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ビュイック・リエッタ 勘違いな高級車 Buick Reatta

ビュイック
11 /29 2010
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まあまあ、バランスの良いスタイルではあるものの、手作りの高級車という風格は、残念ながらありません。


ビュイック・リエッタは、88年に登場したビュイック唯一の2シーターでした。
80年代のGMは、ダウンサイジングの他にも、顧客の高齢化という深刻な問題も抱えていました。かつては若者にも絶大の人気を誇ったキャデラックやビュイックは、最早若者には見向きもされず、高齢者向けの車になってしまっていたのです。

そして、その頃、急速に売り上げを伸ばしていたのが、BMWやメルセデスといった、ヨーロッパ製の高級車でした。その中でも、特にメルセデスのSL系は、アメリカとは一味違う高級クーペとして、ヤング・エグゼクティブを中心に人気を得ていたのは、見逃すわけには行きませんでした。

そんな中で登場したのが、このビュイック・リエッタでした。グリルレスで、リトラクタブルライトを装備したクリーンなスタイルは、ニッサン240SX(輸出版シルビア)か何かを思わせるものがありました。

そのシャシーは、当時のGM製高級クーペのキャデラック・エルドラード、ビュイック・リビエラ、オールズモビル・トロナード3兄弟のEボディーを短縮したものに、ビュイックの3.8リッターV6エンジンを搭載していました。

この車の最大の特徴は・・・・実は、このボディースタイルに有るのです。アメリカの自動車産業といえば、大量生産の先駆者でもあり、それはキャデラックやリンカーンの高級車も例外ではありませんでした。
ところが、この車の場合、大規模なベルトコンベアーを使用せずに、手作業で組み立てられていたのです。

コレは同じ頃に登場した、キャデラック・アランテもそうなのですが、どうも、当時のGMは、高級というものを履き違えていた様です。

80年代当時のGMは、地に落ちたキャデラックやビュイックの高級イメージを何とかしようと懸命になっていたのですが、その解決策として、ロールス・ロイスを真似しようとしたのか、手作りボディーであったり、キャデラック・アランテの様に、イタリアのピニンファリーナでボディーを作り、アメリカまで空輸する・・・などという馬鹿げた事に大金を無駄にしていたのです。

高級車に必要なのは、「魅力的なスタイル」、「パフォーマンス」、「信頼性」、「アフターサービス」の4項目で、それさえしっかりしていれば、手作りだろうが、大量生産だろうが、そんな事はどうでも良いのです。

前述の4項目の全てを蔑ろにして、自己満足の高級に大金を費やしていても、そんな物に顧客が付いてくる訳が無いのですが、GMの官僚主義の中では、そんな声はかき消されてしまうのでしょう。

そして、最初はスポーティーカーとして企画されていたものが、結局エンジンは既製のビュイックのソレと何ら変わることも無く、正に全てが中途半端のままに終わってしまいました。
後に、コンバーチブルを追加したものの、特に人気が出ることも有りませんでした。

一つこの車を肯定するとしたら、特にこの車のリア周りのデザインは、後のマツダ「ユーノス・コスモ」に少なからず影響を与えているのでは?ということでしょう。

《加筆》
試しに、真横から見た写真に加工を加えてみました。
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こちらがオリジナル

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こちらは、ルーフラインを延長し、リアガラスを後退させた他、前輪を前方に移動させてあります。

こうやって見ると、このデザインの最大の問題点は、FFゆえのフロントオーバーハングの長さだったのかも知れません。

まあ、それでも大したデザインでは無いのですが・・・。

雪のバンクーバー

カナダ情勢
11 /26 2010
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バンクーバーは、カナダの中で最も温暖な都市の一つで、今年の初頭、全く雪が降らずに、オリンピックを開催するのに支障をきたす程でした。

それが一転して、今年は荒れた冬になるということで、先週の初雪以降、氷点下の気温が続き、ずっと雪が残ったままの状態でした。

普通バンクーバーでは、仮に雪が降っても、雨で直ぐに洗い流される感じなのですが、これだけ晴天=低気温が続くのは、珍しい様な気がします。そして、今日再び雪が降ったのですが、むしろ晴れているよりも気温は高くなっています。

流石に交通機関は「若干」遅れ気味なのですが、それでも必要にして十分な量は確保されている様です。
昨日は部分的に停電もありましたが、比較的スムーズに解決しました。

こんな話しをすると、物凄く寒い感じがしますが、それでも普通に歩き回ることが出来るのは、風が無いので、東京ほど寒さを感じないこと、電気代が比較的安く、セントラルヒーティングが普及していること、都市部では、アチコチが地下で連結されていて、比較的歩き易く出来ていることとも関係あると思います。

どちらにしても、日本の冬よりは、遥かに楽という印象があります。


GMの「似て非なるもの」 HUMMER Saab

GM
11 /23 2010
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ハマーH1 軍用車をベースとしているだけあり、圧倒的な走破性を備えています。

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GMによる買収後に発売されたH2は、形が似ているだけで、軍用車とは、なんら関連は有りません。


本当に久しぶりにハマーH1を見かけました。
ハマーとは、元々軍用車の専門メーカーAMジェネラル社が製造する軍用車HMMWV=High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicleを市販化したものですが、後に、その市販車部門をGMが買収し、GMの一部門として組み込またものです。

軍用車をベースにしたこのH1は、高い車高に、4.68mの全長に対して、全幅2.19mと非常に幅広く、平べったいボディーが特徴的でした。
後にGMは、より一般的なシボレー・タホをベースとしたH2、同じくシボレー・コロラドをベースとした、更にコンパクトなH3を主流に切り替え、H1は随分と前に生産中止になっています。

現在でもH1のベースとなった軍用車HMMWVは、AMジェネラル社によって生産されていますが、市販車であるハマー自身は、既に「似て非なるもの」になって久しいのです。

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旧サーブ900 前後逆に搭載されたエンジン、FF、ターボと、大変個性的な車でした。

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サーブ9-5 雰囲気は似ていても、オペル・ベクトラの兄弟車でしかありません。


次に紹介するのがサーブです。
元々スウェーデンの航空機メーカーから発展したサーブが自動車産業に参入したのは、戦後のことでした。FFやターボといった個性的なメカニズムで知られていましたが、コレも90年代に入ると、GMグループに参加することになり、親会社の航空会社から切り離されてしまいました。

そして、ソコで待っていたのが、ハマーと同じく「似て非なるもの」化でした。
シャシーを同じくGMの子会社オペルの中型車「ベクトラ」から拝借することで、このメーカーも事実上、独自技術を失うことになってしまったのです。

リーマンショックに端を発した今回の不況で、GMが破綻に追いやられたのに対して、フォードは政府の手を借りること無く、自力で頑張っていますが、その背景には、それまで所有していた数々のブランドの売却があった事を忘れてはいけません。

かつて、フォードには「プレミアム・オートモーティブ・グループ」と呼ばれる部門があり、自前のリンカーン、マーキュリーの他にも、アストン・マーティン、ランドローバー、ボルボ、ジャガーといったヨーロッパの高級ブランドを多数所有していおり、それらを上手く売却できたことが、同社の経営を大いに助けたのです。
とは言っても、ジャガーの様に当初の買収額の半額になってしまった例もありますが・・・。

そして、忘れてはいけないのが、フォードの場合、それぞれのブランドを、比較的自由にやらせることで、格ブランドが独自性を保っていたこと・・・この事こそが、今回、明暗を分けたと言っても過言ではないでしょう。

対してGMの場合、様々なブランドを売却しようとしたものの、サッパリ上手く行きませんでした。
オペルやヴォグスホールは、売却を断念し、何とか自力再生を行う様ですが、サーブの売却も迷走し、サターンは交渉決裂~閉鎖、ハマーも交渉決裂で、閉鎖も決まっています。

先ず、どのブランドも、イマイチ「プレステージ性」に欠けていたことはありますが、やはり最大の問題は、無理な
車体の共用化により、車としての魅力に欠けていたこと、そして、その共用化により、それぞれの部門が事実上開発力を失ってしまったこと・・・・正にコレに尽きると思います。

「似て非なるもの」の大量量産は、結局多くのブランドの運命を暗転させるばかりで無く、自らの首をも絞める結果になってしまったのです。

景色の中の車のデザイン対決  キャデラック vs スバル

カーデザイン スタジオ
11 /21 2010
10月31日の記事に於いて、北米の景色には、昔ながらのアメリカ車が似合うという話しをしましたが、同じ場所に於いて、2種類の車を置いて、撮影してみました。

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90年代初頭のキャデラック・セダン・ド・ヴィル

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先代のスバル・アウトバック

撮影場所は、バンクーバーでも古典的な街並みの残るガスタウンです。

色の違い、光線具合、車の停車位置云々は抜きにしても、やはり理屈抜きにキャデラックの方が街の空気に溶け込んでいるのではないでしょうか?

残念ながら、現在のバンクーバーでは、下の様な写真を避けて通れない状況になっています。


NY次世代タクシーは箱型 日産も候補、選考大詰め

ニュース
11 /20 2010

NY次世代タクシーは箱型 日産も候補、選考大詰め

2010年11月20日 15:19 カテゴリー:アジア・世界
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20101120/201011200010_001.jpg
日産自動車がニューヨークのタクシー用に設計したモデル(ロイター=共同)
 【ニューヨーク共同】黄色い塗装で「イエローキャブ」の愛称で知られるニューヨークのタクシーの次世代車種選考が大詰めを迎え、20日までに日産自動車などの3モデルが最終選考に残った。
 いずれも車高が高く、箱型のミニバンタイプ。現在は米フォード・モーターの大型セダンが中心だが、新車種への切り替えが順次進む見通し。ニューヨークの顔とも言えるイエローキャブのイメージが様変わりしそうだ。
 ニューヨークのタクシーは市とタクシー・リムジン協議会が選んだ車種を導入する仕組み。今回は初めて各社がイエローキャブ専用に設計。7件の応募の中から、日産のほか、フォードとトルコの自動車メーカー、カルサンが残った。
 AP通信によると、協議会のヤスキー委員長は日産の提案について、車内空間が広いほか、最終的には「全面的な電気自動車化」を視野に入れているなどとして、環境面への配慮を特に評価した。
 フォードは現在の主力車種「クラウンビクトリア」で信頼があり、カルサンはデザインや車いすで乗り降りできる点などが良いとしている。



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このアングルで、ニッサンだったら・・・・考えたくないです・・・・。

以前の記事で、日本車の増加と、アメリカ車の無国籍化の結果、アメリカの景色が魅力的でなくなった・・・・ということを述べましたが、またしても・・・・です。

ニューヨークと言えばイエローキャブ・・・・あの景色には、誰が何と言おうと、巨大なアメリカ製フルサイズカーが似合うのです。
かつて、少数ですが、ホンダ・オデッセイを投入したことがありましたが、維持費の高さから、長続きしませんでした。

タクシーという乗り物は、一般的に街中を走り回るのがメインで、後は精々空港までの往復・・・・こんな利用方法を考えると、フルサイズカーである必然性は余り無く、しかも大きさの割りに積載性も良くないクラウン・ビクトリアよりも、より経済的な車に切り替えるというのは、ある意味仕方が無い流れなのかも知れませんが・・・。

2012年までに全ての車両を入れ替えるということですが、そうなると、ニューヨークの景色も随分と様変わりすることでしょう。せめてフォードに頑張って欲しいものですが、フォードの何が候補に挙がっているのでしょう?

初雪のバンクーバー

カナダ情勢
11 /20 2010
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昨日、私が帰宅する時、雨が降っていました。バンクーバーとしては、比較的強めの雨だったのですが、それが夜中には雪に変わりました。
今朝の気温は1度・・・・東京辺りで1度というと、途轍もない寒さで、とても外に出る気もしませんが、バンクーバーでは、風が無いせいか、あまり寒さを感じることも無く、夕方、海沿いを散歩して来ました。

向こう岸のノースバンクーバーの山々が雪に覆われています。

バンクーバーでは、ノースバンクーバーで雪ならば、バンクーバーでは雨、空港、そしてアメリカ国境に近いサレー、デルタでは曇り・・・・という風に言われています。

以前カナダに滞在していた時は、家も仕事もノースバンクーバーだったせいか、随分と雨の多い印象がありましたが、今はバンクーバーに居るせいか、大して雨が多いという印象も有りません。

今の所、雨が多い・・・・と悪名高いバンクーバーの冬も、比較的快適に過ごしています。

ニュージーランドとの最大の違いは、家の作りがしっかりしている上に、セントラルヒーティングのお陰で、家の中が暖かいことでしょう。

何時もコメントを頂いているmonashee61さんの所は、如何だったでしょうか?コチラは、もう完全に雪は無くなりましたが、今夜どうなることやら・・・。

復活期待で35ドル…GMがNY市場などに上場

ニュース
11 /20 2010

復活期待で35ドル…GMがNY市場などに上場

読売新聞 11月19日(金)0時47分配信
 【ロサンゼルス=小谷野太郎】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は18日、ニューヨーク証券取引所とカナダのトロント証券取引所に株式を上場した。

2009年6月の経営破綻(はたん)から、1年5か月での株式市場への復帰となる。ニューヨーク市場の初値は、売り出し価格の33ドルを6%上回る35ドルをつけ、投資家の「GM復活」への期待を裏付ける滑り出しとなった。

GMのダニエル・アカーソン最高経営責任者(CEO)は同日、米CNBCテレビで、「市場が落ち込んでも利益を出せる」と述べ、今後の経営に自信を示した。
最終更新:11月19日(金)0時47分
読売新聞
 



この記事を書いた者は、少しでも自分の足で取材をしたのでしょうか?
今のGMの何処に、「復活」を期待させる要素が有ると言うのでしょうか?
相変らず車は売れていないし、ただ強引にアメリカ政府が再上場しただけの話しなのですが・・・。
目立つのはシボレー・ボルト位で、コレだって技術的には目新しい物ではありません。そして、それ以外の車は、
大型車はホールデン・コモドア、中型車はオペル・ベクトラ、小型車はデーウと、軒並み開発を丸投げしているのですが、長年のブランクから、開発力は大丈夫なのでしょうか?
本当に「株価」の様な数字でしか物事を図れないメディアの多さには、辟易します。

米国市場で輝きを失うトヨタとホンダ

ニュース
11 /16 2010

米国市場で輝きを失うトヨタとホンダ

ウォール・ストリート・ジャーナル 11月16日(火)10時55分配信
過去30年間、日本の自動車メーカー、トヨタとホンダは、ほぼ一直線の成長を遂げてきた。米国で工場を建設し、車種を増やし、常に業界の品質基準の双璧と評価され、シェアを拡大し続けてきた。

だが今年初めのトヨタのリコール問題の発生や、競合メーカーとの品質格差の縮小などにより、日本勢の長い独走態勢はどうやら終わりを迎えつつあるようだ。

この2カ月間、ホンダとトヨタの販売台数は頭打ちとなり、米国市場でのシェアも減少した。米調査会社オートデータによると、今年1~10月にかけてトヨタのシェアは1.5ポイント減の15.2%、ホンダは0.6ポイント減の10.6%となった。

前回トヨタとホンダの市場シェアが伸び悩んだのは1998年だ。スポーツ用多目的車(SUV)ブームを背景に、トヨタは横ばいの8.7%、ホンダは0.1ポイント減の6.4%だった。その後、両社とも成長を再開している。

ニュージャージー州バインランドで自動車販売グループを経営するラリー・カル氏は、本紙との電話インタビューでリコールがトヨタ車の売り上げに響いたことは明らかだと語った。

同氏は、「以前ならトヨタのモデルを検討していた人が、最近は、以前と同じ水準なら検討しなくなっている可能性がある」とつけ加えた。

トヨタの役員は韓国の現代自動車の急成長が気がかりであることを認めている。現代自動車が新たに設計した中型セダン「ソナタ」はトヨタの「カムリ」やホンダの「アコード」から売り上げを奪っている。

トヨタとホンダは今週開催されるロサンゼルス・オートショーで、久しぶりに業界の話題をさらいたいと考えている。トヨタは同社の小型SUV「RAV4 」の電気自動車(EV)版、「RAV4 EV」を出展する。RAV4 EVは、今年初めにトヨタとの業務提携を発表した米電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズ製の電池パックとモーターを搭載している。ホンダもEVの試作車を初公開する予定。今回両社が発表するEVは、カリフォルニア州でゼロエミッション車規制が導入される2012年に発売の予定だ。

EVは米国市場で生じたシフトを反映している。ほんの数年前、トヨタはハイブリッド車「プリウス」の省燃費技術で明らかに他社を凌駕する立場にあった。ホンダは燃料電池EV、「FCXクラリティ」を投入するなど、ハイブリッド分野でトヨタを追撃する企業の1つとみなされていた。

だが現在は両社ともに米国でブームとなっているEVでは後れをとっている。日産自動車の「リーフ」とゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」は、来月にも、トヨタ、ホンダに先駆けて販売が始まる。

ロサンゼルスのオートショー会場には、両社にとってさらに差し迫った脅威が待ち受けている。現代自動車がオートショーで正式発表する新型コンパクトセダン「エラントラ」だ。エラントラはホンダのシビックや、トヨタのカローラを超える低燃費車ながら、販売価格を1500ドル程度抑えている。

トヨタの北米地区・品質管理責任者スティーブ・セント・アンジェロ氏は、本紙とのインタビューで、同社が過去よりも厳しい競争に直面していることを認め、「これまでのような勢いは見込めないだろうが、それでもわれわれは成長を続けていく」と語った。



全く何でしょう?この記事・・・・やっぱりアメリカって言う国は、ほんの数ヶ月のシェアの増減ばかりを気にして、長期的な計画という概念の無い国なのかも知れません。

そして、まだ始まってもいない電気自動車の競争に乗り遅れている・・・・ですか・・・・。記事からは、如何にもシボレー・ボルトが凄い車の様に読み取れますが、実はアレはハイブリッドの中でも、最も原始的かつシンプルなシステムで、トヨタやホンダにとって、全く訳無いレベルの技術なのですが・・・。

景気停滞、モデルチェンジのタイミング等で、ある程度シェアが上下するのは、誤差の範囲内なのです。

ヒュンダイの何かを知らずに、ただ安い事を驚異の様に語るのも、アメリカメディアの常套句です。買う時の1500ドルの差など、下取り時に完全に逆転するのは、誰もが知っていることです。

何かとゴタゴタ言っていますが、トヨタとホンダだけで、アメリカで26パーセントものシェアが取れている・・・コレは凄いことなのです。

全く、こんなメディアを相手にしていれば、アメリカの自動車産業も、さぞかし仕事がやり難いことでしょう。
電気自動車=偉い、ハイブリッド=先進・・・こんな報道には、本当に嫌気が差します。



ホンダ「シビック」国内販売終了へ 約40年の歴史に幕

ニュース
11 /16 2010
ホンダが乗用車「シビック」の国内販売を現行車で打ち切る方針であることが15日、分かった。ハイブリッド車(HV)である「シビック ハイブリッド」の国内生産を12月に打ち切り、在庫がなくなった段階で国内販売を取りやめる。北米など海外市場での販売は継続する。ホンダの四輪車事業のシンボル的な存在だったシビックだが、国内では約40年で幕を閉じる。

[フォト] 懐かしい…1972年発売の初代シビックはこんなデザインだった

すでに4ドアセダンのスポーツ車「シビック タイプR」(2000cc)の生産は8月末で終了している。ホンダは一時、来年のモデルチェンジを機に国内での販売はHVに絞り、ガソリン車は扱わない方向で検討していた。ただ、10月に発売した「フィットHV」の販売が好調で、国内市場でシビックの販売を継続する意味が薄れていた。

シビックの発売は1972年。日米で大ヒットし、それまでは二輪車中心のメーカーだったホンダの四輪車事業を、飛躍的に発展させる原動力となった。国内の累計販売は、ホンダの車種では最も多い約300万台に達する。ただ、最近は小型車「フィット」に人気が移り、昨年の国内販売はフィットの約15万7千台に対し、シビックは約9千台に落ち込んでいた。


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5代目シビック・ハッチバック。長いボンネット、傾斜のきついフロントガラス、低い上に後方に向かって大きく傾斜したルーフライン、寝そべった様なドライビングポジション・・・・パッケージングの基本を踏み外したデザインでした。

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3代目VWゴルフ。起き上がったフロントガラス、アップライドで快適なドライビングポジション、高く取られたルーフライン、高目のリアシート、実用性の高い荷物室・・・正に理想的なパッケージングと言えます。


遂に来る時が来た・・・・こんな思いがします。
シビックの人気低迷の理由が、「フィットに取って変われれた」というのが定説になっていますが、本当にそうなのでしょうか?

では逆に、何故フィットが人気があるのか?
それは、リーズナブルな価格で、コンパクトで実用性に優れているから・・・・要するに初期のシビックの人気と同じ理由なのです。

それに比較すると、シビックはどうでしょうか?

私が思うに、シビックが迷走を始めたのは、バブル崩壊後の91年に発売された5代目からだと見ています。

元々小型ハッチバックとして登場したシビックは、スポーティーなスタイルのハッチバックに、極めて平凡なスタイルのセダンという関係が長く続きましたが、5代目では、セダンも充分に魅力的なスタイルになった反面、ハッチバックの方は、ほぼ実用性を無視した、クーペの様なスタイルになってしまい、後部座席も狭く、荷物も載らない車で、フロントシートを倒して、ふんぞり返って乗るという、根本的に間違ったパッケージングを採用していました。

次期モデルでは、ハッチバックは若干改良されたものの、それはボディーサイズを拡大したからで、根本的な対策が打たれた訳では有りませんでした。
少なくとも、同時代のVWゴルフや、プジョー205辺りと比較すると、そのパッケージングは全く話にならないレベルのもので、小型ハッチバックの本場ヨーロッパでは、全く通用しないものでした。

反面セダンは、余りに無個性なデザインで、コレも北米ではともかく、日本では支持されませんでした。

更に次のモデルでは、何を考えたのか、ハッチバックを「ミニバン」にしてしまい、同じくセダンは無個性そのもののスタイルで、後に登場するフィットのお陰で、更に人気が低迷する様になりました。

そして現行モデルでは、日本でハッチバックは無理・・・・との判断から、4ドアセダンのみの発売になりました。

地味すぎるセダンのデザインに、「ハッチバック」を疎かにし続けたことが、シビックの低迷の歴史でもあると言えるでしょう。
ハッチバックが不人気と言いながら、フィットが大ヒットしている事、VWゴルフの安定した人気を見ると、ハッチバックに対して、もう少し真面目に取り組むべきだったことは、誰にでも分かります。

今や欧州向けハッチバックはイギリスで生産され、アメリカ市場重視のセダンはアメリカで生産されるとなると、日本で生産する意味が無くなってしまったのでしょう。

伝統あるブランドが消滅する時、たいてい「市場が変わった」という理由を耳にするのですが、大抵の場合、イマイチ本気で作っていないことが明確だったりします。

ホンダというメーカーは、昔から北米偏重が目立つメーカーで、特にヨーロッパでは、決して人気が有るとは言えません。それは、シビッククラスの車が、明らかに現地の車に比べて高価な上に、しかも実用性で劣るからなのではないでしょうか?

フォードGT Ford GT

フォード
11 /11 2010
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フォードGT40は、60年代にル・マン24時間耐久等で活躍したレーシングカーで、アメリカ車で唯一ル・マンを制した車でもあります。

そして、フォードの100周年記念として限定生産されたのが、今回取り上げる「フォードGT」です。

縦置きの5.4リッターV8エンジンをミッドシップに置き、その後ろにトランスミッションを配置するという、フェラーリと同等のレイアウトを採用した、正にアメリカ製スーパーカーです。

この車・・・車高が1130mmと極端に低いせいか、それ程大きく見えないのですが、全長4.64、全幅1.95mと大変巨大な車で、車重も1581kgと、マスタングのV8と同じ位有るのは、今日の安全基準では、致し方ないのでしょうが、550馬力という途方も無い馬力からも、凄まじい走りであることは、充分に想像が付きます。

2年間の間にトータル4028台の少量生産で、価格も15万ドルと、正にスーパーカーと言える作りでした。

そして、注目したいのは、このデザインでしょう。
私は常にマスタングやカマロのレトロデザインを批判していますが、この車に関しては、正に60年代のオリジナルそのままといっていいスタイルで、大変バランスの良いものだと思います。

現在の保安基準を考慮した上で、60年代のレーシングカーのスタイルを市販車にそのまま取り入れたというのは、正に前代未聞なのではないでしょうか?しかも只でさえ難しいミッドシップのデザインなのですから・・・。

それにしても、こんな車をバンクーバーで見れる様になるとは・・・本当に豊かになったものです。

因みに、この車の正式名称は「フォードGT」で、60年代のレーサーの方が「GT40」とは区別されています。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。