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ウクライナ情勢について。

ニュース
02 /25 2022
ずっと懸念されていたロシアのウクライナ侵攻が現実の事となってしまいました。

ロシアはけしからん、プーチンをやっつけてしまえ…!とメディアはそんな論調で一杯です。当然私もロシアのやったことが正しいという気は毛頭ありませんが、ここは少し冷静になってみましょう。

先ずはこの件で、本当にロシアだけが一方的に悪いことなのでしょうか?

この件の発端は、1990年のドイツ統一に遡ります。東西を隔てていたベルリンの壁を崩壊させるに当たり、旧ソ連が出した条件が、NATOをドイツより東に拡大させない…というものでした。

ところがその後、一気に東ヨーロッパの民主化が進み、更にはソ連が崩壊したことから、旧共産圏の殆どの国が憎きロシアから距離を置き、NATOに加盟するという状況になっていったのです。

そして近年、同じく旧ソ連だったウクライナ、ジョージアといった国までNATOに加盟させよう…という動きだったのです。
ロシアとしては、ウクライナとは国境を接している上に、コレが達成することで、国境の大部分が敵対するNATOと接するというのは由々しき問題であった訳です。

更にソ連崩壊した当時、ウクライナは旧ソ連の核施設の多くを引き継ぎ、核大国となったのですが、アメリカ主導の元、核廃棄が行われ、無力化されてしまいました。

90年代以降、東欧のNATO加入が加速し、そしてロシアの経済力が増した上に、中国との関係を強固にした上で、ボケ老人のバイデンがアメリカ大統領になった。その上、世の中はコロナ騒動一色…となれば、ある意味侵攻するには丁度いいタイミングであったと言えるのかも知れません。

NATOを拡大させないという約束を反故にしたアメリカが諸悪の根源とも言えますが、東欧諸国や旧ソ連の国々の如何ともし難いロシアに対する不信感…結局身から出た錆とも言えます。

更に核廃棄を促したアメリカの責任も重大だと言えます。

要するにNATOを拡大させた張本人は、寧ろ素行の悪いロシア自身だと言えますが、アメリカが約束を守らなかったのもまた事実です。結局似た者同士の醜い喧嘩なんですよね…。

更には長年の曲りなりの平和を享受したせいで完全に腑抜けとなったNATOはアッサリと派兵しないと言ってしまい、更にはボケ老人のバイデンも派兵しないと言ってしまいました。

こうなれば、小国ウクライナが占領されるのも時間の問題でしょう。
そして、コレに味をしめたロシアは、旧共産圏に攻め入っていくのは目に見えています。

第二次大戦のキッカケとなったナチスの拡大主義に対して何ら手を打たなかった国際連盟、今起きているのは、全く同じことの様に見えて仕方有りません。



トラックのタイヤ脱落の話し

修理
02 /23 2022
この10年程、日本でトラックのタイヤが脱落する事故が増えたといいます。
そして、その殆どが左後輪に集中しているといいます。

この10年程で一体何が起こったのでしょうか?

先ずは左後輪に集中しているという所が気になります。

roadcrown.jpg

道路の断面
道路というものは、センターラーンが一番高く、それを頂点に左右になだらかに下がった「かまぼこ型」になっています。

左後輪に負荷が集中
左側通行の日本では、そのかまぼこ型の左側を走行するのですが、そうなると、自ずと右側よりも左側に多くの荷重が掛かることになります。

そして右左折する時は、操舵する前輪に比べ、真っ直ぐ向いたままの後輪の方がより負担が掛かることになります。

更に左側通行の日本では、左折時、右折に比べて急なカーブを曲がることになるので、やはり左後輪が一番負担の掛かる場所であることは確かなのです。

この事は車が出来てから全く変わっていない事なのに、何故この10年、しかも大型車に限って騒がれる様になったのでしょうか?

ISO規格への変更
一つはホイールを取り付けるネジの規格に変更があったこが挙げられます。
以前の日本の大型車では、JIS規格で右側は通常の右ネジなのですが、左側は左ネジ、つまり逆ネジになっていたのです。これは、左回転する左輪に対して、左ネジを使うことで、車輪の回転がネジを「締める」方向に作用することから、脱落を防げたのです。

ところが2010年頃から、国際規格のISOを採用したことで、左側も通常の右ネジに変更されてしまったのです。
左回転する左輪に右ネジだと、ネジが緩む方向に作用する…これが脱落の原因の一つになっているのです。

右側通行の国では?
だったら右側通行の国では問題にならないのか?と思いますよね?

そこで先程の道路の断面の話しを思い出してみましょう!
右側通行だと、日本とは逆に右側により多くの荷重がかかる事になり、更により短い半径でカーブを通る右後輪に一番負担がかかるのは同じことです。

ところが、重要なのは、これが「右側」だということです。
右輪は当然右回転しますが、右回転に対して右ネジなので、コレは締まる方向に作用するのです!

なので、仮に同じ車両を使用したとしても、これは左側通行故に起こる出来事とも言えるのです。

整備不良?
しかし、メーカーに言わせると、しっかりネジが締まっていたら、そんな事は有り得ない!と反論します。
当然コレも事実なのです。

結局何か?というと、従来の左ネジは、整備不良に対して寛容な規格であったとも言えるのです。
特にトラックのダブルタイヤというものは、結構デリケートなもので、組み合わせる2つのホイールの接触面に錆や汚れが有ったりしても、緩みの原因になったりするのです。

なので、タイヤを取り外した時は、その周辺の清掃は欠かせないのですが、その辺もいい加減、更には締め付けトルクの管理もいい加減…こういうい整備不良が重なると、現在のISO規格だと緩みに発展するのです。

ご存知の様に、現在の運輸業界では、過度なコストダウンの要求から、整備不良、過積載が日常化しているのは誰もが知っていることです。JIS規格は、そういう業界の悪しき伝統に即した規格であった…といえるのかも知れません。

特にダブルタイヤの場合、タイヤ取付時に規定トルクで締め付けた上に、数百キロ走行後に増し締めするのが望ましいのですが、今の日本の現状では、そういう手間暇を掛ける訳には行かない様ですね…。

だったら何故JIS規格を国内向けに採用出来ないのでしょうか?左側だけスタッドボルトを別にすれば良いだけなのですから、大したコストアップになるとも思えないのですがね・・・。

結局は運輸業界の体質
しかし、だからと言ってJIS規格の復活が根本的解決になる訳じゃありません。やはり必要な所に金を掛けられない業界の体質そのものが問題なのですから。

仕事単価の安さ、人手不足も加わって、過積載は当たり前、整備に掛ける金も時間も無いという状況を改善する妙案は無く、残念ながら解決には程遠い状況にあると言わざるを得ません。


ヒュンダイ・グレンジャー…ピストンが飛び出してボンネットを突き破る!!!

輸入車、他・・・
02 /11 2022
”ヒュンダイ・グレンジャーのエンジンのピストンがボンネットを突き破って飛び出した!!!”
”韓国の車なんか怖くて買えない”

こんな話を耳にした人は多いかと思います。
慰安婦や竹島問題まで一緒くたにして韓国を馬鹿にするのがお決まりのパターンです。

ですが、ここでは少し冷静になって、公平な目で見て行きたいと思います。

エンジン断面図

先ずはこれがエンジン(V8)の断面図です。ヒュンダイ・グレンジャーのものではありませんが、構造的には同じです。

グリーンの矢印で示した4つ(反対側にも4つあるので、トータルで8個)が、その飛び出したというピストンです。

そして、その上にあるグリーンの◯で囲った巨大なものがシリンダヘッド、そしてインテークマニフォルドです。

この構造でピストンが飛び出す…となると、先ずは上にあるシリンダヘッドとインテークを全部ふっ飛ばさないといけません。シリンダヘッド自体、非常に強い力で締め付けられているものですし、重量的にも結構重いものです。しかもグレンジャーはV6エンジン…つまり、シリンダヘッドも2つ有るので、シリンダヘッドが一つである直列4気筒なんかに比べても、シリンダヘッドを吹き飛ばすのは相当な力が必要で、残念がら燃焼室の爆発程度で何とかなるモノではありません。

更にピストン自体、ピストンピンとコネクティングロッドによってクランクシャフトに取り付けられているので、簡単に吹き飛ぶものではありませんし、仮に吹き飛んだとしても、シリンダヘッド2つを吹き飛ばす程の力があるとも思えません。

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更に証拠写真として出てくるのがコレです。

1、2番目の写真は、クランクケースを突き破った写真ですが、まあコレは無いとは言えませんが、大体コレエンジンの下部ですし、ピストンなんかも飛び出していませんし。

仮にシリンダの真横を突き破ったとしたって、最悪ピストンの破片が落ちることはあっても、ピストンが飛び出してボンネットを突き破るなんてことは有り得ません。

3番目の写真は火災のものですが、確かに酷いオイル漏れが原因で火災になることは有るにしても、写真で見た限り、エンジンの原型を留めていますし、ピストン飛び出しが起こっていないのは明白です。

こうやって理論的に見ていっても、全く有り得ない話しでしか無いのです。

恐らく噂に尾びれが付いてひろまったのか、それともメーカーを訴えた人物が有る事無い事言ったのかは知りませんが、あまりこんな話を真に受けて口外しない方が良いですね。

ネット時代になってから、様々な情報が身近で手に入る様になりましたが、同時にこうやってゴミのような情報もまことしやかに流通しているものなのです。仮に事実なら、是非その写真を見てみたいものです。

そして、こんな記事を書くと在日認定された上にバ◯呼ばわりされるのが今の日本のネット社会なんですよね・・・。
我々の世代は中学校の技術の時間にエンジンの構造を勉強したので、こんなの有り得ないと分かるのですが、今の若い世代はエンジンなんて見たことも無い人が殆どで、そういう人たちが騙されるのでしょう。

[追記]
似たような話しで、昔、ニッサン・チェリーで「衝突時にフライホイールが運転席を直撃する」という話しが有った様です。

先ずニッサン・チェリーは当時珍しい横置きのFFでしたが、それで衝突時にフライホイールが運転席を直撃する…となると、先ずはトランスミッションが完全に脱落する必要がありますが、当時主流のマニュアルのトランスミッションが、仮にボルト全部吹き飛んだとしても、そんなに簡単に脱落するとは思えません。

更にクランクシャフトにボルト止めされたフライホイールが吹っ飛ぶなんて、常識的に考えて有り得ません。

まあ敢えて言えば、フロントが潰れてトランスミッションが運転席にめり込んだ…というのは十分に有り得る話しですけど。

若い人だから・・・と思ったら、こんな昔から、こんな与太話を信じる人が居たんですね…。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して17年目、近年はインターナショナル、フレートライナーといった大型車の整備を始め、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。