東日本大震災日記(31) 4月6日(水)
連日報道される震災報道に接し、親父達は、悲しんだり、怒ったり、時に感動したりしています。
「東日本大震災日記」として、3月11日から日毎にまとめて公開しています。
2011年4月6日(水) 27日目
88~06年の佐藤氏の知事在任時、福島第1、第2原発で事故やトラブル隠しが発覚。佐藤氏は安全管理に疑問を唱えていたという。
原子力安全・保安院は経産省管轄だが、分離が検討されている。
佐藤氏は言う。
「分離しないといけない。02~06年に原発トラブルなどに絡んだ内部告発が、県に21通も寄せられた。保安院に情報提供しても対応もせずに東電へ情報が流されると、告発者は恐れていた。原発の運転を前提に安全面をチェックしろと指示してきたと指摘されるのも、保安院が経産省の一組織だからだ。」
以下に佐藤氏の略歴及び、福島第一原発と佐藤氏の動きの年表を転載しておく。
【略歴】さとう・えいさく 日本青年会議所副会頭などを経て83年参院議員、88年に福島県知事。5期目途中の06年県発注工事を巡る汚職事件が表面化し、同10月に収賄容疑で逮捕された。無罪主張しているが1審、2審では有罪判決が出て、上告中。02年の東京電力の原発トラブル隠し問題では、原発立地県の知事として、プルサーマル計画への「事前了解」を白紙撤回した。
◆福島第1原発と佐藤栄佐久氏◆
71年3月 福島第1原発1号機が営業運転開始
88年9月 佐藤栄佐久氏が福島県知事に初当選
98年11月 県と地元2町が福島第1原発3号機でのプルサーマル計画受け入れを表明
02年8月 東京電力の原発トラブル隠し発覚
9月 佐藤氏がプルサーマル計画への事前了解を白紙撤回
03年12月 福島、新潟、福井の3県知事が原子力安全・保安院の経済産業省からの分離を国に要請
06年9月 県発注工事を巡る談合事件で実弟らが逮捕された道義的責任を取り、知事を辞職
10月 佐藤氏が県発注工事を巡る収賄容疑で逮捕される
10年8月 福島県がプルサーマル計画受け入れ表明
10月 福島第1原発3号機でプルサーマル発電による営業運転を開始
11年3月 東日本大震災発生
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000036-mai-pol
映画『フラガール』のモデルとなった、今震災被害と原発事故の「風評被害」に苦しむいわき市の常磐ハワイアンセンターのフラガール達が45年振りに全国巡業に出て、笑顔で、復興への願いを発信すると言う。
かって廃鉱に沈む町を救った彼女達が、もう一度ふるさとを救えることを祈る。
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY201104040134_01.html
『フラガール』いい映画だったなあ。
特に印象に残るのは、東京に帰るダンス教師松雪泰子を蒼井優たちフラガールが夜見送るシーンだ。
福島の田舎駅に起きた神秘的とも言える光景が目に焼き付いている。
映画としては『落ちこぼれが集まって、チームを作り、イザコザがありながら最後は団結して目標を達成する』という黄金パターンだ。
ちょっと思い付いただけで
音楽関係で
『リンダ・リンダ・リンダ(2005)』
『ブレス!(1996)』
『スウィングガールズ(2004)』…そういえばこれも東北の話だ
スポーツ関係で
『ロンゲストヤード(1974)』
『メジャーリーグ(1989)』
『ウォーターボーイズ(2001)』
などがある。
私はこれらルーツは『七人の侍(1954)』ではないかと見ている。
『七人の侍』についてある評論家が『どうしようもない混乱に直面しあえて答えを出す勇気』を持った映画だと評していた。
今、福島県浜通り地方に最も必要とされているものだ。
現代のフラガール達の健闘を祈る。
どうも現行の施設にも余力が無く、変換器を増設するにも用地買収からしなければならないし、送電線も増やさなければならない、あるいは隣接地ではなく全く別の所へ設置しなければならいとかで、とても夏に間に合わせるとかはできるものではないらしい。
そうなると逆になぜ一応変換施設があるのか?
現行の100万kwはどうして決まったのか疑問が沸いてくる。
ちなみに原発1基分の出力は大体100万kwらしい。
テレビで誰かが東電と中部電力の境目あたりの企業が、東電から中部電力に乗り換えるものが出てくるのでは?と予想していた。電線は、東電のものをそのまま使い電力の出力元を切り替えるだけだ。
東電も拒否できないだろうとのこと。
節電による一部削減じゃなく、100%削減なので、意外と効果がありそうだ。
グラビアアイドル(この言葉はどうも馴染まん)多田あさみという子が、折鶴での千羽鶴の代わりに大人の千羽鶴しようと呼び掛けて話題になっているらしい。
大人の千羽鶴とは鶴の絵柄の千円札のこと、ようは募金なんだが、千羽鶴に掛けているのがにくい。
http://ameblo.jp/tada-asami/entry-10830603917.html
日本人は性善説に立って行動することが多く、それが治安や効率の良さにつながっていると思う。【H】保安院に情報提供しても対応もせずに東電へ情報が流されると、告発者は恐れていた。原発の運転を前提に安全面をチェックしろと指示してきたと指摘されるのも、保安院が経産省の一組織だからだ。
しかし、こういうケースは逆効果だ。
官僚の都合で物事が進めることができ、そこに企業がつけこみ、経済性の前に安全面が無視されていく。
電力会社は必ず『ミス』『手抜き』『ごまかし』『専門家の意見は都合のいいものだけ採用』するという前提で、安全性を保つ仕組みが必要だ。
こういう時こそ政治家の出番だ。
原子力の専門家は全員原発推進派という状況にどうやって、公平な判断を下すのか?
この課題をクリアしなければ、福島の悲劇は繰り返されるだろう。
既に保安院の見直しは始まっているみたいだね。
YAHOO!ニュース
原子力安全・保安院 経産省から分離…新たな規制機関へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000008-maip-soci
原子力安全委員会と原子力安全保安院を統合し、経済産業省から分離し首相直轄にする案のようだ。
組織としては良いが問題は運用だ。
新組織を原発推進派の巣にしないようどのようなルールを作るかがポイントだろう。
どんなに効率が悪くても是非『性悪説』でやってほしいものだ。
実は私は『性善説』と『性悪説』の二元論を取らないことが重要だと思っている。【A】どんなに効率が悪くても是非『性悪説』でやってほしいものだ。
詭弁めくが,取るべき立場は『性悪』を内包することを容認した『性善説』とでも言えばいいだろうか。
どんな善人だって『性悪』な部分があるし、それを以てただちに『悪人』とは言えない。
まあ、本来の『性悪説』はそんなもんだと思うが、常日頃あまりに両者を対峙させすぎることで、『性悪説』のイメージの純度が高くなりすぎて採用されにくくなっているような気がする。
決して今回の東電幹部を『善人』と言うつもりはないが、仮に他の『善人』が事故の初期段階での決断を迫られたとして、6,200億円が惜しいと言う『邪悪』が頭をもたげるのはありうることだ。
だからこそ廃炉やむなしという決断を自動的にする仕組み作りが重要だと思うわけだ。
二元論の怖さ・落とし穴は確かにある。【H】実は私は『性善説』と『性悪説』の二元論を取らないことが重要だと思っている。
今回の『理性的で礼儀正しい被災者』『プロ意識と使命感にあふれた現場の作業員・消防・警察・自衛官』と『己が利益の為の発想しかせず被災者や現場に寄り添うことができない東電幹部』の両者があまりに対極にあるので『性善説』と『性悪説』の二元論で語ってしまった。
そのこと自体、マスコミの作った二元論的イメージに踊らされている可能性はある。
借り物のイメージを取り去って言えばこうなる。
東電幹部も政府も今回の事態についてあるいは施策について原因や根拠を求められると『原子力の専門家の意見により判断した』と答えている。
まるで免罪符のようだ。
その『専門家の意見』が間違っていた時に責任を取るのは自分達だと言うことを忘れたがっているかのように見える。
いや秘かに免罪を主張しているんだろう。
そしてその専門家は『原発を推進することで利益を得る』人々だ。
本来経営者や政治家はそれらの『専門家』をコントロールし正確な知識を吐き出させ自ら判断するのが仕事のはずなのに、こと原発に関しては自らの判断を放棄しているように見える。
その結果、自らの利益を優先しひん曲げられた『専門家の意見』をそのまま無批判に受け入れている可能性が高い。
例えば今回の事故でも最初専門家は『格納容器から放射性物質がもれることはない』と言っていた。
今となって間違っていたことが明らかになっても遅い。
最初に専門家が楽観論を述べた時点で『自分らの唱えた安全神話に支配されているのではないか?』と疑い、『あえて放射能もれが起きるとしたらどういう場合か?』などと問い詰めるべきだろう。
そして理解できるまで何度でも説明させ『ごまかし』や『言い逃れの準備』の気配を感じ取り、さらに突っ込み公平な意見を引き出さなくては正しい判断はできない。
『専門家の意見』抜きでね。【H】だからこそ廃炉やむなしという決断を自動的にする仕組み作りが重要だと思うわけだ。
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