筋を貫く共産党
新基地反対の中心的力に
米軍再編問題 たたかいが動かしている
赤嶺衆院議員に聞く
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在日米軍再編をめぐる情勢や、国民・沖縄県民の願いである米軍基地撤去のための日本共産党の役割について、赤嶺政賢衆院議員に聞きました。(聞き手・洞口昇幸)
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鳩山新政権は、在日米軍再編の見直しや、普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる名護市辺野古沿岸部への新基地建設計画について協議する意向を米側に示しました。
基地問題を日米間の外交の場に乗せたのは大きい。沖縄県民は、自分たちのたたかいが政治を動かしていることを実感し、新政権の動向を注視するだけではなく、さらに前進させようとしています。
即時撤去こそ
日米両政府による1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意など、県内の「基地たらい回し」路線が決められたあとの13年間、日米両政府が何度も新基地建設計画を変更しながら、建設できなかったのはなぜか。「新基地建設そのものが許されない」という県民の積年の思いを、新政権や米国は読み間違えないことです。
沖縄には、米軍が戦争の真っただ中から基地をつくり始め、銃剣とブルドーザーで土地を強奪し、60年以上も基地や米兵犯罪に苦しんできた歴史があります。今も沖縄本島の面積の約20%を米軍基地が占拠しています。「基地たらい回し」では失敗するというのが13年間の教訓です。
日米安保条約があるかぎり、基地の苦しみはなくならない。普天間基地の閉鎖と即時撤去という立場に明確に立たなければ、解決の道はありません。
一致点で共闘
この立場でたたかいを展開してきたのが日本共産党です。現地に入り、名護市民投票の勝利をはじめ、調査や懇談を重ね、住民と一体になって新基地建設反対の運動をつくってきました。県議会や国会で沖縄の基地問題を繰り返し取り上げて論戦し、昨年の県議選では党県議が5人に増え、県議会で新基地建設反対の決議を可決した中心的な力になりました。
新政権は、市民投票で示された民意にしたがって「基地たらい回し」の日米合意を見直し、決別すべきです。県内移設反対の一致点を大事にして、声を広げるたたかいが重要となってきます。
沖縄県は来年、参議院選挙とともに、名護市長選挙、沖縄市長選挙、県知事選挙、沖縄いっせい選挙をむかえます。
日本共産党を排除しようとする動きがありますが、一部の党を排除する党略的、政治的な枠組みではなく、県政への要求や政策で一致する勢力の共闘でなければ、沖縄県民・国民の声を実現する政治はできません。
政治を前に 建設的野党として
米軍基地のない沖縄へ
県民の思い 党派超えて
共産党 「たらい回し」決別を提起
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8月の総選挙で、在日米軍再編の推進勢力だった自民、公明の衆院議員が沖縄県でゼロとなり、在日米軍再編の見直しを公約にした民主党政権の誕生という激動が生まれました。沖縄県民や国民と連帯してたたかってきた日本共産党の役割に期待が高まっています。
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見直し協議
これまでの自公政権は、在日米軍再編の目玉として米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の“代替”と称して、同県名護市辺野古沿岸部に新基地を建設する計画に固執してきました。
同計画は、1995年の米兵による少女暴行事件で高まった「基地撤去」の沖縄県民の怒りをそらすための、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意(96年)による「基地の県内たらい回し」路線に基づくものでした。
これに対して、鳩山新政権は「県外移設・国外移設」を基本方向としてきました。鳩山由紀夫首相は、9月の訪米中も「基本的な考え方を変えるつもりはない」と強調。同月の日米外相会談では米軍再編の見直し・協議を米側に提起しました。一方で、閣僚からは「(県外移設は)厳しい道のりだ」(北沢俊美防衛相)との発言も出ています。11月予定のオバマ米大統領の訪日までに、普天間基地問題を含めた「包括的レビュー」を行うとしていますが、その方向は定まっていません。
米側は、同外相会談でクリントン国務長官が「現行計画の実現が基本だ」としつつ、「パートナーシップの精神で話し合っていく」と述べ、協議自体には応じる姿勢です。
新政権が見直しを表明し、米側も協議に応じる姿勢を示している今、国民のたたかい次第で新たな局面が生まれる可能性が開けています。
提案重ねて
日本共産党は「基地たらい回し」というSACO合意の危険をいち早く指摘。一貫してSACO合意反対の立場でたたかってきました。辺野古で現地調査や住民懇談会を開くとともに、住民と一緒に反対運動に取り組み、97年の名護市民投票で新基地建設反対が多数という結果を示しました。
2000年の沖縄サミットでは米軍基地問題を各国政府・マスコミに訴える「報告と訴え」を発表するなど、「基地のない沖縄」をどうやって実現するかの提案を重ねてきました。
志位和夫委員長は、総選挙や9月9日の党創立記念講演などで、普天間基地問題の解決には「基地の県内たらい回し」であるSACO合意路線からの決別を提起してきました。
県民集会へ
「(普天間基地は)県外移設がベストだが、県内移設もやむを得ないものと考え、これまで取り組んできた」「(政府がどう考えているのか)よく話を聞きたい」。9月30日の沖縄県議会で仲井真弘多知事はこう答弁し、戸惑いを隠しませんでした。新基地建設を受け入れてきた沖縄の自公県政もより所を失って動揺しているのです。新基地建設のための環境影響評価の準備書についても、審査会が追加調査を必要とする答申を出し、仲井真知事は13日までに回答を迫られています。
沖縄県議会の日本共産党を含む野党会派は、昨年に可決した新基地建設反対の決議後、県内移設反対の一致点で足並みをそろえ、日本政府に新基地建設の断念を求めています。
玉城義和県議会副議長=無所属=は、「辺野古への新基地建設は右のポケットから左のポケットに(負担を)移すみたいなもので、体全体は軽くなりません」と強調します。
野党会派では、新政権の担当閣僚に要請することや、11月のオバマ米大統領訪日の前に、大規模な県民大集会を開くことを計画しています。玉城氏は、「地元の座り込み運動も続いています。県民大集会で県民の思いを改めて明確に示したい」と熱意を語りました。
辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は、「新政権に楽観も悲観もしていません。今の動きを具体的に把握して、新基地建設の環境への悪影響や安保廃棄も前面に出しながら、見直しを米軍再編の枠内にさせないよう大きな世論をつくりたい。今が本当の勝利に向けた正念場です」と述べました。
(出所:日本共産党HP 2009年10月8日(木)「しんぶん赤旗」)
主張
米軍機の訓練移転
爆音で生活が破壊されている
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米軍嘉手納基地(沖縄県)のF15戦闘機5機と航空自衛隊百里基地(茨城県)の戦闘機が百里基地で、「訓練移転」と称する日米共同訓練を行っています。
三沢基地(青森県)のF16戦闘機との過去2回の共同訓練は、いずれも多くの住民に耐えがたい爆音被害を与えました。静かで平穏な暮らしを求める住民が中止を要求したのは当然です。訓練移転は沖縄県民の爆音被害の「軽減」を口実に始まったものですが、沖縄の爆音の「軽減」にはつながらず、訓練移転先でも住民に激しい痛みを与えています。
減らない沖縄の苦しみ
訓練移転は、2006年5月の米軍再編合意にもとづき、嘉手納、岩国(山口県)、三沢の各米軍基地所属機が、百里基地のほか、千歳(北海道)、三沢、小松(石川県)、築城(福岡県)、新田原(宮崎県)の各航空自衛隊基地に移転して日米共同訓練を行うものです。
六つの訓練移転先はどこでも自衛隊機の爆音被害で住民が苦しめられているところです。その住民に追い打ちをかけて爆音の痛みを激増させているのが米軍の訓練移転です。各地の住民は07年からくりかえされる訓練移転に強く抗議し、中止を求めています。
見過ごせないのは、嘉手納基地から本土へ訓練を移転しても、沖縄県民の痛みはすこしも「軽減」されていないことです。自公政府は沖縄県民の基地の痛みを「軽減する」とのふれこみで、米政府との間で訓練移転を決めました。しかしその建前すら守られていないのが実態です。
嘉手納基地から一部のF15が訓練移転しても、爆音は減らないどころか、逆に増えていることは、日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書をみても明らかです。
たとえば新田原基地での訓練移転です。07年から09年にかけて合計10日間、訓練移転が行われていますが、そのうち7日間は嘉手納基地周辺で騒音回数が平均をはるかに上回っていることを、政府答弁書は示しています。政府が公表した数字でも、訓練移転は県民の痛み軽減につながっていないことが明らかです。訓練移転でも爆音は少しも減らないという県民の実感を裏付けています。
その原因は、嘉手納基地所属の戦闘機が訓練移転にでかけると、その間他の米軍機がやってきて訓練をくりかえすためです。米国本土から来ていたF22ステルス機や岩国基地の米軍機などもやってきて訓練を行うのですから、爆音が増えるはずです。
岩国基地でも訓練移転時の騒音回数は、増えています。訓練移転は、結局、米軍機の訓練を強化・拡大する機会を米軍に与えるものとなっていることは明白です。
生活権の侵害許さない
訓練移転はやめるしかありません。政府は訓練移転の中止にふみきるべきです。再編合意は、訓練移転を、最初は5機程度、期間は1週間程度だが、いずれ12機程度、期間も2週間程度に「発展させる」と明記しています。米軍の思い通りにさせるわけにはいきません。米軍の作戦機能強化のために日本国民が犠牲にされるいわれはありません。
基地の痛みをなくすには、訓練移転の中止とともに、米軍基地の縮小・撤去が不可欠です。
(出所:日本共産党HP 2009年10月7日(水)「しんぶん赤旗」)
新基地反対の中心的力に
米軍再編問題 たたかいが動かしている
赤嶺衆院議員に聞く
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在日米軍再編をめぐる情勢や、国民・沖縄県民の願いである米軍基地撤去のための日本共産党の役割について、赤嶺政賢衆院議員に聞きました。(聞き手・洞口昇幸)
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鳩山新政権は、在日米軍再編の見直しや、普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる名護市辺野古沿岸部への新基地建設計画について協議する意向を米側に示しました。
基地問題を日米間の外交の場に乗せたのは大きい。沖縄県民は、自分たちのたたかいが政治を動かしていることを実感し、新政権の動向を注視するだけではなく、さらに前進させようとしています。
即時撤去こそ
日米両政府による1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意など、県内の「基地たらい回し」路線が決められたあとの13年間、日米両政府が何度も新基地建設計画を変更しながら、建設できなかったのはなぜか。「新基地建設そのものが許されない」という県民の積年の思いを、新政権や米国は読み間違えないことです。
沖縄には、米軍が戦争の真っただ中から基地をつくり始め、銃剣とブルドーザーで土地を強奪し、60年以上も基地や米兵犯罪に苦しんできた歴史があります。今も沖縄本島の面積の約20%を米軍基地が占拠しています。「基地たらい回し」では失敗するというのが13年間の教訓です。
日米安保条約があるかぎり、基地の苦しみはなくならない。普天間基地の閉鎖と即時撤去という立場に明確に立たなければ、解決の道はありません。
一致点で共闘
この立場でたたかいを展開してきたのが日本共産党です。現地に入り、名護市民投票の勝利をはじめ、調査や懇談を重ね、住民と一体になって新基地建設反対の運動をつくってきました。県議会や国会で沖縄の基地問題を繰り返し取り上げて論戦し、昨年の県議選では党県議が5人に増え、県議会で新基地建設反対の決議を可決した中心的な力になりました。
新政権は、市民投票で示された民意にしたがって「基地たらい回し」の日米合意を見直し、決別すべきです。県内移設反対の一致点を大事にして、声を広げるたたかいが重要となってきます。
沖縄県は来年、参議院選挙とともに、名護市長選挙、沖縄市長選挙、県知事選挙、沖縄いっせい選挙をむかえます。
日本共産党を排除しようとする動きがありますが、一部の党を排除する党略的、政治的な枠組みではなく、県政への要求や政策で一致する勢力の共闘でなければ、沖縄県民・国民の声を実現する政治はできません。
政治を前に 建設的野党として
米軍基地のない沖縄へ
県民の思い 党派超えて
共産党 「たらい回し」決別を提起
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8月の総選挙で、在日米軍再編の推進勢力だった自民、公明の衆院議員が沖縄県でゼロとなり、在日米軍再編の見直しを公約にした民主党政権の誕生という激動が生まれました。沖縄県民や国民と連帯してたたかってきた日本共産党の役割に期待が高まっています。
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見直し協議
これまでの自公政権は、在日米軍再編の目玉として米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の“代替”と称して、同県名護市辺野古沿岸部に新基地を建設する計画に固執してきました。
同計画は、1995年の米兵による少女暴行事件で高まった「基地撤去」の沖縄県民の怒りをそらすための、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意(96年)による「基地の県内たらい回し」路線に基づくものでした。
これに対して、鳩山新政権は「県外移設・国外移設」を基本方向としてきました。鳩山由紀夫首相は、9月の訪米中も「基本的な考え方を変えるつもりはない」と強調。同月の日米外相会談では米軍再編の見直し・協議を米側に提起しました。一方で、閣僚からは「(県外移設は)厳しい道のりだ」(北沢俊美防衛相)との発言も出ています。11月予定のオバマ米大統領の訪日までに、普天間基地問題を含めた「包括的レビュー」を行うとしていますが、その方向は定まっていません。
米側は、同外相会談でクリントン国務長官が「現行計画の実現が基本だ」としつつ、「パートナーシップの精神で話し合っていく」と述べ、協議自体には応じる姿勢です。
新政権が見直しを表明し、米側も協議に応じる姿勢を示している今、国民のたたかい次第で新たな局面が生まれる可能性が開けています。
提案重ねて
日本共産党は「基地たらい回し」というSACO合意の危険をいち早く指摘。一貫してSACO合意反対の立場でたたかってきました。辺野古で現地調査や住民懇談会を開くとともに、住民と一緒に反対運動に取り組み、97年の名護市民投票で新基地建設反対が多数という結果を示しました。
2000年の沖縄サミットでは米軍基地問題を各国政府・マスコミに訴える「報告と訴え」を発表するなど、「基地のない沖縄」をどうやって実現するかの提案を重ねてきました。
志位和夫委員長は、総選挙や9月9日の党創立記念講演などで、普天間基地問題の解決には「基地の県内たらい回し」であるSACO合意路線からの決別を提起してきました。
県民集会へ
「(普天間基地は)県外移設がベストだが、県内移設もやむを得ないものと考え、これまで取り組んできた」「(政府がどう考えているのか)よく話を聞きたい」。9月30日の沖縄県議会で仲井真弘多知事はこう答弁し、戸惑いを隠しませんでした。新基地建設を受け入れてきた沖縄の自公県政もより所を失って動揺しているのです。新基地建設のための環境影響評価の準備書についても、審査会が追加調査を必要とする答申を出し、仲井真知事は13日までに回答を迫られています。
沖縄県議会の日本共産党を含む野党会派は、昨年に可決した新基地建設反対の決議後、県内移設反対の一致点で足並みをそろえ、日本政府に新基地建設の断念を求めています。
玉城義和県議会副議長=無所属=は、「辺野古への新基地建設は右のポケットから左のポケットに(負担を)移すみたいなもので、体全体は軽くなりません」と強調します。
野党会派では、新政権の担当閣僚に要請することや、11月のオバマ米大統領訪日の前に、大規模な県民大集会を開くことを計画しています。玉城氏は、「地元の座り込み運動も続いています。県民大集会で県民の思いを改めて明確に示したい」と熱意を語りました。
辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は、「新政権に楽観も悲観もしていません。今の動きを具体的に把握して、新基地建設の環境への悪影響や安保廃棄も前面に出しながら、見直しを米軍再編の枠内にさせないよう大きな世論をつくりたい。今が本当の勝利に向けた正念場です」と述べました。
(出所:日本共産党HP 2009年10月8日(木)「しんぶん赤旗」)
主張
米軍機の訓練移転
爆音で生活が破壊されている
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米軍嘉手納基地(沖縄県)のF15戦闘機5機と航空自衛隊百里基地(茨城県)の戦闘機が百里基地で、「訓練移転」と称する日米共同訓練を行っています。
三沢基地(青森県)のF16戦闘機との過去2回の共同訓練は、いずれも多くの住民に耐えがたい爆音被害を与えました。静かで平穏な暮らしを求める住民が中止を要求したのは当然です。訓練移転は沖縄県民の爆音被害の「軽減」を口実に始まったものですが、沖縄の爆音の「軽減」にはつながらず、訓練移転先でも住民に激しい痛みを与えています。
減らない沖縄の苦しみ
訓練移転は、2006年5月の米軍再編合意にもとづき、嘉手納、岩国(山口県)、三沢の各米軍基地所属機が、百里基地のほか、千歳(北海道)、三沢、小松(石川県)、築城(福岡県)、新田原(宮崎県)の各航空自衛隊基地に移転して日米共同訓練を行うものです。
六つの訓練移転先はどこでも自衛隊機の爆音被害で住民が苦しめられているところです。その住民に追い打ちをかけて爆音の痛みを激増させているのが米軍の訓練移転です。各地の住民は07年からくりかえされる訓練移転に強く抗議し、中止を求めています。
見過ごせないのは、嘉手納基地から本土へ訓練を移転しても、沖縄県民の痛みはすこしも「軽減」されていないことです。自公政府は沖縄県民の基地の痛みを「軽減する」とのふれこみで、米政府との間で訓練移転を決めました。しかしその建前すら守られていないのが実態です。
嘉手納基地から一部のF15が訓練移転しても、爆音は減らないどころか、逆に増えていることは、日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員の質問主意書に対する政府答弁書をみても明らかです。
たとえば新田原基地での訓練移転です。07年から09年にかけて合計10日間、訓練移転が行われていますが、そのうち7日間は嘉手納基地周辺で騒音回数が平均をはるかに上回っていることを、政府答弁書は示しています。政府が公表した数字でも、訓練移転は県民の痛み軽減につながっていないことが明らかです。訓練移転でも爆音は少しも減らないという県民の実感を裏付けています。
その原因は、嘉手納基地所属の戦闘機が訓練移転にでかけると、その間他の米軍機がやってきて訓練をくりかえすためです。米国本土から来ていたF22ステルス機や岩国基地の米軍機などもやってきて訓練を行うのですから、爆音が増えるはずです。
岩国基地でも訓練移転時の騒音回数は、増えています。訓練移転は、結局、米軍機の訓練を強化・拡大する機会を米軍に与えるものとなっていることは明白です。
生活権の侵害許さない
訓練移転はやめるしかありません。政府は訓練移転の中止にふみきるべきです。再編合意は、訓練移転を、最初は5機程度、期間は1週間程度だが、いずれ12機程度、期間も2週間程度に「発展させる」と明記しています。米軍の思い通りにさせるわけにはいきません。米軍の作戦機能強化のために日本国民が犠牲にされるいわれはありません。
基地の痛みをなくすには、訓練移転の中止とともに、米軍基地の縮小・撤去が不可欠です。
(出所:日本共産党HP 2009年10月7日(水)「しんぶん赤旗」)