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クラウン・ヴィクトリア…名前は同じでも…

フォード
01 /16 2018
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フォード・クラウン・ヴィクトリアという名前は、フォードのフルサイズカーとして長年親しまれましたが、特に80年代以降は、タクシー専用車というイメージが強かったと思います。

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このクラウン・ヴィクトリアという名前が最初に登場したのは1955年モデルで、当時のフルサイズカーの上級ブランド「フェアレーン」の最上級ブランドとして登場したもので、当時の名前は、フォード・フェアレーン・クラウン・ヴィクトリアでした。

このタイプは、2ドアハードトップのみで、ポップな色と共に、クロームで縁取りされた力強いBピラーが印象的でした。

更に限定モデルとして、スカイライナーがあり、コチラは、ルーフの前半分がアクリル製という、当時としては非常に前衛的なデザインを誇っていました。

しかし、このクラウン・ヴィクトリアがラインナップされたのは、56年までの僅か2シーズンで、その名前が復活したのは、23年後の1980年のことでした。

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当時のフルサイズカーLTDの上級グレードとして復活したのです。
この時の正式名称は、フォードLTDクラウン・ヴィクトリアでした。

当初は4ドアセダンと2ドアクーペがラインアップされていましたが、後にLTDがダウンサイズされると、クラウンビクトリアだけはそのまま残り、フォードブランド唯一のフルサイズカーとして生き残りました。

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1991年のモデルチェンジでは、既にLTDという車種が廃盤になっていたこともあり、単にフォード・クラウン・ヴィクトリアになりました。

このタイプは、同年代のシボレー・カプリスが単なるスキンチェンジであったのに対して、新型の4.6リッターV8エンジンが搭載されているところが目新しく、更にカプリスがデザインでつまづいたことから、このクラスで独占的な人気を誇る様になりました。

まあ、独占的…とは言っても、結局はタクシーやポリスカーが殆どだったのですが・・・。

デザイン的には、今から見ると、グリルレスにする等、新鮮な雰囲気にしよう…という努力の跡は見えますが…ソレが成功したとは言えませんでした。

シボレー・カプリスは、96年モデルを最後に生産中止になりますが、その後はクラウン・ヴィクトリアがタクシー、警察車両の市場を独占する様になったことから、近く生産中止の予定であったものにモデルチェンジを施し、延命を図ることになりました。

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先代のモデルと違い、ボディーパネルの大部分を、兄弟車のマーキュリー・グランドマーキスと共用するようになったのが最大の特徴で、この事からも、最早この車にデザインなど関係ない…単にコストを下げる為のモデルチェンジだったのです。

しかし…かつてはオシャレな最上級車の2ドアクーペに用いられたブランドが、金太郎飴状態で、一体何がちがうの?という程度の車の為に23年ぶりに復活し、最終的には安っぽいタクシー専用車…。

例えば日本でクラウンと言えば何時の時代も高級車、カローラと言えば、何時の時代も大衆車ですが、こうやって同じ名前でクラスがシフトするのが、アメリカではよくある事で、興味深いものですね。

例えばシボレー・ベルエアにしたって、元々シボレーの最高級車として登場したものですが、後にインパラ、カプリス等が登場し、生産中止時には、廉価版だったのです。

今日で言えば、例えばアップルのiPhoneなんかでも、古い機種が廉価版として併売されているのが、コレと似ているのかも知れません。

そう考えると、下位にシフトしたというよりも、他が上位にシフトした…と言えるのかも知れませんが…。




コメント

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No title

シボレーはビスケインなんてのもありましたよね。
当時でも判別が難しかったんじゃないでしょうか?もう単にchevyと呼ぶしかない気がします。
私も2ドアならインパラだと適当に思っていた時期がありましたが、大間違いですね。

アメ車メーカーは車名やグレード名なんて深刻に考えない。
この軽いスタンスは、私は好きですね。
Stingrayなんかも思い出したように復活する。
欧州車のようにいちいち深い意気込みで来るのではなく、軽快でサクッとした感じがどこがアメリカらしいと思います。

No title

> m0p4rさん
あの辺りの判別は、正直結構難しいですね。
まあ当時は、いろんなクラスの車が無く、シボレーといえば、あの車体だけでした。

60年代になってから、インターミディエイトやコンパクトと色々増えてきましたけど。

新しい名前を付けるには、競合他社に登録がないかを調べ上げる必要があり、非常に手間がかかります。
それ故に、自社の所有している古い名前を付ける方が安上がりなのです。

日本では、ホンダがバイクの名前を車に転用する例が時々ありますね。

No title

1955年型のクラウンヴィクトリアは日本では数が少ない。ニックネームはハチマキ。私も一度色が気に入らなくてパスしたら後出てこないので。仕方がないのでヴィクトリアのハードトップにしたことがあります。
当時は上手く買うと買った値段で売れました、私は3年乗って買った価格で業者にうれました

No title

> mer*ury*1*pさん
この年式のフォードって、正直シボレーに比べて地味な印象があるんですけど、このクラウンヴィクトリアは全く印象が違いますね。

輸入自由化前は値段が保たれたんですね…オイルショック後のアメ車の値落ちといったら・・・。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。