ポンティアック・パリジェンヌ
ポンティアック59年モデルが最初でしたが、当時のポンティアックはシボレーよりも一回り大きかったのですが、パリジェンヌはボディーサイズはシボレー・インパラと同じ小型のものに、外装や装備をアメリカのポンティアック・ボンネビルと同様にグレードアップしたものでした。
以降アメリカではボンネビル、カナダではパリジェンヌとして販売されていましたが、77年に発売された写真のタイプは、先代よりも大幅なダウンサイズを受けており、既にボンネビルとの差は無くなっていました。
尚、この世代は、唯一アメリカで販売されたパリジェンヌでもありました…というのは、82年モデルでボンネビルがインターミディエイトにダウンサイズされたものの、その後の原油価格の低下でフルサイズの売り上げが回復したことから、84年に急遽アメリカでも販売される様になったのです。
セダンの他にクーペ、ワゴンも用意されていましたが、この頃になると、本当に各ブランドの個性は薄まり、特にこのグリルなんかを見ても、オールズモビルと大差ない…という有様でした。
- オールズモビル88… 正直違う車には…
しかし、この色といい、ビニールトップといい、やはりシボレーよりもワンクラス上…という雰囲気には仕上がっています。
そして、この世代は最後にポンティアック製のエンジンが用意された事でも知られ、それ以降は全てシボレー、ビュイック等、他ブランドからの流用になりました。
この辺りは20数年前、私が初めてバンクーバーに来た当時、シボレー、オールズモビルと並んでタクシーとして使用されていましたが、既に現地の人は、あんなの皆同じ…という扱いで、既にその当時、GMのブランディングが意味をなさなくなっていたのです。
ポンティアックというブランドは、60年代にスポーティー路線に走る以前は、どちらかというと上品で女性向けというイメージのブランドでした。ボンネビルはそのスポーティー路線の走りとも言えますが、同時にこのパリジェンヌは、その名前からして旧来のイメージの名残りの様に思えますし、その名前故か、この車にスポーティーな印象はありません。