉靖氏、ヘリ基地反対協議会の大西照雄共同代表、具志堅徹党市議と街頭で訴えました。

 2日も大西氏と具志堅市議が早朝から街頭宣伝。「新基地建設をやめさせ、市民のくらしや街の経済活性化に力を入れる市政への転換はその通りだと思う。稲嶺さんにがんばってほしい」(80歳女性)などと、市民の共感は広がっています。

 米軍新基地建設を容認し、2期目を目指す現職の島袋吉和陣営は、市長選用に塗り替えた自民党の宣伝カーなどを走らせ、島袋氏自らが録音した新年のあいさつを流してアピール。2日に島袋氏の自宅で開かれた新年会には、支援の市議、業者、市の幹部など60人超が参加し、結束を固めました。島袋氏は「基地問題はあまりしゃべらないことにする」と述べ、相変わらずの争点そらしの戦術に徹する構えです。

相次いで変化

 島袋氏の地元老人会関係者は、「島袋さんを全面的に応援しますよ」と述べる一方、「沖縄県民としては、これ以上、新しい基地ができることには反対の思いだ」と語ります。

 今回の市長選では、保守の立場の人たちも稲嶺氏を応援するだけでなく、前回の市長選で島袋氏を推した建設業者も相次いで稲嶺候補の応援に回る変化が起きています。

 島袋氏が「実績」として押し出す新基地容認の代わりに国から公共事業の補助金などをもらう「基地振興策」について、ある業者は「本土のゼネコンと一部の地元業者しかもうけない。多くの地元業者にとって意味はない」と吐き捨てます。

 市全体の発展につながらず、一部しか潤わない不公平な現市政を続けていいのか。この市民的問いかけが、保守、革新など立場を超えて市長選の大きな争点となっています。

 地元の日本共産党の党員として奮闘する我那覇貞子さん(68)は、「稲嶺さんをぜひ勝たせたい。選挙はふたを開けてみるまではわからない」と最後の最後までやるべきことをやり抜いた陣営が勝利できるとして、連日、ビラ配布やハンドマイク宣伝、対話・支援の働きかけを強めています。

孫のためにも

 両親を戦争で亡くし、顔も覚えていないという我那覇さん。「戦争を起こすための基地はいりません。市街地も昔は活気があったけれど今はシャッター通りです。子や孫のためにもファイト、ファイト」とこぶしを握り締め、支援の呼びかけに出かけていきました。

 選挙戦は、24日投票日です。稲嶺陣営は3日夜に名護市の事務所で運動をさらに飛躍させようと決起集会を開きました。

「基地撤去」自動車デモ
伊波市長や市民が訴え
沖縄・宜野湾

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 沖縄・米軍普天間基地の撤去を訴える「新春自動車デモ」が3日、同基地が市内中心部に居座る宜野湾市内で行われました。「普天間基地撤去をめざす宜野湾市民協議会」の主催で、三十数台が並んだデモの出発集会には約80人が集まりました。市内を1周し、基地のゲートでシュプレヒコールを行いました。

 就任以来自動車デモ出発式へのあいさつが一年の仕事始めとなる伊波洋一宜野湾市長が今年も参加。「普天間飛行場の撤去は住民の願い」とあいさつした伊波市長は、「返還に条件をつけ、代替基地をもとめることは間違っている」「基地だけを押し付ける辺野古への新基地建設は絶対にだめだ」と語り、ともに平和な沖縄をつくろうと訴えました。

 日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員は、「1960年の安保改定から50年の節目の年、普天間の撤去、新基地建設反対の運動に全力をあげる」と決意を語り、「普天間の問題は全国の問題。世論に訴えてこそ閉鎖・撤去を勝ち取ることができる。名護市長選はその決定的な意義を持っている」と市長選への支援を訴えました。

 市民協議会代表幹事の宮城正雄さんは、「普天間飛行場は、住民が捕虜になっている間に、上陸した米軍が土地を不法に奪い、つくったもの。戦争で奪われた土地は返してもらいたい」と訴えました。普天間爆音訴訟の代表らが連帯のあいさつをしました。

(出所:日本共産党HP 2010年1月4日(月)「しんぶん赤旗」)
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日本共産党の志位和夫委員長が4日の「2010年 党旗びらき」でおこなったあいさつ

2010-01-07 04:13:17 | 国内政治
政治変革の「中身」が問われる年
――参議院選挙で必ず躍進を
「党旗びらき」 志位委員長のあいさつ

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 日本共産党の志位和夫委員長が4日の「2010年 党旗びらき」でおこなったあいさつは次の通りです。

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大会成功、参院選躍進へ――「党躍進特別期間」の運動を飛躍させよう

 みなさん、2010年、明けましておめでとうございます。CS通信、インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつをおくります。

 私たちは、この新春を、第25回党大会を目前にひかえて迎えました。

 まず報告しておきたいのは、党大会にむけた「党躍進特別期間」のとりくみについてであります。

 昨年12月は、全党の大奮闘によって、11月に続いて、「しんぶん赤旗」日刊紙、日曜版ともに前進し、増減差し引きで5000人以上の読者を増やしました。12月に5000人以上の読者を増やしたのは、1993年以来で16年ぶりのことであります。12月に新しく迎えた党員は1149人と、党大会後2番目に多い月となりました。全党のみなさんの奮闘に、心からの敬意と感謝を申し上げるものです。(拍手)

 全党の活動の元気の源として大会決議案が大きな力を発揮しています。決議案を討論し、参議院選挙に「今度こそ勝ちたい、躍進したい」との思いで、みんなの気持ちが一つになったところで大きく前進しています。ある党組織では、これまでの国政選挙の教訓をつっこんで討論したところ、「『しんぶん赤旗』読者を増やさずに得票だけ増やすのは虫が良すぎる」との結論になり、一気に大会水準を突破するとりくみをおこなっています。

 国民との関係でも、決議案が大きな力を発揮しています。決議案を討論し、これまでになく広範な人々――農協関係者、林業関係者、医療関係者など、従来の保守とよばれる人々も含めて対話がどんどん広がり、新たに読者になってくださる方がつぎつぎに生まれていることも特徴であります。

 「躍進期間」の期日は1月末であり、党員拡大、読者拡大の党大会時点の到達は、1月末時点の到達が記録されます。すべての党員に大会決議案を届け切る仕事に、最後まで力をつくし、これをやりきって党大会を迎えましょう。「躍進期間」の運動を飛躍させ、とりわけ党勢拡大の目標達成に正面から挑戦し、さらに参院選挙にむけて、党勢の大きな上げ潮をつくりだそうではありませんか。そしてみなさん、半年後に迫った参議院選挙では、全党の力を一つに集めて、必ず躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

国民要求と「二つの異常」とのかかわりが、より「直接的な形」で明らかに

 昨年は、戦後の日本で反動政治の一貫した担い手となってきた自民党政権に退場の審判が下った歴史的な年となりました。日本の政治が一歩前に大きく動いた年となりました。

 今年は、政権の「担い手」が誰になるかではなく、自民党政治に代わる新しい政治の「中身」をどうすべきか――日本の“将来ビジョン”が、いよいよ正面から問われる年になるでしょう。国民の新しい政治への探求の対象は、誰を政権の「担い手」にすべきかから、新しい政治の「中身」をどうすべきかへと、大きく発展していくことになるでしょう。

 大会決議案では、「過渡的な情勢」のもとでの国民の探求の過程、認識の発展の過程と、日本共産党の任務について全面的に明らかにしています。決議案はそのなかで、「一方で、新しい情勢のもとで、運動と力関係のいかんで、国民要求が一定の範囲内で実現する条件が生まれている」としながら、「他方で、要求の本格的な実現には、なお、大きな障害があることが実体験されるだろう」とのべ、とくに「国民要求と『二つの異常』(――「異常な対米従属」、「大企業・財界の横暴」)とのかかわりが、これまでよりも直接的な形で明らかになってくるだろう」とのべています。

 国民の実体験をつうじて、国民要求と「二つの異常」とのかかわり、党綱領が示す日本改革の方針とのかかわりが、より「直接的な形」で明らかとなってくる。私は、今日は、このことに焦点をあてて、外交、内政で、今年、解決が強く迫られる熱い焦点の問題について、話したいと思います。

安保改定50年の年――米軍基地と日米安保の是非を国民的に問う

 まず米軍基地問題と日米安保体制についてであります。

 新政権は、普天間基地問題について、動揺と迷走を繰り返しています。沖縄県民の圧力におされて「年内決着」はできませんでしたが、5月までに「移設先探し」をおこなうという先送りの方針を「決定」しました。「決めない」という方針を「決定」するというのも、おかしな話でありますが、そういう矛盾のなかにあります。しかし、「移設条件付き返還」という方針にしがみつくことが、そもそもの間違いであり、この道には展望はないということを言わなければなりません。

「抑止力」という「呪縛」から解放され、無条件撤去で堂々と対米交渉を

 普天間基地についていえば、この危険な基地は、もともと無条件返還を求めるというのが、沖縄県民の強い願いでした。だいたい普天間基地も含めて、沖縄の基地の多くは、米軍が占領時に住民を強制的に収容所に囲い込んで、戦時国際法にも違反して無法に強奪した土地のうえに築いたものであります。無法に強奪したものは、無条件撤去が当たり前ではありませんか。それを1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、「移設条件付き返還」としたことが根本的な誤りでした。この路線は、結局、基地がその後、13年にわたって動かなかったことで、すでに破たんが証明されたものであります。

 新政権は、「移設先探し」で迷走を続けています。下地島、伊江島への一部移設も検討されているとの報道ですが、言語道断であります。本土への移設も、いろいろと無責任な案がとりざたされていますが、苦しみはどこに移しても同じ苦しみであります。だからこそ、基地の苦しみを一番よく知っている宜野湾市民は、伊波市長の姿勢に示されているように、県内はもとより、県外移設も望んでおらず、撤去こそ求めているのであります。無条件撤去で沖縄県民が団結し、本土が連帯してこそ、解決の道は開かれるということを、強調したいと思います。

 わが党が、昨年12月の鳩山首相との党首会談で、それを正面から求めると、首相は、「安全保障、抑止力という問題がある。無条件撤去は難しい」といいました。しかし、海兵隊は、日本の平和と安全のための「抑止力」として必要だ――この「呪縛(じゅばく)」にとらわれている限り、日本側がその「移設先」を提案しなければならないという袋小路に陥ってしまいます。これでは解決の道は決して開かれません。

 海兵隊は、平和のための「抑止力」でなく、戦争のための「侵略力」です。この事実を直視し、「抑止力」という「呪縛」から解放されて、無条件撤去の立場で、米国と堂々と交渉してこそ、解決の道が開かれるのであります。(拍手)

保守の立場の人々からも、安保条約の是非を問い、「激論が起こる」という声が

 こうして沖縄の基地問題は、日米安保の是非を問うことに「直接的な形」でつながってきています。

 昨年12月、沖縄の嘉手納町を訪問したさい、宮城町長は、私に、「沖縄県民の負担軽減」をうたった2006年の「日米合意」はうそ偽りだった、嘉手納基地では、世界各地から米軍機が自由勝手に飛来し、「負担軽減」どころか、ひどい負担強化が起こっているということを、怒りをこめて告発し、こういいました。「来年は安保改定50年。この節目のときに、わが国の安全について、全国民が真剣に議論する必要がある。安保条約の是非に関する新たな議論を国会の中で巻き起こしてほしい」。保守の立場の町長さんからも、安保条約の是非をおおいに議論してほしい、という声が出されたことを、私は、たいへん印象深く受けとめました。

 中曽根元首相は、昨年12月28日付の日本経済新聞のインタビューで、「来年は日米安保条約改定50周年だ。維持か、改革か、廃止か。激論が起こるだろう」とのべました。「廃止か」というのも、ちゃんと入っているんですね。日米安保条約を永久化すべきだという立場の政治家からも、「廃止」も含めて「激論が起こるだろう」という声が聞こえてきます。「期待」にこたえて、おおいに「激論」を起こそうじゃありませんか。(拍手)

 日米安保条約改定50周年の節目の年にあたって、訴えたい。あらゆる分野で、世界でも異常な対米従属の実態を告発し、それをただすたたかいをすすめましょう。そのなかで日米安保条約そのものの是非を問う国民的な大議論を起こし、この年を、安保廃棄の多数派をつくるうえでの、一つの大きな画期となる年とするために、おおいに力をつくそうではありませんか。(拍手)

「基地のない沖縄・日本」をめざし、国民的な一大闘争を

 とくに私は、そのなかで、「基地のない沖縄」「基地のない日本」をめざして、沖縄と本土が固く連帯し、国民的な一大闘争を起こすことを心から呼びかけます。

 12月の党首会談で、首相は、普天間基地の無条件撤去について、「日米合意があるから難しい」ともいいました。しかし、そんなことは決してありません。

 もともと、1972年の沖縄の本土復帰は、条約上は不可能の壁を超えたたたかいでした。すなわち、1951年のサンフランシスコ条約第3条では、日本は沖縄の施政権を米国に渡すことを決めており、条約的には本土復帰の根拠となるものはありませんでした。それを可能にしたのは、沖縄県民の「島ぐるみ」のたたかいと、それに固く連帯した本土のたたかいでありました。

 米国政府が公開した沖縄返還交渉における一連の秘密文書があります。それを読んでみますと、どんなに米国が県民世論と国民世論を恐れていたか、それらに追い詰められていく姿が生々しく伝わってきます。

 1965年の5月と7月に、ライシャワー駐日大使(当時)から、本国国務省あてに電報やメモが送られています。そこには、“いま日本の情勢はたいへんなことになっている”という訴えが書かれています。沖縄返還をもとめる「島ぐるみ」のたたかいが広がり、本土ではベトナム侵略戦争反対のたたかいが起こっている。このことがのべられ、沖縄の施政権を返還する検討が必要になってきたと報告されています。それをうけて、同年9月、ラスク米国務長官(当時)からマクナマラ米国防長官(当時)に送られた書簡では、「われわれは、正しく対処しなければ米国の利益を危険にさらすことになるような日本の情勢変化に直面している」として、沖縄の施政権返還の検討が必要だとの立場が表明されています。一連の文書を見ますと、同じ年の12月に、米国の軍部――米統合参謀本部は、沖縄返還を「時期尚早かつ非現実的」とのべて、激しく抵抗しています。こういうせめぎあいが、米国の指導層の内部でもあったのです。

 しかし、沖縄と本土の圧倒的な日本国民の力に押され、「核持ち込み」の密約など数々の問題を残しつつも、ついに沖縄の本土復帰は実現しました。沖縄県民が「島ぐるみ」で団結し、本土と固く連帯してたたかい、米国を、ラスク氏の言葉でいえば、「正しく対処しなければ米国の利益を危険にさらす」というところまで追い詰めるならば、不可能に見えた条約の壁も乗り越えることができた。こういう力を持っている。団結すれば発揮できる。この力に確信をもって、今年を、沖縄と本土の連帯したたたかいで、「基地のない沖縄」「基地のない日本」にむかう大きな歴史的転機の年にしようではありませんか。(拍手)

「ルールある経済社会」への改革こそ、経済危機打開の最良の“戦略ビジョン”

 いま一つの問題は、今日の深刻な経済危機と「ルールある経済社会」というわが党の改革の方針についてであります。

 現在、雇用情勢も中小企業の経営も、いよいよ深刻な状態に落ち込んでいます。年末・年始の「公設派遣村」の実態は、「雇い止め、派遣切りで、去年よりも相談内容がはるかにきびしい」という状況であり、ひきつづく失業者への支援への抜本的拡充が必要であります。この経済危機からどうやって国民の暮らしを守るか。経済と暮らしを立て直す“経済戦略のビジョン”が、避けがたい大問題として問われています。

労働者の所得は大きく落ち込み、大企業には巨額の内部留保が積みあがった

 私たちは、今日の世界経済危機の性格を、「金融危機と過剰生産恐慌の結合」ととらえていますが、日本で起こっていることもまさに「過剰生産恐慌」にほかなりません。それは政府自身も、需要と供給のギャップが約40兆円と、日本のGDP(国内総生産)の1割近くに達すると認めているとおりであります。

 需要をここまで落ち込ませた原因はどこにあるのか。労働者の所得が奪われたことにあります。雇用者報酬は、1997年の280兆円から、2009年には253兆円へと、27兆円も落ち込みました。とくに最近の1年間では、たったの1年で約10兆円も落ち込みました。所得を奪った原因は明瞭(めいりょう)です。労働法制の規制緩和をすすめ、大企業が労働コストの削減競争に走り、正社員を非正規雇用労働者に置き換え、過酷な賃下げとリストラをすすめ、そして世界経済危機にさいしては残酷な「非正規切り」を競い合ってきたことが、今日の深刻な事態をつくりだしたのです。

 それでは労働者から吸い上げた金はどこにいったか。企業の内部留保は、この10年間で急増し、約200兆円から約400兆円へと2倍になりました。その半分の約200兆円は大企業がため込んだ内部留保であります。大企業が空前の利益をあげても、それは巨額の内部留保となって積み上げられ、国民の暮らしに回らない。国民の暮らしは豊かにならず、家計と内需は土台からやせ細る。そうした日本経済のゆがみともろさが、世界経済危機にさいして一気に噴き出し、最も残酷な形で猛威をふるっている。これがいま起こっている事態であります。

経済危機に対する国の経済政策はいかにあるべきか――二つのカギがある

 こうした今日の経済危機の性格、原因をふまえれば、国の経済政策はいかにあるべきか。おのずと明らかになってきます。

 私は、その重要なカギはつぎの二つにあると考えます。

 一つは、大企業がため込んだ巨額の内部留保を、雇用、中小企業など、社会に還元する政策をとることです。「埋蔵金」というならば、ここにこそ暮らしにつかうべき最大の「埋蔵金」があるではありませんか。そこに手をつけずに、多少の財政支出をしたところで、40兆円という需給ギャップを埋めることは到底不可能です。そして、それをやるためには、ルールをつくることが必要です。最低賃金の抜本的引き上げ、労働者派遣法の抜本改正、中小企業の下請け単価の引き上げなど、「ルールある経済社会」への改革が急務になっていることを強調したいと思います。

 二つは、この間、国民の生活危機に追い打ちをかけた、自公政権による毎年2200億円の社会保障費削減路線がつくった「傷跡」をすみやかに元に戻すことです。後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の応益負担の撤廃、生活保護の母子加算と老齢加算の復活、医療費窓口負担の軽減などにとりくむことです。これらに政府が、ただちにとりくむことは、「政府が国民の暮らしを直接支える方向に政策転換をおこなった」という強力なメッセージとなり、国民の将来不安をやわらげることに貢献することになるでしょう。

 この二つが、まずはカギになってくると思います。すなわち、私たちが提唱している「ルールある経済社会」を築くことこそが、経済危機打開の処方せんともなります。“経済戦略のビジョン”というなら、これこそ、最良かつ緊急の“戦略ビジョン”だということを私は強調したい。これを実行させるためのたたかいを、国民運動の各分野でおおいに発展させようではありませんか。(拍手)

新政権に「経済戦略」なし――根本には大企業・財界の要求に屈する姿勢が

 それでは、新政権の対応はどうか。鳩山政権は、「成長戦略がない」と批判され、12月30日に、あわてて「新成長戦略」なる文書を発表しました。しかし、そこには「こうあってほしい」式の「経済成長」の願望の数字が並んでいるだけで、それを実行する裏付けも、方策も示されていません。まさに机上の空論というほかないもので、とても「戦略」とよべるものではありません。

 まず、なによりも、大企業にいかにして社会的責任を果たさせるかという見地がまったくみられないのが問題です。政府は、労働者派遣法の改正案を通常国会に提出するとしていますが、その実施は3年から5年先にするといいます。しかし、いま、現場はどうなっているか。大手自動車、電機メーカーは、エコカー、エコポイントなどによる一時的な増産体制を、またもや非正規雇用労働者でまかない、期間が切れたら再び「非正規切り」をすすめようとしています。NTTでは、契約社員を大規模に派遣労働者に切り替えるという暴挙を強行しようとしています。こうした実態にてらせば、派遣法改正は文字どおりの急務であり、実施の先送りは財界・大企業の要求に屈したものといわなければなりません。わが党は、労働者派遣法の改正を掲げながら、その実施を先送りする動きにきびしく反対します。労働者派遣法のすみやかな抜本改正とともに、すみやかな実施を強く求めます。そして、法改正にあたっては、登録型派遣、製造業派遣の禁止、「みなし雇用」の義務づけなど、「使い捨て」労働をなくすうえで真に実効あるものとするために力をつくす決意であります。

 社会保障費削減路線がつくった「傷跡」を元に戻すという点でも、新政権のとりくみには大きな問題があります。後期高齢者医療制度の撤廃を4年先に先送りする方針が、怒りを広げています。今年4月には、全国で、大幅な保険料引き上げが、住民生活を襲おうとしています。障害者自立支援法による応益負担も、300億円あれば大多数の障害者(住民税非課税)の分を廃止できると言っていたのに、その3分の1しか予算をつけず、中途半端に残そうとしています。生活保護の母子加算復活は国民のたたかいによる前進ですが、同じ理屈で削られた老齢加算の復活には耳をかそうとしない。どれも、先送りや中途半端の対応が特徴です。新政権が、社会保障削減から拡充への抜本的転換に踏み切れないのも、企業の社会保険料負担を減らしたいという財界・大企業の要求に屈したものといわなければなりません。わが党は、後期高齢者医療制度の即時撤廃をはじめ、「構造改革」による「傷跡」を、すみやかに元に戻せ――この国民要求の先頭にたって、がんばりぬく決意を申しあげるものであります。(拍手)

 新政権は、財源問題でも袋小路に陥っています。政府の来年度予算案は、44・3兆円もの巨額の借金と、8兆円もの「埋蔵金」頼みの予算になりました。「埋蔵金」は、何度も使えるものではありません。次年度の予算はもはや組めない、先行き真っ暗の予算案となりました。なぜこうなったか。軍事費は増加、大企業・大資産家優遇税制は温存という、「二つの聖域」に手をつけないという姿勢をとったからであります。この姿勢をあらためないかぎり、今回見送られた配偶者控除の廃止、成年扶養控除の廃止、そして消費税増税など、庶民大増税にゆきつかざるをえません。ここでも旧来の路線の根本的転換が求められているのであります。

国民のたたかいの力で、「ルールある経済社会」への前進を刻む年に

 経済危機から国民の暮らしを真剣に守ろうとすれば、どんな問題でも「大企業・財界の横暴」という障害にぶつかります。新政権が、国民の要求に押されて部分的には前向きの施策をとっても、経済危機から暮らしを守る“経済戦略のビジョン”が持てないのは、この障害を打破する立場をもっていないからにほかなりません。

 みなさん。国民のたたかいの力で、この障害を打破し、今年を「ルールある経済社会」にむけて前進の一歩を刻む年にしていこうではありませんか。(拍手)

2010年代を日本共産党躍進の歴史的時期に

 今年、熱い焦点となる問題についてのべてきましたが、外交でも、内政でも、国民要求と「二つの異常」との関係が、こんなに「直接的な形」で見えやすくなっているときはありません。

 これまで情勢の深部で蓄積されてきた国民の利益と「二つの異常」との矛盾が、自民党政権の崩壊にともなって、情勢の前面にあらわれ、噴き出している。これがいまの状況です。私たちが力をつくすならば、党綱領がさし示す日本改革の方針を、広い国民のものとし、党躍進をかちとる大きなチャンスが、目の前に広がっているのであります。

 この歴史的なチャンスを、躍進にむすびつけようではありませんか。目前に迫った党大会を大きく成功させ、半年後に迫った参議院選挙では、必ず躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

 そして、この政治戦での勝利を第一歩として、決議案がよびかけているように、今年からはじまる2010年代を、「党躍進の歴史的時期」にしようではありませんか。そのためにも、党づくりに執念を燃やし、「2010年代を党建設の面でも、歴史的前進を党史に刻む時代」にしようではありませんか。

 そのことを年頭にあたって呼びかけて、新年のごあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)

(出所:日本共産党HP 2010年1月5日(火)「しんぶん赤旗」)
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