ホンダCL350
ホンダオフロードバイクが一般的になる前、スポーツバイクをベースに、サスペンションのストロークを延長し、アップマフラーとブリッジ付きハンドルを装備して、オフロードでの走行性を向上させたモデルを「スクランブラー」と呼んでいました。
現在、スポーツバイクでラフロードを走るなんて、全く考えられないことですが、60年代の日本では、道路の殆どが砂利道であった関係で、スポーツバイクでも、ある程度のラフロードを走るのは、当たり前の事だったのです。
70年代に入ると、道路の殆どが舗装される様になり、そうなると、スポーツバイクは、より舗装路での性能を求める様になり、オフロードバイクは、よりオフロードに特化する様にねり、結果、両者全く別系統のバイクとして成長し、そんな中で、中間的な存在のスクランブラーは、消えて行く運命を辿りました。
ホンダの場合、CBはスポーツバイクで、CLがスクランブラーとしてラインナップされており、写真のCL350は、CB350ベースのスクランブラーでした。
コレも後に、より本格的なオフローダーとして登場したSL250/350にバトンタッチする形で、暫く併売された後に、生産中止になっています。
私がニュージーランドに居た当時、CB250RSと、カワサキZ550GPを持っていましたが、CB250RSの方が気に入っていました。それは、軽量である程度のオフロードにも入っていける上に、オフローダーでは無く、スポーツバイクである為、田舎のワインディングロードも、軽快に走れたからでした。
そう考えると、この手のスクランブラーも、結構あの環境には良いかも知れません。
以前、バンクーバーでCB350系を結構見かけるという話をしましたが、70年代のバイクで一番見かけるのといえば、間違いなく、このシリーズでしょう。
日本で70年代のバイクといえば、圧倒的に大型車になりますが、その多くは、80年代後半以降に北米から逆輸入されたもので、その手は現地に余り残っておらず、反面、保険料が安く、日本人に見向きもされず、現在殆ど市販されていない400ccクラスの旧車が残っていたりするのです。