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未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

続消費税なぜなぜ問答-社会保障の財源を考える(7)-

2008-01-31 18:48:41 | 国内経済
続消費税なぜなぜ問答
社会保障の財源を考える(7)
Q 大企業への優遇税制とは?(その2)

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 二〇〇二年度には、「連結納税制度」が導入されました。

ある企業Aが、国内の他の企業B、C、Dの株式を100%保有している場合、B―Dは、Aの「100%子会社」であるといいます。通常の法人税の計算は、親会社、子会社とも、それぞれの会社ごとに利益を計算し、税率をかけて法人税額を計算します。かりに、図のように、子会社のうちにいくつか赤字企業があると、赤字企業の法人税額はゼロですから、グループ全体としての法人税額は、黒字企業の利益に税率をかけた額になります。図の場合は(一千億円+百億円)×30%=三百三十億円です。

 連結納税制度を導入すると、グループ企業の利益と損失を合算して、それに税率をかけて法人税額を計算します。すると、黒字企業の利益と赤字企業の損失が相殺されるため、税額が減ることになります。図の場合だと、利益の合計が一千百億円、損失の合計が五百億円で、差し引きで課税所得が六百億円になり、法人税額は六百億円×30%=百八十億円となります。連結納税を適用しない場合と比べると、百五十億円も減税になりました。

 連結納税を適用するかしないかは、企業が選択できます。〇二年度の導入当初は適用企業が少なかったのですが、その後、年々増えており、減税額も増えてきています。

 「配当益金不算入」は、国内企業からの配当については、税の計算上、半分しか利益に算入しないというものです。さらに、発行済み株式の25%以上を保有する関係会社からの配当については、全額益金不算入となります。

 その企業が外国で法人税に相当する税を納税した場合や、外国で税を納めた外国子会社から配当を受けた場合は、国内で計算した法人税額から、外国で納めた税額を引くことができます。これは「外国税額控除」といいます。相手国によっては、その国で税の減免を受け実際には納税していないのに、納税したものとみなして税額控除する「みなし税額控除」が適用できる場合もあります。

 「配当益金不算入」と「外国税額控除」は、どちらもずっと以前からある制度ですが、「持ち株会社」が解禁され、大企業の組織再編が活発化したり、海外進出がさかんになったりする中で、これらの制度による減税額が増加しています。

 このほか、各種の税額控除制度、準備金制度、特別償却などの減税措置が、「租税特別措置法」という法律で定められています。(つづく)

(出所:日本共産党HP 2008年1月31日(木)「しんぶん赤旗」)
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「日の丸・君が代」強制反対-都教委に 原告、処分撤回も要請-

2008-01-30 18:23:15 | 国内教育
「日の丸・君が代」強制反対
都教委に 原告、処分撤回も要請

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 東京都教育委員会による都立学校への「日の丸・君が代」強制に反対して裁判で争っている教職員、元教職員と支援者、弁護団らは二十八日、都教委に、今年の卒業式・入学式での強制をやめるよう求める要請をしました。

 要請したのは「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟をすすめる会など五団体と各裁判の原告団・弁護団です。

 要請では、「教職員に国歌斉唱、ピアノ伴奏の義務はない」とした二〇〇六年九月の東京地裁判決後も都教委が強制と処分を続けていることを批判。卒業式・入学式などでの「日の丸・君が代」を強制した「10・23通達」とこれに基づく処分の撤回、今後、教職員に「君が代」の起立斉唱を命じる職務命令を出さないこと、東京地裁判決を受け入れ控訴を取り下げることなどを求めました。

 また、弁護団は、神奈川県教育委員会が不起立の教職員の名前を報告させたことについて同県個人情報保護審議会が「不適」と答申したことを示し、都教委が不起立の教職員の情報を収集しないよう求めました。

 原告らは、「裁判で係争中だからといって、(一審判決で違憲とされた強制を)いままでどおりやっていいことにはならない」「日本弁護士連合会からも警告が出ている。絶対に強制や処分をしてはならない」と追及。校長の職務命令が出る前に責任者が回答するよう求めました。都教委側は二月六日までに回答するとのべました。

(出所:日本共産党HP 2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」)
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市の130億円回収不能となった「解同」系病院違法援助事件ー前大阪市長を地検聴取ー

2008-01-30 18:21:29 | 国内政治
前大阪市長を地検聴取
「解同」系病院違法援助事件
市の130億円回収不能

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 「解同」(解放同盟)系病院の旧芦原病院(大阪市浪速区)に、大阪市が多額の貸付金と補助金を違法に支出していた問題で、背任容疑で書類送検され、大阪第二検察審査会が起訴相当と議決した関淳一前大阪市長に対し、大阪地検が事情聴取をしていたことが二十九日、分かりました。資金援助の経緯について説明を求めたといいます。

 地区医療センターに指定されていた同病院は二○○五年十二月に破綻(はたん)し、市が貸し付けた約百三十億円のほぼ全額が回収不能となりました。

 日本共産党の姫野浄元大阪市議と、市民団体「おおさか市民ネットワーク」の藤永延代代表が○六年四月に、返済を受ける見込みがないのに〇二年以降、四億四千八百万円を貸し付け、また、医療機器購入の予定も事実もないことを知りながら補助金を〇三年以降、一億三千二百万円交付し、同市に損害を与えたとして、背任容疑で関前市長らを大阪府警に告発。前市長は書類送検されましたが、大阪地検は同十二月、「前市長が直接関与、認識、指示したと認める証拠がない」などとして、不起訴処分としました。

 姫野氏らは昨年四月、大阪第二検察審査会に対し、前市長は毎年、「解同」と予算について協議、同意して、それを市職員に従わせてきたことなどを指摘、不起訴処分は不当として審査を申し立てました。

 検察審査会は昨年十月、「被疑者らの供述が得られておらず、事実関係が正確に把握できていない」「一円も返還されないのに税金で高額助成を続けたことが、市の財産に損害をもたらしたのは事実」などと指摘し、起訴相当を議決していました。

関氏の責任が問われている
 姫野前日本共産党大阪市議のコメント 検察審査会が起訴相当の議決をした以上、関氏への取り調べが行われるのは当然です。

 問題は、審査会がいうように、過去の旧芦原病院への補助金や貸付金の不当性にあります。それに対し地検が、事実に基づいた捜査を厳正に行うか、形だけで終わらせるかにかかっています。

 市民には、強く関心のある問題です。(関氏らが)何も問われないのは、市民的には許されません。再び不起訴になるのかどうか注目していきたい。

(出所:日本共産党HP 2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」)
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同和奨学金の返済肩代わり-京都地裁(中村隆次裁判長)が京都市の支出は「違法」の判決ー

2008-01-30 18:19:54 | 行政裁判
京都市の支出は「違法」
奨学金の返済肩代わり
桝本市長らに1898万円返還命令
地裁判決

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 奨学金の返済を京都市が所得審査もせずに肩代わりする自立促進援助金の制度は違法として、市民団体「市民ウオッチャー・京都」が桝本頼兼・京都市長らを相手取り、不正に支出した公金の返還を求めていた住民訴訟で、京都地裁(中村隆次裁判長)は二十九日、無審査で一律支給したのは違法だとして、桝本市長らに千八百九十八万円余の返還を命じました。

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 昨年九月の最高裁に続き、再び京都市の特別扱いが断罪されました。

 判決は、二〇〇一年度の国の同和対策事業終結にともない京都市が同制度の運用を見直す必要が生じていたにもかかわらず、〇三、〇四年度分(総額四億五千七百万円余)を支出したことについて、「何ら審査を行わずに、申請者全員に対して漫然と援助金を支給したことは、行政の裁量を逸脱し、違法」と指摘しました。

 会見で「市民ウオッチャー・京都」事務局長の村井豊明弁護士は「行政の違法を断罪したもので基本的には評価したい。京都市が違法支出をやめない限り訴訟を続ける」と述べました。

 同席した、「市民ウオッチャー・京都」幹事で、京都市長選挙候補の中村和雄弁護士は、「今後の支出についても係争中で、同じ判断が引き続き出される。京都市はただちにやめるべきだ」と話しました。

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解説
再び断罪された「同和行政」
 京都市長選挙(二月三日告示、十七日投票)では、自立促進援助金など「同和行政の終結」が重要争点に浮上しています。「市政刷新の会」の中村弁護士が同制度の廃止を掲げるなか、桝本市政の「継承」を掲げる門川大作・前市教育長=自民、公明、民主府連、社民府連が推薦=は、「判決確定まで、〇七年度分以降の執行を留保する」(「朝日」二十六日付)と述べるなど追い詰められています。

 京都市の自立促進援助金制度は、八四年度の発足当初から奨学金返還者の所得審査もせず、〇六年度までの二十三年間で、合計二十四億円を支出しています。

 受給対象となる世帯では、〇一、〇二年で年収七百万円以上ある世帯が半分にのぼっています。

 市民の批判が高まるなか、京都市は〇四年度から、所得証明書などの提出を求め支給判定を行う要綱改正を行いました。しかし、〇七年度での返還対象者や辞退者は全体の13%。今回の判決も「改正後要綱の所得基準は極めて緩やかである」と指摘します。

 〇一、〇二年度分の支出が問われた訴訟では、昨年九月の最高裁で京都市の上告が不受理となり、桝本市長らに約二千万円の賠償命令を下した大阪高裁判決(〇六年三月)が確定しています。

 京都市は、〇三年度以前について「申請者全員に支給する」とし、今後二〇二九年までに約四十億円の税金が支出され続けます。

(出所:日本共産党HP 2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」)
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国会そもそも事典-第一回は「日切れ法案」「つなぎ法案」-

2008-01-30 18:17:28 | 国内政治
国会そもそも事典

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 今国会では、昨年の参院選結果がつくりだした新しい政治情勢を反映し、普段聞きなれない用語がさまざま聞こえてきます。そこで新シリーズ(随時掲載)・「国会そもそも事典」。第一回は、「日切れ法案」「つなぎ法案」です。

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〈日切れ法案つなぎ法案〉
 例えば、税や社会保障制度などの特定の措置が年度末に期限切れとなるため、新年度からの新たな措置を盛り込んだ法律案が日切れ法案と呼ばれます。

 政府与党は二十三日、ガソリン税の暫定税率を十年延長することなどを盛り込んだ租税特別措置法改定案を国会に提出しました。ガソリン税の暫定税率が三月末で切れるため、この法案を三月末までに成立させ、期限を延長させるという方針です。

 ところが、参議院で与野党の力関係が逆転したもとで、三月末までに法案が成立しなかった場合、暫定税率は延長できません。

 こうした状況に対応して、暫定税率を“応急措置”で当面二カ月続けられるよう、与党が国会に提出したのが「つなぎ法案」です。

〈再議決〉
 憲法は、予算については、衆議院と参議院の議決が異なった場合、衆議院の議決を優先することを明記しています。この中で、参議院が予算を三十日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決となることを定めています。

 一方、予算関連であっても租税特別措置法改定案などの法案については、衆議院と参議院の議決が異なれば、原則として成立しません。例外の一つが、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再可決することです。

 また、法案が衆議院で可決され参議院に送付されてから、六十日たっても参議院が議決しない場合、衆議院は参議院が否決したと見なすことができます。この場合、衆議院の出席議員の三分の二以上で再可決し、成立させることもできます。

 暫定税率延長問題で危機感をもった与党は今回、「つなぎ法案」を無理やり押し通そうとしていますが、予算関連法案が予算本体より先に審議されることは、前代未聞の事態です。

(出所:日本共産党HP 2008年1月30日(水)「しんぶん赤旗」
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冤罪「取調べ指針」-反省も自浄も欠く警察組織-

2008-01-29 21:18:48 | 国内警察
論点 焦点
冤罪「取調べ指針」
反省も自浄も欠く警察組織

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 「我が国の刑事手続において、被疑者の取調べは、事案の真相解明に極めて重要な役割を果たしていることは、論を俟(ま)たないところである」―警察庁が二十四日まとめた「警察捜査における取調べ適正化指針」は、こんな挑戦的な文言ではじまっています。

人権無き密室捜査
 鹿児島県議会選挙をめぐり公職選挙法違反で起訴された十二人の被告全員が無罪になった志布志事件、女性暴行で服役後に真犯人があらわれ再審で無罪が確定した富山氷見事件と重大な冤罪(えんざい)事件が相次ぎ、警察の違法捜査の実態に厳しい批判が集中するなかで発表された「自己批判」の文書です。それが、従来の捜査手法の基本に誤りは無く、一部に行き過ぎや逸脱があっただけだという基本認識に立つのですから、警察組織の無反省と自浄能力の欠如はここにきわまっています。

 冤罪は、刑事事件の捜査段階での警察や検察の取り調べで、被疑者が意に反して虚偽の「自白」を強要されることで起こります。外部との連絡がとれない密室で、肉体的にも精神的にも責めさいなむ取り調べが横行し、無実の人に取り返しのつかない苦しみを与える冤罪を繰り返していることに、捜査機関は本格的な自己点検を迫られているのです。

 直接捜査にあたる警察の立場でそのあり方を見直した「指針」は、警察官が取り調べでやってはならない行為(不適正行為につながる恐れのある行為)を七項目にわたり規定しました。

 ▽被疑者の身体への接触▽直接・間接の有形力の行使▽一定の動作・姿勢の強要▽ことさら不安、困惑を招く言動▽便宜供与の約束▽被疑者の尊厳を著しく害する言動―などを禁じるという規定は、あまりにも当たり前の中身です。ところが、これまで警察組織には、こうした取り調べについての明示的なルールは何もなかったのです。

 裏を返せば、こうした規定をあらためて設けなければならないほどに、被疑者の人権を蹂躙(じゅうりん)する威圧、脅迫、利益誘導など違法・不当な取り調べが蔓延(まんえん)しているということです。

 志布志事件では、親族からのメッセージに見立てた文字を記した紙を床に置き、いやがる被疑者の足首をつかんで無理やり踏ませた「踏み字」で自白を強要した元捜査員が、特別公務員暴行陵虐罪で起訴されました。この元捜査員は裁判で「踏み字」が被疑者にたいする侮辱だとは「思わない」と臆面(おくめん)も無く証言しています。

 志布志で起きたのは、警察内部の隠語で「たたき割り」と呼ばれる強引な捜査手法でした。風評や情報をもとにした見込み捜査で、被疑者のアリバイも、物的証拠も無視し、犯罪者と決めつけて、警察の描いた筋書きにそった自白を強要するやり方です。

 筋書きにそった自白をとった捜査員が優秀だと評価され、そうでなければ「ダメなやつだ」と捜査から外されるという元刑事の証言も報じられています。「事案の真相解明」どころか、警察が事件をつくり、自白をでっちあげるという体質的な問題点があらわになっています。

 戦後の日本では、免田、財田川、松山、島田の四つの死刑確定事件が一九八〇年代に相次いで再審無罪となりました。いずれも脅迫や拷問、利益誘導で、やってもいない殺人の自白を強要された事件です。しかし、密室の取り調べと自白の強要は遠い過去の解決済みの問題ではなく、今日も全国で繰り返されている事実を、取り調べにあたる警察はまず直視すべきです。

「可視化」実現こそ
 警察・検察の違法・不当な自白強要の抑止策として期待されているのが「取り調べの可視化」です。取り調べの一部始終をビデオ撮影やテープ録音し、後で検証することができるようにすることです。

 国連の国際人権(自由権)規約委員会が日本に導入を勧告するなど、「可視化」は国際水準からみても当然の流れですが、検察、警察はかたくなに拒んでいます。日本共産党は、国民のための司法・警察制度改革の課題としてその実現を強く求めています。

 「可視化」の実現を求める世論の強まりを意識して、「指針」は、不適正な取り調べが行われていないかを監督する新制度を設けることを打ち出しました。しかし、警察本部ごとに捜査部門とは別に監督担当者を置くというだけのことで、いわば身内のチェックを制度化するにすぎません。

 捜査の「適正化」を真剣に考えるなら、警察はこんな制度でお茶をにごそうとするのではなく、「可視化」の実現にこそすすむべきです。(論説委員会・竹腰将弘)

(出所:日本共産党HP 2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」)
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続消費税なぜなぜ問答-社会保障の財源を考える(6)-

2008-01-29 21:16:16 | 国内経済
続消費税なぜなぜ問答
社会保障の財源を考える(6)
Q 大企業への優遇税制とは?(その1)

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 大企業には、税率引き下げのほかに、さまざまな優遇税制が適用されています。どんな優遇がされているのでしょうか。二回にわたって、見ていきましょう。

 まず、「研究開発減税」です。これは、研究開発に多額の資金を使う大企業の法人税を減額するものです。二〇〇二年度以前は、研究費の増加分に応じて減税する仕組みでしたが、〇三年度からは研究費の総額に応じて減税する仕組みに変わり、減税額が大幅に増えました。

 現在の仕組みは、図のようになっています。かりに、年間売り上げ一千億円の企業があり、原材料に五百億円、人件費に二百億円、研究費に百二十億円を使ったとすると、これらのコストの合計八百二十億円を売り上げから引いて、百八十億円の利益が生じます。法人税率が30%ですから、法人税は五十四億円になります。

 ここから、さらに研究費の額に応じて法人税を減額するのが「研究開発減税」です。研究費が売り上げ(正確には、当期および前三年の平均売り上げ)の10%以上の場合は研究費総額の10%、売り上げの10%未満の場合には、その割合に応じて研究費総額の8―10%を、法人税から控除します。この図の場合は、研究費が売り上げの12%となり10%を超えているので、研究費総額の10%、つまり十二億円の減税という計算になります。しかし、「減税額はもとの法人税額の20%まで」という上限があるために、実際の減税額は五十四億円の20%で十・八億円となります。

 〇六年度からは、以上に加えて、「研究費増加額の5%」(A)を追加して控除できるようになりましたが、「法人税額の20%」という上限は変わらなかったため、図の企業の場合には減税額は増えません。

 〇八年度の「税制改正」では、さらに、「研究費が売り上げの10%を超えている場合」(B)に追加の減税ができるようになります(Aとの選択制)。そのうえ、このAまたはBの分は、研究費総額に係る控除とは別枠で、「法人税額の10%」が上限とされます。これによって、最高で法人税額の30%まで控除が可能になります。税率30%の法人税を、さらに30%減額したら、税率が21%に下がったのと同じです。これは中小企業の軽減税率(22%)より低い税率です。

 研究開発減税の総額は年間約六千億円。政府は「中小企業にも適用される」(福田首相の国会答弁)などといい訳していますが、国税庁の統計では中小企業の減税額は全体の5%にすぎません。実際に恩恵を受けているのは、自動車、電機、製薬などの大企業です。表のように、上位二十社だけで減税額の四割以上を占めています。(つづく)

(出所:日本共産党HP  2008年1月29日(火)「しんぶん赤旗」)
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冥王星さんへー見てくれてるかな?(笑)ー

2008-01-29 19:19:47 | 随筆・論説
 このところ立て続けに冥王星さんがあげている記事に対する東西の反論は、すでに1年以上前に回答しているのですが、一応、異なる角度から取り上げている最近の記事などをご案内しておきます。冥王星さんが間違うのは、歴史における「区別と関連」ができていない、人類の特質に対する事実認識が誤っているの2点。その背景は冥王星さんの周辺にいる人々の悪影響でしょう。

 最近ではやめ蚊さんのブログのコメント欄でも述べていますので、参考にしてください。コメント欄に参照記事等の案内をしておきますので、よろしくです。
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今週の国会-補正予算案を審議/米軍再編に171億円計上-

2008-01-28 18:09:50 | 国内政治
今週の国会
補正予算案を審議
米軍再編に171億円計上

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 今週の国会は、衆院予算委員会で二十八、二十九両日に二〇〇七年度補正予算案の質疑が福田康夫首相出席のもとおこなわれます。二十九日の質疑後には討論と採決がおこなわれ、早ければ同日中にも衆院本会議での採決にかけられます。

 日本共産党からは、二十八日午後に高橋千鶴子議員が、二十九日午後に赤嶺政賢議員が質問に立ちます。二十八日の質疑はNHKが中継する予定です。

 〇七年度補正予算案は、災害や原油高騰対策、中国「残留孤児」の生活支援など、国民生活にとってプラスとなるものもありますが、いくつかの重大な問題を含んでおり、日本共産党は反対の立場から質疑に臨みます。

 原油高騰対策では、資金繰り悪化の中小企業支援として、中小企業金融公庫への支出に二百三十億円が計上される一方、自衛隊の訓練、警戒監視などのための燃料購入費として百二十四億円もの額が計上されています。これは、漁業の燃油高騰対策である百二億円を上回るものであり、国民生活よりも軍事を優先させるものといえます。

 さらに、米軍再編関係経費百七十一億円も計上しています。米軍戦闘機の訓練移転を推進するために百四十九億円、米軍厚木基地の空母艦載機を岩国基地へ移駐するために十九億円、沖縄県辺野古での新基地建設関連として三億円など、在日米軍基地強化、地球的規模での日米軍事一体化をすすめるための予算案です。

 また、補正予算案は、後期高齢者医療制度導入にともなう激変緩和措置として千七百十九億円を計上していますが、保険料徴収の凍結期間が一年にすぎず、対象も、サラリーマンの扶養家族として加入している百六十万人だけ。後期高齢者の大半を占める国民健康保険加入者(約一千万人)は予定通り四月から徴収されるなど、国民の批判を一時的にかわすだけのものとなっています。

(出所:日本共産党HP 2008年1月27日(日)「しんぶん赤旗」)
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続消費税なぜなぜ問答ー社会保障の財源を考える(5)ー

2008-01-28 18:04:32 | 国内経済
続消費税なぜなぜ問答
社会保障の財源を考える(5)
Q 法人税率上げたら中小企業も困る?

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 「法人税を引き上げたら、中小企業も増税になって困るのではないでしょうか」という疑問について考えましょう。

 いま、大企業はバブル期を大きく上回る史上最高の利益をあげていますが、中小企業の経営は大変苦しい状況です。財務省の法人企業統計調査のデータを見ても、大企業(資本金十億円以上)の二〇〇六年度の経常利益はバブル期のピーク(一九九〇年度)の一・七倍以上ですが、中小企業(資本金一億円未満)の経常利益はバブル期のピーク(八九年度)の84%に落ち込んでいます。中小企業の倒産件数も、最近増加してきています。法人税の増税を考えるときにも、こうした中小企業への配慮は当然必要です。

 現在、法人税の基本税率は30%ですが、資本金一億円未満の小規模企業については、年間所得のうち八百万円以下の部分については、22%の軽減税率が適用されています。基本税率が37・5%だった十年前には、軽減税率も28%と、今より高くなっていました。地方税の法人事業税にも軽減税率がありますが、これも同様です。

 かりに、大企業だけでなく、軽減税率分を含めて、全企業の税率を国税・地方税とも十年前の水準に戻したとすれば、七兆円近い増税になります。この内訳を資本金別に試算すると、おおざっぱにいって、資本金十億円以上の大企業が四兆円、資本金一億円未満の小規模企業が二兆円、資本金一億―十億円の中堅企業が一兆円という割合です。

 したがって、大企業に限定して税率を元に戻したとしても、国・地方あわせて四兆円の財源が生まれます。大企業以外の負担が増えすぎないように配慮したとしても、社会保障のために相当の財源を確保することが可能です。

 たとえば、年間所得八百万円までの中小企業の軽減税率は引き上げずに据え置きます。国税庁の統計(〇五年分法人税)によれば、資本金一億円未満の法人企業二百五十四万社のうち、百七十一万社は赤字で、黒字の八十三万社のうち六十五万社は所得一千万円未満です。したがって、軽減税率を据え置けば中小企業の九割以上は増税になりません。

 年間所得八百万円超の部分についても、一律に税率を引き上げたりせず、中堅企業を含めて所得に応じた段階税率を設けるなどの工夫をすれば、負担軽減をはかれます。このように、負担能力に応じた負担にしていくことが必要です。

(出所:日本共産党HP  2008年1月26日(土)「しんぶん赤旗」)
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