ソニーに直接雇用指導を
長崎 派遣21人、労働局に申告
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ソニー長崎(ソニーセミコンダクタ九州)で一月末解雇された労働者が二十六日、長崎労働局に対し、労働者派遣法に基づく直接雇用の指導、勧告などを求める申告をおこないました。
申告したのは、全労連・長崎県労連に加盟する県一般労組ソニー長崎ワールドインテック分会組合員の二十一人。働いた期間は最も長い組合員で九年六カ月、最短で七カ月です。
申告の理由として▽ソニー長崎における業務請負は偽装請負であり、実質的には派遣労働で製造業における一年(二〇〇七年三月から三年)の派遣労働期間制限に違反している▽ソニーには直接雇用の義務があるにもかかわらず、派遣元であるワールドインテックを通じた直接雇用の申し入れを拒否した―ことなどを上げ、労働局がソニーに対し勧告するよう求めています。
県労連によれば、組合員はソニー社員と混在して働き、業務指示も社員から受けていたとして偽装請負だと指摘。その期間も含め派遣期間とみなすべきだとしています。
また、派遣期間は個々人ではなく、同一の製造ラインで判断されるものであり、雇用期間が制限期間未満であっても直接雇用の義務があるとしています。
申告した組合員は、「半導体ラインは簡単に請け負えるような仕事ではない。ワールドインテックには、そのような知識はない。ソニーの偽装請負は明らか。労働局は法律にのっとってやってほしい」と話しました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月27日(金)「しんぶん赤旗」)
直接雇用の勧告ぜひ
三菱重は責任果たせ
滋賀
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三菱重工業工作機械事業部(滋賀県栗東市)で働く派遣社員の二人は二十五日、期間制限の三年を超えて派遣されているとして、滋賀労働局が三菱重工に対し、直接雇用の勧告などを行うよう申告しました。
二人はいずれもプレミアライン社(本社・東京都中央区)の派遣社員。一人(39)は二〇〇二年十一月から三菱重工で働き、三月までの雇い止めを通告されています。別の一人(51)は二〇〇五年二月から雇用され、今年一月末で解雇されました。二人とも偽装請負も含めて六年五カ月、四年それぞれ働いています。
二人は、全日本造船機械労働組合三菱重工支部の組合員。
三十九歳の男性は、三菱重工の職制から一年前に直接雇用すると言われ、返事を待っているところでした。「三菱は社内では法令順守をいつも口にしながら、自分たちが法律を守らないというのは恥ずかしい。社会的責任を果たしてほしい」と話します。五十一歳の男性は「三菱は、人を大事にしてほしい」と語っています。
兵庫でも労働局へ3氏
兵庫労連傘下の西播地域ユニオン労働組合の三人の派遣労働者が二十四日、派遣の期間制限を超えて働かされているとして、派遣先企業が直接雇用するよう勧告などを求める申告書を兵庫労働局に出しました。
三人はそれぞれの派遣先に直接雇用を申し入れましたが、拒否されたため申告したものです。労働局は調査を約束しました。
姫菱テクニカ株式会社で派遣社員として働いていた男性(37)は、今年一月末で雇い止めになりました。偽装請負の期間を含めると派遣期間は、三年を超え、「いつかは正社員になれるとがんばってきました。裁判も含め最後までたたかいたい」と話します。
雇用契約が残っているのに二月末で解雇通知をうけた男性(57)は、二十年前から派遣社員として株式会社ニチリンで働いてきました。日本化薬株式会社で働く男性(49)も偽装請負を含め派遣期間は三年七カ月です。
同行した同労組の撰梅忠雄委員長は、「二十年間も派遣社員として働かせていたとは言葉が出ない」と話しています。
(出所:日本共産党HP 2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」)
直接雇用求め集団申告
労働局に
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3年未満の人も受理
愛知で3人
名古屋北部青年ユニオンの四人の労働者が二十四日、愛知労働局を訪れ、そのうち三人が「派遣先企業が直接雇用を申し入れないまま解雇するのは違法」として、各派遣先企業に対して調査、是正、勧告するよう申告しました。
四人は三菱重工など四社で派遣労働者として働いていましたが、今年解雇や契約解除を通告されました。
三菱重工で十三年間派遣社員などとして働いた男性(52)は「三年以上働いたら正社員になれるという説明は受けたことがない。正社員になった同僚は誰もいない」と訴えました。
NTT西日本で働いた男性(42)は二年間、三菱電機で働いた男性(33)は八カ月間、派遣社員として働きました。派遣法の期間制限は、労働者個人ではなく業務に適用され、いずれの企業も同一業務の職場に派遣社員を三年以上受け入れていることから申告しました。
労働局側は申告を受理し、調査を約束しました。
パナソニックエコシステムズで三カ月間働いた男性(33)も情報提供をして申告は後日行うことにしました。
同ユニオンでは「派遣期間三年未満の労働者が申告を受理されたことは、多数の派遣労働者に直接雇用の道が開かれることになる」と話しています。
申告には、日本共産党の八田ひろ子県副委員長(衆院東海比例予定候補)、木村えみ愛知1区予定候補、わしの恵子名古屋市議らが同行しました。
偽装請負期間も算入
京都で9人
日産系自動車製造部品会社「ジャトコ」京都工場(京都市右京区)の製造ラインで働く派遣労働者九人が二十四日、三年を超えて働かされているのは労働者派遣法に違反しているとして、京都労働局にたいして直接雇用の指導、勧告を求めて申告しました。
申告したのは、三年三カ月働いた「プレミアライン」の六人と四年二カ月、四年六カ月働いた「サーミット工業」の三人。いずれも、二十代、三十代の青年で、同工場で働く労働者でつくる全日本造船機械労働組合三菱重工支部の組合員です。
派遣切りを伝えられた昨年十一月、十二月、これらの労働者は次々と組合に入り、今回の申告につながりました。プレミアラインの六人は偽装請負の期間を含めています。
同組合の野村政勝書記次長(68)は「国会で共産党志位委員長の質問によって切り開かれた『偽装請負も派遣期間に通算する』ことをさっそく活用し、直接雇用の波を起こしていきたい」と話します。
申告した京都市に住む労働者(31)は「出戻りなので前も含めたら六年になる。十年なんて人もいる。こんな申告制度があることすら知らず、びっくりした。前回は何も言えずにいたが、今回はこうしてたたかえる」と語っています。
(出所:日本共産党HP 2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」)
非正規切り阻止で連携
労組ネット栃木結成へ
全国初 所属の枠超え
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非正規切りを許さず安定した雇用をめざして非正規雇用労働者の労働組合が連携して活動しようと「非正規雇用労組ネット栃木」が来月一日、栃木県内で結成されます。
栃木県労連の呼びかけに、いすゞ自動車やホンダ、キヤノンなど同県内の七つの非正規労働者の組合がこたえたもので、二十三日、県庁で記者会見しました。労働組合の所属を超えたネットワークづくりは全国でも初めてです。
参加労組は、キヤノン非正規労働者組合宇都宮支部、JMIUいすゞ自動車支部、同栃木地域支部(ホンダ)、とちぎコープ労組パート部会、自治労連栃木公務公共一般労組、JMIU東武スポーツ支部(オブザーバー参加)で、栃木県労連がサポート組織として加わっています。
情報交流や裁判、団体交渉などで相互支援したり、派遣切りをやめさせ、セーフティーネット拡充などを求めて企業や自治体などに働きかけていきます。
いすゞ支部の松本浩利委員長は「これまで横の連携が少なかったので多方面で協力していきたい。あきらめている人にもぜひ参加してほしい」と発言。キヤノン宇都宮支部の大野秀之支部長は「非正規労働者が会社の都合で切られるのは許されない。他団体と協力してやっていきたい」と語りました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月24日(火)「しんぶん赤旗」)
賃金支払いが優先
派遣会社倒産 佐々木議員に財務相
衆院財金委
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日本共産党の佐々木憲昭議員は二十四日の衆院財務金融委員会で、倒産した派遣会社の売掛金を国税庁が差し押さえた問題を取り上げ、「労働者の命、生活を守る立場で是正せよ」と求めました。与謝野馨財務相は、労働者の賃金は税金の回収よりも優先するとの見解を示しました。
佐々木氏は、経営不振で倒産した派遣会社にたいし、税務当局が滞納した税金を取り立てるために、同社の売掛金を差し押さえた事例を示しました。
佐々木氏は、「派遣会社の売掛金には、同社が労働者に支払うべき賃金が含まれている」と指摘。「税金よりも賃金の支払いを優先すべきだ」と主張しました。
与謝野財務相は「私が弁護士なら、労働債権をまとめて回収し、租税債権より先取特権があることを主張する」と答弁。税金の回収よりも、労働者の賃金支払いが優先するとの考えを示しました。その上で、法律の適用については「妥当性が必要だ」と指摘し、行政も柔軟に対応する必要があるとの見解を述べました。
佐々木氏は、企業が倒産した際の「未払い賃金の立て替え払い制度」について、計算の基準が狭すぎることや支払いまでに時間がかかる問題について、「労働者の生活を守る立場で改善を」と求めました。
これにたいし厚生労働省の渡延忠大臣官房審議官は、「対象賃金には、超過勤務手当も対象になる」と答弁。立て替え払いに要する時間についても「早期実施について強力に取り組む」と述べました。
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未払い賃金の立て替え払い制度 企業が倒産したために、賃金が支払われないまま退職した労働者にたいし、その未払い賃金の一定割合を支払う制度。労働者健康福祉機構が企業に代わって支払います。
(出所:日本共産党HP 2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」)
下請け切り・いじめ是正を
検査官の体制強化など要求
笠井議員
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日本共産党の笠井亮議員は二十六日の衆院予算委員会で、親企業からの一方的な受注減や単価切りが横行し、全国各地で深刻な「下請切り・いじめ」がまん延している実態を告発し、緊急に是正するよう政府に求めました。
笠井氏は、東京大田区の中小企業からの「取引先からの値下げ要請が激しく、限界まで下げたが転注された」などの声を紹介し、「下請けいじめの横暴を許していいのか」と二階俊博経済産業相に迫りました。
笠井氏は、「書面調査」や、中小企業庁長官が親事業者を調査し事実が認められる場合は、公正取引委員会に適切な措置をとるよう求める「措置請求」の実施状況、取り締まる専任の検査官の体制について取り上げました。
中小企業庁や公取委による書面調査は「四年に一度」しかなく、検査官は双方あわせて百三十三人の体制でしかないことが判明。また、措置請求の実施は「過去二十年で年間二件を超えたのは本年度だけ」(中小企業庁)であることも明らかになりました。公取委の竹島委員長は、検査官の増員について「下請けいじめが多発することもあり、努力している」と答えました。
笠井氏は、百三十三人で「どうやって六十万社もの下請事業者を守れるのか。体制を緊急に強化し、すべての親事業者への調査をおこない、検査官も抜本的に増やすべきだ。措置請求を含め行政の権限をフル活用すべきだ」と重ねて主張。二階氏は、「ご指摘は十分考慮する。下請けの皆さんを守る、中小企業庁の大きな役割であると認識して対処してまいりたい」と答えました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月27日(金)「しんぶん赤旗」)
最低賃金を引き上げれば、中小企業が困るのでは?
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〈問い〉 「最低賃金を引き上げれば、中小企業が困る」という声がありますが、どう考えますか?(大阪・一読者)
〈答え〉 日本共産党は、最低賃金で働いても貧困にならない社会、人間らしい生活のできる最低賃金制の実現を求めています。貧困というのは、国際的には、国民の平均的所得の5割以下の所得しかないことですから、こうした社会を実現するには、最低賃金を平均的賃金の5割を目標に引き上げる必要があります。その水準は、時給にするとだいたい1000円です。ですから、労働団体がかかげる「時給1000円以上」の要求には合理的根拠があり、日本共産党は、これを支持しています。
ご質問の件については、志位和夫委員長が国会で指摘したところです(衆院予算委員会、2月13日)。日本共産党の基本的考え方は、最低賃金の抜本的引き上げを、中小企業の経営をまもる対策と同時並行にすすめる必要がある、ということです。
実は、最低賃金制と中小企業の関係は、最低賃金制の創設を審議した1958年の国会でも議論になりました(法制定は59年)。最低賃金制は中小企業の経営を圧迫するから、最低賃金制を施行する以前に、中小企業対策を先行させるべきだという問題が提起されたのに対して、岸信介首相は「むしろ並行してすすめるべきだ。この制度が施行されて、中小零細企業の劣悪な労働条件が改善され、能率もあがり、事業も安定し、過当の競争もなくなるということが、むしろ中小企業の対策としても効果があるし、それによって混乱を生じることはない」(参院本会議、58年2月21日)と答弁しています。安倍首相もこの立場に立つ必要があります。
この点で、大企業による単価の買いたたきなど、下請けいじめを横行させている政治の責任が問われなければなりません。日本一の大もうけをあげているトヨタ自動車が、下請けに「韓国価格」「アジア価格」という超低単価をおしつけ、次々と倒産に追い込むような無法をやめさせる必要があります。
中小企業を痛めつけている規制緩和万能論を抜本的に見直すことも必要です。規制緩和されたタクシー事業では、宮崎、大分、高知、島根の4県で、タクシー労働者の平均賃金が最低賃金を下回っています。明らかな違法状態が広がっています。
不要不急の大型公共事業を見直し、地域密着型の公共事業に転換することによって、中小企業の仕事を増やし、営業をまもる政策に本腰を入れなければなりません。最低賃金を引き上げる中小企業への助成金や無利子の融資も必要でしょう。
最低賃金を引き上げれば、労働者の収入が増えます。それが消費を増やし、地元企業の売り上げ増につながり、日本経済を草の根から温めていく力になっていくと考えます。
なお、最低賃金を大幅に引き上げているEU諸国では、中小企業振興策が手厚く、中小企業の経営を圧迫するといった問題は、生じていません。(筒)
(出所:日本共産党HP 2007年3月7日(水)「しんぶん赤旗」)
最低賃金時給千円にしたら中小企業はつぶれる?
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〈問い〉 日本共産党は「全国一律最低賃金制、時給千円以上」を主張していますが、今でもぎりぎりの経営である私たち零細企業はとてもやっていけません。この点をどう考えていますか。(大阪・一読者)
〈答え〉 いま日本では年収200万に満たない人が1000万人を超え、貧困が深刻な問題となっています。全国一律の最低賃金を定めることは「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(憲法25条)にてらし、国民生活の最低基準を示す重要な意義をもっています。
全労連の試算では、首都圏で暮らす若年単身労働者(20代)の最低生計費は、月額23万3801円(税・社会保険料込み)、時給にすれば1554円、手取りは19万1406円です。ところが、08年の地域別最賃は最も高い東京でも766円です。最低賃金で暮らす「最賃体験」に挑戦した宮城県の労働者(最賃639円)は、「食事は2食で外食禁止、家賃1万円以下」などでなければ、とても暮らせないと報告しています。
国民生活の最低基準を確保する立場から、日本共産党は、速やかに最低賃金の時給を千円以上に引き上げるべきだと考えています。全労連も連合も同様の要求をしています。
では、中小企業が時給を実施する上での困難とその打開策をどう考えたらよいでしょうか。中小企業で働く労働者にも最低賃金を適用すべきです。ただ、おっしゃるとおり、中小企業では、時給千円の支払いを可能とする商品価格やサービス価格を設定しようとしてもできない場合も生まれます。その最大の原因は「大企業の圧迫で下請けや納入業者が適正な価格を設定できない」「大企業からの仕入れで中小企業が差別的価格を押し付けられる」などにあります。いま一つは、国民の所得が伸びず購買力が低迷、売り上げも伸びず、激しい競争にさらされているからです。
しかし、社会的に最低賃金を定めることは大局的に、国民のふところを温め内需を拡大し、中小企業経営の改善にもつながります。また最賃は、下請け業者が親企業に単価の引き上げを求める基準ともなります。
中小企業が時給千円を実施できるよう、日本共産党は、大企業による中小企業イジメや「規制緩和」の是正、金融や税制の改善(部分保証の撤回、消費税免税点の引き上げ、家族労働を認める所得税法の改正など)を行うとともに、中小企業への賃金助成などが必要と考えています。実施にあたっては、企業規模に応じ、経過措置も検討すべきでしょう。(吉)
(出所:日本共産党HP 2008年12月13日(土)「しんぶん赤旗」)
08年度の中小企業向け予算は?
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〈問い〉 原油・原料高騰が中小企業の収益を圧迫し、倒産が激増しています。08年度予算における中小企業向け予算の額や内訳、これに対する日本共産党の考え方をお聞かせください。(東京・一読者)
〈答え〉 2008年度の中小企業予算は、前年度と比べ121億円増の総額1761億円です(一般歳出に占める割合は0・37%。経済産業省1304億円、財務省421億円、厚生労働省35億円)。金額面では最高時の約2500億円から(一般歳出に占める割合では半分以下に)大きく後退しています(詳細は『議会と自治体』3月号「08年度予算分析」を参照してください)。
政府は今年度の重点施策として、(1)中小企業者と農林水産業者が連携した新商品の開発・販売促進などを支援する「農商工連携」、(2)「経営力の向上」をめざす中小・小規模企業のとりくみや事業承継、中心市街地・商店街活性化への支援、(3)下請け適正取引の推進、中小企業金融の円滑化といった「事業環境の整備」―などをあげています。
これらの施策は、中小・零細企業にとって大事なものであり、施策の活用に挑戦している中小企業や商店街も少なくありません。しかし、最大の問題は、420万の中小・零細企業の経営の安定と発展を保障する対策、予算規模になっていないことです。それは、大企業の下請いじめ、中小企業金融の後退、大型店の身勝手な出退店による商店街への打撃、損税となる消費税による経営圧迫などが続いており、効果的な対策がとられていないことに示されています。そのうえ原油、原材料高騰が経営基盤の弱い中小企業を直撃しています。このもとで苦闘している中小企業の経営の安定と育成に役立つ対策と予算が必要なのです。
しかし、中小企業の予算は、米軍への「思いやり予算」2083億円や大企業優遇税制によるトヨタ自動車一社の減税額約1900億円を下回ります。予算がないわけではなく、政府与党の「思いやり」の相手が逆立ちしているのです。
中小・零細企業は企業数の99%、従業者の7割を占め、地域と日本経済の「主役」です。これを支え、発展させる政治への転換は、家計を応援し、日本経済の正常な発展をはかるためにも強く求められます。
日本共産党は、中小・零細企業の経営基盤を支える支援をすすめること、そのためにも当面、予算をいまの約6倍の1兆円に増額することを提言しています。
さらに原油、原材料高騰のもとでの緊急対策として中小・零細企業、農・漁業などに直接補てんや燃油価格の引き下げ、減税措置を求めています。(木)
(出所:日本共産党HP 2008年8月13日(水)「しんぶん赤旗」)
長崎 派遣21人、労働局に申告
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ソニー長崎(ソニーセミコンダクタ九州)で一月末解雇された労働者が二十六日、長崎労働局に対し、労働者派遣法に基づく直接雇用の指導、勧告などを求める申告をおこないました。
申告したのは、全労連・長崎県労連に加盟する県一般労組ソニー長崎ワールドインテック分会組合員の二十一人。働いた期間は最も長い組合員で九年六カ月、最短で七カ月です。
申告の理由として▽ソニー長崎における業務請負は偽装請負であり、実質的には派遣労働で製造業における一年(二〇〇七年三月から三年)の派遣労働期間制限に違反している▽ソニーには直接雇用の義務があるにもかかわらず、派遣元であるワールドインテックを通じた直接雇用の申し入れを拒否した―ことなどを上げ、労働局がソニーに対し勧告するよう求めています。
県労連によれば、組合員はソニー社員と混在して働き、業務指示も社員から受けていたとして偽装請負だと指摘。その期間も含め派遣期間とみなすべきだとしています。
また、派遣期間は個々人ではなく、同一の製造ラインで判断されるものであり、雇用期間が制限期間未満であっても直接雇用の義務があるとしています。
申告した組合員は、「半導体ラインは簡単に請け負えるような仕事ではない。ワールドインテックには、そのような知識はない。ソニーの偽装請負は明らか。労働局は法律にのっとってやってほしい」と話しました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月27日(金)「しんぶん赤旗」)
直接雇用の勧告ぜひ
三菱重は責任果たせ
滋賀
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三菱重工業工作機械事業部(滋賀県栗東市)で働く派遣社員の二人は二十五日、期間制限の三年を超えて派遣されているとして、滋賀労働局が三菱重工に対し、直接雇用の勧告などを行うよう申告しました。
二人はいずれもプレミアライン社(本社・東京都中央区)の派遣社員。一人(39)は二〇〇二年十一月から三菱重工で働き、三月までの雇い止めを通告されています。別の一人(51)は二〇〇五年二月から雇用され、今年一月末で解雇されました。二人とも偽装請負も含めて六年五カ月、四年それぞれ働いています。
二人は、全日本造船機械労働組合三菱重工支部の組合員。
三十九歳の男性は、三菱重工の職制から一年前に直接雇用すると言われ、返事を待っているところでした。「三菱は社内では法令順守をいつも口にしながら、自分たちが法律を守らないというのは恥ずかしい。社会的責任を果たしてほしい」と話します。五十一歳の男性は「三菱は、人を大事にしてほしい」と語っています。
兵庫でも労働局へ3氏
兵庫労連傘下の西播地域ユニオン労働組合の三人の派遣労働者が二十四日、派遣の期間制限を超えて働かされているとして、派遣先企業が直接雇用するよう勧告などを求める申告書を兵庫労働局に出しました。
三人はそれぞれの派遣先に直接雇用を申し入れましたが、拒否されたため申告したものです。労働局は調査を約束しました。
姫菱テクニカ株式会社で派遣社員として働いていた男性(37)は、今年一月末で雇い止めになりました。偽装請負の期間を含めると派遣期間は、三年を超え、「いつかは正社員になれるとがんばってきました。裁判も含め最後までたたかいたい」と話します。
雇用契約が残っているのに二月末で解雇通知をうけた男性(57)は、二十年前から派遣社員として株式会社ニチリンで働いてきました。日本化薬株式会社で働く男性(49)も偽装請負を含め派遣期間は三年七カ月です。
同行した同労組の撰梅忠雄委員長は、「二十年間も派遣社員として働かせていたとは言葉が出ない」と話しています。
(出所:日本共産党HP 2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」)
直接雇用求め集団申告
労働局に
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3年未満の人も受理
愛知で3人
名古屋北部青年ユニオンの四人の労働者が二十四日、愛知労働局を訪れ、そのうち三人が「派遣先企業が直接雇用を申し入れないまま解雇するのは違法」として、各派遣先企業に対して調査、是正、勧告するよう申告しました。
四人は三菱重工など四社で派遣労働者として働いていましたが、今年解雇や契約解除を通告されました。
三菱重工で十三年間派遣社員などとして働いた男性(52)は「三年以上働いたら正社員になれるという説明は受けたことがない。正社員になった同僚は誰もいない」と訴えました。
NTT西日本で働いた男性(42)は二年間、三菱電機で働いた男性(33)は八カ月間、派遣社員として働きました。派遣法の期間制限は、労働者個人ではなく業務に適用され、いずれの企業も同一業務の職場に派遣社員を三年以上受け入れていることから申告しました。
労働局側は申告を受理し、調査を約束しました。
パナソニックエコシステムズで三カ月間働いた男性(33)も情報提供をして申告は後日行うことにしました。
同ユニオンでは「派遣期間三年未満の労働者が申告を受理されたことは、多数の派遣労働者に直接雇用の道が開かれることになる」と話しています。
申告には、日本共産党の八田ひろ子県副委員長(衆院東海比例予定候補)、木村えみ愛知1区予定候補、わしの恵子名古屋市議らが同行しました。
偽装請負期間も算入
京都で9人
日産系自動車製造部品会社「ジャトコ」京都工場(京都市右京区)の製造ラインで働く派遣労働者九人が二十四日、三年を超えて働かされているのは労働者派遣法に違反しているとして、京都労働局にたいして直接雇用の指導、勧告を求めて申告しました。
申告したのは、三年三カ月働いた「プレミアライン」の六人と四年二カ月、四年六カ月働いた「サーミット工業」の三人。いずれも、二十代、三十代の青年で、同工場で働く労働者でつくる全日本造船機械労働組合三菱重工支部の組合員です。
派遣切りを伝えられた昨年十一月、十二月、これらの労働者は次々と組合に入り、今回の申告につながりました。プレミアラインの六人は偽装請負の期間を含めています。
同組合の野村政勝書記次長(68)は「国会で共産党志位委員長の質問によって切り開かれた『偽装請負も派遣期間に通算する』ことをさっそく活用し、直接雇用の波を起こしていきたい」と話します。
申告した京都市に住む労働者(31)は「出戻りなので前も含めたら六年になる。十年なんて人もいる。こんな申告制度があることすら知らず、びっくりした。前回は何も言えずにいたが、今回はこうしてたたかえる」と語っています。
(出所:日本共産党HP 2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」)
非正規切り阻止で連携
労組ネット栃木結成へ
全国初 所属の枠超え
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非正規切りを許さず安定した雇用をめざして非正規雇用労働者の労働組合が連携して活動しようと「非正規雇用労組ネット栃木」が来月一日、栃木県内で結成されます。
栃木県労連の呼びかけに、いすゞ自動車やホンダ、キヤノンなど同県内の七つの非正規労働者の組合がこたえたもので、二十三日、県庁で記者会見しました。労働組合の所属を超えたネットワークづくりは全国でも初めてです。
参加労組は、キヤノン非正規労働者組合宇都宮支部、JMIUいすゞ自動車支部、同栃木地域支部(ホンダ)、とちぎコープ労組パート部会、自治労連栃木公務公共一般労組、JMIU東武スポーツ支部(オブザーバー参加)で、栃木県労連がサポート組織として加わっています。
情報交流や裁判、団体交渉などで相互支援したり、派遣切りをやめさせ、セーフティーネット拡充などを求めて企業や自治体などに働きかけていきます。
いすゞ支部の松本浩利委員長は「これまで横の連携が少なかったので多方面で協力していきたい。あきらめている人にもぜひ参加してほしい」と発言。キヤノン宇都宮支部の大野秀之支部長は「非正規労働者が会社の都合で切られるのは許されない。他団体と協力してやっていきたい」と語りました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月24日(火)「しんぶん赤旗」)
賃金支払いが優先
派遣会社倒産 佐々木議員に財務相
衆院財金委
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日本共産党の佐々木憲昭議員は二十四日の衆院財務金融委員会で、倒産した派遣会社の売掛金を国税庁が差し押さえた問題を取り上げ、「労働者の命、生活を守る立場で是正せよ」と求めました。与謝野馨財務相は、労働者の賃金は税金の回収よりも優先するとの見解を示しました。
佐々木氏は、経営不振で倒産した派遣会社にたいし、税務当局が滞納した税金を取り立てるために、同社の売掛金を差し押さえた事例を示しました。
佐々木氏は、「派遣会社の売掛金には、同社が労働者に支払うべき賃金が含まれている」と指摘。「税金よりも賃金の支払いを優先すべきだ」と主張しました。
与謝野財務相は「私が弁護士なら、労働債権をまとめて回収し、租税債権より先取特権があることを主張する」と答弁。税金の回収よりも、労働者の賃金支払いが優先するとの考えを示しました。その上で、法律の適用については「妥当性が必要だ」と指摘し、行政も柔軟に対応する必要があるとの見解を述べました。
佐々木氏は、企業が倒産した際の「未払い賃金の立て替え払い制度」について、計算の基準が狭すぎることや支払いまでに時間がかかる問題について、「労働者の生活を守る立場で改善を」と求めました。
これにたいし厚生労働省の渡延忠大臣官房審議官は、「対象賃金には、超過勤務手当も対象になる」と答弁。立て替え払いに要する時間についても「早期実施について強力に取り組む」と述べました。
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未払い賃金の立て替え払い制度 企業が倒産したために、賃金が支払われないまま退職した労働者にたいし、その未払い賃金の一定割合を支払う制度。労働者健康福祉機構が企業に代わって支払います。
(出所:日本共産党HP 2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」)
下請け切り・いじめ是正を
検査官の体制強化など要求
笠井議員
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日本共産党の笠井亮議員は二十六日の衆院予算委員会で、親企業からの一方的な受注減や単価切りが横行し、全国各地で深刻な「下請切り・いじめ」がまん延している実態を告発し、緊急に是正するよう政府に求めました。
笠井氏は、東京大田区の中小企業からの「取引先からの値下げ要請が激しく、限界まで下げたが転注された」などの声を紹介し、「下請けいじめの横暴を許していいのか」と二階俊博経済産業相に迫りました。
笠井氏は、「書面調査」や、中小企業庁長官が親事業者を調査し事実が認められる場合は、公正取引委員会に適切な措置をとるよう求める「措置請求」の実施状況、取り締まる専任の検査官の体制について取り上げました。
中小企業庁や公取委による書面調査は「四年に一度」しかなく、検査官は双方あわせて百三十三人の体制でしかないことが判明。また、措置請求の実施は「過去二十年で年間二件を超えたのは本年度だけ」(中小企業庁)であることも明らかになりました。公取委の竹島委員長は、検査官の増員について「下請けいじめが多発することもあり、努力している」と答えました。
笠井氏は、百三十三人で「どうやって六十万社もの下請事業者を守れるのか。体制を緊急に強化し、すべての親事業者への調査をおこない、検査官も抜本的に増やすべきだ。措置請求を含め行政の権限をフル活用すべきだ」と重ねて主張。二階氏は、「ご指摘は十分考慮する。下請けの皆さんを守る、中小企業庁の大きな役割であると認識して対処してまいりたい」と答えました。
(出所:日本共産党HP 2009年2月27日(金)「しんぶん赤旗」)
最低賃金を引き上げれば、中小企業が困るのでは?
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〈問い〉 「最低賃金を引き上げれば、中小企業が困る」という声がありますが、どう考えますか?(大阪・一読者)
〈答え〉 日本共産党は、最低賃金で働いても貧困にならない社会、人間らしい生活のできる最低賃金制の実現を求めています。貧困というのは、国際的には、国民の平均的所得の5割以下の所得しかないことですから、こうした社会を実現するには、最低賃金を平均的賃金の5割を目標に引き上げる必要があります。その水準は、時給にするとだいたい1000円です。ですから、労働団体がかかげる「時給1000円以上」の要求には合理的根拠があり、日本共産党は、これを支持しています。
ご質問の件については、志位和夫委員長が国会で指摘したところです(衆院予算委員会、2月13日)。日本共産党の基本的考え方は、最低賃金の抜本的引き上げを、中小企業の経営をまもる対策と同時並行にすすめる必要がある、ということです。
実は、最低賃金制と中小企業の関係は、最低賃金制の創設を審議した1958年の国会でも議論になりました(法制定は59年)。最低賃金制は中小企業の経営を圧迫するから、最低賃金制を施行する以前に、中小企業対策を先行させるべきだという問題が提起されたのに対して、岸信介首相は「むしろ並行してすすめるべきだ。この制度が施行されて、中小零細企業の劣悪な労働条件が改善され、能率もあがり、事業も安定し、過当の競争もなくなるということが、むしろ中小企業の対策としても効果があるし、それによって混乱を生じることはない」(参院本会議、58年2月21日)と答弁しています。安倍首相もこの立場に立つ必要があります。
この点で、大企業による単価の買いたたきなど、下請けいじめを横行させている政治の責任が問われなければなりません。日本一の大もうけをあげているトヨタ自動車が、下請けに「韓国価格」「アジア価格」という超低単価をおしつけ、次々と倒産に追い込むような無法をやめさせる必要があります。
中小企業を痛めつけている規制緩和万能論を抜本的に見直すことも必要です。規制緩和されたタクシー事業では、宮崎、大分、高知、島根の4県で、タクシー労働者の平均賃金が最低賃金を下回っています。明らかな違法状態が広がっています。
不要不急の大型公共事業を見直し、地域密着型の公共事業に転換することによって、中小企業の仕事を増やし、営業をまもる政策に本腰を入れなければなりません。最低賃金を引き上げる中小企業への助成金や無利子の融資も必要でしょう。
最低賃金を引き上げれば、労働者の収入が増えます。それが消費を増やし、地元企業の売り上げ増につながり、日本経済を草の根から温めていく力になっていくと考えます。
なお、最低賃金を大幅に引き上げているEU諸国では、中小企業振興策が手厚く、中小企業の経営を圧迫するといった問題は、生じていません。(筒)
(出所:日本共産党HP 2007年3月7日(水)「しんぶん赤旗」)
最低賃金時給千円にしたら中小企業はつぶれる?
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〈問い〉 日本共産党は「全国一律最低賃金制、時給千円以上」を主張していますが、今でもぎりぎりの経営である私たち零細企業はとてもやっていけません。この点をどう考えていますか。(大阪・一読者)
〈答え〉 いま日本では年収200万に満たない人が1000万人を超え、貧困が深刻な問題となっています。全国一律の最低賃金を定めることは「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(憲法25条)にてらし、国民生活の最低基準を示す重要な意義をもっています。
全労連の試算では、首都圏で暮らす若年単身労働者(20代)の最低生計費は、月額23万3801円(税・社会保険料込み)、時給にすれば1554円、手取りは19万1406円です。ところが、08年の地域別最賃は最も高い東京でも766円です。最低賃金で暮らす「最賃体験」に挑戦した宮城県の労働者(最賃639円)は、「食事は2食で外食禁止、家賃1万円以下」などでなければ、とても暮らせないと報告しています。
国民生活の最低基準を確保する立場から、日本共産党は、速やかに最低賃金の時給を千円以上に引き上げるべきだと考えています。全労連も連合も同様の要求をしています。
では、中小企業が時給を実施する上での困難とその打開策をどう考えたらよいでしょうか。中小企業で働く労働者にも最低賃金を適用すべきです。ただ、おっしゃるとおり、中小企業では、時給千円の支払いを可能とする商品価格やサービス価格を設定しようとしてもできない場合も生まれます。その最大の原因は「大企業の圧迫で下請けや納入業者が適正な価格を設定できない」「大企業からの仕入れで中小企業が差別的価格を押し付けられる」などにあります。いま一つは、国民の所得が伸びず購買力が低迷、売り上げも伸びず、激しい競争にさらされているからです。
しかし、社会的に最低賃金を定めることは大局的に、国民のふところを温め内需を拡大し、中小企業経営の改善にもつながります。また最賃は、下請け業者が親企業に単価の引き上げを求める基準ともなります。
中小企業が時給千円を実施できるよう、日本共産党は、大企業による中小企業イジメや「規制緩和」の是正、金融や税制の改善(部分保証の撤回、消費税免税点の引き上げ、家族労働を認める所得税法の改正など)を行うとともに、中小企業への賃金助成などが必要と考えています。実施にあたっては、企業規模に応じ、経過措置も検討すべきでしょう。(吉)
(出所:日本共産党HP 2008年12月13日(土)「しんぶん赤旗」)
08年度の中小企業向け予算は?
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〈問い〉 原油・原料高騰が中小企業の収益を圧迫し、倒産が激増しています。08年度予算における中小企業向け予算の額や内訳、これに対する日本共産党の考え方をお聞かせください。(東京・一読者)
〈答え〉 2008年度の中小企業予算は、前年度と比べ121億円増の総額1761億円です(一般歳出に占める割合は0・37%。経済産業省1304億円、財務省421億円、厚生労働省35億円)。金額面では最高時の約2500億円から(一般歳出に占める割合では半分以下に)大きく後退しています(詳細は『議会と自治体』3月号「08年度予算分析」を参照してください)。
政府は今年度の重点施策として、(1)中小企業者と農林水産業者が連携した新商品の開発・販売促進などを支援する「農商工連携」、(2)「経営力の向上」をめざす中小・小規模企業のとりくみや事業承継、中心市街地・商店街活性化への支援、(3)下請け適正取引の推進、中小企業金融の円滑化といった「事業環境の整備」―などをあげています。
これらの施策は、中小・零細企業にとって大事なものであり、施策の活用に挑戦している中小企業や商店街も少なくありません。しかし、最大の問題は、420万の中小・零細企業の経営の安定と発展を保障する対策、予算規模になっていないことです。それは、大企業の下請いじめ、中小企業金融の後退、大型店の身勝手な出退店による商店街への打撃、損税となる消費税による経営圧迫などが続いており、効果的な対策がとられていないことに示されています。そのうえ原油、原材料高騰が経営基盤の弱い中小企業を直撃しています。このもとで苦闘している中小企業の経営の安定と育成に役立つ対策と予算が必要なのです。
しかし、中小企業の予算は、米軍への「思いやり予算」2083億円や大企業優遇税制によるトヨタ自動車一社の減税額約1900億円を下回ります。予算がないわけではなく、政府与党の「思いやり」の相手が逆立ちしているのです。
中小・零細企業は企業数の99%、従業者の7割を占め、地域と日本経済の「主役」です。これを支え、発展させる政治への転換は、家計を応援し、日本経済の正常な発展をはかるためにも強く求められます。
日本共産党は、中小・零細企業の経営基盤を支える支援をすすめること、そのためにも当面、予算をいまの約6倍の1兆円に増額することを提言しています。
さらに原油、原材料高騰のもとでの緊急対策として中小・零細企業、農・漁業などに直接補てんや燃油価格の引き下げ、減税措置を求めています。(木)
(出所:日本共産党HP 2008年8月13日(水)「しんぶん赤旗」)