大型車に関わる様になり、必要な工具も今までと少し変わってきました。
先ずは、1/2インチの使用頻度が非常に高くなったことです。
乗用車でも、足廻りの整備なんかは1/2インチを使いますが、今まで余り1/2インチのロングラチェットの必要性を感じませんでした。
それは、1/2インチの場合、インパクトレンチの使用頻度の方が高いこと、ラチェットを使用するにしても、先ずは1/2インチのブレーカーバーで緩めた後、よりコンパクトな3/8インチラチェットで緩めた方が、遥かに軽快に作業が出来たからなのです。
ところがアメリカ製の大型車というと、兎に角アチコチに緩み止めがしてあったり、錆で回らなかったりして、ブレーカーバーで緩めてから3/8のラチェットで…という訳にも行かず、1/2インチのロングラチェットが必要になったのです。
しかし、スナップ・オンなんかだと、税込みで250ドル位はします。
流石にそこまで贅沢する気にもなれず、色々探していたのですが、そんな中で見つけたのが、このプロトJ5457Fだったのです。
プロトのラチェットというのは、正直今まで余り考えたことがありませんでした。
昔のKTCの3/8ラチェットを覚えていますか?ムダに頭が大きいアレを…実はアレ、昔のプロトのラチェットを参考に作ったものだったのです。
今の時代、あんな頭の大きいラチェットを車に使う訳には行きません。
ところがココ最近、プロトも結構新しいモデルを販売していることに気が付きました。
これはスタンレーグループに参加することで、他ブランドとの共通化が図られているからなのでしょう。
事実このラチェットは、グリップを除き、紛れもなく同じくスタンレーグループに参加したフランスのファコムそのものです。
ファコムというメーカーは、丸型ヘッドラチェットの名門で、72Tという非常に小さい動作角で有名でした。
現在はスナップ・オン等、小判型でも80Tを実現しているので、その優位性はなくなりましたが、同時に頭が巨大化したスナップ・オンに対し、非常に頭が小さいのが印象的です。
プロトというブランドは、産業用工具というニュアンスが強く、代理店でも殆どやる気の無い様な売り方しかしていません。
今回このラチェットを購入するに当たり、現物の確認すらする機会がなく、アマゾンで購入する…という、工具を買う上で、有り得ない買い方でした。
製造国に関しては、刻印はないのですが、袋にMade in Italyというラベルがあります。
値段も87.26ドル、税込みで100ドルせずに収まりました。
他によく見かける同等の製品というと、ギヤレンチ、自動車部品店Lordcoが販売しているJet、同じく部品店Napaの販売するUltra Pro等がありますが、皆値段は同じ様なものでした。
それを考えると、プロトがこの値段というのは、非常に手頃だと言えるでしょう。
因みにこのラチェットの長さは17インチです。スナップ・オンなんかだと、更に長い24インチというモノもありますが、私の関わる車両の大部分が19.5インチのタイヤを履いている関係で、その足廻りの作業となると、この17インチが具合いいということになるのです。
加筆:2018年6月18日
取り敢えず使ってみた印象として、1/2としては、物凄くコンパクトで軽いのが良いですね。
スナップ・オンのラチェットは、手元にある1/2の標準タイプでも非常に重く、持ち出すのを躊躇する感じなのですが、このタイプは、本当に3/8のロングよりも少し大き目といった感じなので、非常に取り回しが軽快で、今まで以上に1/2の使用頻度が増えそうです。
一つ心配だったのが、スナップ・オンの同じく17インチのものと比較して、柄の部分が細めなことなのですが、それでも非常にガッチリしていて問題ありませんでした。
このタイプは、前述した通り、フランスのファコムと同型なのですが、やはり定評あったファコムだけのことはありますね。
丸型ヘッドのラチェットは、安物の場合、切り替えが時に空回りしたりして煩わしいものがありますが、流石はファコムと同型だけあって、そういう事もありません。