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思い出の映画館(06)三劇

AvatarA三劇は阪急三宮駅の高架下にあった、東宝の封切館だ。

1979年の秋、簿記の検定試験を受けた帰りに、三劇で黒澤明の時代劇をリバイバル上映していたのを観た。
『隠し砦の三悪人』(1958)『用心棒』(1961)『椿三十郎』(1962)という痛快活劇3本立だった。
その面白さにすっかり黒澤映画のトリコになった。

3本立を観て、三劇から出てきた時、私は三船敏郎に成りきっていた。
スポーツ新聞を丸めて刀のように持っていたが、野良犬の一匹位は新聞でたたっ切れそうな気分だった。
これをきっかけに映画ファンになった私は、翌日から、手当たり次第に映画を観まくった。
大学2年生1979年40本、3年生1980年100本、4年生1981年250本というハイペースで映画館に通った。

また、小学生の頃は、毎年ゴジラ映画が封切られた。
それを観るのも三劇だった。

三劇は、阪急高架下に広がる阪急三宮楽天地内にあった。
暗くなってから劇場を出ると、赤提灯揺れる飲み屋が垣間見えた。
阪急三宮楽天地には前に紹介した喫茶ジャヴァもある。

忘れ得ぬ店たち(13) 茶房ジャヴァ(JAVA) (2021.4.21)
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

思い出の映画館(05)新劇会館

AvatarA新劇会館は新開地東口の南に並んでいた映画館の1つだ。

いわゆる二番館に位置づけられる映画館で、ロードショーから数か月経った新作映画を2本立てで上映していた。
金のない時は、ありがたい存在だった。
(新開地界隈の映画館はありがたい映画館が多かったなあ)

私は二十代の頃、アーノルド・シュワルツェネッガーのことをスタローンの二番煎じの筋肉バカと思っていた。
作品を観もしないで、敬遠していた。
この為、『ターミネーター』(1984)のような重要な作品を観るのが遅れた。
しかし、この劇場で『プレデター』(1987)を見て大いに見直したものだ。
馬鹿にしていたシュワルツェネッガー作品なのに、何で見に行ったかと言うと。
『プレデター』の予告編を観たからだ。

ジャングルの中で次々に殺される兵士達。
「宇宙からやって来たプレデター。
怪物的な強さで、人間狩りを楽しむ。
しかし、今度は襲う相手を間違えた!」
というナレーションに続いて、シュワルツェネッガーがアップになる。
シュワルツェネッガーが人間扱いされていない惹句に引き込まれた。

この後流行る「ちょっかい出した相手は殺人マシンでした」もののはしりだ。
キアヌ・リーヴスの『ジョン・ウィック』(2014)やリーアム・ニーソンの『96時間』(2008)などの系統だ。


新劇会館では、私史上最大の肩透かしも食らった。
以前に話題にした『世界崩壊の序曲』だ。

美人なのに、、 ベロニカ・ハメル (2013.7.14)
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テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

リアルサザエさん

AvatarAアニメのサザエさんは、頭がまん丸だ。
正面から見ても、真横からの見ても、頭部がほぼ真円だ。
「そんなヤツはおらんやろ」と思ってた。

しかし、いたのである。
フジテレビの朝8時からの情報番組「まざまし8」メインキャスター谷原章介の相手役を務める小室瑛莉子アナウンサーがそうなのだ。
正面のカメラに話す時と、横に立つ谷原章介に話しかける時の頭の位置・輪郭が全く同じなのだ。
髪をショートカットにしてからは、横顔の丸さが際立ち、ますますサザエさん化している。
そういえば「サザエさん」も「まざまし8」もフジテレビだ。

テーマ : アナウンサー
ジャンル : テレビ・ラジオ

思い出の映画館(04)SABホール

AvatarA西梅田駅からドージマ地下センターを南に下っていくと、SABホールの連絡口がある。
普段はテレビやラジオの公開放送の収録をしていた。(『ヤングオーオー』など)

たまに新作映画の試写会や名作映画観賞会が行われた。
大学生の頃、Dと黒澤映画の鑑賞会に行ったことがある。

「黒澤現代劇の三大傑作」と銘打って『酔いどれ天使』『生きる』『天国と地獄』をオールナイトで上映した。
3本とも初見で、すごく感銘を受けた。
特に2番目の『生きる』には圧倒された。
他の観客も感銘を受けた人が多かったようで、2本目の上映終了時に自然発生的に拍手が沸き起こった。
私も拍手したと思う。
これまで何百本も観たけど、映画館で拍手が起きたのはこの時だけだ。

3本目の『天国と地獄』も感動したが、拍手は起きなかった。
みんな心を動かされたとは思うが、仲代達也と山崎努の悪魔的な芝居のせいか、素直に拍手する気にならなかったのだ。
あるいは、オールナイトの3本立てだったので、眠たかっただけかもしれない。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

思い出の映画館(03)朝日会館

AvatarA子供の頃、ディズニー映画を観に行ったのが、朝日会館だ。
元々は劇場だったみたいで、スクリーンの前の舞台が広かったのを覚えている。
旧居留地の北側の道路に面した建物は重厚だった。
父の勤めていた貿易会社は朝日会館に事務所を借りていた。
その部屋は劇場だった時代には、楽屋だったそうだ。
1992~1994年にビルの建て替えが行われ、1995年の阪神大震災では大きな被害を受けなかった。
ただこの建て替えで朝日会館という映画館は無くなり、地下にシネリーブル神戸という小さな映画館ができた。

映画館の外には、神戸ハイボールというこじゃれたバーや、朝日新聞神戸支社、サンパウロという大きな喫茶店、洋品店、小料理屋などが入っていた。
私の勤めて居た会社も旧居留地にあったので、ここの小料理屋でよく昼飯を食ったものだ。

建て替え前の朝日会館で観た映画で記憶に残っているのはやはりディズニー作品だ。
ただ私が良く通った1960年代はディズニー低迷の時期だった。
その中で印象深いのは、アニメーション映画ではなく、実写映画だった。
『三匹荒野を行く』『黒ひげ大旋風』『メリー・ポピンズ』などだ。
特に反発力が驚異的に高まるゴムを発明した大学教授が、それを使って母校のバスケチームを勝たせる『フラバア』はキャアキャア笑いながら観た。
ディズニー以外では『ET』『ロッキーⅢ』『シャイニング』なんかもここで観た。

シネリーブル神戸になってからは、『アフター・スクール』『鍵泥棒のメソッド』『この世界の片隅で』などの秀作を観た。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

思い出の映画館(02)神戸東宝

AvatarA新開地東口を地上に出て、南へ歩くと映画館がたくさんあった。
キネマクラブ、新劇、新劇会館、神戸東宝、神戸シネマ、神戸名画等々。、

1980年頃、神戸東宝は神戸で最大のスクリーンだった(多分)。
座席が大きく背もたれが高く、くすんでいたけど高級感があった。
1956年の開館当時は、おそらく東宝の封切館の中心の位置付けだったんだと思う。
『天国と地獄』のような大作をかけるのに相応しい映画館だった。

しかし、私が映画を手当たり次第に見始めた1980年には、すっかり寂れていた。
封切館ではなく、リバイバル館 or 名画座の位置づけだった。
料金が異様に安かった。
3本立で150円(1本当たり50円!)という時もあった。

ここで黒澤の『生きる』のリバイバル上映があった時は、3日連続で通った。
志村喬が「ゴンドラの唄」を歌うシーンが忘れられない。
大スクリーンいっぱいに志村喬の顔が映された。
黒澤の圧倒的な表現力に引き込まれた。

小林信彦が「黒澤は大画面で見なきゃダメ」というのが良く分かる。
それは『七人の侍』や『隠し砦の三悪人』のようなアクション大作に限らないのだ。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

最近の歌番組

AvatarA最近のテレビの歌番組って、古い歌が歌われることが多いよね。

1970年代以降のヒットソングを最近の歌手が歌うパターンだ。
芸能人カラオケ大会の様相だ。
我々が若い頃のヒット曲がよく歌われるので、思わず見てしまう。

ジャンルや世代を超えてヒットする歌が無くなったせいだろうか?

そういう番組では、1960年代以前の歌(我々が若い頃のナツメロ)は、ほとんど取り上げられない。
なんでだろうね。

テーマ : 懐かしい歌謡曲
ジャンル : 音楽

思い出の映画館(01)湊川温泉劇場

AvatarA新開地東口を地上に出て、湊川商店街を北へ5分程歩くと湊川温泉があった。

銭湯・サウナ・マッサージ・映画館・食堂・理容室などが集まった家族向け総合娯楽施設だ。
映画館は2館入っていて、3階にあったのが湊川温泉劇場。
弐番館でインディ・ジョーンズシリーズ第一作の『レイダース・失われた聖櫃』はここで観た。

もう1館は地下にあり、私が大学生の頃は、ポルノ映画を上映していた。
開業当初は普通の名画座だったんじゃないかと思う。
1980年代になっても、時々昔の名画がかかっていた。
小津安二郎の傑作『麦秋』はここで初めて観た。

いったいどこから手に入れたのか、封切り当初のポスターが掲示されていた。
ポルノ映画と並んで小津映画のポスターがあって「芸術の薫り高い名作」とか惹句が入ってた。
商店街側の入り口から入ると、確かに地下なんだが、裏側(西側)から入ると1階だった。
湊川商店街は、天井川である湊川を埋め立てた土手に作られた道だから周囲より数メートル高かったのだ。

我々が十代の頃、映画館では上映前に他の客の邪魔になるので「帽子をお取りください」とか、「タバコはお控えください」とアナウンスが流れたよね?
「そんな奴はおらんやろ」と思ったものだが、湊川温泉では、帽子かぶったり、煙草をくゆらせる客がいた。

湊川温泉の印象が強かった理由はほかにもあった。
入り口の右側にはストリップ劇場があり、左側には古本屋があったのだ。
ストリップは見なかったけど、古本屋では野球関係の本や古い漫画をたくさん買った。
1970年前後の雑誌「ガロ」で白土三平の『カムイ伝』や貸本時代の水木しげる作品を買ったものだ。
貸本時代の本は最終ページに貸本屋の名前が書いてあったりした。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

思い出の映画館(00)映画館の記憶

AvatarA大学四年の時(1981年)、映画館やホールで年間約250本映画を観た。
(それ以外にもテレビで100本ぐらい観たはず)
そしてその250本のほとんどについて、どこの映画館で観たのか憶えていた。
なんでもすぐ忘れてしまう私にしては、驚くべきことだ。
就職して10年位は、タイトルを聞けば、観た映画館が思い出せたものだ。

あれから40年たった今、映画の記憶はあっても、鑑賞した映画館をほとんど思い出せない。
映画館自体の記憶が無くなったのではなく、映画と映画館のリンクが切れちゃった感じだ。
残念なことにこの40年間で味のある映画館がどんどん無くなっていった。

虫食いだらけの映画館の思い出を引っ張り出し、虫干ししてみようと思う。
映画からそれを観た映画館は思い出せなくても、逆なら少しは思い出せる気がするのだ。

テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画

手練れの女子アナ

AvatarAテレビのニュースや情報番組で女子アナが話題を紹介する際の表情の話なんだけど。

凶悪事件を伝える時は、厳しい表情をしている。
微笑ましい話題なら、微笑を浮かべて話す。

この2つの話題を連続して話すときの女子アナの表情が気になる。

厳しい表情で話していた女子アナの表情が急ににこやかなものに変わる。
それが手のひらを返したような表情の変化の為、観ているこっちは直前の厳しい表情が嘘に思え、白けるのだ。

しかし女子アナの中には手練れのものがいる。
表情の変化を自然に行い、白けさせないのだ。
たとえば高島彩がそうだ。

凶悪事件の話題を終え、次の話題を読み始めるわずかな時間で表情を変化させる。
ほんの1~2秒の間に、厳しい表情を徐々に緩め、一旦無表情にし、徐々に微笑みを浮かべるのだ。
この「手のひら返し」ではなく「徐々に表情を変える」のが良い。
さっきまで厳しい表情が、次の話題の最初の文章を読み終わるころには、微笑に変わる。
これを自然に行うのだ。

それが原稿を読みながらなんだから恐れ入る。
以前に紹介した『狂へる悪魔』のジョン・バリモアばりの芸当だ。



『狂へる悪魔』のジョン・バリモア (2020.6.28)
http://spacecowboys33.blog130.fc2.com/blog-entry-4307.html

テーマ : 女子アナ
ジャンル : テレビ・ラジオ

プロフィール

spacecowboys A H

Author:spacecowboys A H
Space Cowboys は、2人の親父です
"A" システムエンジニア・
   中日ファン・世情に疎い
"H" 総務畑・てっちゃん・
   阪神ファン・雑学が得意
2人ともイーストウッド好きの還歴男

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