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インターナショナル 電気系の故障診断・電動ドア不動!

修理
11 /24 2023
international bus

インターナショナルのバスも歳を重ね、パンデミック前と比べて何かとトラブルが増えてきました。
先日苦労したのが、パッセンジャー用の電動ドアが開閉できなくなったものです。

たかが電動ドアとは言っても、電気で開閉するだけでなく、スイッチを押し続けることなく、一度押せば、自動的に動き、そして全開時、全閉時に自動的に電気が切られる様になっているので、こんなモノでもコンピューター制御になっているのです。

ドア・コントロール・モジュール

先ずはドアの上にあるドア・コントロール・モジュールですが、運転席にあるボディ・コントロール・モジュールから発せられた開閉の信号を受け、モーターを駆動し、そして停止させる為のものです。

白いカプラーの黄色い配線が「開」、白が配線が「閉」の為のもので、スイッチを操作すると、それぞれ電圧が確認できました。ところが、モーターにつながる黒い2本の配線からは全く電圧が確認できないことから、先ずはこのモジュールの不良、若しくは、全開時、全閉時に回路を切断するマイクロスイッチの不良を疑いました。

先ずはマイクロスイッチですが、ちゃんと作動していることが確認できました。
だったらモジュールか?と思い、取り敢えず同型車と交換してみましたが、変化なし。

そこで、今度は単に電圧の有無だけでなく、スイッチのオンオフで、どの様な電圧の変化が発生しているのかを正確に調べました。

黄色い配線では、 オン:11V、 オフ:4V となっていました。
白い配線では、オン:11V、 オフが10Vとなっていました。

共に同じ仕事をしているのに、白い方が何もしない時に10Vもあるのは、明らかに変でした。

この白い配線は、黄色と共にボディ・コントロール・モジュールに繋がっているので、その事を考えると、ボディ・コントロール・モジュールに問題があることが考えられます。

そこで、同型車とボディ・コントロール・モジュールを交換してみたものの・・・全く変化は見られませんでした。

更に、その同型車でも電圧の測定を行い、開閉時共に オン:11V、オフ:4vであることを確認しました。

これ以上一体どこに手を付ければ良いのか・・・?コレには悩みましたが、常に高い電圧が有るということは、何処かで配線がショートしているのではないか?と考えました。コレは最悪火災の原因にもなり得るので、放置する訳には行きません。

そこで、この白い配線をボディ・コントロール・モジュールの近くと、ドア・コントロール・モジュールの近くで切断し、両者を新しい配線で繋いでみたところ・・・予想した通り、ドアがちゃんと開閉しました!

電圧を確認しても、オン:11V、 オフ:4V となっていました!

そして、古い配線を点検すると・・・両端を切断されたにも関わらず、相変わらず10Vの電圧があるのです!

コレは間違いなく何処かでショートしていると思い、出来る限りワイヤーハーネスを剥いて、点検してみたものの、特におかしい部分は見つかりませんでした。

IMG_7255.jpg
 - このカプラーを切り離すと・・・異常無くドアが開閉します。

更にハーネスをひん剥いて調べると、ドアの上のドア・コントロール・モジュールの近くで、白い配線が二股に分かれているのが確認できました。その一方がドア・コントロール・モジュールに行き、そのもう一方は、写真のカプラーを介して、更に配線が伸びています。

コレは一体何なんだろう?と思いながら、取り敢えずそのカプラーを切り離してみましたが、特に異常無く、ドアが開閉します。

今度は先に切断した配線を元に戻してテストしてみると・・・驚いたことに、ドアがちゃんと開閉します!

じゃあ、このもう一本の配線は何なんだ?と思って更に追ってみると、どうやら下の方に行っている様です。そして、その先にあるのは・・・外側にある、ドア開閉用のキーシリンダなのです!

外側のキーシリンダ

カプラーを外した状態では、そのキーシリンダで開閉出来ず、繋いだ状態では、開閉可能でした。

要するに、問題はこのキーシリンダだったのです!
内部の接点がおかしくなって常に閉じる側に微妙に電気が流れていた為に、開けることが出来なかったという訳です。そしてキーをガチャガチャやっているウチに直った様です。

配線図
 -  こんな配線図しか無いのです・・・

全く・・・これだけ大々的に配線を追った挙句が、こんな単純なトラブルだったとは・・・。
私たちの手元にある配線図にも、このキーシリンダのことは全く言及されていませんし、このキーシリンダは、車体によって有ったり無かったりなので、存在自体も忘れていた位でした。

バスの修理の難しさは、ボディの製作者がメーカーとは違うことで、十分な配線図やマニュアルが無いことなのです。更に我々の所有している車体は、ボディを製作した架装業車がすでに廃業していることも、より一層物事を困難にしています。

こんな配線図で一体何をしろって言うんでしょうねぇ・・・。

因みに古いキーシリンダでも、普通に開閉するものの、時々なんの前触れも無く自動でドアが開閉していたので、交換したところ、完全にその症状も治まりました。

こういう嫌らしい電気系の修理って、何故か私の担当なんですよね・・・。


11月11は何の日?

カナダ情勢
11 /11 2023
11月11日

11月11日は何の日でしょうか?
日本で調べてみると・・・うまい棒の日、ポッキーの日、もやしの日・・・やれやれ、全く下らないというか何というか・・・。

11月11日というのは、欧米では「第一次世界大戦の停戦が発行した日」であり、それを記念した行事が行われる日なのです。

イギリス、カナダでは戦没者追悼記念日、アメリカでは退役軍人の日、フランス、ベルギーでは休戦記念日、ポーランドでは休戦=独立記念日となっています。
流石に敗戦国となったドイツ、オーストリア、トルコでは行事は行われていない様です。
ロシア革命によって途中で脱落したロシアも何も無い様です。

日本にとってある意味いいとこ取りであった第一次世界大戦ですが、欧米にとっては全く新しい形の戦争として記憶に残っているのです。それまでの戦争というのは、敵と味方の軍隊同士が向かい合い、騎馬戦を行うというものだったのが、飛行機による一般市民への攻撃が行われる様になったのが、この第一次世界大戦の大きな特徴でした。

そして、戦車、機関銃、潜水艦、化学兵器といった新兵器の登場によって今までとは比べ物にならない程の破壊力を人類が経験した戦争でもありました。

ヨーロッパ中が破壊され尽くした中で、自国が戦場にならなかったアメリカが未曾有の経済発展を遂げ、その経験こそが後に第二次世界大戦への参戦とも繋がっているのです。

敗戦国として、戦勝国から壮絶な集団リンチを受けたドイツがナチスを生み出し、第二次世界大戦を生み出しました。

この様に、20世紀以降の正に出発点とも言える重大な出来事で、甚大な被害を被った欧米諸国に比べ、手軽に領土を拡大出来た日本では、その悲惨さが伝わっていない様な気がしますし、世界史でも大して扱われていないのは残念ですね。

だからと言って日本人も・・・なんて言う気はさらさらありませんが、こういう日だということは覚えておいて欲しいと思います。ポッキーの日とかそういう下らないことばかりじゃなくて・・・。

americancars4ever

アメ車のブログとして開設して13年目、車以外にも様々な身の回りの話題を取り扱っています。