プリマス・サンダンス/ ダッジ・シャドウ
プリマスデザイン的にはセダンに見えますが、実際にはリアがハッチバックになっていて、3ドアと5ドアが用意されていました。
同時代のプジョー309も同様のレイアウトとなっていますが、これはクライスラー・ヨーロッパの一部だったルーツ、シムカがプジョーの売却されたのと関係あります。
この車も80年代の定番、Kカーをベースとしたもので、Pボディと言われていますが、実質Kカーの短縮版です。実質、同じくクライスラー・ヨーロッパ主導で開発されたダッジ・オムニ/ プリマス・ホライズンの後継車とも言える存在でした。
エンジンも2.2リッター直4、ターボ、2.5リッター直4、ターボ、そして後に三菱のV6が設定されたのも、この時代の他のクライスラーと同じです。
この車に関しては、当時から殆ど印象も無く、カッコいいとか思ったことも全く有りませんでした。
販売台数も、このクラスで一度しか年間10万台を達成していないことを見ても、間違いなく不人気車でした。
こうやって久々にキレイな個体に接すると、悪くないな…なんて思えてしまいます。裏を返せば、それだけ今の車が魅力ないということでもあると思いますが。
因みにこの車の後継車が、あの「日本車キラー」と言われたネオンということになります。ネオンは1万ドルを切る2リッター車として大いに話題になりましたが、このサンダンスは、2リッターオーバーで9,000ドルの車であったのに、不思議と日本のメディアが騒ぐこともありませんでした。
しかし、この車でいつも思うのは、プリマスというブランドで「サンダンス」という非常に泥臭い名前が付けられていることです。サンダンスというのはワイオミング州にある田舎町の名前ですが、バイクのイベントでも知られた名前で、明らかにワイルドな雰囲気の漂う名前で、ダッジの方が似合っていたのではないか?と思っています。
サンダンスでもう一つ言及しておくべきなのは、後に高性能版として追加されたバージョンに「ダスター」という名前が付けられたことでしょう。元のモデルは、70年代初頭に登場した、バリアントの高性能モデルですが、こんな所で再利用されてしまうとは… 見た目でも差別化されている訳でも無く、アメリカに有りがちな、安易なブランドの再利用でした。