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チコちゃんに叱られる(2) 鏡

AvatarA「ちこちゃんに叱られる(1)校長先生の話」
そのチコちゃんが、あの鏡問題
「鏡の国のアリスPART5 SNSで問いかけてみた」他(カテゴリー「鏡の国」参照)
を持ち出してきたので、思わず身を乗り出した。
曰く
「鏡に映った姿は上下は逆転しないのに、左右は逆転するのはなぜ?」
答えはなんと
「よく分からない」
だった。

物理学上は明確で
「前後は逆転するけど上下左右は逆転しない」んだそうだ。
じゃあ何が「よく分からない」のかというと、心理学的に説明ができない、ということらしい。
物理的に左右は逆転していないのになぜ人は逆転していると思ってしまうのか?が分からないとチコちゃんが言う。

例えば、バックミラーに写る車のウィンカーは、左が光ったら、見た方も左が光ったと思う。
何でウインカーの左右は逆転せず、右手左手が逆転したと思ってしまうのかが、心理学上の説明がなされていない、ということのようだ。

なるほど心理学上の謎だったんだね。
物理学者の朝永先生が困るはずだ。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡の国のアリス PART5 SNSで問いかけてみた

AvatarA
鏡の国の話は、隘路にはまって、尻切れトンボになっているね。
なんか引っかかりはあるが、議論を再開するきっかけがないまま今日に至っている。

最近、社内SNSで鏡の話題が出たので、ふと思いついて、朝永博士の問いを投げかけてみた。
そしたら、いくつか回答が寄せられた。
色々な意見があり、触発される部分もあり、それをまとめてみた。
すると、結構スッキリした。


まず朝永博士の問いを復習しよう。

鏡の中では左右は反対になるが、上下は反対にならない。
その理由を説明するのは、どうも奥歯にものがはさまった感じでうまくいかない。


でもってSNSの反応を朝永博士への解答としてまとめたのが以下です。

朝永博士へ

鏡像の左右は逆転してません。
裏返しなので左手が右手に、右手が左手に見えてしまうので、逆転していると錯覚しているだけです。
人は、鏡に写った自分の姿を裏返しの鏡像ではなく、左右に180度回って見た姿だと思ってしまいます。
そう思って見ると自分から見て右側に(鏡像の)左手があるので、逆転していると思ってしまう。
しかし実際には鏡の中では、右手は右側に左手は左側に映っているので逆転していません。
鏡像は前後は逆転するけど、上下左右は逆転しません。
つまり朝永博士の問い自体がフェイクだと言うのが私の見解です。


どう?
ここから派生して議論は続けることは可能だけど、一旦一区切りつけてもいいような気がするんだけど。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

野球場の左右 =鏡の国のアリス 番外編=

AvatarH2
野球場の左右が今の形なのは誰の視点だろうか?

(厳密に言うと横向いてるけど)打者?

捕手?

バックネット裏の客?

俯瞰で観た設計図?

但しその場合もなぜ扇の要が下(手前)なのかって疑問はあるけど。

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テーマ : 野球全般
ジャンル : スポーツ

路線図 =鏡の国のアリス 番外編=

AvatarH2

鏡の問題はかなりの部分左右という概念の問題だと思う。
鏡でなくても他人と相対した時に、しばしばどちらにとっての左右を基準として採用するか迷うことがある。
それでも、他人なら比較的スイッチの切り替えはしやすいが、鏡で自分の姿を見せられると、こちら側の概念が消せなくなり違和感が残るという部分もある。

さて、左右は他の方向を示す概念の影響を受ける。
上下の影響も受けるが、ここでは前後に絞って話を進める。
前後が決まらないと左右は決まらないのだが、では前後は何で決まるかと言えば、顔、中でも目のある方を前だと感じる。

生物以外でも、擬人化して顔が設定できると左右を感じることになる。
車しかり、電車しかりだ。建物においてすら、正面玄関という言い方で、顔を設定している。

自分のいる会社を友人が訪ねて来るとする。
自分の部屋を教えるのに、玄関を入って来る相手に対して、例えばエントランスホールの奥にエレベーターがあるとして、わざわざ「エレベーターに向かって」右などと注釈をつけたりする。
玄関を顔に見立てて建物自体の左右をも、どこかで意識しているからだ。

顔を感じないで方向を示す要素を持つものはないか?例えば電車の壁に貼られた路線図はどうだ?
真ん中に大阪、右に京都、左に神戸を示す線が書いてあるとして、それをわざわざ、京都は「路線図に向かって」右にあるとは言わないだろう。

また少し抽象的になるが、例のシーベルト、絶対的な線量の基準ではない。
ベクレルがあってそれぞれの年令、部位に対する係数があって、初めて仕事量、シーベルトが決まる。

なのにそれを以て線量を測ろうとして起こる混乱は、前後があって、それに対する角度があって初めて決まる左右で方向を表わそうとして起こる混乱と、ほんの少し通じるものがあるような気もする。

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テーマ : ことば
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡の国のアリス PART4 前提条件を整理して見ると・・・

AvatarA
遅くなりましたが、『鏡の国』の前提条件のまとめです。

まず、議論の前提条件を整理する。

前提1

実体と鏡像は鏡面に垂直方向について位置が逆転する。

『鏡面の奥に広がると仮想される空間は鏡面を挟んで実体と面対称の関係にあり、垂直方向の要素が逆になった像を結ぶ。』ことを指す。

例えば、実体側からみて後頭部(実体)→顔(実体)→鏡面→顔(鏡像)→後頭部(鏡像)とならび、後頭部と顔の順序が、実体と鏡像で位置が逆転している、ことを指す。

これを『位置の逆転』と呼ぶ。


前提2

方向の定義

上下…頭~足で判断
前後…顔~後頭部で判断
左右…顔と平行に掲げた時計盤で頭側に12時を持ってきた時に3時が左で9時が右
(鏡像の左右判定に適用する場合に鏡像の裏返った時計盤ではなく実体側の時計盤を鏡の国に持ち込んで判定するものとする)


前提3

逆転の定義

上→下、前→後、左→右に引くベクトル(方向)が、実体と鏡像で逆向きになっている状態。



次に上記前提を朝永博士の問い『鏡に向かって立つと上下は逆転しないのに左右は逆転するのは何故か?』に当てはめて、前提の正しさを検証する。

鏡の国に持ち込んだ時計盤の3時は実体側から見て右側で9時は左側だ。
よって左右のベクトルは、実体側と鏡の国で逆方向を指している。
又、時計盤の12時/6時の上下のベクトルは同じ方向(床方向)を指している。

つまり『上下は逆転しないのに左右は逆転している状態』だ。
この前提は朝永博士の問いの状態に合致している。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡の国のアリス PART3 前提条件を明確にする為の議論

『鏡の国のアリス』は、6月25日のPART2以来議論が続いています。
まずは前提条件を整理した部分を公開します。(長文です)
近々まとめをPART4として掲載します。
今回分をすっとばしてそっちを見ていただいても話はつながります。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡の国のアリス PART2

AvatarH2

鏡での逆転を考える内、普段何気なく使っている3次元の方向を示す上下・前後・左右がそれぞれ成り立ちも性質も違うことに気がついた。

上下は繰り返し述べたように、重力により位相が固定されているので絶対座標からの借用ですませている。

前後は目の位置で簡単に決まる。

左右は前後が決まってからそれに付随して決まる。

また、絶対座標としての上下は特殊な状況(鏡を差し上げる)をつくらないと鏡面でも逆転しないし、相対的には逆転している状況は他にも作れる(うつ伏せで鏡を見る)が、相対的な概念を表す言葉がないから認識されない。

前後は目によって決まるわかりやすいものであるし、頭の後ろに目はないから認識も限定されている。

それにくらべて左右はあいまいな概念故悩ましい。

それらしいことを言い方は違えど、繰り返し書いてきたが、前後と左右にはもう一つ大きな違いがあることに気がついた。

鏡での逆転は光の性質によるものが加わってより話が複雑になるので、相対した二人の人間を例に取りたい。

こちら側にとっても相手にとっても上下は同じ。
こちらの右側は相手の左側で、逆転している。

では前後はどうか?

こちらにとっての前方は相手にとって後方で、実は逆転している。

なのに左右だけが問題になるのはなぜか?

前後は簡単に逆転するので混乱しないのに、左右ははっきりしないからではないか?

相手の体に何か付いているのを指摘する場合、頭の後ならばすぐ相手の位相に立って後ろに付いてると言うだろう。
車で道を譲れと言う場合にも下がれと言う。

鼻の横に付いてる場合、特に意識しなければ自分から見た左右を言う方が多いのではないか?

あえて注釈付きで言うかもしれない。

肩や手など属性がはっきりしている場合、相手の側の位相で言う場合が増えるような気がする。

逆転しない上下、逆転しやすい前後、あいまいな左右となってる。

外部の重力で決められている上下、人間自身の目の位置で決まっている前後はそれぞれはっきりしているが、左右前後に付随している上に、対称で形状は同じなのが原因か?

先にも書いたが、もし右が鉤爪で左が鋏ならどうか?

その場合、鉤鋏ではなく方向を示す言葉は別に作られたような気はする。
例えば3時、9時のように。

でも成立は随分遅れるような気がする。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

鏡の国のアリス PART1

AvatarA

広瀬正の遺作は『鏡の国のアリス(1972)』だ。

左利きの青年が、左右が逆転したパラレルワールドに迷い込む。
そこでは彼は右利きだ。
左右が逆転したことによる不思議な体験を描く気軽に読める話だ。

その冒頭朝永振一郎博士のエッセイが引用されている。

「鏡の中では左右は反対になるが、上下は反対にならない」

博士はこれを解説しようとするが「どうも奥歯にものがはさまった感じでうまくいかない」。

Hは、うまく説明できる?

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テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

spacecowboys A H

Author:spacecowboys A H
Space Cowboys は、2人の親父です
"A" システムエンジニア・
   中日ファン・世情に疎い
"H" 総務畑・てっちゃん・
   阪神ファン・雑学が得意
2人ともイーストウッド好きの還歴男

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