2024-02-06

俺の実家は太い

実家が太い云々という増田を目にして、俺もつ自分人生について書きたくなった。

約30年前、俺は両親が医者の家庭に長男として生まれた。

医者というとなんとなく世間的にもお金持ちのイメージがあるだろうが、事実裕福な家庭に生まれたと今でも思う。

そんな俺だが、結局30も手前になって職歴なしどころか学歴すらない立派な引きこもりに成り果ててしまった。

まず前提として俺の家系は代々医者一族で、父方の祖父地元(と言っても俺の住んでいる市内)でおそらく一番大きい総合病院理事長をしていた。

その祖父思想が強く、医者でなければ人間でないと言わんばかりの態度を常に振り撒いていた。

母方の祖父母は確か医者ではなかったと記憶しているが、いつだったか父方の祖父母の家に連れて行かれた際、「あまりあっちのじいじ・ばあばと話をすると頭が悪くなっちゃうぞ」などと耳打ちされたことを今でも覚えている。

当時は家や身なりも立派で見るからに"偉い"祖父漠然尊敬していたためにその言いつけを守り、母方の祖父母とはほとんど口も聞いていなかった。

俺がそんなだからか、或いは母親か誰かがそんな祖父辟易したのかは知らないが、小学校の高学年くらいから母方の祖父母に会うことは無くなった。

そんな祖父プレッシャーのせいか物心がついた頃にはもう塾に通っていた。

習い事も多くさせられ、ピアノバイオリン空手水泳テニスを確か幼稚園くらいから習っていた。

これは気質もあるのだろうが、自分の意に反して何かをさせられるのがかなりのストレスのようで、あまりにも習い事に行きたくなくてよく体調を崩していたり、時には仮病を使ったりしていた。

また、センス問題なのかモチベーション問題なのか、どの習い事も全く上達せず、発表会や大会のたびに親に恥をかかせてはよく平手打ちをされていた。

ある夜、何かをしたくてリビングに降りた時、両親が俺が何もできない無能である事について真剣に話し合っているのを耳にしてしまい、眠れなくなってしまたこともある。

いつしか出来損ないのレッテルを貼られた俺は、それでもなんとか医者に仕立て上げなければならないという強迫観念を持った両親の元で家にいる間は四六時中机に縛られ、常に勉強をさせられていた。

朝起きたら強制的に机に座らせられ、親の指定する量の勉強をこなすまでは朝食すら取れないような生活だったので、朝起きるのが苦痛睡眠障害になってしまい、次第に学校にすら行けなくなってしまった。

勉強ストレスで常に吐き気がしており、食欲もなく、睡眠不足も相まって頭も余計に回らず、さらに両親に叱られるといった感じで完全に負の連鎖に入ってしまっていたと思う。

ネットテレビに触れなかったためか、「自殺」という概念が当時の自分の中になかったために踏み切ることがなかったものの、もしもその概念を知っていたなら、間違いなく自殺を選んでいたと思う。そんな精神状態だった。

そんな両親の下なので中学受験をさせられ、結果としてはそれなりの中高一貫校入学することはできた。

しかし、高ストレス下で勉強だけをさせられて育った結果、いつしか俺は著しいコミュニケーション障害を抱えていた。

小学生の頃に友達と遊ばせてもらうことができなかったせいか、両親に過度に気を使う癖が付いてしまったせいか、原因は今となってはわからないものの、とにかく友人とフラットコミュニケーションを取るということが全くできなくなっていた。

当然の帰結かもしれないが、イジメにあった。

と言っても育ちのいい生徒ばかりだったので、ドラマアニメで見るような苛烈ものではなく、ただ無視されるとか陰口を言われるとか、そんなレベルではあったが。

いずれにせよ学校に居場所をなくした俺は、いつしか不登校になっていった。風邪で休んでそのまま復帰できなくなったとか、そんなんだった気がする。

クラス替えというシステムがない学校だったため、一度不登校になってしまったら人間関係を取り返す術はなく、そのまま5年半ほど不登校を続ける形になった。

留年して再スタートすることも提案されたが、両親の面子を保つためか受け入れられず、(どういうシステムかは今思えば謎だが)とりあえずそのまま進級し、卒業を迎えることになった。

当然医学部を目指させる家庭方針だったため、塾・予備校には通わせられていたし、家でも小学校の時さながら机に縛られる生活だった。

しかしながら、反抗期を迎えたこともあり、また俺の体格が大きくなってきたこともあるのだろうが、小学校の時ほどは勉強強制されず、俺も次第に家の中でも部屋に引き篭もるようになった。

もちろんある程度独学はしていたものの、受験の結果は案の定ダメで、箸にも棒にもかからないような成績だった。

とは言ってもMARCHくらいなら合格できる成績だったのだが、医学部以外の受験は認められなかったため、全落ちのまま浪人生となった。

それ以降は特に語ることもないが、2浪、3浪とする中で、親の洗脳も次第に解けていった。そうすると、ただ親の意向のためだけに医学部受験をしていることの虚しさを目を向け始めてしまい、勉強にも身が入らなくなっていった。

そうはいっても医学部以外への進学を認めないという親の方針は変わらず、一応俺は10浪中ということにはなっている(と思う)。

が、2年前くらいかセンター試験(共通テスト)の出願すらもしないようになった。そのことに両親が気づいているのかもわからないが。

もちろん住む場所にも日々の食事にも何一つ困ってはいないのだが、俺はきっと社会に出ることはできず、ひたすらに自我と向き合いながら、この広い実家幽閉され続けるのだと思う。

もう30も目前となった今さらになって、軌道修正を図る気力も無いし、仮に何か行動したとて無意味なんだと思ってもいる。

そしておそらくは両親も、こうなってしまった俺をどうして良いのか、そして俺と、ひいては自分たちの過ちとどう向き合って良いのかがわかっていないんだと思う。

から今日も変わらず義務のように母親は俺の食事を用意し、父親は何も言わずに俺のボロいスマートフォン通信量を払い続けいてるんだと思う。

多分お互いに、行動を起こすのが怖いんだろうな。

から現状維持に甘んじて、昨日と変わらない今日を過ごすことで失敗から目を背けているんだと思う。

こうやって気づけば10年以上が経っていて、きっとそのまま老いて死んでいくんだろうな。

いつだったかネットで『5億年ボタン』のコピペを読んだ時に感じた、途方もない無の中に幽閉される恐怖。

思えば俺はその中に今居るし、ついぞ抜け出すことなどなくそのまま死ぬんだろうと思う。

とりとめもなく書いてしまって終わり方もわからなくなってしまったが、一旦この辺で終わりにする。

読んでくれてありがとう。これを書くことをコミュニケーションとまでは言えないだろうが、誰かに自分気持ちを表明する経験が無さすぎて、書きあげるとともに凄いカタルシスのようなものを感じている。

  • こんなの日本中にゴマンといそうで草

  • ここぞとばかりクソバイスするブクマ達 彼らにとってはスカッとジャパン系なんだろう こういうネタで釣りができる増田はそこそこ優秀

  • とりあえず家を出た方がいいと思う 親のいう事ばっかり聞いて人生を決めるとたとえそれが成功しても、自分が決めてやった事ではないから全然うれしくないんだよね。 でも自分で決め...

  • おじさんのポコチンも太いっちゅう話

  • 実家が太くても増田に堕ちるんですね

    • 増田に書き込めてる時点で実家の太さを証明してるようなもんだぞ

  • 自分がこの増田と入れ替わったらどうするだろうか。 1000円未満でもお小遣いがあれば、とりあえず動画サービス契約して見まくるかな。 外に出る自由があるなら図書館で本読みまくる...

    • エンターテイメントっていうのは日々の労働とセット。 労働から解放されたら動画サービスも楽しめないと思う。

  • 俺もそんな感じだった。といっても増田のような色々な意味であからさまな家庭ではなく、父親は公務員、母は教員という家庭で中流家庭だったので増田のミニマム版のような環境だ。 ...

  • 昔はお金払えば私立医学部には入れたという真偽不明な話があるから 代々医者っていうのも可能だったんだろうけど今はそれも無理なんだろうな 実家が金もなければひどかった人よりは...

    • 30年前ならお金を数千万積めばMARCHレベルでも行ける私立医学部があった気がする

      • 数千万も積まなくても障害児でなければほぼ個人教授の医学部専門の小規模予備校に300万くらいかけて行かせればほぼ受かる

  • デリヘル落ちじゃなかった

  • 医者は呪い 同じように能力を超えた結果を要求され続けて潰れた医者の子はたくさんいると思う 同級生にもいた

  • よくできたネタだな 普通の家の子ならゴルゴに狙われかねないが 医者のひとり息子なら圧力少ないほうだろう

  • 俺の実家は細い。鰻の寝床なんて言われたりする。

  • 増田の文章わかりやすかった、他の人に伝えるという部分はしっかりしてるしコミュニケーションも表面の問題なのではないかと思った そこまで黙ってお金を出してくれる親ならしれっ...

  • 事実ならそのままその価値観に復讐し続けてどうぞ。 オマエにできるのはそれぐらいだよ。 再起するんだったら家から出ろ。 死ぬかも知れんがだからなんだ。 それも復讐の一部になる...

  • 兄弟がいて兄弟が医者になれば兄弟の医療法人の理事にでもなって給料をもらい続けることはできる。 もしかしたらもうすでに増田は親の医療法人の理事にでもなってて本人にはいかな...

  • 中央値で分けたら人口の半数は実家が太いんだよな

  • テメエこの野郎ォオオオオオオオオオ 気力がない?空白12年35歳職歴無し無職で派遣登録しようとして門前払いされた俺を何だと思っとるんじゃワレええええええええええええええ!!!...

  • 国語力増田が文体変えて気付かれたことないって言ってるのこういうやつだと思うんだよな 実家が太いネタがいくつかバズってるの見て 俺だって実家が太いって設定で作り話してブクマ...

    • こっくんが好きすぎて誰を見てもこっくんに見える増田だ

    • 前回(anond:20240207160520)はいきなりすぎて悪かった 最近のホッテントリだとこういうのだな ■バービーの件に関してどうしても語らなければならない諸々の事 anond:20230801140703 ■自称中...

      • 調べて書きました、のテンプレみたいなものんだからな。 読めばすぐとまでは言わないがほぼわかる。

  • そしておそらくは両親も、こうなってしまった俺をどうして良いのか、そして俺と、ひいては自分たちの過ちとどう向き合って良いのかがわかっていないんだと思う。 だから今日も変...

  • 翌日の2時までスルーされているけど、日中だと10分で5トラバぐらい自演で、2時間おきに5トラバを追加していたのになあwwwww

  • 母という呪縛娘という牢獄思い出した。 教育虐待受けてた割に精神的に親から自立できてるのはすごいな。

  • いい文章だよ 何にもしてあげられないが増田の中で光るものがあるとは思う

  • 思えば俺のちんこも太かった。    まだ子供だったが、気が付いたのは同級生と一緒にプールに行った時だった。 水着に着替えていた時に、ふと隣を見るとちんこのサイズが自分のと...

  • 日付 タイトル ブクマ数 2024-02-03 実家が太いことが人生イージーモードみたいに扱われてるけど全然そんなことない 349 2024-02-04 実家が太くて得したこと一覧 398 2...

    • そろそろチ○ポが太くて(細くて)得した話(損した話)が出てもいいな

    • いかに内容ではなく自演でブクマをするのが重要とわかるな

    • 「実家が太い」「実家が細い」というフレーズ単位じゃなく「実家」でキーワード検索したら、関連してそうな増田がもっと出てくるな

    • 一人自分語りがヒットするとほんとゴキブリみたいに湧いてくるな どんだけ自分語りしたいんだよ

  • 父親はサラリーマン、母親は専業主婦で現在はパートタイムで働いている。 父親の年収はほどほどではあるが、兄弟が3人いるので生活水準としては高くない。むしろ、日頃からスーパ...

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